劇場公開日 2024年4月26日

「ブラッシュアップ版昭和ゴジラ」ゴジラ×コング 新たなる帝国 シューテツさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ブラッシュアップ版昭和ゴジラ

2024年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あ~、面白かった!!
映画の感想は以上なんですが(笑)これだけで終わるのもなんですから、もう少しだけ書き足しておきます。

と言いつつ、ゴジラ関連の作品の感想を書く時に毎回繰り返し同じ事を書かなければならないので申し訳ないのですが(一応、私の文章を初めて読む人も想定して)、但し書きも加えながら今回も書いておきます。
で、これは日本の昭和・平成ゴジラに限定しての話ですが、私は「ゴジラ映画には2種類あり、第1作目のゴジラ映画とそれ以外の全てのゴジラ映画との2つである」と言ってます。
手っ取り早く説明すると、1作目だけが大人向け、他は低年齢層向けと大別すると考えやすくなるという意味です。
(厳密に言うと“平成ゴジラ”は子供映画でもありながら、昭和ゴジラ映画好きを引きずったゴジラオタク御用達映画でもある)

1955年生まれの私は、第1作目は生まれる1年前の作品なのでリアルタイムでは見れなかったのですが、それ以降の怪獣ブームになった真っ只中で幼少期を過ごしたので当然私も怪獣大好き小学生であり、怪獣映画に大きな影響を受けた一人でありました。
そんな私でも中学生の頃になると流石に怪獣映画は幼稚に感じ、ゴジラ映画を劇場で最後に見たのは『怪獣島の決戦/ゴジラの息子』('67)辺り(私が12歳の頃)が最後だったと記憶しています。
その後の日本のゴジラ映画は(テレビで見たかも知れませんが)全く興味が湧きませんでした。

そしてやっと本作の話になるのですが、このアメリカ版モンスターバースシリーズってのが、丁度私が見た頃の昭和怪獣映画のエッセンスが詰まっているのですよ。(特に『キングコング:髑髏島の巨神』辺りから)
但し映像面でのクオリティが昔の昭和特撮映画とは雲泥の差なので大人が見ても楽しめるし、子供心が蘇り懐かしさに浸れるのでしょうね。まさに映像技術によりブラッシュアップされた昭和ゴジラ映画の復刻的な内容でした。
これこそが、このモンスターバースシリーズの狙いというか意図するところであり、大人の子供心をくすぐりつつ、尚且つ大人の鑑賞に堪える映画を目標に作りたかったのでしょう。そういう意味では本作は大成功だと思いました。

でも、だとしたら上記した私の言う“子供映画”“大人映画”の違いって早い話“ルック”だけの違いなのか?という疑問が生じてしまうのですが、この辺りを深堀りすると話がややこしくなるし、別の分野にまで(アート映画とエンタメ映画等々)広がる話なので今回はこれ以上の考察は止めます。
でも簡単に言うと人間として心の奥の何処かに響くモノは年齢など関係なしにありますから、それをどんな表現でも幾つであっても感じ取れるか取れないかの個別差だけの問題の様な気がします。

あと、最近の日本製『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』の成功は、1作目以外の昭和・平成ゴジラと全く違うコンセプトで作った事による成功であって、ハリウッド版のコンセプトにすると、また令和ゴジラと呼ばれる様なマニアにしか受けない失敗作になっていただろうと想像します。
要するに、最近のゴジラ作品は日米ともに賢く観客の要望に応えたからこそヒットしたのでしょうね。

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シューテツ