「コングのフルコース 〜ゴジラと雑魚モンスターを添えて〜」ゴジラ×コング 新たなる帝国 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
コングのフルコース 〜ゴジラと雑魚モンスターを添えて〜
モンスターバースのシリーズ5作目ということで、今回も巨大モンスターたちの大暴れを期待して公開初日にIMAXで鑑賞してきました。期待に応えるバトルてんこ盛りの作品で、最後までしっかり楽しめました。
ストーリーは、未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを検知した頃、特殊なテレパシーをもつイーウィス族の生き残りであるジアも何かを感じ取っており、そこに巨大モンスターたちの異変を危惧した、モナークのコング研究主任であり、ジアの養母でもあるアイリーンは、仲間を伴って地下空洞の探索を開始し、そのシグナルの真相に迫るというもの。
過去作をあまり覚えていない状態での鑑賞でしたが、特に困ることはなかったです。初見でも、多くの巨大モンスターが生息する中、ゴジラが地上、コングが地下空洞の覇者として君臨し、それらの活動をモナークという機関が調査研究しているという世界観だけ理解できればOKです。登場人物も少なく、作中で語られる情報だけで、相関関係も概ね把握できると思います。
言い方をかえれば、細かいことは気にせず、ひたすらモンスターバトルを楽しむことに全振りした作品だということです。ストーリーはあると言えばあるのですが、基本的にモンスター同士を戦わせるための口実程度の内容なので、そこに深みはありません。あえていえば、ジアとアイリーンの親子関係、孤独なコングの仲間探し等、家族の絆を感じさせる物語ともとれますが、それもうっすら感じる程度のものです。
でも、問題なし!そうしてお膳立てされたモンスターバトルは、胃もたれするほどお腹いっぱいの大満足レベルです。冒頭からコングとゴジラが、自己紹介がわりに巨大モンスターをねじ伏せ、その後も地下空洞や世界各地で大暴れします。その相手も多種多様で、一度のバトルだけで退場させるのが惜しいほどです。CGとVFX全開で繰り広げるバトルは圧巻の一言ですし、全身に響くモンスターの咆哮も臨場感マシマシです。やはりこの手の作品はIMAXとの相性が抜群です。
ただ、コングとゴジラが同等に扱われていないのは、ちょっと不満です。コングは人格や思考がしっかり伝わり、愛くるしい描かれ方であるのに対し、ゴジラはそのあたりはやや薄いし、造形もなんだかかわいくありません。まあ、アメリカ作品なので仕方ないですね。あと、敵のスカーキングが憎々しい存在ではあるのですが、強大さを感じさせるものがなかったのも残念です。もっと圧倒的な存在だとよかったです。とはいえ、モスラも登場したし、全編クライマックス級の出し惜しみなしのバトルを堪能できたので、観たいものを観られたという満足感は味わえます。
キャストは、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ケイリー・ホトル、ダン・スティーブンス、ファラ・チェンらですが、主演はやっぱりコングでしょう。