「偉大なカリスマと熱血バカのマリアージュ」キングダム 運命の炎 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なカリスマと熱血バカのマリアージュ
前作「遥かなる大地へ」のレビューでも書いたが、とにかく出来る限りバカデカい大画面で観てこいよ!の一言に尽きる。特に映画後半合戦場のシーンは、熱量もテンションもメガマックス。
これも多分前に一回書いてると思うんだけど、戦場の人数がハンパないのよ。馬も人も入り乱れて、敵も味方ももみくちゃで、地響きが凄いのよ。ぶっちゃけそれだけでお釣りが来るほど面白い!
映画「キングダム」とは偉大なカリスマと熱血バカのダブルエンジンでどこまでも突っ走って行く、そんな映画だ。
単純で直線的な信がテンションで仲間や観客を引っ張り、色んな人に「生かされて」きた嬴政が死んでいった者たちの願いや思いを受け止めて、今生きている人々を引っ張っていく。
言い方を変えればアクション面で信が、ドラマ面で嬴政が、それぞれ映画を牽引していくのだ。
嬴政役の吉沢亮はカリスマのある役を演じたら天下一品、漫画と同じ構図なのかもしれないけど、アップになった時の目が良い。
「目は口ほどにものを言う」と諺にあるけど、王騎と対峙した時の微かな瞼の動き、月を眺める時の穏やかで澄んだ瞳、自身の亡霊に怯えて自嘲する暗い目、どれも相当の表現力を要求されると思うけど、当然のように嬴政として演じきれる。それが、ドラマチックでエモーショナルな流れを映画に与えてるんだよね。
趙国脱出の最後、紫夏との別れのシーンは涙なしでは観られんかった…。
そして、ここから怒涛の合戦パート。前作まではあまり見られなかった、陣形を上から俯瞰する視点があるのが良い。陣形や戦術の解説が入ることで、合戦の面白みはグッと増した感じ。
で、何度も言うけど馬蹄の音よ!あの音を聞くだけでも映画館に行く価値があるね。そして大量の人馬が陣形ごとに動く様、兵と兵の隙間を縫って突っ込んで行く飛信隊のアクション!
側面から横撃する信のスピードも凄い、特に後ろから信を追うように撮っている場面、まるでラグビーの試合をフィールドで走りながら観てるかのような疾走感がたまらない。
少なくとも走るシーンは信役の山崎賢人本人だからね、あれだけ走れるって凄いことよ?!
前作「遥かなる大地へ」のエンディング後、もの凄い盛り上がったテンションを釣り銭付きで返してもらったね!
で、最後に。キングダム4、めちゃめちゃ待ってます!もうこれ、どう考えても「キングダム運命の炎 前編」でしょ!めっちゃ良いところで終わるじゃん。続き気になるじゃん。映画館で観たいじゃん!
もちろん最初の「キングダム」から面白かったけど、本数増えるごとに面白くなってるからね~。
というわけで、マジで続編作って欲しい!必ず次回も映画館の一番デカい画面で観る!