劇場公開日 2023年7月28日

「惜しい!「泣かせ演出」のみ三流と言わざるを得ず。」キングダム 運命の炎 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0惜しい!「泣かせ演出」のみ三流と言わざるを得ず。

2023年8月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

いったいどこまで続くか興味が尽きない(笑)、実写版キングダムの第三作目です。

当方、原作漫画は長すぎて手付かず、アニメはなんとなく敬遠?・・・しかし!映画版シリーズ2作目まではしっかり映画館で鑑賞してまいりました。

邦画の実写アクションもので大画面こそ映える作品は、最近ですとるろうに剣心シリーズとこのキングダムが筆頭に挙がりますよね。集団戦でも個々の戦士ごとに個性的な戦い方をしてくれたのが非常に印象的でした。彼らのスピード感溢れる体捌きや剣戟を体感できて終始鳥肌ものでした。

特に乱戦では埋もれてしまうかな、と心配だった羌瘣ちゃんの演舞の様な殺人剣も健在で、今回は少ない見せ場でしたが存在感アリで良かったです。戦地でこそ冷静で視野が広く隊長の信や隊員を陰ながら支える百人隊副将としての資質もばっちり示されていて、一ファンとして嬉しかったです。

また、今作では信が隊長をつとめる精鋭特殊部隊?の飛信隊(漢字表記合ってますよね?)が、天下の大将軍である王騎より名を授けられます。

農民兵が大多数の寄せ集め隊である飛信隊が、力と心を合わせ王騎の巧みな戦略に沿いその期待に応えて躍進する様は、信や羌瘣というより、「故郷を思う名もなき農民兵」のほうに心が重なる部分が多々あり胸熱な展開でしたね。

この後半のアクション、戦略シーンは大変高く評価したいのですが・・・反面、前半の「若き秦王」が、中華統一を成さねばならぬ理由を回想シーン交えて語るパートははっきり言うが冗長です。
しかも、「はい、皆さん泣きどころですよ!」と、言わんばかりのムード楽曲、泣き叫ぶ演技・・・人がわんわん泣くとこ観せて観客を泣かせるのは三流の演出と断言できます!

こういう安い演出は作品全体の価値を落とします。当方の持論に過ぎませんが演出家と監督は今少し勉強していただきたいです。

で、評価としてはマイナス1点ですが、良作にはちがいありませんので、映画館で是非ご鑑賞を!

やまちょう