君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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遺言
スタジオジブリ
宮崎駿の代表作
「風の谷のナウシカ」制作のため
東映動画が作った「トップクラフト」
スタジオを徳間書店の出資で引き継ぎ
1985年に設立
「となりのトトロ」「魔女の宅急便」
などを生み出すが制作毎にスタッフを
雇用しては解散で歩合制だった業界に
「会社員の待遇で制作できる環境」
を目指したがそれも「もののけ姫」
後に独立するスタッフが増え崩壊
再び作品毎雇用となるがその後
綱渡りで作った「千と千尋の神隠し」
が大ヒット
しかし宮崎駿頼みの制作体制に
限界は明白で
その後は興行的にも振るわず
(ハウルくらいまではそれでも
黒字だったそうですが)
テーマパーク「ジブリパーク」
の開設などもあったが話題性に
乏しい現状が続いていた
そんな中公開された
「風立ちぬ」以来10年ぶりの
氏監督脚本による今作
広告宣伝一切無しで今週
公開なことも世間は気がついてない
雰囲気な中どうだったか
「君たちはどう生きるつもりだ」
と宮崎駿に120分延々説教されるのを
覚悟して映画館へ向かいましたが…
あっ?…えっ…こんなわかりやすく
作ったんだという感じでした
ややこし感ももう慣れてますし
そう言う意味では
目新しさは感じませんでした
または予想通りというか
細かな部分は色々考察が
あるでしょうがまぁ
まず物語の始まりは宮崎氏の
幼年期の年代が舞台で
あの空から落ちてきたって塔
その先に広がる生も死もない世界は
宮崎氏の創作の世界でしょう
ポイントは最初の戦時中の
世界も現実世界ではなく
あくまで創作上の世界で
あるということ
だから取って付けたように
ヒロインとして若い頃の母が
あてがわれたりします
大叔父様は氏本人
もう老いて作り上げた世界が
崩壊しかかっているところで
同じ遺伝子を持った子孫
(ジブリで育ったアニメーター達)
に引き継いで欲しかった
でもそれは拒否され
混沌とした元の世界
(現世のアニメーター達が生きる世界)
へ帰るって事なんでしょうね
最後までこだわってた
インコの王はさしずめ鈴木P
でしょうかね
「鈴木さんもう終わりにしよう」
それを作品の中でやりました
眞人や母が世界へ帰って行く
扉の番号とかなんか意味が
あるんでしょうね
まあ今流行の
マルチバースしっかり
取り入れてるようにも感じました
大叔父がいた空間もあたかも
ゼーレ本部のゲンドウがいたとこ
みたいでもあります
個人的に印象的だったのは
眞人が学校でケンカした後
父がダットサンで戻ってくる
シーンのクルマの動き
中割りが全然出来てなくて
ガッタガタなんですが
ここかつての盟友だった
大塚康生さんだったら
ヌルヌルに動いたんだろうな
って凄く感じてしまいます
そう感じさせようとしている
ようにすら受け取りました
もちろん今作にはジブリで
育った高坂希太郎氏や吉田健一氏
田中敦子女史など今更言うまでもなく
一流アニメーターの方々が
関わっていますから
もっと出来たはずなのに
そうしたと
よくアニメ業界を
食べれる環境を作らずに
アニメは後継者育成に失敗した
とかどこの誰だか知らんやつが
オワコンメディアで好き放題
言ってますが
それを観て感動した人が
その世界に飛び込んでくる
作品が人材を産む世界
でしかないと思います
ならば宮崎氏が残した作品は
永遠に残り続けそこから影響を
受けた世界中の若者がアニメの
世界に飛び込んでくる
そういう世界に思います
宣伝をしないことも
鈴木Pがついに
宮崎氏がずっと言ってた
「わかる人にしかわからなくていい」
というプロデューサーとして
考えちゃいけない事をついに
観念したんじゃないかなぁ
そんな願いを込めた「遺言」
と受け取っておくことにします
自分の感性に従えば良いと思います
情報ゼロ。パンフもなし。
緻密な導入部は流石と言うしかない。
一気に引き込まれる。何考えているかわからないマヒト(だっけ?)だけど、母親の妹(母にそっくりの叔母でしかも父の子を妊娠している。)に対して悪意はなさそうだ。
鳥は死者の魂を運ぶもの。としても鳥が不気味。
色々な要素はあるけど思いのほかファンタジーだった。
長いので途中寝てしまうかも心配だった。
亡くなったお母さんが今までのジブリ、新しいお母さん(母の妹なので全くの他人ではない)がこれからのジブリなのかな?なんて
これから色々考察して楽しむことにしよう。
あの世とこの世の概念を信じているかで理解できる世界観
塔の世界はあの世(天国と地獄)
現世がこの世
塔の先にある河を渡っていたのが三途の川と考えると合点がいく点が多い。
ここの者たちはほとんど死んでいると言う話からも指し示していると思われる(今までの作品でここまではっきり世界観を明言したことがないのでびっくり)
既にこの段階であの世の概念が頭にない人、信じていない人は置いてけぼりかもですね。
今いる所を下と表現したり、ペリカンがここは地獄と表現し、インコ大王が上に行き部下が、「ここは極楽」と言うことから、インコやペリカンは地獄の者達、ヒミはその番人的な立場?そして大叔父は神の存在と思われる。
地獄から昇天?していく可愛いキャラ(名前を覚えてないが、グッズが売れそうな可愛いキャラ)が生まれると言う表現から、この世界観においては輪廻転生は一度地獄(したから)登る世界観なのだなと勝手に憶測。
それでも全員が転生できない(ペリカンに食べられる)や、腹一杯食べさせてあげてよかった言うあたりは、あの世はあの世、この世はこの世で大変な世界という暗示に思える。
塔の中は時間の概念を超越。だから死んだはずの少女時代のヒミ(自分の母親)に会って、最後別れる時に扉を選んで時間を選んでいる。
塔が崩壊してもこの世界が崩壊していないことを考えるとあの世の何番地区程度の存在か?
何故、主人公は塔の中に誘われたのか?
ストーリーでは目的としては主人公を新たな塔の主=あの世の何番地の責任者にならないか?と打診している。そこは自分の好きな世界が作れるという甘い?打診がある。
しかしそれを主人公は断る。そして友達を作ると。
そして大叔父はそれに対して、火の海になる世界なのに=戦時中なのでその名の通り(監督としてはこの世の未来を予見している?)になるのにと、現世では良いことが起きないことを指摘して、それなら理想の世界を作ってほうが良いと言う。
それを主人公は断る。それがタイトル「君たちはどう生きるか?」への宮崎監督なりの答えなのだと思うし、これこそが監督が我々に問いたい部分ではないか?と考える。
この世はろくな事は起きない、しかし理想の世界に閉じこもっているのではなく、リアルな世界(宮崎監督的には友達)で生きていこうと。
ネット、ゲーム、アニメなどで自分の世界に閉じこもっている感じがする世代へのメッセージなのかもしれないと受け取った。勝手に。
そう考えると理想の世界=あの世=ネットやゲームや、アニメとすると割と強烈な意味になってくる。
そして友達=リアルな繋がりとすると、叔母さんと最初仲違いしているが、お互い本音をぶつけて、最後和解すると言うのは、メッセージと合う部分がある。
リアルは嫌なことあるけど、ぶつかり合いながらも前に進んでいくと。
どちらにしても、個人的にはここ最近のファンタジー世界観の宮崎監督作品の中で最も丁寧な説明があり、飽きさせない演出、さらに綺麗な作画と初期とは違う最高傑作と個人的には感じる。
監督もご自身で意味がわからないと言うのは、(私も観ていてわからない部分もありますが、)世代として死後の世界などを意識していると、理屈ではない概念もあると思うので、そういう意味ではその通り、理解できない部分があって当然かと。
控えめに言っても私は最高でした。
誤字が多かったので修正。7月15日 10時56分
出だしはよかったが中盤で退屈であったので最後分からなかった。
母が火事で亡くなる場面から映画が始まる。
母を失った少年。出だしとしては魅力的である。
また、あのアオサキという奇妙な鳥が出てきて「母親は生きている、着いてこい」という場面、言わばはじまりの予感を感じさせる場面など高揚感があってよかった。
ただ、その後がどうもダラダラと展開が遅く退屈であった。
テーマは、映画のタイトルにもあり、作中にも母が残した本の題名にある通り、「君たちはどう生きるか」であるのだろうけど、ファイナルで随分抽象的に、そのテーマへの回答を仄めかしているように思えた。
善意でできた積み木を積むよう老爺さんに言われるが、周囲を欺くために付けた悪意の傷を見せ、「私は悪意があるからその積み木を積むことができない」と言い、その後ペリカンみたいなのが出てきて、老爺さんの創った世界が崩壊し....
と、確かこんな感じのファイナルであったと思うが、中盤で退屈をして疲れていたので、細かに覚えていない。
これは芸術作品なのか。
よく分からないが、エンタメとしては、楽しいとは思わなかった。
芸術作品としても、感銘や感服するところは、個人的になかった。
期待していただけに残念だった。
最後の宮崎作品で描かれる「悪意の主人公」と「強いヒロイン」
今作は、主人公の少年が自らに芽生えた「悪意」と向き合い、不条理な運命を受け入れるまでの物語だ。
映画冒頭、主人公の真人は火災で母を失う。そして傷ついた自分をよそに父はさっさと再婚するが、その相手・ナツコは母にそっくりな顔の女だった。そんな異物が家庭の中に紛れ込んでくるわ、おまけに転校先の小学校で酷いイジメを受けるわで、真人は逃げ場のない地獄に突き落とされたような日々をおくることになる。
真人をみていると、『もののけ姫』に登場する少年・アシタカを思い出す。映画がはじまっていきなり、アシタカは何の罪もないのに死に至る呪いを受ける。この点、真人とアシタカは似ている。一方、アシタカは呪いの元凶となる人物への憎悪を抑えることができたが、まだ幼い真人は湧き上がってくる憎悪に囚われる。
ナツコは真人の良き母となろうと懸命に振る舞うものの、真人は彼女を攻撃対象に定めてしまう。彼はナツコから何を言われても無言を突きとおし、素っ気ない態度をとりつづけた。ここまで他人へ残酷な悪意を向ける主人公というのは、宮崎監督作品では初めてではないだろうか。
だから今作は『もののけ姫』のアップデート版だと思った。再び少年に旅をさせて、遠回りをしながら自分を見つめなおす姿を描こうというのだ。ただ、その描写は『もののけ姫』のようなリアル路線ではなく、『崖の上のポニョ』や『ハウルの動く城』のようなファンタジー路線。パステルカラーの不思議生物がうじゃうじゃ出てくる愉快な世界だ。
そしてこの旅のなかでは、少年を勇気づける「強いヒロイン」も登場する。こんな抜群に可愛くて肝の据わったキャラをよく作り出せるなと毎回思う。
ちなみに今作は、宮崎監督が愛する児童文学『失われしものたちの本』(ジョン・コナリー)がベースとなっている。読めば映画の理解がさらに深まるはずだ。
結構ダークさ増し増しで難解
また宮崎駿監督の新作が観られるなんて!と楽しみにしていた。
情報何も入れてない状態で初日に鑑賞。
面白いか面白くないかで言うと、つまらなくはないんだけど「面白くはなかった」という感想。
私自身メッセージがうまく受け取れてないのもあるんだろうし、時代設定もあるだろうし、主人公の眞人が結構淡々としていたのもある。
宮崎駿監督作品には割とワクワク感があるんだけど、そこは控えめだったかな。
あと今回結構ところどころ怖いというか、ダークさが結構全面に出てきてゾワゾワした。
最初、青鷺も怖かったし、塔の世界で登場する鳥たちが割とホラーでグロデスク。
あらすじを振り返る。
太平洋戦争の時代、母を火事で亡くし父の再婚相手である母親の妹がいる地方に引っ越してきた少年・眞人。
新しい暮らしや新しい母に色々思うところがあったけれど、不思議な青鷺に誘われて、お屋敷の近くの塔に叔母である新しい母を探しに行き、若かりし母や祖先の男性など出会いを経て、今の生活に戻ろうとする話。
(合ってる?)
色々練られたお話で背景があるのは感じ取れるのだけど、そこが今回割と難解。
塔の中の出来事は不思議の国のアリスが落ちた穴の世界のように不条理で、不思議な生物もいて謎に満ちている。
この塔の世界のイマジネーションは今までの宮崎駿監督作品世界のエッセンスも感じられて良かったけど、ストーリーが難解なんだよな。
そして「君たちはどう生きるか」は原作ではなくて、主人公への亡くなった母の贈り物として触れられるだけで、あまりストーリーのベースにはあまり関係してこなかったなと(まあ宮崎駿監督作品は原作あっても全然別物になるのは常なのだが)。
コペルくんと叔父さんの話を想像して行ったんだけど、そんなことはなかった。笑
ただ、本作のタイトルがメッセージそのものなんだろうなとは思った。積み木を新しい時代を生きる者としてどう組み立てるのか。あるいは積み木そのものを破壊するのか。何を選ぶのか。
主題歌が米津玄師なのにも驚いた。
ジブリ作品としては主題歌にかつてないいまどき感。
1回観て1日経った状況では本作をうまく飲み込めてないのでもう少し時間をかけて消化したい。
追記:
時間経ったら飲み込めてきた!
この作品はスタジオジブリへの宮崎駿監督なりの自己風刺&檄なのだと理解。そうすると色々腑に落ちてきた。
ジブリの事情や歴史がわからない人には割と置いてけぼり作品なのだ。
クリエイターとしての大先輩(駿監督)から若手(後進)への問題提起(というかお叱り?)なのね。
赤ちゃんの生まれる前の存在、ワラワラはここ最近飛ぶことができなかっ...
赤ちゃんの生まれる前の存在、ワラワラはここ最近飛ぶことができなかったというキリコの台詞。
→戦争による貧困や徴兵で子作りが減ったこと。
最近はまたワラワラが飛んで行くようになった。
→戦後のベビーブーム?
飛んでいっても、ペリカンやペリカン退治の炎に焼かれて多くのワラワラは命を落としてしまう
→赤ちゃんの生存率の低さ。
受精〜妊娠〜出産〜出産後の過程で、生きることを許されなかった命が幾つあるだろうか…
産屋のナツコ
→ナツコとその子は生死を彷徨ったのだろう。母親と子は一体。子どもは生きれたか?
インコの集団→昭和の学生運動と関連ある?
インコたちは子持ちは食べない、それ以外は食べれる。
→現世での人殺し。暴力。争い事??
石(意志)とは何か。
→石は宇宙ができた時の塵が星となり長い年月をかけて外力を受け硬くなったもの。宇宙誕生のメッセージ??
我ヲ学ブモノハ死ス
→「学ぶ」は「真似る」のこと。真似ることから本当の後継者は生まれないという警鐘か?生き方への投げかけ。
うーん…ごちゃまぜちゃんぽん
拡大解釈による妄想一人歩きを避けて言及するならば、
乱暴にこの作品はどうかというと、
「風立ちぬの時代設定で、
シン・エヴァンゲリオンのテーマの世界を、
ポニョの世界のキャラクター達が、
ハウルの扉や千と千尋の翼を使って冒険し、
もののけ姫風のクライマックスで急に大円団を迎える、
余韻を残さない既視感満載の現代アート美術館」
でした。
唐突なあの終わり方はポニョの再来、「これで終わり?」という、これから種明かしで30分くらいあるだろうの部分がごっそり抜け落ちていて、突き放されたような唖然とした空気が観客を包んでいた気がします。
ワラワラなどの新しいキャラクターも、戦隊モノや魔法少女の武器のように、後のぬいぐるみやグッズ化を狙って急ごしらえした存在のよう。
この映画よりも、冒頭の宣伝で出たスタジオポノックの新作の方がよっぽどジブリらしさを踏襲している気がしました。
イベントをこなしていって、急に「はい尺があるので終わらせました!」て感じで…。
終劇後は失笑してる人もいました。
宣伝(してない)手法も含めて例えるなら、
レストランで写真のないオススメメニューを、「お楽しみ日替わり御膳」という説明書きだけを頼りに注文してみたら、量が少ない見知った具材のミックスフライ定食が出てきたような、そんな気分でした。
圧倒的説明不足でその空白部分は議論が楽しめそうですが、
議論したくなるかというとどうなんですかね。
実は深く練られていない世界観を、小難しい謎めいた言葉で誇張して大きく見せているような違和感を感じました。学生が書く論文のような。。。
一緒に行った連れの感想は、
「才能がかげったアーティストが、過去のヒット曲をアルバムにまとめ上げて新作として発売するやつのようだ。」
「ジブリの過去作品には世界観を表すような象徴となる音楽があった。今回はただの一般的なBGMや特徴のない歌だけだった。」
とのことでした。
過去作を合体させたような異世界の世界感
大筋の話の流れは主人公が異世界に迷い込み、成長して元の世界に戻るという形で千と千尋と大枠は同じである。
同じであるからどうしても過去作と比較してしまう。千と千尋は冒頭からすぐにトンネンをくぐるり異世界に迷い込んでいく感じのテンポも良かったし、海の列車でさらに未知の世界の奥に進んでいく感じが音楽とマッチしていて良かった。
今回は世界観を作るために、宮﨑駿監督の過去作を合体させたような世界観になっているのだが、それは映画のために作られた世界というよりはここのシーンどこかで見たことあると思わせるようなファン向けに作られた世界観のように感じてしまった。
タイトルも君たちはどう生きるか、そして前情報がない状態で映画が戦時中から始まるので、戦時中の主人公の成長を通して、映画の鑑賞者に生き方を問う内容なのかなと見始めは思ったけど、決してそうではない。反戦を訴える内容でもない。
今回の映画は純粋に宮﨑駿監督の作った世界観が純粋に楽しめるかどうかで、映画の賛否が分かれるような感じの内容であった
オマージュがたくさん
*ネタバレあり
理解できたかと言われれば、たぶんできてないけど、
つまらないとは思わなかった。
過去のジブリ作品を模した表現の懐かしさと、
過去にはなかった手法への驚きで、映像に引き込まれた。
これだけ長く作品を作っていて、
まだ新しい見せ方があるんだなぁ。
それから、
そんなことありえる…?と半信半疑なのだけど、
D映画の要素があったような。
まさかね、とは思いつつ…。
・継母と小人頭身のおばあちゃん達
・入り口が塞がれた塔
・窓を背にした大叔父様と赤いバラ
・落下して不思議の世界へ
・侵入者を阻む館で眠るナツコさん
・ガラス蓋の棺で運ばれるヒミ
もしそうだとしたら、
宮崎駿監督が描くとこうなるんだっていう、
とても贅沢なものを観せてもらったことになるのでは。
真似でもパロディでもなく他作品の要素を入れ込みつつ、
ジブリの世界観はそのまま、
しかも自分の過去作のオマージュまで盛り込み…?
そんなこと出来るものなの…?
でも、主人公の出会う体験が、
色々なアニメ作品の形で表現されてるなら、
意味深だけど意味が明かされない舞台装置やアイテムが
腑に落ちる気もする…。
真偽はともかく「我を学ぶと死す」という言葉も
先人を参考にしすぎてはダメ、とも取れるし
他の方が言うように「アニメを創ること」が
テーマの一つになってるのかな。
考えすぎかもしれないし、
もっと深い意味があるかもしれないし、
どっちでもいいけど、
こうやって考えさせられるのも含めて楽しめた!
色々知ってからもう一回観たい。
広告を打たないのは戦略ではなく誠実さ故。
まず観終わった感想がレビュータイトルだった。
今回の新作に関して、広告を出していないのは新しいマーケティング戦略なのかと思っていたが違った。
この映画は世界の、そして監督自身の「世間が思い浮かべる宮崎駿」からの脱却のための作品であり、色んなしがらみを背負って作品作りをしてきた監督の自己との対話のためのものだった。
宮崎監督作品といえば、多くのスポンサーが集まり、否が応でも色んなものが金で雁字搦めになる。
この映画は、巨額が動く宮崎駿に集まる罪深いもの達(罪という言葉が作品のテーマの一つだと感じた)に対する、もう旨みはないし作らせないという宣告であり、そんな者たちを利用しながら映画を作ってきた監督自身の罪と向き合う為の作品だと感じた。
出てくる登場人物は皆醜さを持っており、宮崎駿作品に出てくる理想化された人物像とは一線を画す。
これは恐らく、アニメ制作に携わる中で出会った者達のメタファーであり、また監督自身なのだと思う。
しかし、罪を背負い醜くても、せめて誠実でありたいという監督の思いが作品全体から溢れており、私は涙した。
映像の素晴らしさは筆舌に尽くし難く、アニメーターとして生きた宮崎駿の生き様がこれでもかと伝わってくる。
また、色んなところ過去作のセルフオマージュがされており、金に迎合した作品も自身そのものであるという力強い宣言に思えた。
この作品では「石」が重要な役割を担う。
これは「意思」、つまり我々観客ではないだろうか。
観客を楽しませるのが映画だという矜持を宮崎作品からは常に感じるが、前述した理由で、今回の作品は鑑賞者に向けられたものではなくなっている。
作品内で「石」の怒りに触れる場面が何度か出てくる。
監督は今回の作品が、今までの作品のように多くの人に愛され評価されるものでない事を分かっている。
中には鑑賞後怒り出す者さえいるのを理解しているのだ。
そういう作品であるのに、大々的に広告を打って鑑賞者を焚き付けるのは筋が通らない。故の現状ではないだろうか。
宮崎駿にとって「石」(観客)とは作品作りの根源であり、死神であり、束縛であり、しかし確かに尊ぶべきものなのだと思う。
しかし、そんな石を最終的に断ち切った。
これはつまり、自身の作品作りとの訣別を意味する。
どんなに罪を背負っていると感じていても、作品と向き合い、観客を楽しませる事に情熱を注いだ、アニメーターとしての誠実さを貫き通した宮崎駿の遺作としてこれ以上のものはないと思う。
この映画を見る事ができて本当に良かった。
表現の次元が違いすぎて終始圧倒された。
宮崎駿監督、ありがとうございました。
さようなら。
どうか末長くお元気でいて下さい。
考察をたくさん読んで解釈するしかない
宮崎駿監督作品と言うから、無条件でIMAXでの鑑賞を決めた。
スタジオジブリ作品ではあるが、エンドロールに名を連ねる他のアニメーション会社の多さがジブリの弱体化を物語っている。
近年、スタジオジブリでは千と千尋の神隠し以降、ヒット作品と言う作品は無いと思う。
息子の宮崎吾朗が映画を作っても、父のような才能には恵まれず、酷評され、スタジオジブリの後継問題と後継者不足が浮き彫りになった。
ジブリスタジオでアニメーターをしていた人々は別のアニメーション会社を立ち上げたり、移籍したりして、巣立って行った。
残ったのは、血を分けた息子と宮崎駿監督作品とそれに群がり、まだスタジオは健在だと嘯く関係者のみ。
宮崎駿が築き上げた城は、世界はもはや空前の灯火だと言うのに、跡を継ぐものがいない。
結局、ジブリスタジオは近年では父親である宮崎駿の作品を振り返る美術館や展示会で生きながらえている。
果たして、大衆娯楽的な映画を作ることができないジブリスタジオがこの先、どうやって生きていくのか。
息子は自分の生きる世界で生き抜くことができるのか。
今作は宮崎駿の自伝的作品だと考察されている方がいて、なるほどと唸ってしまった。
そう言われたら、物語のストーリーがしっくり来る。
以下、考察を参考にしたキャラクターの解釈
⚫︎マヒト
宮崎吾朗
⚫︎マヒトのパパ
宮崎駿(父としての顔)
⚫︎青鷺
鈴木敏夫かな?と思ったけど高畑勲説もあり
⚫︎大叔父
宮崎駿(監督としての顔)
⚫︎インコ
映画関係者とか視聴者
⚫︎ペリカン
メディア
⚫︎婆ちゃん達
古馴染みのアニメーター
女性キャラ達が誰だろう?
母は庵野監督とか?
妹の身重の監督は米林監督?
公式のパンフレットがしばらく発売されないそうなので、答え合わせまで時間が掛かるみたい。
それもジブリの思惑通りなのか。
とは言え、宮崎駿監督作品で育ったので劇場公開初日に鑑賞できて嬉しかった。
監督が世に作品を生み出してくれたから、確かにジブリ作品は私の魂の一部になっている。
監督のような森にはなれないけど、細木くらいにはなれるように生きていきたい。
抗鬱剤の効能を期待した
梅雨の移ろいがちな天候の下、
有名タレントが自死を選んだ7月であった。
『君たちはどう生きるか』
このぶっきらぼうな命題が事前情報なしで幕をあげると云うのが、私たちにとっては劇薬であり秘薬であった。
宇多田ヒカル、庵野秀明、こと宮崎駿に於いてはある種覚者としての機能が求められ、世間は向こう10年生き長らえる閃きを渇望している。
本作は「戦時中に母を亡くした主人公眞人が、異世界に迷い込んだ義母を救出するロードムービー」なのだが、恐らく観劇後2時間でこのあらすじを紡げる者は皆無であろう。
5分に1度、地球上の誰も見たことのない映像美が目まぐるしく展開され、説教臭さのない道祖神的な宗教観が全神経を奪っていく。
これらは碇ゲンドウがテレポートした時の痛快さを孕み、時にすずめの戸締りであり、時にインセプションであった。
義母を母と認めるに至る神隠しの中で、千と千尋と違ったのは髪飾りの匂わせで閉幕しなかった点。
眞人は異世界の記憶を有しているとメタ表現を用いて迄説明がなされ、自己選択によって現世に帰還した事が強くアピールされた。
思えば劇中では死人も魚を欲しており、兎角生死を選びたがる私たちから死の退路/進路を無意識に消し去ってくれる様な効能を感じた。
『君たちはどう生きるか』
観劇後のタイトルは生命力に満ち溢れていた。
the宮崎駿、そして宮崎駿の最後感
当然のことながら、ネタバレ注意です。
面白いか面白くないかを口にすること自体がネタバレになりますよね(笑)
私個人としては、満員御礼の映画館で、あ、今自分は宮崎駿のジブリを、映画館で観ている!という感動を覚えました。
まず、冒頭から、第二次世界大戦、東京大空襲から始まり、母親の入院する病院が焼かれ、設定と描写にものすごい勢いで映画に入り込まされました。
そのあとはというと、盛り上がるまでが、若干長いなーと思いましたが、ここでいっぱい情報収集しとかないと、この後の展開が全くわからなくなるので、集中する時間ですね。
作品の中盤初めくらいまで何もかもが謎すぎるので、負けないでください。
訳がわからない、設定はどういうこと?というのを、セリフや作画から読み取ったり、考えないとわからないと思います。それが、義理の母が森へ失踪するまで続きます。映画の中盤くらいかな?とにかく負けないで!
(宮崎駿っぽくて私大好きです。ワクワクします。)
個人的な思いですが、
今までのジブリ作品を思い出させる描写がたくさんあって、個人的にはあーまたあれみたい!これも見直したい!見直さないと考える材料がない!と思える作品でした。
キャラクターたち、場所、設定などを、宮崎駿の周りの、人々、ジブリという会社、取り巻く環境などにも例えてると思いました。(例えばどこがどうとか、何が何の例えなのかは、何回か見て自分なりに自信を持ってこれだと思う!と言いたい気持ちです。)
機械たくさん出てくるかな?と思ったけど、全然出てこず、
ましてや主人公は地に足をつけて武器に弓矢を使っているのは、きっと理由があるはず、、と思いました。
けど、一回見ただけでは、自分はそこまでの結論には辿り着けませんでした。(個人的に宮崎駿の描くメカが大好きなので、全然出てこなかったのはちょっと悲しかったです
今まで宮崎駿と作品を作ってきた人への想いがメインで込められてる作品でもあり、
私たち観客への考え続けろという最大級の宿題みたいなのが出されたような作品だと思いました。
80歳のおじいちゃんが作ったとは思えない内容のどっさり詰まった作品です。
千と千尋や、もののけ姫みたいに、もう一度覚めやまぬ興奮のために映画館で観に行く気になるか、と言われると、うーんという感じですが、、笑
考え過ぎてすごい疲れちゃうんで(笑)
あと子供はちょっと怖いかも。(私は千と千尋が怖くて高校生まで見れなかったのですが、そのときの恐怖と同じようなものがあるので、お子様といくならちょっと気にしてあげた方がいいかも、、?)
個人的には、もっと宮崎駿作品、ジブリ作品を見直して、また映画館に行きたいと思います。
僕たちはどう生きようか?
映画を観た自分なりの解釈を。
主人公は現実の世界で、母親の死や父親の再婚など自分の思い通りにはいかない人生に苦しさを感じている。
いじめられた後に自分を大袈裟に傷つけ同情を誘う、そんな卑しさや小ささも持っている。
現実は苦しくて目を背けたくなることばかりだ。
そんな主人公は青鷺に誘われ、現実から離れた「大叔父の創った世界」へと入っていく。
そこで生と死、冒険や友情に触れる。
そして最後にこの世界の創造主である大叔父に問われる。
まだ志半ばだが、さまざまな世界を見て積み上げた悪意のない13個の作品たち。
その上に君の作品を作って足し、この世界を継いでくれないかと。
大叔父はアニメに出会い、のめり込み、この大きな世界を創ってきた。
だからこの世界の中には、彼の創ってきた世界の痕跡が垣間見える。
だが彼の世界はもう時を経てバランスを崩し、崩壊寸前まで来ている。
彼の世界でたくさんの作品に触れ成長した主人公は自分の卑しい嘘に、小さな自分に向き合う。
そして彼の後を継ぐのではなく、苦しくても現実に戻り自分の世界を創っていく選択をする。
彼の世界で得た一つのカケラと共に。
宮崎駿は思うように生きた。
僕の作品に触れた君たちはどう生きる?
この世界でどんな新しい世界を作っていく?
僕の後を継ぐのではなく、君たちの世界を作ってほしい。
何かを創っている人やこれからの世代に向けたメッセージのような映画でした。
眞人は視聴者自身で、だから意志も感じづらく感情移入はしにくいのかなと。
何かを創ってる人間として「君たちはどう生きる?」という作品を作れる、作ることができる立場にいられることはとても羨ましいなと感じました。
これから皆さんはどう生きますか?
宮崎駿監督の全て。
「君たちはどう生きるか」は宮崎駿監督の映画人生全部が描かれ主人公は宮崎駿さんでした。
今までの作品全て網羅されていて、
“僕はこう生きてきた。君たちはどう生きるのか。”
と見せつけられた自叙伝という映画でした。
ありがとう宮崎駿
もうすごい、アクセル全開!
宮崎駿の頭のなかをいまの最高のアニメ技術を駆使して再現しましたという映画でした。
序盤は丁寧に丁寧に物語が進んでいくんです。風景も美しいし、一人ひとりの所作がきめ細かく作られている。じわりじわり異変が起きる。
途中から不可思議な世界に突入して、訳分からない展開が続き、どんどん要素が足し算されて、もう観客置きざりです笑
わけがわからない。
だけど、それでいいんだと思います。だれかを感動させようとか、伝えたいメッセージがあるんだとか、そういうことじゃない。創作しながら産み出されたものがすべて。いまの宮崎駿、そしてホントに最後の作品だと覚悟した宮崎駿のすべてが詰まってます。こんな作品、商業映画じゃ止められる、きっと。だけど、日本最高のクリエイターが晩年に思い切りエゴでわがままで、整合性が取れてないだろう作品を作ってもいいじゃない。むしろそんな作品を見せてくれてありがたいと思えた。
上映前からドキドキが止まらなくて、またジブリの新作が観れるなんて夢みたいで。奇跡だなと。
映像はめちゃくちゃハイクオリティ。この10年でアニメのレベルはバカみたいに上がっていて、心配はあったものの、杞憂だった。ジブリのほうがすごいじゃんと思っていたら、エンドロールでびっくり。アニメ制作会社やアニメクリエイターのトップオブトップや集結しているんですね。
これは宮崎駿の集大成であるとともに、日本アニメの集大成なんだなと。
とにかく完成させてくれたことに感謝。宮崎駿という存在に感謝。これから何度も観る映画を残してくれてありがとう。
映像は楽しめる
これまでの作品のオマージュを感じたなぁ。あの演出、あのキャラはあの作品のあの場面に似てる!っていう面白さ。作画は凄いし躍動感もあって映像そのものは十分楽しめた。でもストーリーはファンタジーに突入してから「どうゆうこと?」と思うところがたくさん笑
お母さんが死んで、その妹が新たに母親になり(あの時代ってそういうのよくあったの?)、眞人はなかなかそれを受け入れられない様子で、夏子もそれを察してるかのよう。でもお父さんはそこが分かってなさそう笑
ファンタジーの世界を通して成長して自分と向き合い、他者を受け入れ戻ってくる感じ、千と千尋みたい。
あとヒミの描き方を見て、駿のマザコンぶりを感じた。
まぁあまりタイトルに引っ張られないで観ることをオススメします
いろんな人の考察も楽しみたい。
宮崎駿の映画を見た
一言で表すと、宮崎駿ザ・ベスト
今までの作品のオマージュや宮崎駿ならではのファンタジーの世界観、愛くるしいおばあちゃん達や奇妙で不気味な動物たち、時間跳躍的な要素などなど これぞ宮崎駿の集大成
説明不足でストーリーはよくわからんが、宮崎駿の素敵なファンタジーが謎の説得感を出してくるので、何も質問しない主人公同様に、こちらも「なるほど、石で 世界を 作る」「はいはい、これは悪意のない石ね」「そうか、あなたが若かりし頃の母か」と抜群の適応力が身についてくる。
とにかく、細かいことは気にせず宮崎駿が作り出す世界を楽しめたのだから良い体験だった。
広告も告知もキャストもださないように、パンフレットも公開数日後に出すということで、徹底した秘匿ぶり。
普段はレビューを覗いてしまうが、今回は誰の評価にも左右されず真っさらな気持ちで見たかったので、公開初日に見に行った。あらすじもなにも分からない状態で見る映画はとても新鮮でよかった。
引退してるのに作るってもう趣味だし同人活動の域なのにジブリでのし上がった権力や経験、人望を駆使してマジで自分の好きなものを好きなように作っちゃうクリエイティブな宮崎駿 マジリスペクト卍
ほんとに好きだから作ってるんだろうなって事がわかる作品
私はこのように、自分の世界を好きなだけ、好きなように創り続けて生きている。
さて、"君たちはどう生きるか"?
と、宮崎駿に問いかけられてるみたいだった。
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