君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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何度でも見たい作品
宮崎駿監督の精神性はますます高まっている。
感受性も更に研ぎ澄まされてきている。
随所でそう感じさせてくれる作品。
好みは色々あると思うが、私にはとても刺さった。
世界は危ういギリギリのところで持ち堪えているが、
この素晴らしくも醜い世界のために、
わしたち一人ひとりがどう責任を果たしていくことができるのか。
そう問いかけてくる作品でもあった。
宮崎作品の総決算として、今までの多くの作品のオマージュも盛り込んで楽しませてくれるサービス精神旺盛な作品でもありました。
この作品を届けてくださった宮崎駿監督や鈴木Pはじめ作品に関わった全ての皆様に、感謝申し上げます。
画の表現力
戦時中の空襲で焼夷弾の火の中を駆け抜けるシーンや戦後の焼けた街並み、残った歴史的な建物。冒頭30分は絵の迫力に見惚れました
前編と後編の2つのパートに別れる作品です、後編はやや中弛みする場面もありますが、千尋の黄泉の世界のような表現が美しすぎて覚醒したり、終盤になってヒロイン級のキャラ登場など、普通の映画とは異なる作りになっています。
(エンドロール含め)
画が綺麗ですが写真のような細かなリアル感という訳では無く、創造と表現力が凄いと思います。
継母からは女性のしなやかさ、優しさだけでなく、強さや時には怖さも感じました。
前評判が悪かった分ハードルが下がったのか解りませんが、自分は宮崎駿ラストの作品として感慨深く観る事が出来ました。
でもこの映画
続く事も十分可能ですよね?
別のドアから戻った子も含め、その後が気になっています。
とてもよかった。
とてもよかった。
友人と見た後、それぞれが映画の余韻に浸って会話が途切れがちになった。
*ここからネタバレあり
まず、車を引かせて主人公を迎えに来た義母の姿を見て驚いた。
宮崎駿の母親の顔に、実によく似ているのである。
彼女は実の母親の妹であり姿もそっくりなので、主人公と宮崎駿が妖しく溶け合っていく。
そしてアオサギ。
最初にアオサギが喋るシーンでゾクッとした。
「お母さん」
しわがれた声で主人公の心の叫びを揶揄する姿は悪魔的である。
屋敷の造形も素晴らしい。
あちらの世界に行っても、ファンタジーなのに現実感がある。薄っぺらくない。作り物感がない。
宮崎駿は風立ちぬから死後の世界を描き出しているが、今作はその傾向がより強まったと見ていいだろう。
死の気配が漂うその世界は静謐であり、恐ろしいが美しい。
ファンタジーの世界なので説明のつかない現象がおこるが、われわれの世界だって説明のつかないことだらけである。気にすることはないのだ。
ラストもよかった。ヒミが病院で焼け死ぬことになっても、あなたを生めるから構わないと言って母親の少女時代に帰って行く。
男は80代になっても母親からあなたを生んでよかったと言ってもらいたいのだと思った。
義母でもあちらの世界に行けるのに、父親である木村拓哉は、助けたくても行くことができず、社会的な問題でしか主人公と関われないのは、将来父親になる自分には悲しいことである。
友人とは、義母があちらの世界に入り込んでしまったのは、あちらから呼ばれたこともあるだろうが、戦争ばかりの世界で子供を産みたくないと自分から望んで行ったのかもしれないねと話し合った。
有意義で楽しい時間だった。
宮崎駿ワールド
暗い戦争という現実の世界と、その中で生きる人の心の深淵という、またまた暗い世界を、ユーモアのあるキャラクターと、魅力的な建造物、美しい風景で軽やかさを出した、冒険ファンタジーになってました。
宮崎駿作品の、何処かで見たことある世界だな…と。でも入り口の戦争の場面がなかなかリアルで怖い。この映画が戦前の子供達へのメッセージにならないことを祈ります。7年前から制作して今のタイミングでの公開…宮崎駿はなんだか鋭い。主人公の心情は宮崎駿自身なのか?戦中に生まれた自分は、きれい事ではない現実の中、こうゆうものに目を向け生きてきた。君たちはどう生きるか…
ひとつだけ最後まで解らなかったのが、青鷺。お前は誰だ?!他は人間か鳥なのだが…
鑑賞前には読まない方がいいと思います
何の情報も無く映画を観るのは、映画館に向かう前からドキドキ感が始まる。はたして、面白いのか、面白くないのか
鑑賞中も出来る限り聴き漏らさないように、メッセージを感じるために集中
これだけでも、この映画は価値がある。
だからこそ、私は何の答えもないままに感じたままに感想を書きたいので、私の感想は、正しいわけではないので、参考にしないでくださいね。
宮崎駿監督は、いつも子供の無限の想像力、可能性を信じて大切にしてくれているかと思います。
それは世の中に取って大切なんだと伝えると同時に、大人への成長を応援してくれていると感じます。
この作品も同じく、母親を亡くし、父の再婚に葛藤する主人公眞人の成長のストーリーだと思います。
親の元で守られていれば、汚い現実を見ることなく、世の中は綺麗なものに囲まれているように感じます。
夢は人を救う事もあれば、人を閉じ込めてしまう事あります。
綺麗な夢を忘れてはいけないけど、現実に立ち向かう勇気もいる。監督は、さあ、君たちどうやって生きる?どうやってこの世の中を生きていく?と問い、応援してくれていると感じました。
経済の不安定さ、戦争、自然環境の変化、様々な不安の中、それでも生きていかなくてはいけない。
そんななかでも、子供の夢を無くさせてはいけないと、大人へのメッセージも感じます。もしかしたら物語の作り手へのメッセージなのかもしれません。
細かい疑問はたくさんあります。
ペリカンは、子供を運ぶ鳥なのに、あの世界では悪者
子供を現実の世界に連れていくから?
それとも、眞人が生まれてくる子供を望んでないから?
お母さんは、いつからあの世界にいた?
夏子は何故あの世界に行った?
私の想像力の限界です。
必ず2回目の鑑賞をしたいと思います。
青鷺とペリカンとインコと宮崎駿
昭和初期の戦争中の主人公と継母の葛藤を描く陰気臭い映画を見せられるのかとうんざりしていたら更に訳がわからなかった
最期だし好きにさせてあげたんだと思う
風立ちぬ「生きねば」 からの 「君たちはどう生きるか」
「ラピュタ」や「トトロ」を期待して観に行った人はさぞかし面食らっただろうなと思う。宣伝しなかったのは、「宮崎駿監督作品」という意味を分かってる人だけが観に来てくれないかな、という制作側の良心だったのかもしれない。あとお金かかってそうだから単純な広告宣伝費の削減か。
それでも劇場には小学生らしい子供たちが大勢居た。まあ「ジブリだから観に行きたい」言われたら親は連れて行くよね。
映画の内容について「私はこういうことだと読み解いた」と思ったことを書いていきます。てんで見当違いだったらすみません。
全体は「亡くなったお母さんの代わりに現れた新しいお母さん(しかもお母さんの妹)をどう受け入れられるのか」を主軸にして、並行する世界線が入り乱れる冒険活劇。
「下の世界」は、インコ兵士たちが普通のインコを見て「ご先祖様」と言っていたので、おそらく遠い未来の世界、また、主人公眞人のお母さんが若かったりキリコおばあちゃんも若かったので過去の世界でもある。そんな過去から未来までを網羅した「地獄」。
数字が書かれた扉がたくさんあったのも、過去から未来まで存在する場所だから。最後、主人公眞人とナツコさんとアオサギは現代に、若いお母さんと若いキリコさんはその当時の過去に戻って行くことができた。
その「地獄」では子供が大事。子持ちだったナツコさんは食べられないし、そのナツコさんに会いに行くのも禁忌。過去でも未来でも子供は大事ということだろうか。
あとあの大叔父も未来の眞人だろう。現代において「あの建物は空から降ってきた石からできた」と言っていたのも、ラストで眞人がキリコおばあちゃん人形と一緒に持ってきた「下の世界」の石が、過去に戻って落ちたのだと思う。大叔父が眞人に役目?を継がそうとしたのもそれがあるからだろう。
最終的に眞人はナツコお母さんと呼び、また頭の傷は自傷したものだと告白し成長して終わった。
このレビューのタイトルに関して。宮崎駿監督は最後と銘打った前監督作「風立ちぬ」において、実在の人物に自分の過去を乗っけて「自分はこうして生きてきたつもりです」と紹介した。
本作においては「どう生きるべきなのか、結局、その時その時で最善を尽くすしかないよね」と言っている気がします。
次監督やるとしたら思いっきりファンタジーでお願いしたいです。
ラストの声優、めっちゃ豪華でしたね。全然分からなかった。お父さんはてっきり堤真一さんだと思ってたのに違った(笑
あとワラワラが可愛いかったです。
よくわからん
はじめは作画も綺麗でお?と思ったけど、話が進んで行くにつれてよくわからんくなった。
結局あの世界はなんなんだろう。
夏子はなんで眞人に向かって大嫌いって言ったんだろう。夏子がいたところに踏み込んで禁忌?なんで?
という感じで、1から100まで疑問だらけ。
でも観終わったあと、わけわからんすぎてなんかどうでもよくなった。作画キレイだし、キムタクの声よかったし、まあいっかみたいな。
あんだけごちゃごちゃしてたのに、めちゃくちゃあっさり終わったけど、まあ嫌な感じはしなかった。
千と千尋+ハウル+トトロの要素が強すぎて、あれ?これ詰め合わせ?と途中感じた。それはそれでちょっとワクワクした。
僕なりの解釈。何か読み解く材料になれば。
評価は賛否両論で意味がわからないという感想が多いですが、それほど意味不明という印象はなく、不思議の国のアリス的ファンタジーな世界の面白さは多分にありました。確かに冒険活劇というほどのエンタメではないけど、不思議な世界と現実の世界のゆるい繋がりの中で、冒険するアニメとしてはかなり完成されてて面白かった。
ただ自分なりの解釈も含めてなのでその辺りを少し書こうと思う。
まずは起きた出来事。
主人公があの世界に呼ばれた理由。それは後継の問題。世界が崩壊する前に主人公に跡を継がせたかったから。
またその世界は石が構築していた世界。叔父さんはその中に理想を作り出そうとしていた。
夏子さんがあの世界に行くのははっきりとはわからないが、主人公が跡を継ぐことと関係はあると思う。人質だったりお腹の子を後継にしたいとかで連れてこられたのかも。夏子の意思では無さそう。石の意思か?
またあの世界は時間がずれており、ヒミは主人公の母親の子供の頃のもの。母親も1度神隠しに会っているのでその時期の母親と会っているということ。
またメタ的な読み方から。叔父さんはおそらく宮崎駿のメタファー。13個の石というのは宮崎駿監督作品のことだろう。同じ13作品ある。あそこの石は鈴木敏夫プロデューサーの暗喩か、世間そのものの圧力かも。血を分けたものに後継を譲れというのは、宮崎吾朗へ譲れという宮崎駿が抱く圧力のことを言ってるかもしれない。
途中の金のゲートのある墓に、我を学ぶものは死す、という言葉が書かれている。ここは宮崎駿を下手に真似するのはクリエイターとしては死ぬ、だから自分たちで自分たちのものを作り上げるしかない、という宮崎駿の考えを表していると思われる。
ペリカンはジブリのアニメーターのメタファか?宮崎駿の意思以外反映されないアニメーターの不自由さの象徴か。あるいは、ジブリだけではない全アニメーター、クリエイターへ向けた不自由さへの投げかけかもしれない。ペリカンは島から抜け出せない、自由に飛び立てないものの象徴になる。
宮崎駿作品の総まとめ。アニメーター宮崎駿が後世のクリエイターのために残した作品であると思える。
自分がしてきた事、アニメ作品を作り上げてきた事、それを受け継いでほしいか否かに対するアンサー。
そして、ストーリーを丁寧に描きながら全体としてまとめていく演出と場面転換の技術も併せて見せつけられた。クリエイターとしてのメッセージを見せつけられたというのが自分の印象。
また、純粋に物語としてもかなり面白い。
特にあの母親、ヒミの存在はかなり面白い。
最後に印象的だったのは、自分が死ぬ事を予言されつつも、あなたを産めるならとても素晴らしいと笑顔であっけらかんと言えるところ。どんなに悲劇が起ころうと産むことの素晴らしさを伝える場面に思える。純粋に子どもを産むという意味でもそうだし、作品を産むということにもつながるかもしれない。とても印象的なセリフでした。
そして母の死を受け入れていく主人公。受け入れる先にきっと自由がある。母親に縛られて生きていくか、自分の世界を自由に作っていくか。まさに、どう生きるかの問題。
面白かった。
分かりやすい王道異世界
事前の感想がよく分からないだったので不安でしたが話自体は凄くわかりやすかったです。
作中で主人公の周りの関係性、母兼火の使い、妹(新しい母)、女中さんとその都度説明してくれますし、塔は色んな世界と時間が繋がっているパラレルファンタジーワールドのハブのような物とわかるように出来てます。
ストーリーラインはファンタジー世界をまとめた塔を管理している大叔父様が寿命が尽きる前に子孫に世界を託そうとし、主人公は既に準備された世界から抜け出し現実に帰るという話で、少し不思議な体験をして成長して帰還する超王道ストーリーです。
多分分からないといった感想はファンタジー部分なんじゃないかなと、和洋折衷ですし各世界によって生物も秩序も異なりその辺りの説明はほぼ無いのでそういう意味のわからないかなと。
でも古典児童文学なんてすぐ謎の別世界飛びまくりますし、「へーそうなんだ」と理屈を考えず受けとめれば普通に楽しめると思います。インコ面白かったです。
宮崎駿監督の集大成的傑作
宮崎駿監督が描く、究極の芸術(アート)映画。アニメーションでここまでの作品を描く心意気と狂気の混在。今この作品を送り出したことの意味を考えると噛みごたえが抜群の作品だった。
この作品を紐解く上で重要な要素を以下に記載する。
※あくまでも個人の感想です。
① 君たちはどう生きるか
主人公の眞人は、母をなくし、嘘の怪我をしてまでも学校に行きたくない捻くれた少年。そんな彼が亡き母から送られる1冊の本、「君たちはどう生きるか」。この本を読んだ彼が涙するシーンがあるが、ここが1つのターニングポイントになることは明らか。この本を読み、今までの自分の行いや考えを改めて、義理母を探しに行くという決意をするまでの描写は、それまでの彼の心の機微踏まえて極上の演出に仕上がっている。また、本の最初のページに描かれている絵画「種をまく人(ジャン=フランソワ・ミレー)」からも、この本を読んだ眞人が種をまかれ、発芽し、彼の成長に繋がっていくという見事な演出。それを多く語らないところにこの作品の素晴らしさがある。また、この本を眞人に渡した人(種をまいた人)が母であるというところも重要であり、物語の後半で異世界からヒミ(実母)を救い出すきっかけになっている。実母→眞人→実母という母が息子を想うと同時に息子も母を想うという円環構造になっている美しさもある。この作品が種をまく人となり、これを観た観客の何人かは発芽し、成長していく。そうして生きていく人たちが新しい時代を作っていく、作っていってほしい。そんな思いを監督から受け取った気がした。
② 現世への絶望、そして希望
主人公を含め、ヒミ(実母)、夏子(義理母)は現世に絶望していると解釈できる。眞人は母を亡くし、したくもない疎開をしている、友人もいない。ヒミは劇中直接的な描写はないものの、主人公の境遇に「同じ」と発言していることからヒミも幼い頃母を亡くしている可能性があり、それがきっかけで異世界に居続けている。しかし、眞人と出会い、こんな息子が生まれるならという希望を胸に火事で亡くなることが分かっている現世へと帰る。夏子は、戦争の世界に子どもを産むこと、眞人との関係が上手くいかないことへの絶望感があの世界へ向かうきっかけになっているように感じる。夏子さんが産屋で眞人に大嫌いというシーンからも、眞人がいなければ私は幸せだという意思さえ感じる。ただあの場面で眞人がお母さん、と夏子に呼ぶことで夏子の心に希望が芽生え、あの世界から抜け出す覚悟を決める。前述と被るが、ヒミも夏子も、眞人が希望となり現世へ帰ろうと思い、その眞人は母から送られた1冊の本で現世に希望を見出している。その眞人が2人に希望を与える。種をまかれた人がいずれは種をまく人になっていく。ここまで見事な構造で展開するストーリーに脱帽してしまう。異世界のスタート地点、眞人が落ちた場所も絵画「死の島(アルノルト・ベックリン)」ほぼまんまの世界であり、冥界であることが示唆される。この世界を作ったとされる大叔父からこの世界の均衡を保つ者として指名されるが、それを拒絶する眞人。たとえ現世が醜く暗い世界だったとしても、それでもその世界で友人や家族と生きていきたい、と思う心は本物であり、それこそがこの映画の核心でもある。大叔父(監督)が今まで作ってきた世界、作ろうとしてきた世界を観てきた僕らが、それを拒絶したとしても僕らが今度は新しい積み木を立てていく、立てていけという強いメッセージに目頭が熱くなった。
③ 本田雄作画監督の存在
本作は、本田雄が作画監督としてクレジットされている(電脳コイル、エヴァ、千年女優……)。この方が入ったことでジブリテイストの中に新たな風が吹いたことは観ていてすぐに分かる。冒頭の火事のシーンやキャラクターデザイン、異世界の背景(一部SFタッチの所など)は本田雄作画監督の風味が強いジブリとなっている。そうした新しい演出も含め、ジブリ作品の新境地を開拓した1本となっているのではないか。
種はまいた。次は君たちが種をまく番だ。
そのために、君たちはどう生きていくのか。
見る側による
宮崎監督からの手紙のように思えた。
今までは世の中への不満や体制への批判をしていると取れるようなストーリーを借りてメッセージしていた。
今作品は人としてのメッセージは盛りだくさんで答えは自分で創ってほしい言われているようだ。
まさにタイトル通りだ。
これから「どう生きるか?」何を大切にして人生を歩くんだ? 問われているように受け取れた、手紙だ。自分が経験した人生からヒントは描いた正解を自分で見つけ生きろと。
未来を作るのは君たちだ、期待しているよ!とね
親たちは未来を育ててる頼むぞ!とね
全く違う描き方だけど庵野さんの影響かな
宮崎さんが心配するほど
未来はそんな悪くないよ〜ヘヘイヘーイ。
未来の世界の理想は人それぞれだ
自由に考えれば良いと思った。
うーん
あのー、見終わったまわりの人が、つまらない、わからない、と。シンプルにそういうことなのではないかと。話がわからないんです。響かないんです。とくに後半。
気持ちがわからないです。人の気持ちなんてわからない、ということではなく。なんか異質すぎて、しんどかった。
全体的に音楽でくるまれすぎてて、見づらいです。音楽が効いてないです。
なにが見せたいのか。
銀河鉄道の夜は、深く感動したなぁ、とふと思った。
筆を下ろす姿を見た
「次の世代に託す」というよりも自分の役目は終わり「あとは好きにしろ」と放り投げてしまったように感じ、とても寂しかった。
スタッフやキャスト・仕上がりもすべてひっくるめて
この作品自体が
『君たちはどう作るか』
という実験的作品に思えた。
なぜわざわざ吉野源三郎?
劇中で、主人公が吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を読んで涙する(短い)シーンがあります。
主人公は友達とケンカして負けて、その帰りに自分の頭を石で傷つけ傷を負ったように見せた。「自分で転んだ」といいつつも、回りからがケンカで傷を負わされたと同情されたい気持ちがあったのでしょう。案の定、父はそう思いこんで学校に怒鳴りこみ、主人公はまずいなと思いつつ、それをずっと言い出せずにいた。
吉野源三郎の名作「君たちはどう生きるか」は、少年が親友を裏切りそれを言い出せずに苦しむが、最後に勇気を持って友に謝罪し救われるという本です。
亡くなった実の母から送られたこの本を、主人公はたまたま見つけて、深く心を動かされる。
主人公は、最後に大叔父から「この異世界を清らかな心で立て直して王となるか、元の汚れた世界に帰るか」と問われた際に、「頭の傷は自分の汚れの証拠です」と告白して、元の世界に戻ることを選びます。
ということなんでしょうが、もうちょっと心理描写してくれないと分からないじゃないですか。
(従ってこの映画の題名もしっくりこない)。
その他にも、パンフすら作らない興行戦略とか、セルフ・オマージュのやりすぎとか、今回は怒りがわきました。
長年のジブリファンかつ吉野源三郎ファンとして、そう思う次第です。
説明不足、虚無
良かった点
・映像のクオリティが高い。特に炎の描写。
悪かった点
・ファンタジーパートの説明が不十分すぎる。
青鷺は一体何者なのか。大爺は一体何者なのか。あの世界は何なのか。墓の門とは何なのか。ペリカンやインコは何なのか。何故ペリカンとインコなのか。夏子は何故あの世界に連れてかれたのか。母は何故炎を操れるのか。
・主要キャラの感情の変化が唐突に感じる。
・終わり方が呆気なく感じる。
・結局この作品が何を伝えたかったのか、説教くさそうな作品タイトルからは想像も付かないほど全く分からない。
総評
多分この映画に真面目に★5付けてる人は鳥好きだけだと思う。
あらすじ無いのでネタバレで 母と呼べるまでのお話? 異世界ファンタ...
あらすじ無いのでネタバレで
母と呼べるまでのお話?
異世界ファンタジーとしては、ナツコのアチラへ行った動機が不明でカタルシスもあまり感じられなかった コウノトリではなくペリカンなのですね、生命はまるでウミガメみたい
この世は微妙なバランスで保たれている、最後の母の言葉にはジーンときたけれども
丁寧に作られた退屈な映画
上映前にポスター一枚しか公開しないという前例の無い方法で宣伝?され、しかもあの宮崎駿監督作品とくれば期待しないわけにはいきませんでしたが、結論から言うと実に不可解な作品でした。
東京から疎開した少年が、疎開先で異世界に迷い込むといったような内容で、タイトルにある『君たちはどう生きるか』というのはその舞台となった時代に出版された本のことです。亡くなった母親が持っていたその本を偶然見つけた主人公が、その後に本とは特に関係の無い幻想的な展開に巻き込まれていきます。
冒頭の空襲のシーンからファンタジー展開を経て、最後に疎開先を後にするシーンに至るまで、作画やカメラワークは非常に丁寧で、流石はスタジオジブリだなと思いましたが、それだけでした。
話の展開が不可解すぎて、物語を堪能しようとする気持ちとの剥離が広がる一方でした。
一時間ほど経過した後、既に先が全く気にならなくなってしまい、時間ばかり気にしてしまいました。途中退席しようかと思いましたが、エンディングに流れるであろう米津玄師氏の主題歌と、誰が声を当てているのかが知りたかったが為に最後まで残りました。
この作品から何かを必死に汲み取ろうとする人や、素直に自分なりに何かを受け入れた人、そもそもがファンタジーなのだからストーリーなんて気にしなくていいという人までいろんな人がいると思います。日本を代表する宮崎駿監督作品だから、シンプルにつまらないと言えない空気のようなものが全く無いとも言えません。
しかし私はこの作品を観ても何も受け取れなかったし、何も感じることが出来ませんでした。恐ろしく丁寧に作られた、退屈なアニメ、それ以上でもそれ以下でもありません。
この作品は予告編を作らなかったのではなく作れなかったのかなとさえ思ったし、どう生きるか以前に何を見せられたのかも分からないといった状態で映画館を後にしました。
真に素晴らしい作品は、必死になってその良さや込められた意味を考察して見つけようとせずとも、自然と称賛の言葉が出てきます。
この映画を褒める言葉は自分の中から湧き上がりませんでした。ただ時間と労力をかけて作られた不可解な作品としか思えませんでした。もうジブリの作品を観ることは無いだろうなと思いました。
エゴで作品を作った結果、それが大衆に響かない事実を「君たちはどうするのか」
さて、始めに言おう。
この映画に何も期待してはいけない。
この映画にテーマというテーマを求めてはいけなかった。
「君たちはどう生きるか」というタイトルから連想するような、
「死」、「再生」、「均衡」、「前進」⸺。
それらの要素をそれっぽく配置しただけの「エゴ」による物語に、僕等観客は意味を見出さなければならない。
眞人君の成長譚?
母の死を乗り越えて力強く生き抜く成長の物語?
いやいや、まだ考えが甘い。
これは「監督自身が目的を見失ったように」、
僕等が都合良く解釈出来るような物語では無かった。
少なからず残る謎は3点。
1.序盤で眞人君が付けた傷の役割
2.夏子さんの立ち位置
3.実の母親が火の神である必要性
1に関しては作中では、
彼自身の「悪意の象徴」として役割を果たす。
…ということが言いたいのではない。
「それが何故世界の均衡と関わらないのか」。
結局大叔父様がお守りになられた世界は、
あのインコの王様がオーバーキルしたことで崩壊した。
それは眞人君が乱したものではなく、
「第三者による穢れ」が入ったこと。
…んで?それが何?
「悪意が美しき世界を崩壊させる」ならよくわかる。
それが血縁関係者なら尚更意味が持てる。
だって散々「血縁関係…血縁関係…」煩かったもんねー。
で?実際は第三者が介入して呆気なく壊れた。
大叔父様メンタルボロボロやんけ。
そんな簡単に崩れゆく世界を何故長年保てた。
大叔父様は鉛筆で積み木を叩いて揺らしてたし、
リスクを理解ってそれをしているのは如何なのか。
(そもそも、インコの王様要らないじゃん)
2はもう何もわからない。
実の母親との姉妹関係にあって、
非常に似ているというのはわかった。
…だから何?
産屋というのがどういう歴史か調べた上で、
余計に苦しめられたのだが。
忌み嫌われるから隠居したのか?
1回もそんな描写無かったよね?
「穢らわしい」とかそんなこと言われなかったよね?
寧ろみんな労って愛を尽くしてたんだよ?
それを自分の責任で森に入り込んで、
眞人君やお姉さんを巻き込んだんだよ?
何この立ち位置?
要らないよね。
もし彼女が子供を産むことに抵抗していたのであれば、
「私は穢れの象徴」と感じてあの世界に閉じこもった経緯になるのになぁ。
そうじゃなく、寧ろ子供が出来て喜んでたよね?
普通に眞人君がお母さんの死を乗り越える話に留めてよかったと思うけど。
3は…うん、まぁそれっぽい立ち位置なのに活かしきれてないよね。
あんなに序盤の火事をトラウマに感じていた眞人君が、
なんかあっさり乗り越えてるからさ…深みが無いんだよね。
若い頃の母親にしろ、
眞人君からしたらもう既に失った人なんだよね。
なんかあっさり仲良くなる上に、
終始「夏子さんが…」ってノイズを撒くもんで、
親子間の絆というかを全く持って伝わない。
(お父さんとの関係?
聞くな、あれはもっと違う問題がある…)
だからこそ、終始「炎の能力強いんだねー」としか言えない。
息子を護るという母親の強さ?
いや、それすら感じなかったのだが。
お母さんが送った小説とも絡んでこないし、
まだ話の中で「お母さんが小説で伝えたいこと」がわかるのであれば、比較が出来たのに…。
取り敢えず「エゴの押し付け」を全面に行った結果、
意味のわからない映画を作り上げた。
作画や音響が素晴らしいのは言うまでもないが、
単に「ジブリだから」と片足を突っ込んだから抜けなれなくなる。
青鷺も「最初の友達」というポジショニングなだけで、
序盤の匂わせとか不要だろ…。
本当にこれが「眞人君の成長譚」として描かれていれば、
まだなんとか解釈してるよ…。
「初めての友達」、「新しい母親」、「正義感に支配された父親」、「おばあさんたちの優しさ」、「新しい命の誕生」⸺。
彼にとっての冒険に介入した人物を、
これでもかと掘り下げなかったのはある意味素晴らしい。
話に引き込もうとする気がないようにしか思えない。
千と千尋やアリエッティ、マーニーやハウルのような話をすべて取り敢えず混ぜ込んで、
適当に成形した「脚本」という生地を、
「映画」というオーブンにぶち込んで、
その中で「音当て」やら主題歌を決め、
ちょっと焦げた部分は「僕の作品だ」とドヤ顔。
公開前の番宣をせず、
いざ公開したら生焼けのパンを提供したわけだ。
それを監督は「私でも意味がわかっていない」とは…。
おいおい…そんなんで理解しようとするほうがきついぞ。
せっかく2時間も使ったのに、
僕の記憶は「白いホワホワかわいいー」だぞ?
どうか頭のいい方々、
この作品を観て正当な評価を下してください
【7/17 追記】
翌日に冷静になって考えてみたが、
なぜこの作品の評価がまっぷたつなのか。
恐らく、「眞人くんに一切感情移入出来ないから」だと思われる。
母親を亡くし、トラウマに苛まれながらも、
夏子さんを救わなければならない。
その過程で突然「夏子母さん!」と言うが、
なぜそうなる。
お前その過程でなんか成長したか?としか言えない。
よく考えれば、あの場面で引き止めるだけに「夏子母さん」としか言っていない。
「なぜ今まであまり気に喰わなかった夏子さんをお母さんと認めたのか」という描写が一切無く、
全くもって深みもないからではないだろうか。
そういった内容も無く2時間引き伸ばして、
可愛い生物を無駄に良く描き、
「宮崎の作品は終わっても、君たちがその意志を継げ」と適当に畳んだろうな、と。
正直この作品を通して、
宮崎監督の伝えたいことは一ミリも理解出来ない。
適当に〆られた話をポケットに突っ込んでおけと…なるほどね
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