君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
全756件中、481~500件目を表示
万人受けはしないけど、好きな人はすごく好きだと思う
いつまでもふわふわした余韻が残る、なんだか不思議な物語だった。夢見てたみたい。
皆さんみたいに上手く感想言えないから、すごい頭の悪そうなことを言うと、
主人公がとてもタイプでした。以上です。
つまらないと言い切れない
けど面白いと絶賛もできない
興味深いって感じが一番近いけど
押井守作品みた後みたいな後味
考えさせられたけど自分の人生には必要ない問い(哲学)というか...
原作読んだら変わるかな?
塔の世界は描き切ってないし辻褄が合ってなくてわからないのもある。
けど主人公に焦点を当てると救われてよかったねってほっこりする映画
弓とタバコの取引を持ちかけられた時、正直に話したり
夏子に嫌いって言われたのにすぐ母さんって返したり
自分で頭割った時はこいつやべえって思ったけど
元は悪いこじゃないんだなって。
頭割ったのも見た目が現代の若者っぽくなったのと
最後のシーンの伏線になっててよかった。
友達もできて自分で頭割る鬱屈さが消えて現実で人と関わって生きてく覚悟ができて
ラストシーンで母との思い出はトラウマじゃなく塔の世界のものになっただろうし
夏子も新しい家族としてお互いを受け入れられただろうし。
主人公が救われる優しい映画だなって印象。っていうか周りの大人がちゃんと主人公(子供)に優しいよね。
とりあえず映画館行ってよかったし、原作は買った。
けどジブリのおわり、っていつものカットあったけ?
私が見逃しただけ?
追記、原作読みました
原作読んでない人はおすすめ
とても面白かったし、映画関係なくおすすめ
ついでにこの映画の意味わかんないところは置いといても
メッセージとしては同じなんだなって腑に落ちます
とりあえず作品タイトルはあまり意識しなくてよい
まず、タイトルを吉野源三郎の小説からとったということであるが、
それに釣られて何か強いメッセージ性をもった作品なのかと身構えて
視聴するのはお勧めしない。ある程度フラットな意識で観た方 がいい。
他の方が考察しているようにタイトルや本作品内の裏設定はいろいろ
スタジオジブリと宮崎監督の何かが込められているのではないかという
説に賛成であるが、あくまで作品としての完成度や観た上での率直な
思ったままを言えば、慣れた味を詰め合わせてあるのである意味
安心して食えたが全体的に薄味で新味とメリハリに欠け、食後の
満足感というものを特段感じなかった。思い出補正が強いのもあろう
が、ジブリアニメーションには壮大で不思議な世界観と映像・音楽の
体験が冒険心を蘇らせるとか、明日への生きる糧と出来るとかそう
いうのがあるものという認識があったが、いい大人であってもワク
ワクドキドキさせてくれるつくりの作品という意味では最近のアニメ
映画作品ならスラムダンクや鬼滅の某の方がずっと上だと思う。
しかし、ジブリ作品、宮崎監督のアニメというものに人が求めて
いるニュアンスはさまざまであろうから、一概に言うことは出来ない
とも思うのでこれは私見である。
(以下、視聴したまんまを述べており、まるっとストーリーのネタバレ
を含みます。劇場にもう一度足を運ぶつもりはないので忘れないうちに
と、十分な推敲をしていない長文となっており、ご注意願います。
追記:あらすじ書きすぎてる気がしたので文章量を削りました)
主人公・眞人(まひと)の体験と精神的成長がストーリー全体
の主軸ということかと思うが、眞人の内面がわかり易く描写されては
いないため、「意味がわからない」と受け取られる確率が高いのでは
ないかと思った。私自身、このレビューで文字にしようとする過程で
自分なりの解釈をひねり出して書いているだけで、観たその時点では
なにこれ的な印象が強かった。
冒頭で戦時中の空襲が描写されるためそっち系の展開かと思いきや、
主人公の母親が亡くなり父親と田舎に引っ越すきっかけを描写して
いるものだった。まだ子どもである眞人の内面が抱える複雑な想い
を推測できる内容なのだが、初見では判りにくい。
話の中盤以降は舞台が異界であり、冒頭が戦時中とか時代背景がこれで
ある必要はあったのか、と思わないではなかった。状況説明のため以外
ほぼ全く関係していない。
ジブリで描かれる異界の例にもれず、魔法生物や独特のルールが存在
しているが、そこは説明的ではなくても感覚的に観て問題ない。
炎を操る少女・ヒミは眞人の母親ヒサコ(の過去の存在)だと劇中
ほぼすぐに説明描写されている。ヒミ自身が何の説明も受けずに
夏子を妹と判別し、眞人が未来の自分の子だと判別できた理由は
説明されておらずわからない。
また、夏子が異界に赴いた理由は恐らくはそこで出産する必要が
あったのではと推測するが、これも語られず流されている。
あと、眞人とヒミはせっかく主人公とヒロインぽい絵面であるのに、
展開がどんどんと進み、キャラ描写の深みが足りていなかったという
感想をもった。まぁこれは、主人公の母親であり、他に登場する
見た目綺麗な女性も、婆の若い姿とか父親の後妻とか、ストレートに
主人公とカップリングされるようなキャラクターは登場しないあたり、
意図的なのであろう。多分。
敵対?的だったアオサギは眞人と道中協力するなど、相変わらずその
存在は謎だらけである。(謎だらけのまま終わっている。)
あまり深く説明されないままクライマックスとなり、崩れ落ちていく
異界と洋塔の動画はラピュタの崩壊シーンを彷彿とさせ、当然ながら
作画は当時より遥かに緻密。壮大な劇伴もあり、難しく考えず感情
同調すれば、感動し泣ける場面であると思う。
異界から扉を抜けて現実世界に逃げ込んだインコ人やペリカンは
魔法的な力を失い、ただの鳥となって飛び去って行く。そのなかで
アオサギだけは何故か、妙なおっさんのままである。眞人が異界で経験
した記憶もいずれ薄れて行くと告げているが、アオサギは現実世界に
存在する魔法的な存在、普通の人に姿は見せないけど実はこの世界の
どこかに存在する位置づけだったのだろうか。
ちょこっと調べると、アオサギはこの世とあの世、意識と潜在意識を
自由に渡るガイドのようなスピリチュアルな存在だという説があった。
アオサギはこの作品で唯一上映前に公開されていた映画のジャケット
であり、そこにはクチバシの下に人間の目らしきものが描かれ、被り物
でも例えるならガッチャマンのような凛々しさを感じさせていた。
ところが本編に登場するアオサギは妙なおっさんである。観終わった後、
どう解釈したものか悩んだ。考察とか公式見解はチェックしていないが、
アオサギは童話によくある「呪いで不細工になった存在」であり、
本来の姿はジャケットのような凛々しい顔立ちの男だったのではなか
ろうか…いろいろ妄想できるが、多分どこかで誰かが言及するだろう
そして、実にあっさりラストとなり、エンドロールの歌い手にちょっと
テンションが上がったものの、ロール後に少しでも後日談や何か象徴的
な映像でも入るのかと思いきや、本当に何もなし。照明が明るくなり
みんな肩透かしをくらったような気分になったのではなかろうか。
総じて、もっと掘り下げたりたっぷり登場させて欲しかったと思える
キャラも全てさらさらさらっと、という感じで、インパクトが薄い。
アオサギや婆軍団やヒミが、勿体ない。
事前の広報をほとんどしなかった事がどうかは置いて、冒頭にも
若干触れたが、個人によって差はあるだろうがコモンセンスとしての
「ジブリアニメーション」に期待しているのはやはり「千と千尋」や
「ハウル」「トトロ」「ラピュタ」のような作品であろうと想像する。
今回の作品で、それらの主要素であるファンタジー美術や、テンポよく
勢いに満ちたアクションや、壮大な劇伴音楽といったものは全部乗せ
になっており、その意味で良かった凄かったとの声は無論多いであろう
が、私個人は124分で完結するいち作品としてカタルシスを得られる
ものだったかと言われると首をひねらざるを得ない。
先程「全部乗せ」とは書いたが、画面上に「鳥」は大量に出現している
この作品、ジブリの「空」・・・飛翔・飛行・空中戦・自由落下などの
空間的なものが物足りなかったように思う。化け物・怪物・巨大兵器の
要素も少なかった。
心に刺さった人、宮崎アニメの集大成と評する人も一定数いると思わ
れるので、恐らく観る人が歩んで来た経験、描写から特に主人公の心情
を読み取れるかどうかによって判り易い・意味不明の評価が割れるの
ではなかろうか。また、宮崎氏が最後の監督作品だとしているバックボ
ーンまで考えて観るのと単に観るのとでも評価が割れると思う。
エンターテイメントとしての出来や興行成績うんぬんで捉えれば、正直
ちょっとどうなんだろうと思えた。感動が少なめだったので、採点と
してはこの程度である。
ふつうに大傑作やろ
予備知識一切なしの鑑賞。軽く評価だけ見ました。
評価は本当に賛否両論。正直怪しみながら見ました。
他のレビューを見ると、「宮崎駿の人生が〜」とか色々書かれていますが、僕はそんなこと分からないのでこの作品だけをみてレビュー。
なんだこれ大傑作。
僕のすきなジブリが詰まってた。
好きなシーンとか、死ぬほどある。
夏子をまだおばさんと思っている真人。
その証拠に「悪意の傷」が。
でも夏子をお母さんと認めるシーンが特に大好き。
ラストシーンなんかからはもうなにかわからないけど涙が出てきてた。なんでかは自分でも分かりません。
大ジブリ時代の終わり。
ジブリの集大成。
そしてスタジオジブリの終わりの物語だった。
原作である「君たちはどう生きるか。」の内容は踏まえつつスタジオジブリの生い立ちから今後までを重ねていて、君たちはどう生きるか。と言いつつ、俺たちはこう生きます。の意思表示をしている映画だった。
正直こんな映画もう誰にも作れないだろ、という気持ちである。
超個人的な見解だが、以下の裏設定があったかと思う。
◼️塔
高畑勲でありジブリスタジオそのもの
急に天から降ってきて、異彩を放ち周りを怖がらせる存在。駿はそれに魅入られてスタジオジブリを作った。
(勲の周りを建物で囲い、スタジオジブリとした)
◼️大叔父さん
宮崎駿。
ジブリを作った創造主。
スタジオジブリが大きくなりすぎた故、世論に押されて気付いた頃には塔の「神」とされていたが、所詮ただの人間。塔(スタジオジブリ)の中で自分の力で世界を良くしようと長年奮闘している。
◼️眞人
宮崎吾郎。
塔の神(スタジオジブリの主としての駿)に後継者として呼ばれた存在。
◼️青鷺
鈴木敏夫。
スタジオジブリを世界とつなぐ存在。
後継者候補である眞人(宮崎吾郎)の案内人。
塔の中の世界観は全て今までのジブリ作品の集大成であった。
眞人の部屋はアリエッティに出てきそうな内装で、召使いのおばあさまたちは湯婆婆を彷彿とさせ、塔に続く道はメイちゃんがトトロを探しに行った草道にそっくりで、高い波はポニョを思い出させた。
(他にも色々あるが長くなるので割愛)
そう考えると...
やはりあの塔はスタジオジブリで、この映画はジブリを取り巻く世界とジブリの関係性を描いた映画だったのかと思う。
つまりこの話の本筋は、13個の無垢な石(今まで駿が作ってきたジブリ作品の個数と一緒)を産み出した大叔父さん(駿)が、眞人(吾郎)には石を受け取ってもらえなかった。
(駿の意志、ジブリを通じて世界をより良いものにしたいという意志を継いだ形でのスタジオジブリ運営はしてもらえなかった)
そのため塔(スタジオジブリ)を終わらせる決意をした、ということだろう。
眞人(吾郎)を元の世界に戻し、自分は塔と共にいなくなること(ジブリの存続はしないこと)を選んだ。
しかし塔の住人であるインコたち(スタジオジブリで育ったアニメーターの隠喩かな?)は世界に飛び立った。
ペリカン(スタジオジブリに魅入られ、スタジオジブリを憎んだ創作者たちの隠喩?)は塔の呪縛から解放された。
そして何よりも、眞人(吾郎)が元の世界に戻ってきたことに、眞人の父(吾郎の父親としての駿)は大層喜んでいた。
これで良かったのだ。駿も吾郎の幸せを願う一人の人間であり、父であったのだ。
(正直、眞人のモデルが吾郎ではなく、庵野などのジブリの担い手候補とされていたアニメーターの可能性もあるが...私は吾郎だと思いたい)
スタジオジブリの存続方法については賛否両論あるかもしれないが、駿の親としての気持ちが見られただけで十分だったと思う。
他にもヒミは駿がスタジオジブリで描こうとした、理想の女性像の集大成だったのか?とか夏子は吾郎の実の母親であり妻である朱美さんのことだったのか、地下世界の墓の主とは宮崎駿の世界観そのもののことだったのか、考え出したらキリがないがこれも長くなるため割愛。
とにかく。
・スタジオジブリが今までの形では存続しないこと(新しいアニメを作らないのか駿を意識したアニメ作りを辞めるのか、具体的なことは分からないが)
・駿がアニメーターとしては退くこと
・駿が吾郎(もしくは後を継ぐ予定だった他の人間)を愛していたこと
は十分伝わった。
駿を中心としたスタジオジブリは終わるかもしれないが、敏夫と吾郎がいる限り、そして過去のスタジオジブリの作品たちを世界中の人間が覚えている限り、スタジオジブリがあったという存在の証明にはなるだろう。
本当にお疲れ様でした。
ファンタジーとしては良かった、でも内容がよく分からなかった
キャラの行動原理や感情が不明。
例えば主人公の義理の母が塔に入った理由が分からなかった。
あと、主人公の義母に対する感情も不明。
義母のことを好きなのか嫌いなのかが分からない。
後半ではお母さんと呼ぶようになる事から、母として愛しているという推測ができるが、その感情が、なぜ芽生えたのかが分からない。
メタ的に見るとシンジブリスタジオ
最後に13個の石を積み上げられず世界を壊してしまったのはジブリを王国化してしまったプロデューサーかな?さえずるインコをうまくさばきながら宮崎に苦言を伝えているのが当時の裏側だったのでは?
7人のお婆さんたちはジブリを支え続けた女性アニメーターたちかな?キリコは保田さん?宮崎を癒やしてくれる人であり、かなり強いお守りだったのだろう。
最後に世界を受け継がなかったのは庵野たち次の世代の監督たちかな?外の世界で生きていくという宣言はシン・エヴァそのもの。
千と千尋の神隠し以降のジブリの総集編
千と千尋から風立ちぬまでのストーリーの要素が1本に詰め込まれたようなストーリーでした。主人公が母の入院する病院に駆けつけるシーンの描写が素晴らしかったです。
監督はこの作品でショタに可能性を見出している気配もするので、引退作といわず今後も頑張って欲しいですね😀
ジブリ版マルチバース?
初めの30分くらいは何も不思議なことが起こらなかったのに、いきなりアオサギが喋りだして「ぇえ〜!??」って思いました。夏子さんはとにかく美人でした。お父さんは元妻の妹と再婚したということ?え??
そこから謎の塔に入ったら別世界へワープしてしまいました。ドクター・ストレンジマルチバースオブマッドネスを魅せられてるのかと思いました。
それにしてもとりとめのない世界観で、ムズッと思いました。戦時•戦後の世界観は特別必要だったのでしょうか?
あと鳥がやたら出てきて、鳥アレルギーの人は心臓止まっちゃうぞコレと思いました。
なんなジブリっぽいなとも思いましたが、なかなかに難しい内容でした。ま、完全に理解できたらそれはそれでつまらないですが。ユーチューブで解説動画をみて勉強しようと思います。
タイトル回収はしている
噛み砕いて
君たちはどう生きるか→君たちはどう作るか
だと感じた。宮崎駿の年齢と功績がなければおそらく成立しないのかも。
「我を学ぶものは死す」(師匠の真似事では師匠は喜ばないの意)と書かれた金門に、眞人がペリカンに押されてくぐってしまうシーンから、これは宮崎駿の後追いやエンタメを放棄してしまうクリエイターに向けての遠回しなお説教(エール)だなと感じた。
いくつか分からない要素もあったけど、登場人物や建物がそれぞれ下記を象徴していると解釈すると、言動や役割、監督の言わんとしている事が見えてくる。
塔はスタジオジブリ
金門は宮崎駿の作りたい物、趣味の世界
眞人は宮崎駿の息子か愛弟子、自身を尊敬するクリエイター
父親と母親は鈴木敏夫(仕事仲間、プロデューサー、観客として)
夏子は創作(産みの苦しみ、拠り所)
キリコは高畑勲
石でつけた傷は創作の嘘
汚れなき積み木(宮崎駿の本当に好きなもの)
汚れた積み木(宮崎駿にとって好きではないが、世間受けするもの)
一発しかない矢は自作品とアニメ制作業(当たらないと倒産)
キリコの既製品の弓矢はジブリのネームバリュー
矢につけた風切羽は権威や広告などの後ろ盾、保険(嘘)
青サギはフィクションと嘘(青サギは嘘しか言わない)
インコは出資者
ペリカンは理解されにくい創作者のこだわり
(大衆とプロデューサーの板挟み)
ほわほわ(白いやつ)はわかりやすいエンタメをありがたがる大衆
白ハトの大王はハッピーエンド、大出資者
メッセージ性ありそうでない映画
宮崎駿監督で事前情報なし上映ということなので、気になって見てみれば暴論みたいな映画
主人公は世界を管理するか元の世界に帰るか
帰る場合は火にまみれた世界(作品は戦時中)になる
要するに「現実を生きるものに、どう生きるか託される物語」
ロシアウクライナ問題が今の世の中まだあるため、変に告知したらそりゃ問題になりそうだなと思った。
なーんか非現実に逃げてないで現実を見ろって言われてるみたい
宮崎駿作品にしては駄作に入るかもしれないが、人によっては感動してる人もいるかもしれない。
時の回路が出てきたもんだから「まさかマルチバース物!?」とか思ったけど、そんなことはなかった
あと主人公の母親(若頃姿)可愛くね?
※火の魔法?扱えたのは焼死することへの暗示?
時間の辻褄合わせは流石だなと思った
【追記】
結局アオサギは何者?
大叔父の子孫待ってたってことでいいのかな?
鳥の飛翔とトーストにタップリのバター
宮崎映画といえばというイメージで埋め尽くされた作品。
こういうのが作りたかったんだよと聞こえてきそうな、監督自身の好きに溢れてました。
「自分はどうして生まれたのか?」ということかね?
『一切事前情報のない映画』を見れるだけで価値がある
このレビューのタイトルの通り、事前情報が全く無い状態で映画を見れるというその体験そのものに非常に価値があると私は思う。
昨今は映画を見に行くかどうかを、事前に放送されるCMやネットの口コミでしか判断できない人間だらけになってしまった。そういった世相の中でこういった広告戦略を行ったことを自分はとても評価したい。
また、「ストーリーが難解」という批判とともに発狂したかのように低評価の嵐だが、そんなシンエヴァやピングドラムのように訳が分からないと称されるような内容ではない。ストーリーの軸はいたってシンプルで『新しい母を受け入れる』ことであり、『どう生きるか』なのだ。
そして宮崎駿の映像技術は健在である。多くをセリフで語らずに"画"で語る構成は見事と言わざるを得ない。世界観も相変わらず素晴らしく、キャラクターも非常に魅力的でコミカルだ。
『何故義母は異世界の産屋へ行く必要があったのか?』『序盤の門は何だったのか?』『積み木とはなんなのか?』『あの世界は何だったのか?』非常に謎が多いように見えるが、見終わったあとにじっくり考えればあなたの解釈が見つかるはず。これこそが文学であり芸術であり映画なのだ。
しかし、ある意味この芸術性が反動として低評価を産んでしまっている。
昨今の過剰なまでにセリフで説明し、アクションシーンでは派手なエフェクトを付けて、テンポの良い()展開で進んでいくそういった幼稚なアニメばかり見ている現代日本人にはこの作品は早すぎた。
ある程度の教養と知性を持っていなければこの作品は楽しめないだろう。
所々意識が飛んでしまった
ただ、ジブリが好きな方は見たほうが良いでしょう。米津玄師さんの曲も良かったですし。ただ、ウ~ンなんというか。何を言わんとしたいのか今ひとつこない。ただ、隣の席のお兄さんは、ジブリ好きだったのか面白かったって言ってましたが。ただ、ベールに包まれて公になっていないので、新鮮味はあったかな(最初は風立ちぬ感かなと思ったら、ポニョだの、千と千尋だの、ハウルだの、ごった煮感が強すぎた)。はっきり言って好みが別れる映画ですね。
いい意味でごった煮
いい意味で宮崎駿のごった煮、前編に過去の作品を感じさせる描写がタップリ
内容は千と千尋の神隠し、ハウルの動く城を主軸に崖の上のポニョ、もののけ姫のパウダーをふりかけた感じがした(あくまでも主観です)
最後の眞人とヒミが別々の扉で出ていくところは
眞人は元の時間軸へそしてヒミはおばあさんが言っていた行方不明から帰って来た時間軸へ戻って行ったのだろう、だからヒミ(久子)は自分の人生を知ったまま過ごしていたということになる。
「便所」と「トイレ」「坊ちゃん」と「若旦那」
これは下手にCMを打つと、思っていたのと違っていたという批判を呼んで、下手すれば大コケになるかもしれない映画だったように思う。予備知識なしで観させたからこそ、文句が言えない、感じる人は感じる、でも大半の人は苦笑いで劇場を出る、それくらいで済んだ映画だったように思う。
眞人は冒頭、熱に浮かされながら「どこにいくんですか」と聞かれて「便所」と答えて部屋を出る。しかし、下の世界でキリコには「トイレはどこですか」と尋ねている。
これは、上の世界は日本の戦中であることを表していて、下の世界は洋風な、現代に近しい時代である事を示しているのではないかと感じた。
また、キリコは森の中に入る前まで眞人の事を「坊ちゃん」と呼んでいるが、途中洞窟を抜けた先で急に「若旦那!」と呼んだ。ここの時点ですでに見た目に変化はなくとも時空の歪みがあり、むしろ最初の世界より先の、眞人が若旦那になる未来のキリコがそう呼んだのかもしれない…
どうにも夏子に、奥底に隠しきれない女らしい嫌らしさを眞人が感じてしまっている表現が上手く、それを強調された口紅や、黒く長い髪を振り乱す表現で伝えるあたり、高度なテクニックだなと感じた。対比で自分の母親は美しい少女の姿のままで、高潔で髪をきちんと結い、手作りの料理でもてなし、死因となった火さえも自分の力としていく芯の強さや優しさを表現している。
それにしても、宮崎駿監督はそんなに鳥がお嫌い?フンや細かい毛がフワフワと浮くあの感じ、匂いまでこちらに漂ってきそうで途中鼻を覆いたくなるような表現が素晴らしかった。
長編大作の夢を見た後のような、どっと疲れた、しかしあんまり覚えてない、場面場面は綺麗だったけど…。そんな印象を残した映画でした。
みんなの祖父の想いのアトリエ
小学生の頃、渋谷パンテオンに同級生たちと
「魔女の宅急便」を観に行った日のことを覚えている。
シネコンの無い時代、立ち見の出る満員の劇場で
壁にもたれるように背伸びをしながら。
キキの一挙手一投足を沢山の人たちが見つめる様子が印象的だった。
深く濃い緑が描写する日本の風景。
眞人がまぶたを開く様子、走る姿、眠る姿。
ひとつ一つに見覚えがあって、懐かしい生命感が宿っている。
そこにアシタカやナウシカ、キキやメイが息づいているのを感じた。
前半は「失う予感」に満ち、今までに無い
ホラー映画的な緊張感と死の臭いがする。
後半からは、日本ながらの風景に加え、
色鮮やかな「動く西洋絵画」の世界が広がる。
走馬灯のような物語りに
人ひとりが生きてきた時代、思い描いた理想、
現実を生きる上で助けとなる想像の世界、
そして、後悔とバトンが映し出される。
小津監督のようでもあり、黒澤監督のようでもあり、
そのどれとも異なる宮崎監督の私小説を観る映画。
美しくザラザラとしていて、禍々しく儚い。
夏休み。
たくさんの絵が並び、画材と古い木材の臭いがする
祖父のアトリエを訪れたような映画だった。
ジブリと宮崎駿の最後の作品として見るなら傑作だと思う
この映画は宮崎駿が自分の半生と残されたジブリスタッフへ遺書を伝えるために作った映画だと解釈している
もし、この次にまた宮崎駿がジブリで長編映画を作るとしたらこの映画は駄作になると思う
そのぐらい自分とスタジオジブリの最後を描き切った作品だと思う
以下、自分の登場人物に対する解釈
主人公→若い頃の駿、吾郎
主人公の母→駿の実母(写真もそっくり)
夏子→駿の奥さん
アオサギ男→鈴木敏夫
ペリカン→ジブリスタッフ
ペリカンに押されて入った門→アニメ業界への入口
墓の主→とてつもなく厳しいアニメ業界そのもの
インコ→宮崎駿作品以外を認めないファンや関係者
ワラワラ→純粋な幼少期や精子の具現化
大叔父→今の宮崎駿
13個の積み木→過去のジブリ(宮崎長編アニメは13作品)
崩壊する世界→今後のジブリ
君たちはどう生きるか→宮崎駿引退後のジブリスタッフへのメッセージ
勿論、これは全て考察に過ぎない
考察すればするほど深みのある素晴らしい傑作だと思う
これがジブリと宮崎駿最後の作品だとしたら最高の締めくくりだと個人的には感じる
映画に真摯に向き合ってみるとお得
ファンタジーであるものの、「君たちはどう生きるか」というタイトルからあるように、ポップコーンを頬張りながら呑気に見るような映画ではない。宮﨑駿作品の集大成ということもそうだが、「生命の尊さ」、「戦争は絶対にあってならない」という絶対的な思想をも、現代人には失われてしまっていたということを気が付かされる映画である。真摯にこの映画に向き合った人こそ、この映画の真の価値を知ることができ、そして、自分が日頃考えていたことは間違っていなかったのだ、というある種の固い信頼を得ることができるだろう。
また、よく小説を読んだりして、これはこういうことを言いたいからこういう描写をしているんだ、と謎解きのように積極的に物語に入り込める人間にとっては、この作品は非常に色彩豊かで面白いと感じるだろう。これについては保証できるので安心してほしい。
真摯に向き合わない人が悪いと言っているのではなく、もし真摯に向き合ってみれば、美しい映画と、美しい内容と、二倍お得に楽しめるということだけで。一回身を乗り出して映画の世界に飛び込んでみると変わって見えるかもしれない。
全756件中、481~500件目を表示