君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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「便所」と「トイレ」「坊ちゃん」と「若旦那」
これは下手にCMを打つと、思っていたのと違っていたという批判を呼んで、下手すれば大コケになるかもしれない映画だったように思う。予備知識なしで観させたからこそ、文句が言えない、感じる人は感じる、でも大半の人は苦笑いで劇場を出る、それくらいで済んだ映画だったように思う。
眞人は冒頭、熱に浮かされながら「どこにいくんですか」と聞かれて「便所」と答えて部屋を出る。しかし、下の世界でキリコには「トイレはどこですか」と尋ねている。
これは、上の世界は日本の戦中であることを表していて、下の世界は洋風な、現代に近しい時代である事を示しているのではないかと感じた。
また、キリコは森の中に入る前まで眞人の事を「坊ちゃん」と呼んでいるが、途中洞窟を抜けた先で急に「若旦那!」と呼んだ。ここの時点ですでに見た目に変化はなくとも時空の歪みがあり、むしろ最初の世界より先の、眞人が若旦那になる未来のキリコがそう呼んだのかもしれない…
どうにも夏子に、奥底に隠しきれない女らしい嫌らしさを眞人が感じてしまっている表現が上手く、それを強調された口紅や、黒く長い髪を振り乱す表現で伝えるあたり、高度なテクニックだなと感じた。対比で自分の母親は美しい少女の姿のままで、高潔で髪をきちんと結い、手作りの料理でもてなし、死因となった火さえも自分の力としていく芯の強さや優しさを表現している。
それにしても、宮崎駿監督はそんなに鳥がお嫌い?フンや細かい毛がフワフワと浮くあの感じ、匂いまでこちらに漂ってきそうで途中鼻を覆いたくなるような表現が素晴らしかった。
長編大作の夢を見た後のような、どっと疲れた、しかしあんまり覚えてない、場面場面は綺麗だったけど…。そんな印象を残した映画でした。
みんなの祖父の想いのアトリエ
小学生の頃、渋谷パンテオンに同級生たちと
「魔女の宅急便」を観に行った日のことを覚えている。
シネコンの無い時代、立ち見の出る満員の劇場で
壁にもたれるように背伸びをしながら。
キキの一挙手一投足を沢山の人たちが見つめる様子が印象的だった。
深く濃い緑が描写する日本の風景。
眞人がまぶたを開く様子、走る姿、眠る姿。
ひとつ一つに見覚えがあって、懐かしい生命感が宿っている。
そこにアシタカやナウシカ、キキやメイが息づいているのを感じた。
前半は「失う予感」に満ち、今までに無い
ホラー映画的な緊張感と死の臭いがする。
後半からは、日本ながらの風景に加え、
色鮮やかな「動く西洋絵画」の世界が広がる。
走馬灯のような物語りに
人ひとりが生きてきた時代、思い描いた理想、
現実を生きる上で助けとなる想像の世界、
そして、後悔とバトンが映し出される。
小津監督のようでもあり、黒澤監督のようでもあり、
そのどれとも異なる宮崎監督の私小説を観る映画。
美しくザラザラとしていて、禍々しく儚い。
夏休み。
たくさんの絵が並び、画材と古い木材の臭いがする
祖父のアトリエを訪れたような映画だった。
ジブリと宮崎駿の最後の作品として見るなら傑作だと思う
この映画は宮崎駿が自分の半生と残されたジブリスタッフへ遺書を伝えるために作った映画だと解釈している
もし、この次にまた宮崎駿がジブリで長編映画を作るとしたらこの映画は駄作になると思う
そのぐらい自分とスタジオジブリの最後を描き切った作品だと思う
以下、自分の登場人物に対する解釈
主人公→若い頃の駿、吾郎
主人公の母→駿の実母(写真もそっくり)
夏子→駿の奥さん
アオサギ男→鈴木敏夫
ペリカン→ジブリスタッフ
ペリカンに押されて入った門→アニメ業界への入口
墓の主→とてつもなく厳しいアニメ業界そのもの
インコ→宮崎駿作品以外を認めないファンや関係者
ワラワラ→純粋な幼少期や精子の具現化
大叔父→今の宮崎駿
13個の積み木→過去のジブリ(宮崎長編アニメは13作品)
崩壊する世界→今後のジブリ
君たちはどう生きるか→宮崎駿引退後のジブリスタッフへのメッセージ
勿論、これは全て考察に過ぎない
考察すればするほど深みのある素晴らしい傑作だと思う
これがジブリと宮崎駿最後の作品だとしたら最高の締めくくりだと個人的には感じる
映画に真摯に向き合ってみるとお得
ファンタジーであるものの、「君たちはどう生きるか」というタイトルからあるように、ポップコーンを頬張りながら呑気に見るような映画ではない。宮﨑駿作品の集大成ということもそうだが、「生命の尊さ」、「戦争は絶対にあってならない」という絶対的な思想をも、現代人には失われてしまっていたということを気が付かされる映画である。真摯にこの映画に向き合った人こそ、この映画の真の価値を知ることができ、そして、自分が日頃考えていたことは間違っていなかったのだ、というある種の固い信頼を得ることができるだろう。
また、よく小説を読んだりして、これはこういうことを言いたいからこういう描写をしているんだ、と謎解きのように積極的に物語に入り込める人間にとっては、この作品は非常に色彩豊かで面白いと感じるだろう。これについては保証できるので安心してほしい。
真摯に向き合わない人が悪いと言っているのではなく、もし真摯に向き合ってみれば、美しい映画と、美しい内容と、二倍お得に楽しめるということだけで。一回身を乗り出して映画の世界に飛び込んでみると変わって見えるかもしれない。
原作版ナウシカの焼き直し
過去作のオマージュが随所に見られましたが、全体としては原作版ナウシカと同じテーマを扱っているように見えました。
墓の主は墓所の主であり、インコ大王はトルメキアのヴ王であり、マヒトはナウシカ。
人類を汚れなき清浄の地へと導くはずの存在を、主人公が拒否し破壊。
人間の尊厳は汚れや悪意をも含んでいる。それなしには人間とは言えないのだと。
しかし原作版ナウシカが人間社会の醜さを徹底的に描いていたのに対して、今回の映画は間接的には言及されていたとはいえ、ちょっとそこの描写が足りないと思いました。ラストのマヒトの選択のインパクトが薄くなってしまっています。
あと今回はそこに監督の自意識がかなり投影されているように見えて、そこが原作版ナウシカに比べるショボく感じた理由でもあります。
まるで監督自身がかつて酷評した、息子吾郎監督のゲド戦記の様。
それでも凄まじい作画と怒涛の場面展開によって最後まで飽きさせずに見せてしまう技量が今までの宮崎監督にはありました。
ところが今回はそれもない。敢えて宮崎ワールドを戯画的にショボく描いているのか、歳のせいなのか分かりませんが、全体的に物足りない。
千と千尋やポニョにあったような圧倒的なスペクタクルは感じられませんでした。
とは言いつつ、久しぶりの宮崎作品だったからでしょうか。序盤は結構興奮しました。
階段を昇り降りするシーンや、火事のシーン。青サギのシーンやマヒトが部屋で矢が飛ばすシーン。
人間の細かい所作も非常に丁寧に描かれていて、特に夏子さんの醸し出すオーラが凄かった。最近のアニメは作画レベルがどんどん上がっていますが、こういう部分ではやはりジブリが圧倒的だなと感じました。
過去作の合作
千と千尋、ハウル、マーニー、アリエッティ
の世界観を足して割ったような内容だった為
開始10分足らずで最後までの流れが読めて、ワクワク感は全く無かった。本当の原作著書はワンシーンで中身に触れることなく進んでいったので、本を知らない人が見た際には意味不明過ぎる。
がっかりだけど押し付けはよくない
宮崎駿といえば、ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫など、少年少女の冒険活劇的な心をくすぐるキャラとストーリー!ってイメージで、それが人気の理由だと思うが、この作品はそうではない。そうではないからといって、こうであるべき!という押し付けも良くないと思う。
なんでインコなん?とか、並行世界?とか、唐突に終わるとか、考えだすどキリがない。。子供達に分かりやすいストーリーをどうしても期待してしまった。。
テーマはあってもわかりやすい冒険活劇的なものを期待してしまった自分を反省。
バードウォッチング
そりゃ評価割れますとも。
私は???と思った方の人間です。
なんだろう、何の脈絡も無くジブリっぽさをツギハギでぶち込んでくるというか、ジブリファンはこういう映像好きでしょをぶち込んでくるというか、おっとこれを忘れちゃいけないとジブリ飯(半分ハイジ飯)を終盤「どうだ!」とぶち込み・・
集大成ってそういう事?別に集大成とは言ってない?
もちろん賢明なる宮崎駿さんなので、そういう事では無いと思うのだけれども、私は汲み取れなかった。
少年の複雑な気持ちと、それを乗り越えて一歩踏み出したかな?ぐらいしか。
感情移入はできなかった。そういう経験は無いので。
勿論それだけでは無くて、様々にメッセージがあり、色々な事を感じ取った人もおられるようだが、私の感性では駄目でした。
ヒットを狙いに行ったのではなく、本当に描きたいものを描いた、芸術と言うべき映画なのかな。
昨今の入場者特典でヒットを稼いだり、映画っぽく作った実写化等よりかはちゃんと「映画」と言えて、好きだけどね。
以下の感想は無視してください。
これほど鳥まみれの映画は「鳥」以来である。
これほど鳥が恐かったのも「鳥」以来である。
人と鳥の友情、悪い鳥もいれば良い鳥もいる。
幼い子供が見たら、前半寝て後半起きて、下手したらそんなメッセージを受け取るかもしれない。
なんといっても、英題は「少年とアオサギ」。
「君たちはどう生きるか」→「少年とアオサギ」
身も蓋もない!
メッセージは伝わった…のかな
観るかどうか迷った作品
たくさんのレビューを読んで
自分は…と思ったので。
時代背景が太平洋戦争の頃なので
今とかなり時代背景が違います
世襲の家柄や代々受け継がなければ
ならない職業の人たちは理解できますが
シガラミのない人たちにとっては…?
自由に選択できる今の人たちに
とっては薄いメッセージの
様に感じました
2~3箇所退屈に感じた所はありました
…が全体的にはよかったと思います
ポイントは…声ですね
…何故
俳優の人たちを使うのでしょうか
主人公の人はいいと思いましたが…
キムタクはハウルのイメージが強くて
また菅田さん柴崎さんは声が強過ぎて
本人をイメージさせてしまう
ところがありました
バラバラ感を受けました
いつも気になる大竹さんは
控えた感じがよかったと思います
理解できないところも含めて
…まさしくジブリ映画でした
創り続けることは大変なことです
短編アニメ映画を創って欲しいな
…これからもよろしくです
本質的なメッセージは変わらないが新たな表現のジブリ映画
よく分からないというレビューも多く見られましたが、ぜひ映画館に行って判断してください。
宮崎さんの映画の本質的なメッセージは変わらないが、今回の映画はより自伝的な話に思えた。
ここまで作った映画達とは違い新た表現方法は宮崎さんの原体験や他の作品のオマージュが抽象的に表現されてました。
映画好きとして監督の新しい部分が見られたのがとてもワクワクしました。
見る人によって受け取り方が変わるもの
宮﨑駿監督作品・ジブリという枠組みを一度頭から追い出して、なんの事前情報も入れず、なんの偏見ももたずスクリーンに映し出される絵、音、メッセージをそのまま受け取る…そのような姿勢で観てほしい作品です。楽しいおもしろいだけが"愉しむ"ことではありません。本作は口を開けていれば楽しませてくれるエンタメ的な映画ではなく、観る側の感性や経験によって受け取り方が変わる抽象画に近い作品だと思いました。
舞台は戦時中、主人公は裕福な家に生まれ育った少年・眞人(マヒト)。戦火で入院中の母親を亡くしますが、まもなく母と顔が瓜二つ・すでに父の子を身ごもった「母の妹」が新しい母親として現れます。たった1人の母を失った悲しみに向き合う暇もなく周りの親切な大人たちによってみるみるうちに環境が整えられていき、不自由など何もない生活が与えられます。まずこのような立場に置かれた時、あなたならどうしますか?何も気にせず与えられるものを享受する、非行に走る、親に反抗する…人によって違うでしょうが、眞人はとても物分かりのいい少年です。周りの親切な大人たちが自分のためを思って環境を整えてくれたことを知っているし、戦中ではわがままを言えないことを理解している。自分自身の気持ちは「あの日」に置いてきたまま、淡々と毎日を過ごします。まだ幼い少年でありながら、そのような"大人の"振る舞いができる子なのです。
表面上は問題ないように見えても、アオサギを執拗に追いかけ回したり、転校先の同級生とうまくいかなかった帰りに自分の頭を石で傷つけて流血しながら帰るなど、彼なりの世界への反抗・感情の発露がとても生々しく、息を飲みました。
眞人の本当の心を置いてきぼりにしたまま、物語は進みます。義理の母を探して迷い込んだ不思議な世界に翻弄され、時に誰かの手を借りながらついに義理の母を見つけますが「出ていけ、あなたなんて大嫌い」と突き放されてしまいます。あなたならどうしますか?必死にここまできたのに、と怒りますか?じゃあいいよ、と引き返しますか?眞人はこれまで自分の『お母さんへの気持ち』をずっと仕舞い込んできました。突き放されたことで、仕舞い込んでいた本当の気持ちが涙とともに溢れ出します。その瞬間に自我が息を吹き返し、現実を受け入れるための一歩を踏み出すことができたのです。
宮﨑駿監督は、母君とご自身の関係でしばしば苦しんだというようなことを語っているようですね。私自身にもそのような経験があり、眞人の抱える感情がとても他人事と思えず鑑賞後になぜか涙が止まりませんでした。眞人がした不思議な世界での旅は、自分の気持ちを探す旅、自身と向き合うために必要な経験だったのではと思いました。理解できない世界を受け入れ、その上で自分がどうしたいか考えることで、自身を閉じ込めていた堅い殻をやぶり自由になるということなのではないかと。
したがって、本作から私が受け取ったメッセージは『君たちはどう生きるか』、まさにそれでした。
楽しいおもしろい作品が"神" "最高"と称される世の中に、どのカテゴリーにも属さない作品を投じることができるのは、これまで"神"と称される作品群を世に送り出してきた宮﨑監督にしかできないことなんじゃないかと思います。
本作は、いいか悪いか、おもしろいかおもしろくないか、傑作か駄作か。二元的な捉え方では捉えきれないと感じます。物事に正解などありません。判断する人・時・場面によって異なる最適解があるだけです。宮﨑監督が生きてこられた80余年の間に何度も"常識"が塗り替えられ、正しさなんてどこにもない、すべては自分と向き合うことから始まる。と悟ったからこその作品なのではないでしょうか。これまで成し遂げてきた宮﨑監督にしかできない"仕事"、そして共に歩まれたスタッフの皆さますべてに、心からの敬意を表します。
(追記)
はじめに何の偏見もなしに〜と書きましたが、私は宮﨑さんの「決して人間の思い通りにならない自然」の描き方がとても好きで、幼い頃から宮﨑アニメを観て育った自分にとっては今作でもその部分が変わらず感じられたことがとても嬉しかったです。ジブリが好きだったのに今作は面白くなかったと感じた方は、ご自分がなぜジブリアニメが好きだったのか、幼い頃を思い出したり、あるいは自分の心に問いかけたりして理由を探してみると、どうして楽しめなかったのか・好きな部分はあったかなど、新たな発見があって『こんな作品があってもいいかな』と思えるかもしれません。
評価する、しないの作品ではない気が
特に公開前から見たいという気持ちもなかったが、連休中に何かないかと探していたらこの作品に笑
前情報が一切ないということもあり、何を書いてもネタバレになってしまうのかと思ったので、ネタバレ設定に。
個人的には、この映画をみて感想は書けるけど、点数として評価はできないと思いました。
またまた個人的に勝手に思っていることですが、監督は評価されたくてこの作品を作ったような感じでもないのかなと、、、笑
だから、ここで書くのもレビューというよりは、ただの感想です。
なので点数は付けていますが、内容が云々より、単に映画として自分が楽しめたかで付けています。
(ほんとは評価不可があれば良いのですが、選ばないと0になってしまったので、、、💦)
以下、感想。
最初は戦争を題材にする作品かと思って、選択を誤ったと思いました。
(決して、戦争作品が嫌いというわけでもなく、個人的に、前作も戦争が関連していたので、またかという気分だっただけです)
なので、最初の20分〜30分くらいは少し苦痛でした。
ただ、アオサギが普通の動物ではないなと気づき始めるところあたりから、テンポ感がよく見入ってしまいました💡
今までのジブリ作品の要素もところどころに散りばめられていて、ここはトトロっぽいなとか千と千尋要素があるなとか、ハウルのようなものであったり、とても楽しかったです。
また、上に登ると見せかけて下に行く発想はなかなか面白いし、やっぱりアニメーションの動きなどがとても綺麗😊
?がつくところや、あ、これで終わりですかーってなりましたが、自分の知識や持っている頭脳ではこの感受性が限界なのだと感じ、観終わった日は深く考えず帰りました笑
というのも、きっと高尚な方々や頭脳明晰な方々がいろいろ補完してくれるだろうと思い笑
案の定次の日から、考察やレビューが上がってましたので、なるほどなるほどと思いながら自分なりの解釈を探しています☺️
(とくに積み木の意味)
その場で見終わって、良かったとなる映画も素晴らしいと思いますが、見終わって考えさせられる映画も素晴らしい作品の一つだと思います。
いろいろ賛否が分かれていますが、一度は見て自分なりの感想を考えると楽しい作品かもしれないです💡
行間を考える!
宮崎駿監督の集大成って感じでした。
正直、なかなか理解に苦しむ所も…現に一緒に行った相方は???が沢山って、言っていました。
でもきっと、映画で描かれていない部分を自分達で考えて、想像して、自分なりの物語を作って良いのかなって…
なので、見るたびに感想や思いが変わるのかなって
私的には何回か見たい作品です。
エンディングの米津玄師はとりあえず最高!
観て感じたこと、ネットの評価で感じたこと
鑑賞直後の感想
・宮崎駿監督はもう一本つくりそう。
・「君の名は(アニメの方)」ぽさを感じた。他の有名映画のオマージュも結構ありそうだな。
・他のジブリ作品でみたことあるな〜という絵が多い。
・よくわからない。(エヴァンゲリオン的な謎の専門用語をまくし立てる感じではなく、ブレンパワードに近い?)
・現実はクソまみれ。インコのウンコっていうギャグ?
・お父さんは好感が持てた。でも車で小学校に乗り入れるのは息子からしたら周りから浮くし恥ずかしいよな。ちょっとズレてるけど愛情MAX。
・真人は面倒くさい奴。
・少年チャンピオンに出て来そうな不良系主人公ってジブリでみないな〜。皆基本真面目。
公開後のネットの感想等をみて
・賛否両論なのは、監督・脚本が宮崎駿だからじゃないかと思う。全く同じ作品でも、監督・脚本が違う人だったら、評価はもっと偏ってたのでは。
・「このキャラはあの実在の人物の投影だ~」考察が多い。
とても素晴らしい映画だと思いました
ジブリ映画の中で、トップクラスに好きです。またところどころの場面にジブリらしさも詰まっていて、今までのジブリファンへのサービスもありました。しかし、単純にワクワクさせてくれたジブリ映画とは明らかに一線を画しています。世界観を噛み砕かずに伝えているため、複雑で難しくなっています。主人公は真面目で気丈に振る舞いつつも、母を亡くして傷心している暗い少年です。絵にはグロテスクな表現がふんだんに盛り込まれています。正直、何度も観たいかと聞かれれば、結末まで観たいけど、その道中があまりにしんどいので、すぐには観たくないというのが今の気持ちです。それでもこの映画を作ってくださったことに感謝したいくらい好きです。私が心に苦しいものを抱えていたので、最後の米津玄師の歌まで聞いて、この映画への想いが込み上げて、涙が出てきました。
素敵じゃないか
2度の鑑賞。抽象的な部分も多いので、初見→他の方のレビューをみる→2回目、という流れを通して(自分なりに)理解できた部分も多い。
沢山の鳥→烏合の衆、大叔父様→宮崎駿監督という解釈はしっくり来るなと思った。
大叔父様が、石の世界を血縁のものに継がせようとしたこと、そしてそれを諦め(自分の世界を終わらせ)、下の世代に、その人たち自身の物語を生きなさいと願う。その姿に、監督の姿を重ねた。監督自身のアイデアではなかったようですが「君たちはどう生きるか」がタイトルになったのもすごい。わたしたちは、わたしたち自身で選択して未来を生きていく。さて、どう生きる?
散りばめられた今までのモチーフ、わざとなのか、そうじゃないのかは不明だけど、「ジブリを観ている」という幸せがありました。
34歳未婚の身としては、出産はすごく響くキーワードで、ヒミさまのセリフがすごく胸に残った。高齢出産、満足いくような生活をさせてあげられるのかなど、心配事は尽きない。わたしはその子の為に、ボロボロになるかもしれない。でもそれでも、素敵じゃないか、と、わたしも本当に思えた。
それから、キリコさん含む7人のおばあちゃん。なんとなく七福神みたい。彼女たちは真人の家族ではないけど、間違いなく子育てに参加している。昔に比べて少なくなってしまったけれど、そうやって子供たちは育ってきたということも感じた。そういう意味では、駿監督はわたしにとって親戚のおじさんみたいなもので(鈴木さんもそう)会ったことはないけど、育ててくれた一人だと思っています。そして、わたしのような人が、日本に世界に沢山いるんだと思う。
過去のインタビューで「子供たちに、この世は生きるに値するということを伝えたくて作品を作っている」という旨のお話をされていたことを強く覚えている。
今まで、例えば千と千尋やハウルは、面白かった!楽しかった!という感想が前面に出るような作品だったと思う。今回はそういうタイプではないけど、とても強いメッセージを感じました。
この世界(駿監督が生きるに値すると信じてきてくれた世界)で、わたしたちは、どう生きるか。世界を率いる存在(ジブリ)の、そして命そのもの(駿)の、世代交代の物語。
これを作った皆さんに感謝と尊敬の意を。本当にありがとうございました。
【追記】真人(=監督)にとっての「戦争」とは
まず男の子が主人公で、同世代の女の子が出てこないというのがドン引きである。
出てくるのは彼の母や義理の母が変身したものばかりで、彼女たちが真人を誘う。
彼らは真人を成長させているかといえば、そうには見えない。
甘やかしているだけではないだろうか。
普通の映画だったら「批判する異性」がいて、「真人は何にも分かってない!」と言われそうなものだが、彼に対する批判者はどこもいない。
しかも、主人公の真人は異界に入ったあと、一つも決断するところがない。迷路に行き詰まったかと思うと、母親やばあやなどが「こちらにおいで」と導く。これでは真人に共感しろと言っても無理な話だ。
しかも、このデウス・エクス・マキナ的な展開が延々と繰り返されるので退屈極まりない。
そして主人公は最初は嫌っていた継母を受け容れるというわけだが、これまた何の説明もない。呆れっぱなしで終わった。
はっきり言って宮崎駿監督の悪い面ばかりが出たような映画だ。
真人も甘やかされているが、宮崎監督も甘やかされている。いや、甘やかしという名のニグレクトだ。
まあ、えらくなりすぎて誰も鈴を付けに行かなくなったという点では黒澤明と一緒ではあるのだが、しかし、宮崎監督はそれを見ているはずなのだから、脚本を複数で書くなりして、黒澤の二の舞を避けることはできなかったのだろうか。
でもプロデューサーの鈴木氏も同罪で、これはとても商業映画にならないと思ったのだったら「宣伝しません」などと逃げるのではなくて、作り直しをさせるべきではなかったかとも思う。
さらに追記
真人の父は軍需工場で大儲けしているが、真人はそれをどう感じているのか、少しも描写がない。戦争では多くの若者──彼にとっての兄の世代だ──が死んでいる。でも、この田舎の里には敵の飛行機が一機もやってこない(航空機を作る軍需工場があるのに)
また母や義母の家は大邸宅で、地方の大財閥らしい。
父と母とは政路結婚なのだろう。それはいいとして、戦後の改革で財産が没収されているはずが、それも描写がない。普通だったら真人の父親は戦争協力者である。母親、義母の実家は農地解放ですかんぴんになっているだろう。でもそんなことはどこにもない。
宮崎駿は戦争を少しも悪く思っていないのではないか、とさえ思えてゾッとした。
さらに追記
真人の身の上はまったく宮崎監督と同じだった(ウィキペディア参照・父は航空関係の軍需工場の経営者。ただ終戦時は四歳だったので、そこが違う)。結局、駿少年にとって父は対立する存在ではなかったのだろう。そして母に対してはまったく甘える一方であったと。そういう意味では子どもが大人になっただけだったのか。
7人の小バーバと可愛くない鳥たち
ジブリ作品を全部観てはいないのですが、観た中で、
好きな作品は、「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」です。
嫌いな作品は、「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」です。
つまらなかったのが、「コクリコ坂から」です。
本作は、私にとってつまらない作品に入りました。
まず絵です。炎のシーンなど背景は初めのうち、とてもきれいだったのですが、だんだん手抜きな感じになりました。お屋敷の母屋と増築したらしい離れはどんな位置関係だったんでしょうか。それに後半の別世界では部屋や通路がかなり雑でした。
それからキャラクター。ばあやさんたちが醜すぎます。千と千尋の湯ばーばは人間じゃないから気になりませんが、本作のばあやたちは見た目が汚な過ぎです。キリコさん、変わりすぎですよ。
「借りぐらしのアリエッティ」」でもお母さんが不細工でばあやが醜かったですね。
鳥たちが全く可愛くなくて、アオサギは私がカッコいいと思っている鳥なので残念でした。
どんなラストかまでは分からなくても、観客を驚かせる仕掛けが無いので何となく先が読めてしまう感じでした。
キリコさんやヒミの正体はすぐに分かってしまう一方で、分かりにくい所はわからないままでした。
内容に、宮﨑監督の考えが色々込められているのだとは思いますが、アニメ作品としてとにかくつまらなかったです。監督の熱烈なファンや、仏教や哲学に興味がある方や、様々な事柄に込められた意味を読み解くのが好きな方はそれなりに楽しめると思います。
<追記>(というか備考です)
私にはハマらない作品でしたが、海外で高く評価されるのは喜ばしい事です。
海外での題名は、「少年と青サギ」です。アオサギは、英語でgray heronという灰色のサギです。
灰色なのになぜアオサギ?そんなことはどうでもいいという人は読まないで下さい。
日本には色の名前がおそろしく沢山あります。鉄色、鈍色(にびいろ)、利休鼠(りきゅうねず)……青系だと群青、藍、茄子紺、花紺、浅黄(浅葱とも書く)……これは、黒い目の方が青い目より色が識別しやすいらしい事もありますが、長い歴史の中で、わずかな色の違いを楽しむ、色へのこだわりが強い文化が生まれたからでしょう。一方で、少しでも青みを感じれば青、赤みを感じれば赤、と呼んでしまう傾向もあります。灰色の馬にアオと名前を付け、茶色の牛をアカと呼んだりします。うちの犬の図鑑にも、柴犬の毛色はアカ、クロ、ゴマ、シロとあります。
というわけで、 アオサギは、青みがかった灰色の美しい鳥なんです。
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