君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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ザンネン
賛否両論
もちろんあります。
僕はジブリが大好き。
考えるより感じていたあのドキドキ感。
ジブリ。
それが無くなってしまった風立ちぬから
立て直せず。
自伝的に考えさせる作品となった。
考察は多々あり、また隠れた仕掛けも
これから話題になるかもしれないが
映画館で観たあの名作たちと肩を並べることは
到底遠い作品となったか。
鳥の鳴き声がモールス信号。
積み木の数が作品の数
戦争から離れられない思いの強さは
どこへ向けての発信なのか。
子供が見て、意味がわからなかった。
途中から寝てしまった。
何度も何度も観たいと思われる作品を
待っていた。
トトロ、魔女の宅急便、もののけ姫、、、
ザンネン、、、
婆さんあんなに要る?
正直、かなり不安があった。
「原題作の映像化ではない」ので予測は困難、『SLAM DUNK』と比べても極端に事前情報が少ない。
宮崎駿の引退撤回も、情熱故であればよいが、金や名誉、会社のためだったら…
結果、情熱はあったと思う。
しかし面白かったかというと、話は別だ。
最大の難点は、人物の感情や動機がまったく伝わらないこと。
特に主人公である眞人に人間味が皆無で、何度も死にそうになりながら取り乱すことすらない。
何のきっかけもなく夏子を「母」と認め、ヒミとの別れも「このままでは死ぬ」と言いながらアッサリ。
無表情かつジブリ的な棒演技のため、余計に読み取れませんでした。
(棒といえば、ヒミの泣き演技はヒド過ぎた)
異世界の細かな説明はなくてもいい。
しかし、例えばヒミが「この中では制限される」と言うが、能力が不明瞭なためそれがどう影響したか分からない。
大叔父が何を目指し何をしてきたのか知らないのに「道半ば」とか「継いでくれ」とか言われても…
要するに、没入させてくれる要素がなかった。
ジブリをメタ的に表しているとの解釈も見たが、だとしたらそれを仕込みつつエンタメに昇華しなければただの身内ネタ。
母から贈られた『君たちはどう生きるか』を読み涙するシーンもあるが、未読には意味不明。
ただ、作画に関してはジブリの正当進化を感じ、序盤で火の中を駆けるシーンは素晴らしかった。
「宮崎駿はこう生きた、君たちはどう生きる?」ということかな…
趣味に付き合わされた2時間
戦争に関わるのかと思いきや、ファンタジー要素が突然現れ、ただ怖いだけのシーンが続いた。その後は、お得意の三途の川を思わせるシーン。そしてよくわからない建造物と生命体。何をしているのかはわかったが、前提がよくわからず、感情移入はまったくできなかった。
オチは理解できたが、起承転結の結だけ良くて言い訳がない。時代設定に関しても、戦時中である必要性を微塵も感じなかった。1つあるとすれば、戦闘機の絵をどうしても描きたかったからとしか言わざるを得ない。
宮﨑駿監督が好きな方は、趣味丸出しだと思うので、観てみればいいんじゃないでしょうか。映像は美しかったです。
創造の世界と僕
非情に抽象的な映画だと思うし、個別の要素だけ追っているととっちらかっていると言えてしまうのかもしれない。
賛否あるレビューを呼んでいて、「自分と他者の世界に折り合いをきちんとつけられている人には、もしかしたらあまり響かない映画なのかもな」と思った。
本来、レビューというのは作品の魅力を伝えるために書くものだと思う。けれど、僕は誰かがこの映画から何を受け取ったのか知りたいと思ってレビューを探していたし、僕がこの映画に参っているのは簡単には言語化できない熱量と感情をぶつけらたからだと思うので、以下には個人として「感じて想ったこと」を書いていきたいと思う。
映画の内容に触れているので、観ていない人にはお勧めしない。是非大人は内容を調べずに映画館に行って、殴られてくらくらしたり、怒ったりしてほしいと思う。
前提として、僕は特にジブリの熱心なファンというわけではない。
子どもの頃から宮﨑駿作品に触れてきて、漫画版のナウシカもジブリ映画も幾度となく見てきたし、好きだったけれど、年を重ねるにつれてなんとなく徐々に遠のいてしまった。最後に見た作品はゲド戦記か、ハウルだっただろうか、といった程度だ。
今回見に行こうと思ったのも、SNSで「宮﨑駿監督の作品が公開される」という話が流れてきて、「監督お幾つだっけ」と検索して、なんとなく気が向いたからという以外に理由もない。
結果、素晴らしかったし、映画館で観ることができて良かったと思う。
けれど、レビューするのは本当に難しい。
キャラクターが良かったのか、と問われると首を捻らざるを得ない。僕にとっては登場人物たちはあまりにも生生しすぎて、おいそれと愛しづらい。掛け合いは楽しかったが、入れ込んだ人物は特にいない。
ではストーリーか、と問われるとこれも素直に頷けない。2時間という時間で繰り広げられる世界はあまりにも濃厚で、唐突で、ストーリーラインだけを追っていては主人公の気持ちの変化についていくのも大変だ。
では、美術や音楽が良かったのか、と問われると唸ってしまう。間違いなくそれらは素晴らしかったと思うし、感情や息遣いが感じられる動画は凄まじかった。けれど、それはこの感動の直接的な理由じゃない。
どうして自分がこの映画を素晴らしいと感じたのか、と振り返ってみると、いくつか思うことがあるが、一つは映画を見る前の下地として、これまで子どもの頃から当たり前のようにそこにあった、「ジブリ作品という想像の世界」と僕との関係があったからなのだと思う。
物語の前半や下の世界の幻想的な光景は、奇妙な冒険譚だ。美しく不可思議で、子どもの頃いつかどこかで触れた物語や映画を思い出しては、懐かしくなった。「あぁ、こんな気持ちでページをめくっていたことがあるな」と童心を思い出しては、くすりとし、純粋に宮﨑駿ワールドツアーを楽しんでいた。この物語は何処に転がっていくのだろうと思いながら。
そんな観光気分で観ていたから、後半の展開には正直面食らった。
母を探して訪れた場所で、いきなり現れた老人に「お前がこの世界の継承者になれ」だなんて唐突に言われて頷く奴がいるだろうか? 確かにこの世界は美しい。素晴らしく美しいが、眞人は来訪者に過ぎない。眞人には眞人の世界がある。当然断る。当たり前だ。
けれど、一方で「あぁ、それではこの夢のように美しい世界はなくなってしまうのか」と惜しむ僕がいて、同時に監督のお年を思い出して猛烈に寂しくて堪らなくなってしまった。監督が創り上げた、この想像を絶する魅力的な世界も、多分同じだ。
そう思った瞬間に、物語と現実の境界がたわんだようになって、ダイレクトに感情をぶん殴られてしまった。幼いころから監督が手掛けた作品に慣れ親しんで、積み上げてきた思い出や感情があったからこそ、失われて行こうとしているものを突き付けられ、直面させられた時の動揺が激しかった。
「この美しい幻想の世界を継いで欲しい」「引き継げる者はいない」「あるいは理解されない」といった悲痛な絶望と、それに対する理解か受容、或いは諦念を経ての「小石一つ分位は継いでもらえるだろう」があまりにも美しすぎた。小石を持ち返った眞人が家族たちの元に帰り、有り触れた幸せとあたたかな希望に包まれているのが残酷で、悲しくて、そしてやっぱり美しいと思った。
どんなに美しい創造の世界も、永遠はない。創造主がいなくなれば必ず終わりが来る。作品は終わることはなくても、宇宙の膨張はそこで止まる。人は永遠を生きることはできないし、誰かの心を生きることもできないから、似たような世界を作っても、きっとこの監督が作るのと同じものにはならないし、同じものには出会えないんだろう。これは創り上げた人によって見せてもらっていた夢だから、観客は物語の中に飛び込んで続きを見ることは決してできない。
あまりにもあっさりと、ふつりと物語を終えられてしまったことで、その寂しさが余計に強化されてダメだった。
正直、終わった瞬間はあまりに唐突に物語から放り出され、置き去りにされて、感想が「は?」という怒りに近い感情になってしまっていた。けれど、これが眞人ひとりの物語として綺麗に緩やかに閉じられていたら、僕は観客席とスクリーンの距離を超えるほどに心を揺さぶられて、スタッフロールで寂しさと美しさに往復ビンタされながら呆然と泣くようなことはなかっただろうとも思う。
この映画は生きていくことと死にゆくことそのものでもあったと思うし、いろんな哀しみや絶望や醜さを内包しつつも、世界は生きるに値する。そしてそんな素晴らしい世界にもどれだけ名残惜しくても別れの時が来る、出会いと別れを重ねて色んな影響を受け合いながら人の営みは続いていく、という普遍的なことが描かれていたように思う。
当たり前のこと、と言ってしまえばそうかもしれないが、全力でそれを駆け抜けてきた人間にそれを2時間に濃縮して、あんなやりかたでぶん殴られたら、当たるところに当たった人は泣くと思う。漬物石を胸に落とされたようなえげつない衝撃だった。「大して力のない小石」の殺傷性を些か軽視しすぎだと思う。あんなもん全部引き受けようとしたら、受け手の個が死滅して廃人になるだろう。
話がそれたが、僕がこの映画が素晴らしいと思った理由は大体上記のような理由からだと思う。僕は故あって人の生と死に立ち会う機会が多いのだが、この映画は生命としても、人と人との関係性としても、物語が創りあげる世界としても、生と死とそれに纏わる人の心がこれでもかという程詰め込まれ、生生しく、力強く描かれていると思った。物語が閉じられた直後の、「ちょっと待て」「戻って来い」と理不尽に吠えたくなるようなあの感情までもが、既知の人との突然の別れに遭遇した時のそれに酷似していたように思う。
けれど、この映画が僕の心に嵌った理由は、もうちょっと別の個人的な特性によるものだ。
僕は現実の世界で常々生きづらさを感じている人間だ。別に困窮しているわけじゃなし、災禍に遭っているわけでもない。人間関係にも困っていない。けれど、どれだけ仕事で充実を感じても、家族や友人と笑い合っていても、子どもの頃からずっと息苦しかった。誰と居ても寂しくなるばかりで、ひとりになりたかった。一番心が解放されて生きていると感じられるのは、想像の世界に触れているときだった。人間生きるのに向いてないなぁと思ったことは数知れない。現実の余暇に想像の世界の空気を吸うのではなく、現実を生きるために想像の世界での息継ぎを必要とする僕は、果たして現実を生きていると言えるんだろうか、なんて思春期のような自己問答が頭を過ったこともある。そういう意味では僕は、創造の世界を『呼吸のできる場所』にすると同時に『死の世界』として位置付けていたのだと思う。
だから眞人を通じて見た映画に、勝手ながら想像の世界と自分の関係を投影してしまった。まならない現実世界に辟易し、能面のような顔で硬い声をしていた眞人が、死の世界に潜って冒険することで活力を取り戻していく。幻想的な死の世界での冒険を通じて、初めて自分の気持ちとの折り合い方や、他者への優しさを見せるようになっていく。その姿に、創造の世界に何度も救われてきた僕のこれまでを思い出した。
現実でない場所で眞人が掴んだものは決して幻想じゃないだろう。
僕にとっても、想像の世界への訪問は、感情の柔らかさや、誰かに優しくすることとや、人間として大事なものを忘れずにいるために、思い出させてもらうために必要なことだった。だったら僕と創造の世界との関係も、そんなに悪いものじゃないんじゃないか、後ろめたく思わなくてもいいんじゃないかと、そんな風に思った。
僕は人の心を理解するのが苦手だし、宮﨑監督やスタジオジブリのことも良く知らないから、きっと監督が表現したかったことは僕が感じたのとは全然別の事なんだろうと思っている。この映画が監督とジブリの栄枯の話だと説く論を見て、成程なとも思っている。
だとすれば、あまりにも剥き出し過ぎて受け付けない人もいるんだろう。
けれど、僕個人は人が生まれてから死ぬまでの心を明暗すべてぶち込んだようなこの映画が美しいと感じたし、宝物のような小石をたくさん握りしめて生き続けていく人生は結構上等なんじゃないかと、そう思えた。そう思わせてくれたこの映画と、幼いころ僕を手招いて心から自由になれる世界に連れていってくれた人たちに、心から感謝したいと思う。
できることなら、もっとずっと、この監督の生み出す世界の続きが見たい。
ひとまずは、昔見てきた作品や、これまで見逃して来た作品を改めて観てみようと思っている。
見応えあり。見終えて考察したくなる映画
※ネタバレ注意
現実世界の描写はインパクトがあり主人公の絶望が痛いほど伝わってきます。そうかと思えば中盤から後半にかけて凪のような穏やかさを持つ死の匂い漂よう異空間に誘われ、夢と現実の狭間のような感覚を見るものに与えます。ただ、主人公が大冒険する様はスピード感をもって描かれているので、鑑賞後の感じがいいです。
他の方のコメントにもありますが、ジブリの過去作品が思い出されるので、その世界観を楽しみながら見ることができます。
上映中はひたすら宮崎ワールドを楽しめますが、見終わってから考察したくなる複雑さを併せ持つストーリーであり、そこがまたいいです。
不条理な世の中を恨んで生きていくのか、それとも愛を持って生きるのか。受け入れ難い感情に向き合うことは容易ではないし、時には仮想空間に逃げ込んでしまいたくなることもあるでしょう。信じられるものもなく人を傷つけ自分もまた傷つけられ、たとえ荊のような道に感じたとしても現実から目を背けずに進めば必ず道は切り開ける。これは、真実を見極める目が養われるということでもあるのだと思います。そうすればあなたはきっと1人じゃない。信頼できる人が必ず側にいるはずだよ。
この作品を観て、こういったメッセージ性を感じ取りました。
どうやったって過去や他人は変えられないけれど、自分自身と今、そしてこれからを変えることはできますもんね。
もう一度観たいなと思わせてくれる作品でした。観てよかったです。
万人受けはしないけど、好きな人はすごく好きだと思う
いつまでもふわふわした余韻が残る、なんだか不思議な物語だった。夢見てたみたい。
皆さんみたいに上手く感想言えないから、すごい頭の悪そうなことを言うと、
主人公がとてもタイプでした。以上です。
つまらないと言い切れない
けど面白いと絶賛もできない
興味深いって感じが一番近いけど
押井守作品みた後みたいな後味
考えさせられたけど自分の人生には必要ない問い(哲学)というか...
原作読んだら変わるかな?
塔の世界は描き切ってないし辻褄が合ってなくてわからないのもある。
けど主人公に焦点を当てると救われてよかったねってほっこりする映画
弓とタバコの取引を持ちかけられた時、正直に話したり
夏子に嫌いって言われたのにすぐ母さんって返したり
自分で頭割った時はこいつやべえって思ったけど
元は悪いこじゃないんだなって。
頭割ったのも見た目が現代の若者っぽくなったのと
最後のシーンの伏線になっててよかった。
友達もできて自分で頭割る鬱屈さが消えて現実で人と関わって生きてく覚悟ができて
ラストシーンで母との思い出はトラウマじゃなく塔の世界のものになっただろうし
夏子も新しい家族としてお互いを受け入れられただろうし。
主人公が救われる優しい映画だなって印象。っていうか周りの大人がちゃんと主人公(子供)に優しいよね。
とりあえず映画館行ってよかったし、原作は買った。
けどジブリのおわり、っていつものカットあったけ?
私が見逃しただけ?
追記、原作読みました
原作読んでない人はおすすめ
とても面白かったし、映画関係なくおすすめ
ついでにこの映画の意味わかんないところは置いといても
メッセージとしては同じなんだなって腑に落ちます
とりあえず作品タイトルはあまり意識しなくてよい
まず、タイトルを吉野源三郎の小説からとったということであるが、
それに釣られて何か強いメッセージ性をもった作品なのかと身構えて
視聴するのはお勧めしない。ある程度フラットな意識で観た方 がいい。
他の方が考察しているようにタイトルや本作品内の裏設定はいろいろ
スタジオジブリと宮崎監督の何かが込められているのではないかという
説に賛成であるが、あくまで作品としての完成度や観た上での率直な
思ったままを言えば、慣れた味を詰め合わせてあるのである意味
安心して食えたが全体的に薄味で新味とメリハリに欠け、食後の
満足感というものを特段感じなかった。思い出補正が強いのもあろう
が、ジブリアニメーションには壮大で不思議な世界観と映像・音楽の
体験が冒険心を蘇らせるとか、明日への生きる糧と出来るとかそう
いうのがあるものという認識があったが、いい大人であってもワク
ワクドキドキさせてくれるつくりの作品という意味では最近のアニメ
映画作品ならスラムダンクや鬼滅の某の方がずっと上だと思う。
しかし、ジブリ作品、宮崎監督のアニメというものに人が求めて
いるニュアンスはさまざまであろうから、一概に言うことは出来ない
とも思うのでこれは私見である。
(以下、視聴したまんまを述べており、まるっとストーリーのネタバレ
を含みます。劇場にもう一度足を運ぶつもりはないので忘れないうちに
と、十分な推敲をしていない長文となっており、ご注意願います。
追記:あらすじ書きすぎてる気がしたので文章量を削りました)
主人公・眞人(まひと)の体験と精神的成長がストーリー全体
の主軸ということかと思うが、眞人の内面がわかり易く描写されては
いないため、「意味がわからない」と受け取られる確率が高いのでは
ないかと思った。私自身、このレビューで文字にしようとする過程で
自分なりの解釈をひねり出して書いているだけで、観たその時点では
なにこれ的な印象が強かった。
冒頭で戦時中の空襲が描写されるためそっち系の展開かと思いきや、
主人公の母親が亡くなり父親と田舎に引っ越すきっかけを描写して
いるものだった。まだ子どもである眞人の内面が抱える複雑な想い
を推測できる内容なのだが、初見では判りにくい。
話の中盤以降は舞台が異界であり、冒頭が戦時中とか時代背景がこれで
ある必要はあったのか、と思わないではなかった。状況説明のため以外
ほぼ全く関係していない。
ジブリで描かれる異界の例にもれず、魔法生物や独特のルールが存在
しているが、そこは説明的ではなくても感覚的に観て問題ない。
炎を操る少女・ヒミは眞人の母親ヒサコ(の過去の存在)だと劇中
ほぼすぐに説明描写されている。ヒミ自身が何の説明も受けずに
夏子を妹と判別し、眞人が未来の自分の子だと判別できた理由は
説明されておらずわからない。
また、夏子が異界に赴いた理由は恐らくはそこで出産する必要が
あったのではと推測するが、これも語られず流されている。
あと、眞人とヒミはせっかく主人公とヒロインぽい絵面であるのに、
展開がどんどんと進み、キャラ描写の深みが足りていなかったという
感想をもった。まぁこれは、主人公の母親であり、他に登場する
見た目綺麗な女性も、婆の若い姿とか父親の後妻とか、ストレートに
主人公とカップリングされるようなキャラクターは登場しないあたり、
意図的なのであろう。多分。
敵対?的だったアオサギは眞人と道中協力するなど、相変わらずその
存在は謎だらけである。(謎だらけのまま終わっている。)
あまり深く説明されないままクライマックスとなり、崩れ落ちていく
異界と洋塔の動画はラピュタの崩壊シーンを彷彿とさせ、当然ながら
作画は当時より遥かに緻密。壮大な劇伴もあり、難しく考えず感情
同調すれば、感動し泣ける場面であると思う。
異界から扉を抜けて現実世界に逃げ込んだインコ人やペリカンは
魔法的な力を失い、ただの鳥となって飛び去って行く。そのなかで
アオサギだけは何故か、妙なおっさんのままである。眞人が異界で経験
した記憶もいずれ薄れて行くと告げているが、アオサギは現実世界に
存在する魔法的な存在、普通の人に姿は見せないけど実はこの世界の
どこかに存在する位置づけだったのだろうか。
ちょこっと調べると、アオサギはこの世とあの世、意識と潜在意識を
自由に渡るガイドのようなスピリチュアルな存在だという説があった。
アオサギはこの作品で唯一上映前に公開されていた映画のジャケット
であり、そこにはクチバシの下に人間の目らしきものが描かれ、被り物
でも例えるならガッチャマンのような凛々しさを感じさせていた。
ところが本編に登場するアオサギは妙なおっさんである。観終わった後、
どう解釈したものか悩んだ。考察とか公式見解はチェックしていないが、
アオサギは童話によくある「呪いで不細工になった存在」であり、
本来の姿はジャケットのような凛々しい顔立ちの男だったのではなか
ろうか…いろいろ妄想できるが、多分どこかで誰かが言及するだろう
そして、実にあっさりラストとなり、エンドロールの歌い手にちょっと
テンションが上がったものの、ロール後に少しでも後日談や何か象徴的
な映像でも入るのかと思いきや、本当に何もなし。照明が明るくなり
みんな肩透かしをくらったような気分になったのではなかろうか。
総じて、もっと掘り下げたりたっぷり登場させて欲しかったと思える
キャラも全てさらさらさらっと、という感じで、インパクトが薄い。
アオサギや婆軍団やヒミが、勿体ない。
事前の広報をほとんどしなかった事がどうかは置いて、冒頭にも
若干触れたが、個人によって差はあるだろうがコモンセンスとしての
「ジブリアニメーション」に期待しているのはやはり「千と千尋」や
「ハウル」「トトロ」「ラピュタ」のような作品であろうと想像する。
今回の作品で、それらの主要素であるファンタジー美術や、テンポよく
勢いに満ちたアクションや、壮大な劇伴音楽といったものは全部乗せ
になっており、その意味で良かった凄かったとの声は無論多いであろう
が、私個人は124分で完結するいち作品としてカタルシスを得られる
ものだったかと言われると首をひねらざるを得ない。
先程「全部乗せ」とは書いたが、画面上に「鳥」は大量に出現している
この作品、ジブリの「空」・・・飛翔・飛行・空中戦・自由落下などの
空間的なものが物足りなかったように思う。化け物・怪物・巨大兵器の
要素も少なかった。
心に刺さった人、宮崎アニメの集大成と評する人も一定数いると思わ
れるので、恐らく観る人が歩んで来た経験、描写から特に主人公の心情
を読み取れるかどうかによって判り易い・意味不明の評価が割れるの
ではなかろうか。また、宮崎氏が最後の監督作品だとしているバックボ
ーンまで考えて観るのと単に観るのとでも評価が割れると思う。
エンターテイメントとしての出来や興行成績うんぬんで捉えれば、正直
ちょっとどうなんだろうと思えた。感動が少なめだったので、採点と
してはこの程度である。
ふつうに大傑作やろ
予備知識一切なしの鑑賞。軽く評価だけ見ました。
評価は本当に賛否両論。正直怪しみながら見ました。
他のレビューを見ると、「宮崎駿の人生が〜」とか色々書かれていますが、僕はそんなこと分からないのでこの作品だけをみてレビュー。
なんだこれ大傑作。
僕のすきなジブリが詰まってた。
好きなシーンとか、死ぬほどある。
夏子をまだおばさんと思っている真人。
その証拠に「悪意の傷」が。
でも夏子をお母さんと認めるシーンが特に大好き。
ラストシーンなんかからはもうなにかわからないけど涙が出てきてた。なんでかは自分でも分かりません。
大ジブリ時代の終わり。
ジブリの集大成。
そしてスタジオジブリの終わりの物語だった。
原作である「君たちはどう生きるか。」の内容は踏まえつつスタジオジブリの生い立ちから今後までを重ねていて、君たちはどう生きるか。と言いつつ、俺たちはこう生きます。の意思表示をしている映画だった。
正直こんな映画もう誰にも作れないだろ、という気持ちである。
超個人的な見解だが、以下の裏設定があったかと思う。
◼️塔
高畑勲でありジブリスタジオそのもの
急に天から降ってきて、異彩を放ち周りを怖がらせる存在。駿はそれに魅入られてスタジオジブリを作った。
(勲の周りを建物で囲い、スタジオジブリとした)
◼️大叔父さん
宮崎駿。
ジブリを作った創造主。
スタジオジブリが大きくなりすぎた故、世論に押されて気付いた頃には塔の「神」とされていたが、所詮ただの人間。塔(スタジオジブリ)の中で自分の力で世界を良くしようと長年奮闘している。
◼️眞人
宮崎吾郎。
塔の神(スタジオジブリの主としての駿)に後継者として呼ばれた存在。
◼️青鷺
鈴木敏夫。
スタジオジブリを世界とつなぐ存在。
後継者候補である眞人(宮崎吾郎)の案内人。
塔の中の世界観は全て今までのジブリ作品の集大成であった。
眞人の部屋はアリエッティに出てきそうな内装で、召使いのおばあさまたちは湯婆婆を彷彿とさせ、塔に続く道はメイちゃんがトトロを探しに行った草道にそっくりで、高い波はポニョを思い出させた。
(他にも色々あるが長くなるので割愛)
そう考えると...
やはりあの塔はスタジオジブリで、この映画はジブリを取り巻く世界とジブリの関係性を描いた映画だったのかと思う。
つまりこの話の本筋は、13個の無垢な石(今まで駿が作ってきたジブリ作品の個数と一緒)を産み出した大叔父さん(駿)が、眞人(吾郎)には石を受け取ってもらえなかった。
(駿の意志、ジブリを通じて世界をより良いものにしたいという意志を継いだ形でのスタジオジブリ運営はしてもらえなかった)
そのため塔(スタジオジブリ)を終わらせる決意をした、ということだろう。
眞人(吾郎)を元の世界に戻し、自分は塔と共にいなくなること(ジブリの存続はしないこと)を選んだ。
しかし塔の住人であるインコたち(スタジオジブリで育ったアニメーターの隠喩かな?)は世界に飛び立った。
ペリカン(スタジオジブリに魅入られ、スタジオジブリを憎んだ創作者たちの隠喩?)は塔の呪縛から解放された。
そして何よりも、眞人(吾郎)が元の世界に戻ってきたことに、眞人の父(吾郎の父親としての駿)は大層喜んでいた。
これで良かったのだ。駿も吾郎の幸せを願う一人の人間であり、父であったのだ。
(正直、眞人のモデルが吾郎ではなく、庵野などのジブリの担い手候補とされていたアニメーターの可能性もあるが...私は吾郎だと思いたい)
スタジオジブリの存続方法については賛否両論あるかもしれないが、駿の親としての気持ちが見られただけで十分だったと思う。
他にもヒミは駿がスタジオジブリで描こうとした、理想の女性像の集大成だったのか?とか夏子は吾郎の実の母親であり妻である朱美さんのことだったのか、地下世界の墓の主とは宮崎駿の世界観そのもののことだったのか、考え出したらキリがないがこれも長くなるため割愛。
とにかく。
・スタジオジブリが今までの形では存続しないこと(新しいアニメを作らないのか駿を意識したアニメ作りを辞めるのか、具体的なことは分からないが)
・駿がアニメーターとしては退くこと
・駿が吾郎(もしくは後を継ぐ予定だった他の人間)を愛していたこと
は十分伝わった。
駿を中心としたスタジオジブリは終わるかもしれないが、敏夫と吾郎がいる限り、そして過去のスタジオジブリの作品たちを世界中の人間が覚えている限り、スタジオジブリがあったという存在の証明にはなるだろう。
本当にお疲れ様でした。
ファンタジーとしては良かった、でも内容がよく分からなかった
キャラの行動原理や感情が不明。
例えば主人公の義理の母が塔に入った理由が分からなかった。
あと、主人公の義母に対する感情も不明。
義母のことを好きなのか嫌いなのかが分からない。
後半ではお母さんと呼ぶようになる事から、母として愛しているという推測ができるが、その感情が、なぜ芽生えたのかが分からない。
メタ的に見るとシンジブリスタジオ
最後に13個の石を積み上げられず世界を壊してしまったのはジブリを王国化してしまったプロデューサーかな?さえずるインコをうまくさばきながら宮崎に苦言を伝えているのが当時の裏側だったのでは?
7人のお婆さんたちはジブリを支え続けた女性アニメーターたちかな?キリコは保田さん?宮崎を癒やしてくれる人であり、かなり強いお守りだったのだろう。
最後に世界を受け継がなかったのは庵野たち次の世代の監督たちかな?外の世界で生きていくという宣言はシン・エヴァそのもの。
千と千尋の神隠し以降のジブリの総集編
千と千尋から風立ちぬまでのストーリーの要素が1本に詰め込まれたようなストーリーでした。主人公が母の入院する病院に駆けつけるシーンの描写が素晴らしかったです。
監督はこの作品でショタに可能性を見出している気配もするので、引退作といわず今後も頑張って欲しいですね😀
ジブリ版マルチバース?
初めの30分くらいは何も不思議なことが起こらなかったのに、いきなりアオサギが喋りだして「ぇえ〜!??」って思いました。夏子さんはとにかく美人でした。お父さんは元妻の妹と再婚したということ?え??
そこから謎の塔に入ったら別世界へワープしてしまいました。ドクター・ストレンジマルチバースオブマッドネスを魅せられてるのかと思いました。
それにしてもとりとめのない世界観で、ムズッと思いました。戦時•戦後の世界観は特別必要だったのでしょうか?
あと鳥がやたら出てきて、鳥アレルギーの人は心臓止まっちゃうぞコレと思いました。
なんなジブリっぽいなとも思いましたが、なかなかに難しい内容でした。ま、完全に理解できたらそれはそれでつまらないですが。ユーチューブで解説動画をみて勉強しようと思います。
タイトル回収はしている
噛み砕いて
君たちはどう生きるか→君たちはどう作るか
だと感じた。宮崎駿の年齢と功績がなければおそらく成立しないのかも。
「我を学ぶものは死す」(師匠の真似事では師匠は喜ばないの意)と書かれた金門に、眞人がペリカンに押されてくぐってしまうシーンから、これは宮崎駿の後追いやエンタメを放棄してしまうクリエイターに向けての遠回しなお説教(エール)だなと感じた。
いくつか分からない要素もあったけど、登場人物や建物がそれぞれ下記を象徴していると解釈すると、言動や役割、監督の言わんとしている事が見えてくる。
塔はスタジオジブリ
金門は宮崎駿の作りたい物、趣味の世界
眞人は宮崎駿の息子か愛弟子、自身を尊敬するクリエイター
父親と母親は鈴木敏夫(仕事仲間、プロデューサー、観客として)
夏子は創作(産みの苦しみ、拠り所)
キリコは高畑勲
石でつけた傷は創作の嘘
汚れなき積み木(宮崎駿の本当に好きなもの)
汚れた積み木(宮崎駿にとって好きではないが、世間受けするもの)
一発しかない矢は自作品とアニメ制作業(当たらないと倒産)
キリコの既製品の弓矢はジブリのネームバリュー
矢につけた風切羽は権威や広告などの後ろ盾、保険(嘘)
青サギはフィクションと嘘(青サギは嘘しか言わない)
インコは出資者
ペリカンは理解されにくい創作者のこだわり
(大衆とプロデューサーの板挟み)
ほわほわ(白いやつ)はわかりやすいエンタメをありがたがる大衆
白ハトの大王はハッピーエンド、大出資者
メッセージ性ありそうでない映画
宮崎駿監督で事前情報なし上映ということなので、気になって見てみれば暴論みたいな映画
主人公は世界を管理するか元の世界に帰るか
帰る場合は火にまみれた世界(作品は戦時中)になる
要するに「現実を生きるものに、どう生きるか託される物語」
ロシアウクライナ問題が今の世の中まだあるため、変に告知したらそりゃ問題になりそうだなと思った。
なーんか非現実に逃げてないで現実を見ろって言われてるみたい
宮崎駿作品にしては駄作に入るかもしれないが、人によっては感動してる人もいるかもしれない。
時の回路が出てきたもんだから「まさかマルチバース物!?」とか思ったけど、そんなことはなかった
あと主人公の母親(若頃姿)可愛くね?
※火の魔法?扱えたのは焼死することへの暗示?
時間の辻褄合わせは流石だなと思った
【追記】
結局アオサギは何者?
大叔父の子孫待ってたってことでいいのかな?
鳥の飛翔とトーストにタップリのバター
宮崎映画といえばというイメージで埋め尽くされた作品。
こういうのが作りたかったんだよと聞こえてきそうな、監督自身の好きに溢れてました。
「自分はどうして生まれたのか?」ということかね?
『一切事前情報のない映画』を見れるだけで価値がある
このレビューのタイトルの通り、事前情報が全く無い状態で映画を見れるというその体験そのものに非常に価値があると私は思う。
昨今は映画を見に行くかどうかを、事前に放送されるCMやネットの口コミでしか判断できない人間だらけになってしまった。そういった世相の中でこういった広告戦略を行ったことを自分はとても評価したい。
また、「ストーリーが難解」という批判とともに発狂したかのように低評価の嵐だが、そんなシンエヴァやピングドラムのように訳が分からないと称されるような内容ではない。ストーリーの軸はいたってシンプルで『新しい母を受け入れる』ことであり、『どう生きるか』なのだ。
そして宮崎駿の映像技術は健在である。多くをセリフで語らずに"画"で語る構成は見事と言わざるを得ない。世界観も相変わらず素晴らしく、キャラクターも非常に魅力的でコミカルだ。
『何故義母は異世界の産屋へ行く必要があったのか?』『序盤の門は何だったのか?』『積み木とはなんなのか?』『あの世界は何だったのか?』非常に謎が多いように見えるが、見終わったあとにじっくり考えればあなたの解釈が見つかるはず。これこそが文学であり芸術であり映画なのだ。
しかし、ある意味この芸術性が反動として低評価を産んでしまっている。
昨今の過剰なまでにセリフで説明し、アクションシーンでは派手なエフェクトを付けて、テンポの良い()展開で進んでいくそういった幼稚なアニメばかり見ている現代日本人にはこの作品は早すぎた。
ある程度の教養と知性を持っていなければこの作品は楽しめないだろう。
所々意識が飛んでしまった
ただ、ジブリが好きな方は見たほうが良いでしょう。米津玄師さんの曲も良かったですし。ただ、ウ~ンなんというか。何を言わんとしたいのか今ひとつこない。ただ、隣の席のお兄さんは、ジブリ好きだったのか面白かったって言ってましたが。ただ、ベールに包まれて公になっていないので、新鮮味はあったかな(最初は風立ちぬ感かなと思ったら、ポニョだの、千と千尋だの、ハウルだの、ごった煮感が強すぎた)。はっきり言って好みが別れる映画ですね。
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