君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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子供と一緒に見たいと作品
宮崎駿は裕福な家庭に生まれ、戦時中も他人より苦労が少なかったと聞いた。本作の主人公の設定はそのような本人の生い立ちを重ねたものであろうから、自伝的作品と呼べるのだろう。作品を経るにしたがい、社会主義への傾倒から諦観、現代社会の共感的受容へと作者の思想が変化してきたことを感じてきた。本作においても現代社会を落とし込んだ世界が作られ、観る者にどのようなメッセージを投げかけているか読み取ることを楽しめた。
子供の話を聞かずに自分のことに終始する親や見た目が美しいが中身が醜悪なアオサギ、ひねくれてしまった眞人などは現代ではよく見る人の姿だろう。塔にこもり自分の理想的な社会を作ろうとした大おじは、かつて社会主義を理想的に考えていた宮崎駿と重なる。大おじの作った世界を自分の暮らす世界と似ていると言ったセリフは、自分が追い求めた理想の成れの果てを表していたように思う。命を軽んじる風潮や生きる力を失った人々、ペリカンやインコのように本来の求めていた姿からかけ離れてしまったのが今の世界である。
最後に大おじは汚れのない積み木を渡し、眞人に世界を作り直すよう求めるが眞人は拒否する。大おじの世界を冒険する前の眞人なら受け取っていたであろう。世界の姿を知り、どう行動するか。かつてのナウシカは風の谷に戻ったが、アシタカはたたら場で暮らすことを選択した。眞人もやはり、今の危うい世界に戻ることを選択する。自分の傷は自身の悪意の象徴であると言い、それを抱えながら生きていくと決意したのであろう。
私も子供を育てる親である。自分の子供にはよいものを残してあげたいと思うが、どう生きるかを決めるのは子供である。そして、大おじがそうであったように今の世界も始まりは善意だったと思う。悪意が混ざるのもまた、人間らしさなのだ。それとどう付き合っていくか。アオサギとどう付き合っていくか。子供と一緒に見たいと思わせてくれる作品だった。
昔の宮崎アニメと比べるのは
昔の宮崎アニメと比べるのは、しょうがないが、新境地を描く巨匠の卓越ぶりを
楽しんで欲しい。深いテーマやメッセージは、むしろ無いに等しい。
主人公は亡き母と義理の母の奪還を
行動原理にして
世界階層を巡り生命の構造を知る。
亡き母は過去の若い姿で会う
BTFの要素も有るけど、
既に指摘されてるジョンコナリー
「失われたものたちの本」
との共通点が、
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」
より原作モデルであろうと推察される。
本作はディズニーの
「不思議の国のアリス」と
立ち位置と賛否が良く似ており
異端にして功績者、
破壊と喧騒から残るもの。
そのサムシングが
老若男女を魅了するアニメーションの
テーマだったと言えよう。
十分、子供向きとさえ思う。
志村けんのスイカ早食いコントに対して
何故スイカなのだ?
何故早く食べるのか?と
真面目に考えてどうする?
宮崎アニメを暗号課題か何かのつもりで居た人が意外に多くて驚く。
アニメーション映画は
見た目を楽しくするのが表現だろう。
それはナウシカやカリオストロから
すっと続いて有った筈。
そうゆう意味では
今回の「君たちはどう生きるか」も
全く変わっていない。
変わらずに変わるのだ。
この「君たちはどう生きるか」と言う
タイトルも「こうゆう新作、作ったよ。これ観て君たちはどうする」
くらいのノリで
使いたかった題なのだろう。
あえて浅読みした方が
見えてくる場合もある。
これは巨匠入魂の快作です。
ちなみに夢判断的に青鷺は
自由と平和の中で自分自身を解放し
内なる平和を見つける成長を
現している。
詐欺師のサギじゃないよ。
「君たちはどう生きるのか」という題名に?
なぜ「君たちはどう生きるのか」という題名に?宮崎駿監督は見る人たちに、直球勝負で投げかけたテーマに感じた。
その答えは、主人公の冒険譚を通して、自分たちが、もがきあがき、自分たちの頭で考え見つけていくべきだ、という思いを感じた。
そして、初めに戦争を描いた。かつ母親の死と義母の登場。
主人公の少年は、義母に対して、お父さんが愛した人だから、と拒否するが、最後はお母さん!と叫んで助けようとする。そして、母親として受け入れた。映画の終わりでは、戦争は終結し、平和が訪れ、家族仲良く暮らす。
この意味することは何であろう?
戦争は悲劇だ、その悲劇を避けるには?
その答えの提示があるように思えてならない。
母は少年にとって最も大切な人だ。そして戦争で奪われた。そこに全く知らない赤の他人が母と名乗る。最も大切な人であった母の代わりに、他人を母として受けいられるのか?その葛藤の末、受け入れた、ことに答えは収斂しているのではないか?
他人を母として受け入れたのなら、世界に戦争はあり得るのだろうか?家族として受け入れたのなら戦争はあり得るのだろうか?
このように、さまざまな想いを巡らせることができるこの映画は特別な映画だ。
贅沢の限りを尽くした映像美も感嘆した。
夏に味わうこのクラクラ感こそジブリ。
空襲(?)をきっかけに母を失い、父親の再婚者のもとへ疎開した主人公。
家柄による転校先での葛藤や、再婚母への嫌悪感に苛まれる主人公は、実母が遺してくれた本により解放される。
パワーアップした主人公が、「母親に会わせてやる」とそそのかす青サギを追い、謎の塔の不思議世界に迷い込むお話。
▼他人の夢を体験するクラクラ感がすごい。
・ばか暑い夏でクラクラしてる中、謎世界に迷い込まされて、再び現実世界に戻され、なんだったんだあれは・・・とさらにクラクラする感じが、まさに夏公開のジブリの真骨頂。
・トトロや千と千尋よろしく、夏の空気のなかでそのクラクラ感を味わわせてくれただけで有難い。
(以下ネタバレ気味)
▼人間に生まれるために舞い上がった、キュートな命の精霊たちに感動した瞬間、
パックマンスタイルで次々とペリカンに喰われていった不条理の衝撃が忘れられない
▼主人公が異世界へ出発する前にすでに成長してる
・異世界に迷い込んだ主人公が、冒険や出会いを通じて、人間的に成長を遂げるというパターンが多い気がするけど、
本を通して、冒険前に主人公はすでに成長していて、なんでもこいや状態で、異世界ダンジョンを淡々とこなす感じがなんかおもしろい。
▼ファンタジーといってもキラキラしてるだけじゃなく、エグみが容赦ない
・世代的に劇場でのジブリ鑑賞デビューのキッズたちもいるだろうに、ガマガエル大量発生シーンや、大魚かっさばき臓器シーンといった、シュバンクマイエルばりの強烈シーンでトラウマになる子もいるんだろうなぁ。。
▼視聴者が普段大事だと思っていることが、この抽象度の高い作品を通して強化されるところがあるかも
・かろうじて映画のメッセージ性が保たれているのは、大叔父に託された「より良い世界を作るために、混沌の現実世界に戻ること」を主人公が決意するところにある気がする
・主人公が宮﨑駿監督をモデルにしてるっぽいところをみると、だからアニメを一生かけて頑張ってきたのかという見方もできるし、何かに普段打ち込んでいる観客は鼓舞されるところあるかも。
・フィクションとノンフィクションがないまぜになっていて、さらに抽象度が高いので、観客は映画を観ていても、実は自分自身を勝手に発見することになり、結果的に作品タイトルのような作用が働くという構造がおもしろい。
・それを踏まえていろんな人の感想を見ると、それぞれが大事にしていることが垣間見えて、それもまたおもしろい。
宮崎駿版未知なるカダスを夢を求めて
長文になります。
この作品は現実の話でなく、徹頭徹尾ファンタジーであるので、火垂るの墓みたいに戦中の事や現実の事と結びつけるやり方で観ると混乱します。
マヒトの戦中設定もタイトルさえも、この際ファンタジーの為の舞台装置と割り切って観ると、少年の成長や自立、愛されてることを知る王道英雄譚が浮かび上がります。
それだけでもいいのですが、私は、劇途中からSFやファンタジーの視点に頭を切り替えて観た結果、よく分かった気分になりました。あくまでも気分です。
この作品は多分、その日その時その環境で観る度に切り口を変える傑作と思います。
私の感想は視点の一例になるかと思います。こんな穿った見方があるのかと思っていただければ幸いです。
私はこの作品を、H.P.ラブクラフトがクトゥルー神話を作り上げたのと同じ様に、宮崎駿が宮崎駿作品神話体系をつくりあげたのだと感じました。
黒澤明の夢と比較する論説もありますが、この映画はある一貫性があるので私は比較するのは違うと思います。宮崎駿は今までの作品をすべてをオムニバスにした、と大きくとらえたならそうかも知れません。
宮崎駿作品でみた既視感のあるシーンや、おそらく得意だったり好きだったりするのではないかと思われるシーンを盛り盛りに盛り込んで、オマージュで単体の作品だけでない奥行きや作風を全面に出そうとしていました。最近のアメリカ映画にも見られる手法をアニメでジブリでやったというのは驚きです。
自分の心地よいもの、好きなもの、最低でもなにかに媚びなくていいものを全面に押し出して描かれていました。この映画は好きを集めて作品ができているとも思います。だから、エンタメでなくアートに見える。
話自体は、異界に行って帰ってくる話なのですが、千と千尋の神隠しと同じ様でいて全く違います。
千と千尋の神隠しは、冒頭で両親が飯を食わずに変だ変だと言いながら車で道を抜けていけば経験することもない、見知らぬ異界に立ち寄っただけですが、この作品は血による業のようなもので異界に行きます。
そして、異界と家が地続きになってます。ポーのような怪奇物を匂わせていると思いました。
また、私はクトゥルー神話を引き合いに出していますが、宇宙から飛来した石を扱う大叔父の様子、失踪した経緯や姿などからそう汲み取りました。
大叔父が力ある石を前に、現実が見えなくなって別の世界を創造し籠もる姿に、どうしてもラブクラフト作品のそれを見てしまいました。ドリームランド物ではないか、と。
また終始、宮崎駿の中にある異界の常識が説明なく出てきます。
説明を省いた尖ったシーンや言い回しが多く出てきますが、穢れになる血が流れる産屋に入るのは基本的にタブーとか異世界のものをもってかえるのは駄目とか、そういう迷信やお約束を知ってるとシーンに納得ができます。
もののけ姫以降、宮崎駿の世界における常識みたいなものが形成されたのかもしれません。
最後に、この作品に賛否両論として否をおされるのは悲しいです。
晩節を汚したのではなく、宮崎駿82歳の挑戦と考えるべきです。タイトルは原題小説からというより、『俺はこう生きた、君たちはどう生きるか』を略したのではないかとさえ思える大きな挑戦です。
難解なゆえにジャパニメーションと揶揄された数多のアニメ映画群の中に、この作品は入るかもしれません。しかし、他のジブリ作品のように映画からテレビへと何度も放送されて、沢山の人達がみて、その度映画の切り口が変わるタイプの名作なのです。
このレベルで魅せてくれるアニメ映画はなかなか無いです。宮崎駿恐るべしでした。生涯現役で次の作品を観てみたいと思わせる力も感じました。
まだよくわからないです。
鑑賞後2日目。
特に思い出すわけでもない。
みんなザワついているけれど、伏線?隠された意味?考えなくちゃいけないのかなあって。
とりあえずキャラクターはかわいいし、ストーリーはすっきりしているし、ジブリ全開だし、満足でした!
十分満足です。…それで終わりじゃダメ?
感じたことは…
母になった自分が見られたことが嬉しかった。
子どもをもっていなければ、こんなに心は揺れなかったと思う。
母は強い。無償の愛をもっている。
自分が死ぬってわかっていても、あなたの母になれるなんて幸せよ!本当にその通りです。
どんなにクソ旦那でも我が子に出会えた幸せは何事にも変えられないです。
あとまた妊婦になりてええええ!と思いました笑
プリティなコダマみたいなホワホワたちが空に昇るシーンにも涙。
インコがキモカワでたまらなかった。
ジブリの歴代ばあちゃんたちも最高。
眞人くんは真面目でキチンとしていて、アシタカに似ていて、なんでこんなクソ親父の子なのに立派なの!
と思ったけど、アシタカに似てるからクソ男の素質があるってことか。と勝手に納得しました。
別に今急ぎで映画館で見なくてもいいかな?と思うけど、見ていて楽しい作品でした!
確かに分かりにくいところはありますが…。
久しぶりの宮崎監督作品ということで、期待して観てきました。これまでのジブリ作品のように、分かりやすく、子供ももちろん楽しめるというものではなく、タイトルの「君たちはどう生きるか」に象徴されるように、幾分哲学的な雰囲気が漂う内容でした。実写映画にはよくあることだと思いますが、急に場面が変わると、なにか起こったのか分からず「?」となってしまうこと。後になって、あれはこういうことだったのかなと造り手の意図を想像して、再び感慨に浸るような映画だと思いました。映像の行間を読まないと、監督の認識を理解することができないのです。小さな子供達には難しいのかなと思います。
なつこが一人で塔の世界に行き、出産しようとしたのは、真人の前で自分の子供を堂々と産むことがはばかられたからではないでしょうか。新しい生活に馴染めず、怪我をして閉じこもり、自分のことを新しい母親とは認めてくれない真人に対して、どこか後ろめたいような気持ちになって、姉の住む世界に助けを求めたのだと思います。最後に真人が「なつこ母さん」と呼んでくれたことで、元の世界に戻る決心がついたのでしょう。感じ方は人それぞれ色々だとは思いますが、そんなふうに間を埋めながら味わうには、見終わったあとも長く楽しめる良い映画だと思います。
マジサイコーofグットファンタジー
絵もストーリーもなにもかもがジブリ。最高。
最初の方監督の趣味丸出しにしてくるタイプのホラー映画見てんのかと思った。
話の構成もわかりやすいし、これ理解できないとか意味不明って言ってる人は頭悪いんだと思う
戦時中は亡くなった母の妹や姉とまた結婚して子供を産むのはよくある話だったらしい。姉の旦那と結婚する妹や息子の複雑な心境が凄くよく描かれてた。
今までのジブリ映画を短編にしてオムニバス形式にしたらこうなるんだろうなって思った。
時が集まってんのはスズメの戸締りだったし、火から火へと煙突瞬間移動はハリーポッターだしオマージュ散りばめられてた。
おかわりいきたい
冠婚葬祭。宮崎駿だからこそ描けた
まさに今回の映画は冠婚葬祭。ジブリ映画の宮崎駿の作品はほとんど見てきたが、火垂るの墓を何故か彷彿とされた。
にしても今作には怒りを投影したのかは分からないが、風立ちぬ以前まで宮崎駿はどこかエウリピデスやアリストファネスに近いものを感じる。
君たちはどう生きるかの原作となる吉野源三郎の方を以前読了したが、多くの方が内容が違うという。だがこれは完全に違うのではない。(私が感じた)メッセージは似ていて、「風立ちぬ」で行った名前とモチーフを借り、もうひとつの堀の方をストーリーとして並べた手法と今回は似ている。多くの方が言われているように、今回はモチーフと名前が「君たちはどう生きるか」、ストーリーは「失われたものたちの本」だと考えているが、他にも何かあったらお聞きしたい。
宮崎駿が解釈したものと現代に伝えるためのものを現代で翻案されたのだから、原作とストーリーが異なるものがあるのは当然だし、本来あるべき翻案の姿とあってもいい。吉野源三郎がシェイクスピアならば、そのような翻案もしなくて良かったのだ。
今ではエンタメ製として様々な文庫本が映画化やドラマ化されたりもしているが、元々のメッセージ性のある作品を元来のフランスのように翻案されたものは本当に少ないと考えている。創作をしている人間からしたら、この映画は考えたくて考えたくてしょうがない作品で、突き刺さるものでもあっただろう。
また様々な人が最初の5分間を語っているが、たしかに最初のつかみと没入感というものはすごいという言葉だけでは表せない。まさに鳥肌は経ったしザワザワするというのがこういう感覚なのかと冒頭で考えた。
最初から埋まるという表現が多く、足だけではなく体も、なにかにつつまれてしまう現代社会の閉塞感も何となく感じる。
メッセージや事柄を抽象化するのが上手い創作者というものは、どうしても魅力がある。
死そのものの恐怖ではなく、今という意味、生まれるという存在への焦点。あっぱれにも程があって、これほどまでに自分の語彙力の無さを痛感した。本を人よりはよく読んだと思っていたが、やっぱりまだ足りない。本の重要性も身に染みた。
多くの数字も出てきていたが、個人的に気になったワードは裏切り、禁忌、あと何かあったような。記憶が飛んでしまったな。にしても人間はいつの時代でも天災にも人災にも見舞われていて、私は自分に不利益なことはやはり嫌だから、憂鬱とした気分にはなってしまうね。ただそんなことがない世界は一生来ないし、その世界でどう自分が生きるかなのだね。
私はまだ成人してばかりだし、戦争も経験しなければ、唯一体感した大震災も小さな頃で記憶には無い。経験をしていない人間が、人災や天災を少しでも肌に感じさせる方法はやはり映画や舞台しかない。目の前で見なければ意味が無いものがほんとに多くあって、これは宮崎駿だからかけたんだ。私には一生書けない。
確認したいところがあるためもう一度見に行こうと決心したが、ドアプレートの数字やまひとの机から崩れ落ちた本の名前、あそこをボヤかさずにいくつか題名を記して映し出したということは何らかの意味があると考えている。
唯一覚えているドアプレートの数字があったが、私たちに今を生きるしかないというメッセージ性も語られていた。そしてそのドアプレートはまひとが開けていたのも重要であった。(手元を見ていないためもしかしたら違うかもしれないが)
コペルニクスやアインシュタインのモチーフもあって良かった。個人的に気になったの中盤で落ちた薔薇だが、あのバラが落ちるというまではニュートンの有名なリンゴのやつだけれども、なぜバラなのか、最初に星の王子さまを思い浮かべたが何か違うような気もするしこれに関しては私の勉強不足であった。
私の勝手ながらの解釈のため全部間違ってる場合もあるし、意味がわからないし言葉足らずで何が何だかと思うかもしれないけれど、ただ宮崎駿は私に考えるという行為を止めさせないでいてくれた。これだけでも十分の成果で、星5だけではなく星9くらい出したい。
後半でずっと語りかけていた、君ならいい世界にできる。でも僕は嘘をついた、その石を積むことは出来ない。ならこの世界は崩壊する。石は必要だけれど、自分の意思も必要なんだね。
まさに今から人生をあゆむ私たちのための映画でもあり、それをまひとを主軸とするのは本当に良かった。人は忘れるものだとは言っていたけれど、映画や紙媒体は残すことが出来る。記憶を残すための手段はいくらでもあって、宮崎駿はどう生きるかと提示したが、あなたにもまだ生きていて欲しいよと思ってしまった。でもこれが最後の作品でいいのかもしれない
テーマパーク感
母をたずねて異世界冒険ファンタジー
宮崎駿バージョンの不思議の国のアリスみたいな感じだった。
主人公の眞人は何を考えてるのかよくわからない。転入した学校に馴染めず自傷行為をしたと思ったら、冒険がはじまると刻々と変化する異世界に驚きもせず淡々と順応していく。カエルや鳥に襲われてるのにびくともしない、変なやつ…。選ばれた人みたいな特別感だしてる変なやつ…。
ちっちゃくて可愛いばーちゃんたち
先輩肌の姉御
こだまみたいな群衆
等々
テーマパークみたいに宮崎駿世界を楽しんだ。
多少支離滅裂ですよ人間だもの
駿が描くストーリーじゃなくて
駿をコンテンツにしてみた映画
メタファーがたっぷりなので背景知らないと
なんのこっちゃ感満載。少しでも隠喩の
元ネタ知っておくと面白く見れるかも
例えばこんなポイント
ばあちゃんたちは観客
大おじも、まひとも、どっちもパヤオ
大叔父(今のパヤオ)真人(純真な頃のパヤオ)
戦争の時疎開して、そのあと君たちは〜に出会って
アニメーターになる駿がモチーフ
隕石はアイデア、アイデアの世界を旅して見つけた十三の作品(これまでのジブリ映画)
それをもう一回積む人を探してる
リメイクするの?
でも無理ぽ
昔の自分だって嫌って言うだろうな
(金のため=悪意がある積み木)
白いふわふわはアニメのキャラたち
上の世界(現実に)アイデアの世界から
行こうとするも生まれられるのは一部だけ
ペリカンは売れるようにアニメキャラを
間引く人たち(代理店?)金に縛られてる
キリコさん(観客の一部)が世の出る手助けを
している。
アイデアの世界で石(アイデア)を拾うと夢中になる、
だから敏夫(アオサギ)に触んな言われる
でも一個、純真な自分はまだ持ってる
力弱いけど
敏夫も多分力貸せないけど(宣伝してないし)
まだなんかやるかもな
作品として見るか、メッセージとして受け取るか
作品としては、全然面白くなかった。
戦時中の意味はないし、自分で頭に傷をつけた理由がわからないし、あの世界で出産する意味も不明で、ナゾポイントを上げればキリがない。
世界観はいい感じなのに、やりがいことが雑に詰め込まれていて、作品としては低評価。
しかし、宮崎駿からのメッセージとして受け取ろうとすると、まったく視点が変わる。
自分が生きてきた世界、出会った人々、起こった現象、生み出した作品を映画の世界観やキャラクターに比喩しているならば、深みが変わってくる。
観る人によって、いや、もっと言えばジブリの歴史を知る人こそが受け取れるメッセージのような気がする。
結局楽しみました
娘と観に行った。
宮崎駿が新作やっているの全く知らなかっし、タイトル見て、本屋に並んでた漫画のアニメ化なのかと思ったら全然違った。で、面白いか面白くないか、というのもなかなか言えない映画だったよ。
冒頭の火事のシーン、子供の記憶のなかの風景がそのまま映像になったようで、アニメーションの作り手として、やっぱり宮崎駿は凄いと思った。しかし逆に中盤以降、舞台が非現実的になると幻想味は薄らいで、いつものジブリになっていたけど。それと全編、いつもよりダークな雰囲気があったので、今回は久石譲以外で音楽でやって欲しかったとも思った。
で、今作はわりと冒頭からリアルな路線でキャラクターたちも描かれていたので、今回は遂に萌え少女が登場しないのかと思っていたら、やっぱり登場した。しかも、萌え少女でありながら母親でもあるという二重に中年の幻想の気持ち悪さが投影されたキャラクターになっていて、良くも悪くも宮崎駿らしくてヤバいと思った。
それと今作で1番引っかかるのはストーリーで、神隠しや魔法的設定、少年(少女)の成長譚などこれまでの宮崎駿作品と同様のモチーフが散りばめられているのだけど、結局それらがまとまることなく、感情の着地点もよくわからないまま終わってしまった。直接目に触れない場所での死に支えられた軍需産業の恩恵で裕福に暮らす主人公という構図も、主人公がヒロイックに見えるので、子供には伝わりにくそうだし。それで「君たちはどう生きるの?」って問われても…という気分になるんだけど。しかし引退宣言したけど、やっぱり好きな素材、ファンタジーも美少女も戦闘機も全部詰めて物語が破綻していようが構わず好きな物作るのが俺の生き方で、あんたたちはどう生きるのかよ、ということなのかと思えば、タイトル通りだな、とも思えるが。
それにしても、宮崎駿新作なのに、教えてもらうまで公開されていることすら知らなくてびっくりしたけど、ネットでも情報あまりないし、またもや鈴木敏夫の戦略なのかと考えると滅入る。宮崎駿は追うけどやっぱりジブリはイヤだな。結局楽しんだのだけど。
ジブリの総決算的なもの
今までのジブリの総決算というような感じがした。
今度こそ、宮崎駿は、引退するのか?そう思えてしまう内容で、様々な場面で、過去作を思い出してしまう感じだった。
今回の映画に関しては、賛否分かれるのは、観る側に、様々な考えを委ねられているからだと思う。
受け手によって、感じ方が真っ二つにわかれても、しかたないだろう。
私としては、始まりから最後まで集中して観た映画で、終わった後も、色々試行をめぐらした感じだった。それが映画の楽しみだと思う自分もいる私は、嫌いではないが、観る側は、結構疲れるかもしれない。私は、それなりに面白かったと思っている。
なお、大人向けか、子ども向けかということで、とても心配になったが、結論から言うと、子どもを連れて行っても、かわいいキャラクターもでてきたりするので、そこそこ楽しめるだろう。
事実、私の子ども、小学1年生の双子と、幼稚園年長の末っ子は、
観終わった後、おもしろかった、過去作のジブリにキャラみたいなのが出てきたなどとの感想を述べていた。
その為、深い意味が分からない子どもでも、それなりに楽しめる作品だったと思う。
なお、私としては、宮崎駿監督には、いつものように引退を撤回して、新作を作って欲しい。いつも、これが最後との思いで、その時の最高、ベストを尽くしているからこそ、常に引退作品ということなのだろうと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
公開から日が経っており、不評なレビューも見かけたが、ハヤオの映画は最後かもしれない、そう思うと見ずにはいられない。映像はやっぱりジブリという感じで新しさはないが、ジブリと言えばこれ、懐かしさもあるが古いと思う。
つまらなくはない。序盤から青サギが現れて、これが何か謎であり、観客の関心を惹きつけ続けるだろう。
主人公マヒトは中学生位?だろうか、少年であるが優秀である。戦争で母を失い、父の田舎の実家?に引っ越しする。母の妹が新しい母であるが心を開けないようだ。新しい母のお腹には子供を授かっている。
田舎と言っても大豪邸。家は大きく部屋は広い。10人位の高齢のお手伝いさんがいる。マヒトや母は美形であるが、お手伝いさんたちはリアリティがなく、お化けみたいな容姿だ。
青サギの中身はおっさん。マヒトの先祖である大伯父からの指示でマヒトをあっちの世界に連れて行こうとする。大伯父は昔神隠しに会っていて行方不明。実際にはあちらの世界の平和を守っている。
マヒトの新しい母、夏子と言ったか?、が山に入っていくのをマヒトは見ていた。その後、夏子が行方不明になり、マヒトは夏子の捜索にお手伝いのキリコと一緒に山に入る。その先でマヒトとキリコは青サギの狙い通りあちらの世界に行ってしまう。
あちらの世界では、キリコは若返っている。インコは人間みたいだ。
今までとは違う感動
ジブリ好きの娘が先に見に行った感想があまり良くなかったので、あまり期待はせずに鑑賞しました。
結果本当に良かった!
わたしは大のナウシカファンですが、ナウシカのマンガを現代風にアレンジしたもののように感じました。
ところどころにラピュタや千と千尋、紅の豚などを思い起こさせる要素はあれど、異世界・石・壊す・崩壊・現世界の重要要素はナウシカからそのまま引き継がれていてるように思います。
なぜ石を壊されたのか、なぜその道を進むことを決意したのかは、ナウシカでは6巻かけた結果に対して、映画はたった2時間なので唐突に感じる部分もあります。
ただ、これを書きたかったんだ!(漫画版ナウシカ)と勝手に思い込んでいるナウシカオタクの身としては、映像化されたことに深く深く感動しました。
内容どうのこうのというよりも、ずっとずっとこれを見たかった。石の内部を見たかったし、黒い部分も見たかった。
宮崎駿が言いたかったことは、結局初期作品からずっとブレずに変わっていないのかな、と感じました。
ありがとう!!
自分の中の答えを出す為にもう一度観たい
衝撃的だった台詞が、うろ覚えなんだけど火事に遭ってしまったお母さんの別世界キャラの台詞。お前と会えたから火も悪くないよ、みたいな。
ギュッと抱きついた無邪気なあの姿は私の見間違いなのか…帰り道で泣きそうになって堪えたけど、私達はこんな残酷な世界でも結局人を愛して生きている。その救いをもう一度確かめに行きたい。
ポニョの別バージョン?
日本では、魂は海からやってきて生まれ、死ぬと鳥となって飛び立ちます。
だから、ポニョが半魚人化したとき、鳥の脚を持つことに妙に納得したのです。
今回も、死後の世界、あるいは生まれてくる前の世界が描かれていますが、そこにはたくさんの鳥がいます。
彼らは死んだばかりの魂?
インコたちは、太平洋戦争で命を落とした兵士の魂でしょうか。
生まれ出る命、「わらわら」は、魚の内臓を食べて飛翔します。
わらわらを食べて、この世に生まれることを邪魔するペリカンたちは、なんのメタファなのか。
ポニョでは、宗介が「以前通ったことのあるトンネル」を抜け、「あの世」と思わしき世界へ到着しました。
今作では「通路」が登場しています。
大叔父が司っていた、今にも崩れそうな「世界」が太平洋戦争に敗北する日本なのだとしたら、大叔父とはいったい何者なのでしょう。
命の循環を、宮崎駿監督は、なんとして語り掛けているのか、一度ではわかりませんでした。
物語のもう一つのテーマは、「母を喪失した少年が、新たな母を得て母子になっていく物語」ではなかろうかと思います。
当時、妻が亡くなると、その妹を妻にすることは珍しくなかったのでしょうが、ナツコには姉への遠慮があり、眞人にも複雑な感情があったはずです。
亡き母とそっくりなナツコへの思慕もあるでしょうし、それでも母とは違うというためらいもあったのではないかと思います。
その葛藤が、「ナツコさんを探しに行く」ことでほどけていく過程が描かれているのかと。
なんにせよ、何度か見返さなくては、いろいろ見逃してることがありそうです。
もっといい映画はたくさんあります
まずメッセージ性はすごく高いと思います。
各キャラクターが誰を、何を象徴していて、彼らの行動にどういう意味があって、展開、エンディングから監督が伝えたいものは何か。
それを感じたい、考えたい人にとってはとても面白いんじゃないかと思います。
これが漫画や小説だったら私は楽しく読んでいたでしょう。読後感も良いものだったと想像できます。
しかしタイトルの通りこれはアニメ映画であり、わざわざお金を払って劇場で観ていると考えると、私としてはイマイチと言わざるをえません。
開始数分でアシタカは呪われて村を出ましたし、シータは空から降ってきましたし、千尋は名前を失いました。その後の冒険のボリュームとその面白さたるや。
一方で今作の主人公「眞人さん」は、結構お家でグダグダしています。体感、20〜30分でしょうか?もっと?私は辛気臭いという印象を受けました。早く本筋に入れよと。
あとは好みと見方の問題です。
この映画を「冒険活劇」と取るのであれば、この映画はとにかく辛気臭くて、展開とメッセージの出し方が雑です。
冒険活劇はわかりやすいストーリーの裏に、実はそこそこ深いメッセージがある、というものが多いかと思いますが、メッセージが「メッセージ」として結構露骨に描かれている印象でした。もちろん比喩の皮は被ってますが、それが逆に雑さというか、こなれていなさを感じて、私はなんだか悲しい気持ちになりました。
身体が動かなくなったベテランアスリートを見るような感覚でしょうか。。
この映画を「宮崎駿による黙示録」と取るのであれば、お世辞抜きにめちゃくちゃ面白いと思います。特に2回目です。冒頭に書いた通り、いろんなものがいろんなものとして描かれていると思います。
監督の言いたいことはなんだろう?何を表現しているのだろう?
眞人さんのお家での暮らしも、冒険に旅立つまでの過程を丁寧に描いたといえます。
彼の心の動きとは何か。彼の行動や発言が何を表しているのか。
そしてこの映画は何を表しているのか。。
他の方の考察や評価、この映画に至るスタジオジブリと宮崎駿のバックグラウンドを含めて考えるのであればとても面白い作品だと思います。
繰り返しになりますが、これが進めるペースを自分でコントロールできる小説や漫画であれば私は楽しんだと思いますが、これは2時間縛りつけで展開スピードは提供側任せの映画というコンテンツです。
キャラクターの顔も、情景も、音もスピードも、全て決まっている中で、出てきたものに対して私はあまり良い印象を受けませんでした。
同じ条件下で存分に楽しませてもらった他の映画や、私が大好きな過去のジブリ作品と比較したら、「つまらない」という感想になります。
誰にでもわかるエンタメの中に深いメッセージを隠すのがかっこいいと思ってるので、この作品は好きではありません。
メッセージを無理矢理アニメ映画の形に押し込んだようなものでした。
まあ、何を求めるかによります。
考察等々を読んで2回目見れば面白いのではないでしょうか。
全763件中、441~460件目を表示











