君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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ずっと意味がわからない
何を伝えたいのか
なぜわざわざ戦時中にしたのか
・
・
・
その他もろもろと疑問しかない2時間だった
作画はジブリの中でも1番良かったと思う。
特に火事の熱波が伝わってくるシーン。
あとは久石譲頼りの作品って感じでした。
塔が人体を表していたり、生命について表現されていたりしていたのはもちろん理解できましたが、正直なところ「だから何?」という感じです。
この作品をもって何を伝えたかったのか、まず何がテーマだったのか、、全く伝わりませんでした。
各所に散りばめられた表現に気づき、理解して「なるほど」となったとしても、作品全体は全く面白くないです。
老マエストロは如何にして心配するのをやめて幻想を愛するようになったか。 これ宣伝しなかったんじゃなくて出来なかったんじゃ…💦
姿を消した継母を探すため異世界へと足を踏み入れた少年、眞人の冒険を描くファンタジーアニメ。
監督/脚本/原作は『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』の、巨匠・宮崎駿。
主人公・眞人を導く青サギ/サギ男を演じるのは『帝一の國』『銀魂』シリーズの菅田将暉。
眞人が住む屋敷に仕えるばあやの一人、キリコを演じるのは『ガリレオ』シリーズや『名探偵コナン』シリーズの柴咲コウ。
眞人の父、勝一を演じるのは『ハウルの動く城』『マスカレード』シリーズの木村拓哉。
異世界の権力者、インコ大王を演じるのは『風立ちぬ』『シン・ゴジラ』の國村隼。
👑受賞歴👑
第96回 アカデミー賞…長編アニメ映画賞!
第81回 ゴールデングローブ賞…アニメ映画賞!
第77回 英国アカデミー賞…アニメ映画賞!
第49回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…アニメ映画賞!
第47回 日本アカデミー賞…最優秀アニメーション作品賞!
第15回 TAMA映画賞…特別賞!
1937年に発表された吉野源三郎の同名小説から影響を受けて制作された作品であり、作中でもその小説が登場するものの、直接的な繋がりがある訳ではない。
この同名小説は既読だが、もうあんまり覚えてないなぁ…。
前作『風立ちぬ』(2013)から10年。長編作品からの引退を表明していた宮崎駿監督がついにカムバックッ!!
それだけでも大事件なのに、今回はその上、公開まで一切の宣伝もしないし情報も明かさないという異例の体制が取られた。
夏の超大作として封切られるというのに、話の内容はおろか出演者すらわからない。こんな事は後にも先にも今作だけだろう。この五里霧中感を楽しむという意味でも、今すぐ劇場に駆けつけなければならないっ!!
という訳で、早速初日に劇場鑑賞。
最速鑑賞組の「意味がわからない」という旨の報告をネットで目にしていたものの、まぁそこまでではないだろうとたかを括っていたのだが…。
これマジかっ!!??
上映終了後の劇場内の、水を打ったような静けさ。
今目の前で起こったことを、誰一人として飲み込めていなかった。
もちろん宮崎駿監督作品が一筋縄ではいかないことくらい百も承知なのだが、まさかここまでハイブロウなものを提示してくるとは…。やっぱりこの人頭おかしい…😵💫
情報が溢れかえっている現代だからこそ、あえて宣伝しないことが宣伝になる、とは鈴木敏夫プロデューサーの言。
言いたい事はわかるし、まぁ確かにその通りかもな、なんて鑑賞前は思っていたのだが、いやこれ鈴木さんも売り出し方がわからなかっただけなんじゃ…💦
一緒に観に行った友人はかなりのご立腹だったし、おそらく世間的にもこの作品はめちゃくちゃ叩かれるだろう。
とは言え、自分としてはこの映画を嫌いにはなれない。というかかなり好き❤️
口が裂けても「めっちゃ面白かった!」とは言えないし、人にオススメもできない。
脚本は支離滅裂だし、キャラクターの行動原理も意味不明。ウェルメイドな作劇とは天と地ほども差がある、奇妙すぎる怪作。しかし、その奇妙さが自分の頭にへばりついて離れないのです。
映画にしろ漫画にしろ、ほとんどの観客は明快なストーリーラインを好む。
Aという点、Bという点、C、D、Eという点があり、それを直線で結んでゆく事で物語を作り上げる。洋邦問わず、大衆に受け入れられる物語は大体こういう作りになっている。
しかし本来、物語というのはもっと漠然としたものだったと思うのです。
アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスが編纂した「ボルヘス怪奇譚集」(1955)。これはボルヘスが世界各国の怪奇譚を蒐集し、それを再編集・再解釈したものなのですが、どの物語も唐突であやふやなものばかり。しかしボルヘスは「物語の精髄は本書の小品のうちにある」と断言しています。
思うに、物語には点と点を繋ぐことによって成立する直線的なものの他に、円と円の連なりによって成立しているものもあるのではないでしょうか。というか、その”円”の物語こそがプリミティブなものであり、”線”の物語はその派生系、もっと言ってしまえば商品になるように加工された”インダストリアル”なものであると、私は考えています。
Aという円があり、またBという円がある。AとBの円は2点で交わっている。そこにさらにCという円が、AとBのそれぞれと2点で交わるようにして描かれる。そしてさらにDという円が…。
このように成り立つ物語は、直線的ではない分無駄が多く、一見しただけでは意味がわからない。
しかし、このような円と円の交わり合う部分の外側、無駄に見える部分に宿るものこそが人間の持つ原初的な想像力、言い換えれば「物語の精髄」なのではないでしょうか?
このプリミティブな物語性を追求したものこそが”幻想文学”というジャンル。
幻想文学において、プロットに穴があるとか物語に整合性がないとか、そんなことは関係ない。作者の持つ豊かな想像力をどれだけ具現化出来るか、それこそが全てである。
初期の宮崎駿は、点と点を繋いでいくという”インダストリアル”な物語の名手だった。『カリオストロの城』(1979)や『天空の城ラピュタ』(1986)はその最たる例である。
そんなウェルメイドな語り手であった宮崎監督だが、『千と千尋の神隠し』(2001)辺りから物語の整合性を放棄し始め、その作品群はより幻想文学としての色合いを濃くしていく。
なお、宮崎監督はドキュメンタリー『ポニョはこうして生まれた。』(2008)ではっきりと「ストーリーに興味がなくなった」と発言しており、物語を作る力がなくなったのではなく、意図的に物語を作らなくなったという点は強調しておきたい。
現代幻想文学の旗手、村上春樹は物語を作ることをロールプレイングゲームに例えています。
ゲームを作る自分と、そのゲームをプレイする自分。物語を書くというのはその両方が同時に存在する事なのだと。つまり自分で物語を作っているのにも拘らず、その物語がどのようなストーリーを展開していくのかはわからない、自動筆記のような状態にあるのだというのです。
現代日本を代表する作家という事で、海外メディアでは度々その類似性が指摘されている宮崎・村上の両者だが、確かに今作は村上作品の風合いにひどく似ている。
この映画は純然たる幻想文学であり、おそらく脚本的な面白さはハナから一切考えられていない。
それよりも重視されているのは、監督の頭の中にある想像を出来る限りそのままの形で具現化するという事。
おそらくは監督本人でも理解しきれていない、イメージの本流をそのまま観客に提示すると言うほとんど実験映画のようなことを行っているように思います。
物語のコントロールが自分の手から離れている状態で作り出されたのが、少年・宮崎駿(ゲームのプレイヤー)と老人・宮崎駿(ゲームのクリエイター)の対話劇であるというのは何とも面白い。
スタジオの後継者には血の繋がりが必要だというのはなんとも生々しい独白であるが、それを自分自身に否定させることにより、これまで築き上げてきた世界と心中する。まるで三島や太宰のような正直な独白を、幻想文学の形式で描き切ったのだから恐れ入る。
小手先のテクニックや頭で考えたロジックではない、物語の語り手として約60年も活躍し続けてきたという経験が成せる技を堪能させていただきました。
幻想文学の面白さというのは、世の中にイマイチ浸透していない。一流のエンターテイナーである宮崎駿は当然その事を理解している。なので、これまでの宮崎監督作品では、どれだけ意味のわからん物語であっても、必ず最後には観客が喜ぶお土産が用意されていた。
最も作家性が強く出ており、一部では宮崎駿の”遺書”であると言われていた『風立ちぬ』にすら、最後は大衆が喜ぶようなベタなオチがつけられていた。
しかし、今回はそのエンターテイメント性をすっかり放棄。理解不能な脳内世界を作り上げ、観客をその中に放り込んだ挙句、お土産を手渡しすることもなく、ドンっと突き放すことで物語空間から締め出してしまう。
この態度に腹を立てる観客も少なからずいるのだろう。
今回、美味しいお土産はない。
しかし鑑賞後にポケットを探ってみると、あるんですよ。無機質でゴツゴツした石が。
最初は「なんじゃこのゴミは?」なんて思うんですが、それを手のひらでこねくり回しながらじっくり観察していると、なにかが違って見えてくる。
ただの汚い石かと思ったけど、なんか結構面白い色してるじゃん。
ここはトゲトゲしていて危ないけどここはスベスベしていて気持ちいいな。
ここの傷はなんだか人間の顔みたいで面白い。
あっ、ここの隙間から見えるガラスの結晶はキラキラしていてとってもキレイだ…。
人によってはただの汚い石ころ。人によっては綺麗な小石。みんながみんな楽しめる映画ではないけれど、観測する人間によってその表情を変える。
そんな映画を目指して作られたのだと思うし、その試みは成功していると思うのです。
宮崎駿最高傑作!!…とは決して言いませんが、何度も繰り返し観たくなるような、まぁとにかく凄まじくクセのある映画なのです。
ただ一つ気になったのは、今作の画的なつまらなさ。
これまでの宮崎駿なら、主人公が迷い込む異世界にはもっと観客の心を躍らせるような猛烈で激しい作画の嵐が吹き荒れていたはず。しかし、今回はそれが一切なかった。
荒海を越える展開の静けさといったら、これが本当に『ポニョ』(2008)で気狂いじみた津波を描いた人の作品か?と疑問に思ったほど。
今作の画的な盛り上がりの少なさは意図していたことなのか、それとも年齢的な衰えによるものなのか、そこのところがわからない。
御年82歳。年齢を考えれば今作が宮崎駿の長編最終作になる可能性は高いが、今回の画のパワーの弱さの原因をはっきりさせるためにも、監督にはまだまだアニメを作り続けて貰いたい。
というか、せっかくここに来て純幻想文学作家というさらに新しいステージに登ったのに、今作が最後になるのは勿体無さすぎる。
頼むからまだまだ、出来れば100までやり続けて下さい…🙏
※駿老人が駿少年に手渡した積み石の数は13個。
『未来少年コナン』から『君たちはどう生きるか』まで、宮崎駿の監督作品は全部で13個。
この数が一致するのはただの偶然?それとも意識的に行った事なのだろうか…。
真実は監督本人のみが知る。
※※ NHKで放送された「プロフェッショナル」では、大叔父は高畑勲であるとされていたが、やっぱりどう見てもこれは宮崎駿本人。
「本を読みすぎて頭がイっちゃった人」と劇中で述べられていたように、確かに最初は高畑勲をイメージして作っていたのだろうが、だんだんと今の自分と同一化しちゃったんだろう。
このドキュメンタリーを作ったディレクター・荒川格はジブリ御用達の人物だが、とにかく自分の中で設定した答えありきで映像を作る。彼のドキュメンタリーを鵜呑みにして、宮崎作品を読み解いてはいけない。
※※※2025年5月、「金曜ロードショー」にて3度目の鑑賞。
幾分冷静な目線で見直してみると、これ異世界に行かない方が面白い映画になったんじゃないか?とか、ちょっと思っちゃいました。
不思議なお屋敷には、江戸川乱歩の「幽霊塔」(1937)っぽさを凄く感じる。新装版は宮崎駿が口絵を担当しており、その中でこの小説の冒頭部分を絵コンテに起こしているのだが、それが物凄く良い出来で、やっぱりこの人天才だと改めて感心した。
ジブリの次回作は「幽霊塔」で良いんじゃないですか?宮崎駿に絵コンテを書かせれば、後は誰が監督をしてもかなり良い映画が出来ると思いますよ😁
長年のファン故のショック
宮崎駿監督の長編は最後に相応しい風立ちぬで綺麗に終わったと思っていたので、今作発表はびっくりしつつも初日昼から楽しみに観た。
結果、支離滅裂、という感想しか出てこなかった。そしてもう二度と見たくない。幼少期からディズニーよりジブリを見続けて育った私がこんな感情を抱いてしまう、その事実が信じられないほど悲しい。
ナウシカ、もののけ姫、紅の豚、風立ちぬで見てきたような(私は世間一般人気がある千と千尋やハウルなどのファンタジーは子供っぽくて好まない)宮崎駿監督しか描けない社会性の重いテーマやメッセージが何ひとつ伝わってこず、キャラクターも感情が乏しく魅力がなく、一人も好きになれるキャラクターがいなかった。気味の悪い老婆や鳥人間、次々現れる謎の能力者…視聴者を置いてけぼりにさせているとしか思えず入り込めなかった。勝手にしてくれと思ってしまった。他の肯定的なレビューにあるように過去のジブリ作品のオマージュなどは随所に感じたが、人物に焦点が合わず脈絡のない展開がずっと続くため気分が悪くなってくる。しかも2時間を超える。途中まだ終わらないのかと時計を確認してしまいそうだった。空腹で腹がなったが、隣席や背後かやも腹の音が聞こえた。とにかく面白くも可愛くもなく、何を伝えたいのかわからず拷問のような2時間だった。二度三度みれば謎が解けるかと聞かれてもそういう内容ではないような気がした。
タイトルに使うならそのまま説教映画を作ってくれた方が絶対良かった。宮崎駿監督にしか作れないはずだから。
こんな苦しいレビューを書かずにはいられないほど、長年のファンとしてのショックが大きくてまだ受け止めきれない。宮崎駿監督らしくない作品だった。
考察をたくさん読んで解釈するしかない
宮崎駿監督作品と言うから、無条件でIMAXでの鑑賞を決めた。
スタジオジブリ作品ではあるが、エンドロールに名を連ねる他のアニメーション会社の多さがジブリの弱体化を物語っている。
近年、スタジオジブリでは千と千尋の神隠し以降、ヒット作品と言う作品は無いと思う。
息子の宮崎吾朗が映画を作っても、父のような才能には恵まれず、酷評され、スタジオジブリの後継問題と後継者不足が浮き彫りになった。
ジブリスタジオでアニメーターをしていた人々は別のアニメーション会社を立ち上げたり、移籍したりして、巣立って行った。
残ったのは、血を分けた息子と宮崎駿監督作品とそれに群がり、まだスタジオは健在だと嘯く関係者のみ。
宮崎駿が築き上げた城は、世界はもはや空前の灯火だと言うのに、跡を継ぐものがいない。
結局、ジブリスタジオは近年では父親である宮崎駿の作品を振り返る美術館や展示会で生きながらえている。
果たして、大衆娯楽的な映画を作ることができないジブリスタジオがこの先、どうやって生きていくのか。
息子は自分の生きる世界で生き抜くことができるのか。
今作は宮崎駿の自伝的作品だと考察されている方がいて、なるほどと唸ってしまった。
そう言われたら、物語のストーリーがしっくり来る。
以下、考察を参考にしたキャラクターの解釈
⚫︎マヒト
宮崎吾朗
⚫︎マヒトのパパ
宮崎駿(父としての顔)
⚫︎青鷺
鈴木敏夫かな?と思ったけど高畑勲説もあり
⚫︎大叔父
宮崎駿(監督としての顔)
⚫︎インコ
映画関係者とか視聴者
⚫︎ペリカン
メディア
⚫︎婆ちゃん達
古馴染みのアニメーター
女性キャラ達が誰だろう?
母は庵野監督とか?
妹の身重の監督は米林監督?
公式のパンフレットがしばらく発売されないそうなので、答え合わせまで時間が掛かるみたい。
それもジブリの思惑通りなのか。
とは言え、宮崎駿監督作品で育ったので劇場公開初日に鑑賞できて嬉しかった。
監督が世に作品を生み出してくれたから、確かにジブリ作品は私の魂の一部になっている。
監督のような森にはなれないけど、細木くらいにはなれるように生きていきたい。
私は好きな作品です。
昨日から公開なのをうっかり忘れていて、午前中に定期検診を入れてました。昨日、日テレで宣伝してるのを見て「しまった!唯一映画館で観られる朝イチ上映は?」と調べてみると…
大迫力音響『Dolby Atmos』を最大画面、追加料金なし!の謳い文句が!
なんということでしょう!映像の匠、人は彼をジブリの魔術師と呼ぶ、そんな宮崎駿監督の技を10年ぶりに感じられる土曜の朝。(加藤みどりさん風に)
前置き・枕はこれくらいにして、一応『枕』に韻を踏んでみるとまさにビフォア・アフターではないですが、観る前の気持ちと観終わった後の気持ちがこれほど劇的に変わるとは思ってもみませんでした。
前情報があまりにないことと、急に観ることになったせいで予習不足は否めず、このままでは赤点必至なので、封切り日のまだ少ないレビュー40件くらいを見てからの鑑賞。『宮崎駿も終わりだ』『訳わからん』『駄作』みたいな書込みが多かったせいでハードルをくるぶしくらいに落としての鑑賞。
いえいえ、確かに難解で子供向けではありませんが(他のジブリ作品も大人向けのもの、結構多いですよね!)米津玄師さんのエンディング曲が流れた時には涙が出てきてました。もしかして本当に宮崎監督作品の見納め?という感情だけではないと思いますが、娘、孫まで3世代の情操教育を担ってくれたジブリ作品から宮崎監督が足を洗う(もっといい表現ないものでしょうか?)ことの寂しさをひしひしと感じたことは間違いありません!
正直1回目ではまだまだ消化不良ではありますが、これから何度か観直すごとに理解を深めながら感動も重ねていくことになると思います。
本編に触れるなら『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』『崖の上のポニョ』『魔女の宅急便』『思い出のマーニー(宮崎監督作品ではありませんが)』他、たくさんのジブリ作品のオマージュ、おばあちゃん軍団は湯婆婆やポニョの施設のお年寄りみたいですし、特に青鷺のおじさんはほぼカルシファーのキャラですよね。
強いて言うなら舞台を日本の戦中・戦後においた理由は今ひとつわかりませんが『風立ちぬ』も同じく宮崎監督の思い入れが大きいのでしょうね。ハウルとソフィのごとく眞人とお母さんのお互いを想う気持ちが痛いほど響いてきましたし、どなたか書かれていましたが積み木の数と宮崎作品の数、宮崎監督が離れたあとの『ぼくたち』はどう生きるか、が深く深く響いてきます。
あとは言うまでもなくジブリ作品特有の美しすぎる映像と久石譲さんの美しい旋律、声優をつとめられた皆さんの素晴らしさに感動です。宮崎駿監督作品をBlu-rayBOX(高かった!)で買って毎週、孫とトトロ鑑賞にいそしむ(ガンバレルーヤのまひるさんのごとくセリフを暗記してしまいそうです!)お年寄りとしては「いいものを観せていただきました!美味しゅうございました。(岸朝子さん?)」が率直な感想です。さあ2回目でもっと深掘りしなきゃ!
宮崎駿監督が少年時代に読んだ本に感動して 現代社会、若者たちに問題提起する作品!
君たちはどう生きるか?
アニメーションの中だと真人の亡くなった
お母さんが遺した本を少年である真人が
発見した場面が、題材となった小説になぞらえた部分だと思いました。
真人が幻の世界に入り込み、亡くなったお母さんに会うことが出来なくても、屋敷のばあやに似た人型の木が御守りの代わりになり
積み木をひとつひとつ重ねるように新しいお母さん夏子や、これから生まれてくる生命、
お父さんと共に生きて欲しいと思えるストーリーでした。
青鷺は、人が亡くなることの悲しさ
ペリカンや、同じものの集まるところは、
今までのジブリ作品と重なるシーン
集大成だと思いました。
君たちはどう生きるか?
自分が世界の中心ではない
自分が世界の1部だと言う視点で世の中を見る
新しい発見をする
問題を解くのに答え自体ではなく
答えを導き出す後押しすること
世の中の生産性、まだまだ解決出来ていないことをこれから生きていく人たちに
自分がその1人となる可能性があることを
示すようなメッセージ性を感じました。
補足、感想が難しいのでまとまらなくて
乱文ですみません。
後半30分ほとんどの観客が振り落とされる
題名から説教くさくなると予想されていた宮崎駿の最新作。
実際は、忠実に跡を継いで欲しいという思いと若者が自らの意思で選択するべきという思いの両方が描かれていて、駿の中で葛藤があったように思えた。
物語の終盤はかなり抽象的な表現が多く、また墓や石といった単語が説明なしに使われるため理解が難しいと感じた。
作画に関しては流石の一言に尽きる。
家屋の崩落や獣の大群、炎の描写などまさに宮崎駿の集大成であった。
その一方でエンディングに米津玄師を起用するなどこれまでにない新しい試みもあり、今後のジブリの展望に期待したいと感じた。
映像のワクワク感は凄いが話は面白くない
主人公の母親が亡くなり、母親の妹なつこが母親代わりになる。
疎開先の学校にも、新しい母親にも、新しい屋敷の世話人にも馴染めずストレスが溜まる。
母親代わりのなつこが甘えさせてくれると思って自傷するも失敗。
そんな中、身重のなつこが森の中の塔にフラフラと誘い込まれるのを見て主人公は助けに行く決意をする。
塔の中には実は宇宙から来た巨大な石があり、その中には異世界が広がっていた。
なつこを探して旅をする主人公。
サギ男やキリコ(疎開先の世話役のばあさんの若い頃の姿)ヒミ(母親の若い頃の姿)と一緒に墓の主を避けたり海を超えたりワラワラが人として生まれ変わるのを見届けたりインコやペリカンに襲われたりしながら冒険する。
塔の中の世界の管理者は主人公の祖先で、主人公に世界の管理を引き継ぎたい。
主人公は拒否。管理者は元の世界に戻ってどう生きるか主人公に問う。友だちを作りますと答える。
インコの王様は管理者になりたかったが、管理の要となる善意の石でできた積み木を切ってしまう。
すると世界は崩壊し、主人公はなつこと和解し、母親はもとの時間軸に戻る。
2年後、仲の良さそうな主人公一家が東京に戻るため出発するシーンで終了。
所々に昔のジブリで見たことあるシーンが散りばめられていた。
足をバタバタさせて靴を脱ぎ捨てるシーン海の見える建物の外壁をよじ登るシーン
コダマみたいな白くてかわいい生き物がワラワラ集まってくるシーン
木のトンネルをかがんで進むシーン
謎の岩が爆発して祟り神の触腕みたいになるシーン
ハウルの動く城の入口っぽいドアが一瞬映るシーン
他にもたくさんあると思う
ジブリっぽい映像が怒涛のように沢山楽しめる作品ではある。
主人公が母親を失って精神的に不安定になるが、異世界を冒険して立ち直り、新しい環境に適応して現実を生きていくというのが主軸だろうが、主人公が自分の気持ちを語らないしずっと真顔だし周りの人が君はこう思ってるんだろと言うまでどういう心境なのかわからない。
前半のテンポが悪い。なかなか話が始まらない。
クライマックスも千と千尋とかのような爽快感や感動はあまりない
宮崎駿の集大成がこれと言われると映像は納得だがそれ以外はうーん…という感じ。
宮崎監督の最後の作品とのこと。自らの作品へのオマージュと、これからの世界を築いていく後進への期待とで詰まった作品かもしれない。そんな気がしました。
前の作品で一区切りついたと思っていた訳ですが
新作が出来たからには観ない訳には ・_・イカン
…などと、思い詰めて観に行くつもりは無いですが
やはり今までの作品鑑賞とは違った気分がします。
さあ鑑賞。
第2次世界大戦中のリアルなお話。…と思わせて
少年が異世界に行ってしまうお話でした。
母親が入院している病院が火事に。 大変だ。
どうやら母は亡くなってしまったらしい。
母の妹(叔母)と父が結婚する事に。 …展開早くないですか
叔母のお腹には弟か妹がいるらしい …手も早くないですか
母の実家の洋館には別館があり、アオサギが飛んできます。
アオサギに導かれて別館に消えた叔母。
叔母を追って洋館に立ち入る少年。(と湯婆婆みたいな老婆)
この辺りまでは、それなりに楽しく鑑賞。
若返った湯婆婆(みたいな)の一人と
火を操る若く美しい娘が登場。
どうやら異世界のようだ。
擬人化したペリカンやインコがいる。(…可愛くない ・-・;)
そして
この世界を創った男がいるらしい。
この辺りから、アタマに「?」が立ち始めます。
実は、火を操る少女は少年の母親。
この世界を創った男は、実は母親の大叔父で
世界を受け継ぐものを探しているという…。
ああ、そうか。
宮崎監督は
自分のこれまでの作品を自らオマージュしながら
この後に続く世界を後進に委ねようとしているのか
飛び立つ沢山の鳥は、若きこれからのクリエイター達
を示しているのだろうか
などと、そんな事を考えながら帰宅しました。
う~ん。
全くの的外れかも知れませんし,どうなのでしょう。
本当の所は誰にも分からないのかも知れません。
※同じタイトルの「本」を読むと
理解が進むのでしょうか… はて
◇余談
本編上映前の予告編
普通なら「入っている客層」をターゲットにして
また来てくれそうな作品の予告編を流すものと思うのですが、
今作では見事にバラバラでした… ・_・;
・ホラー作品(目を背けたのでタイトル不明 @_@)
・山田洋次監督作品(吉永小百合、大泉洋)
・トランスフォーマー
・クレしん (しんちゃんも3D!)
・すみっこぐらし(3作目。 観ます♡)
etc
シニア層向けから就学前のお子さん向けまで。
「君たちは-」がどんな客層でも対応できるようにとの
そんな予告編のラインナップでした。
※子ども向けの作品なら、予告もアニメ作品が多いとか
あると思うのですが、違ったなぁ、と。
※この作品にどんな客層が入るのか全く予測不能
だったのかもしれませんね。 (と、真面目に考察)
◇最後に
大叔父さんを見ていて
未来少年コナンのラオ博士の最後のセリフが
アタマに浮かんで来ました。
” 君たちの時代が始まるのだ
素晴らしい未来を創っておくれ」
ビジュアル的には全く似ていない二人な訳ですが
何故か、脳裏から消えません。
◇大団円
宮崎監督のこれまでの活躍には「お疲れさまでした」と
感謝の気持ちしかありません。
今までの素晴らしい作品、ありがとうございました。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
80代の宮崎駿が引退してなおどうしても撮りたかった、「少年」版の『千と千尋の神隠し』。
あれだけあえて事前情報を伏せて公開した映画なので、一応ネタバレ扱いにするのが礼儀なのかな?
もう引退したと思っていた宮崎駿が、辛抱たまらなくなって撮り始めた最新作。
ほんとにコペルくんとおじさんの出てくる『君たちはどう生きるか』のアニメ化なのか。
ただひとつ明らかにされていた、アオサギとハシビロコウのあいの子のような謎生物はいったい何なのか。
まったく何の予備知識もなく観に行って、2時間、映画に正対して思った。
まずは、まごうことなき「宮崎駿」の映画だった。
それもいったん引退した監督が撮ったとは思えないくらいの、重量級の長編映画。
そこには、今まで宮崎が扱ってきたありとあらゆる要素がぎっしり組み込まれていた。
その意味では、宮崎駿という円熟した監督の晩年を飾る作品としては、じゅうぶんにご褒美感のある映画だった。
いっぽうで、面白かったのかといわれるとちょっと首をひねるところがある。
いや、マジで宮崎駿らしい映画だったし、思ったよりは辛気臭くも説教臭くもなかったし、思いがけないくらいの宮崎アニメ的なアクションとキャラクターにも満ちていたんだけど、なんとなく作りとしては諸要素がかみ合っていないというか、序破急のバランスを逸しているというか、物語としての緊密さを欠くというか、個人的にエンタメとしては消化不良感のいささか残る作品だったような。
― — — —
総じていうと、本作は少年版の『千と千尋の神隠し』だ。
異界に迷い込んだ「少年」が、奇妙な動物たちに囲まれて、「アオサギ」や「姉御」や「幼母」の助けを得て、「神」のごとき「大叔父」との邂逅ののち、「世界の理」の一端を体感したうえで、一定の成長とイタ・セクスアリスを経験して、現世へと帰還する。
そういう話だ。
物語の祖型としては、西洋における『冥界のオルフェ』や日本における『黄泉平坂(よもつひらさか)』の神話がベースになっているといってよい。
すなわち、「妻」のかわりに「喪われた母性」を地下の冥界へと探しに行って、それを連れ帰ろうとする「少年」の物語である。
異界へと入っていく描写は、コクトーの『オルフェ』を思わせるところがあるし、義母の寝所に入ったときに、「禁忌」に反応した御幣のような「紙」に襲われる陰陽道ふうの描写は、まさに「イザナミ・イザナギ」の神話を想起させる。
この大枠に、宮崎駿がこれまでに積み重ねてきた様々な要素が注ぎ込まれる。
まず冒頭は『風立ちぬ』や盟友・高畑勲の『火垂るの墓』のような、先の大戦における大火災の描写で幕を開ける。出だしから「乗った重みによる車体の沈み込み」や「高いところから下りたとき足に来る衝撃」といった、重力と身体性をめぐるネチネチとしたアニメーション描写が執念深く繰り返され、「ああ、俺いま宮崎アニメ観てる!!」という気分にさせてくれる。
疎開先に少年がやってくる描写は、少し『となりのトトロ』や『借りぐらしのアリエッティ』(宮崎は脚本参加)を思わせる。そこに「オールド・ダーク・ハウス」ものの怪談めいた話が出てきて、その「妖しさ」の象徴として登場するのが、謎めいたアオサギだ。ヒッチコックの『鳥』を意識しているのは間違いない。
今回、久方ぶりに「少年」を主人公としたことで、ある意味ファンが待ち望んでいたような「初期様式」への遡行が見られたのも確かだ。
西洋的な城や洋館、階段や壁を用いた垂直アクション、空中浮揚と重力のせめぎ合い、手に手を取って走る少年・少女といった、『未来少年コナン』や『ルパン三世 カリオストロの城』『天空の城ラピュタ』といった「初期宮崎アニメの鉄板ネタ」が随所で見受けられ、個人的にはとても懐かしい感じがした。
おばあちゃんの若いころは「きっぷのいい魔法の使える姉御」だとか、お母さんの若いころは「ヒロインオーラ全開のパイロキネシス美少女」だとか、「ロリババア」要素が唐突にぶっこまれて来るのも、『ラピュタ』とか『ハウルの動く城』で見られた宮崎駿の特殊性癖の一環だ。
少女として異界に生きる母親は、わかりやすく「不思議の国のアリス」の装いをまとって漫画チックな城内を闊歩し、トランプの兵隊と女王ならぬ、インコの兵隊と王様を蹴散らして、やがて産むはずの我が子を守り導く(ただし、母親役の泣き演技はひどかったなw)。
主人公の少年は、基本的に寡黙で、常に姿勢がよくて、頑固で、ひたむきだ。
よくいえば武士のような佇まいがあって、きりっとしたキャラクターにも思えるが、
悪く言うと、何を考えているのか今いちつかめない、軽くアスペっぽい感じのある少年だ。
もちろん、この少年には宮崎駿自身の少年時代が重ねられているのだろう。
ただ、少年キャラの「得体の知れない」感じは、少なくとも初期の『コナン』や『ラピュタ』には全くといってなかった要素で、むしろこの依怙地で人の言うことをあまり聞かない感じは、『崖の上のポニョ』の宗介に近い感じがあるように思う。
主人公の少年を異界に導き、反撥し合いながらも、やがて「友」となる「アオサギ」は、最初に変化したときのその風体から『千と千尋』のカエルみたいなキャラかと思ったのだが、ふたを開けてみればまさしく『未来少年コナン』のジムシーに近い、究極のバディ・キャラだった。
おそらく本作で一番の、愛されキャラではないだろうか。
アオサギというのは、実際になかなか面白い鳥で、人間に対して総じて警戒心が強い鳥種なのだが、その割に、水前寺公園や不忍池などで常駐している個体にはやたら人なつこいものもいて、釣り師に魚をねだったり、手から投げた餌をキャッチしたりと、飼い鳥のようになっている場合もある。住処として、神社や屋敷森や公園の林地の樹上に、かなり規模の大きいコロニーをつくるのも特徴で、要するに「妙に人と近いところで」「得体の知れない威圧感をかましながら」「結構貪欲かつ傲岸に生きている」。いかにも本作のマスコットキャラにはぴったりの選択ではないか。
建築空間の設定については、一定の法則性を感じる。
まず出てくるのは、紙のように戦火に燃える東京の木造家屋。
疎開先には、豪華な書院造の和洋折衷建築の母屋と、洋館の離れが立っていて、少年の部屋は洋館のほうにあてがわれている。さらにその後背に広がる森には、謎の(ちょっとサグラダファミリア風の)廃塔が呑まれている。
塔から通じている「異界」には、「魔女の隠れ処」や「西洋風の城」が立っていて、さらにその深奥部にはタルコフスキー的な哲学的空間が隠蔽され、海辺のあずまやに異界の神として君臨する「大叔父」が坐している。
つまり、少年の生活圏から離れて「幻想」へと近づくにつれて、世界の「西洋」度が増していく。おそらく宮崎駿のなかでは、少年にとっての異界(ファンタジー)の極限にあるのが「西洋のお城」なのだろう(だからこそ少年の心をもつルパンは城の壁面に挑むのだ)。
異界を象徴する「ペリカン」と「インコ」は、どちらも「日本の鳥ではない」のがポイントかもしれない。
疎開先で異界と現世を結ぶのは、日本にも西洋にも生息するアオサギで、完全に異界で暮らしているのはペリカンとインコという「完全な洋鳥」である。
インコはもともとオセアニアの鳥なので、ヨーロッパ的な文脈ではエキゾチックな博物学的興味を喚起する鳥でしかなく、「華美」を象徴する程度のイコノロジーしかない。一方で、ペリカンは自らの血で我が子を養うとされたことから「キリストの犠牲」の象徴と解されていた。
このイコノロジーが興味深いのは、本作ではペリカンが、無垢な精霊として宙に還ってゆく魂を「捕食して妨げる存在」として登場するからで、しかも実際に胸を「血まみれ」にした姿で一羽は出てくるので、つい深読みをしてみたくなる。
あのまるい精霊(ふわふわ? 忘れちゃったww)を浄化したうえで地上に返す「装置の機能」は、「賽の河原」を体現しており、そこの番人として捕食して数減らしをしているペリカンは、「無垢なる赤子の魂」の「敵」でもあり「守り手」でもあるという「鬼子母神」に近い存在といえるのではないか? みたいな。
― — — —
以上観てきたように、本作にはいろいろと宮崎駿ワールドの集大成的な部分があって、総じて面白い映画ではあったし、想像していた以上に活劇としても力が入っていたし、あまりえらそうな人生訓とか大所高所からの価値観の決めつけがなかったのもよかった。長年のファンとしては、まずは一安心といったところ。
正直言って、80を過ぎた老人がすべてを取り仕切って作った映画とは、とても思えないくらいの密度とボリュームがある。
とはいえ、凄く面白かったかといわれると、うーん、なんか回答に悩むなあ(笑)。
まず、出だしから異界に行くまでが、いかにも長い。
異界に行って、インコの城に入ってからは俄然テンポ感が良くなって愉しい映画になるが、そこまでの展開も間延びした印象が強い。で、ラストの大崩壊と現世への帰還のあたりは明らかに足早だ。ラスト付近のインコ大王も、一体なにがやりたかったのかイマイチよくわからない感じで、物語を急速に終わらせるために、「鉄砲玉」よろしく適当で便利な扱い方をされているような気がする。
それから、主人公の少年に感情移入するのがたいへんに難しい。
とくに、いきなり自分の頭を石で殴るシーンは非常にショッキングで、映画としてはこの少年を語るうえでたいへん重要な要素であることはわかるが、観客の少年への共感度は駄々下がりである。
久々に、ちょっとコナンやパズーに似たような少年キャラが出てきたので、心の中で愛でる気まんまんでいたのに、なんだこいつ、頭おかしいのかと(笑)。
宮崎駿という人は、キャリアの初期から「間違わない正しい子供」と「間違ってばかりの大人」の対比で、なにかと物語を構築する人だった。
その点、『ハイジ』や『赤毛のアン』や『火垂るの墓』など、「間違う子供」を描くことにためらいのなかった高畑勲とは、じつに対極的なスタンスといえる。
そもそも海外でだって、『トム・ソーヤの冒険』にせよ『大草原の小さな家』にせよ、大半の子供たちは「間違ってばかりの不完全な存在」として描かれているわけで、いかに宮崎駿の「間違わない子供」が特異なスタンスかがわかろうというものだ。
その「正しい子供」の極北にあるのが『千と千尋』の千尋だが、この法則が「崩れた」のが、先にも言ったように『崖の上のポニョ』の宗介で、それ以降の宮崎アニメでは、少なくとも少年は無謬の存在ではなくなった(『ゲド戦記』のころあった長男・吾朗との確執が遠因かもとか思ったりもする)。
『借りぐらしのアリエッティ』の病弱少年も、自分のサイズがアリエッティのそれに合わないことで性的懊悩を高まらせたあげくに、地下のこびとの住居にドールハウスをねじ込んで擬似レイプを果たす変態(何もない部屋にティッシュだけがある)で、最後は別のこびとにNTRされてざまあ、みたいな身もふたもないお話だったと記憶する。
あと、これまで「自然と文明」「田舎と都会」「墜ちてきた少女」など、「二つの異なる存在」の出逢いと衝突を描き続けてきた宮崎が、今回の作品を完全に閉じた「血族の物語」に仕上げているのは、「進化」とか呼んでいいものなのか。
母親を火事で亡くした子供と、あえて妻の妹を後妻に迎えた軍事産業社長の父親と、異界で少女として生き続ける母親と、姉の夫の種を宿した妹(少年の叔母)と、屋敷を守護する「式神」めいた老婆ズ(布団での老婆人形を並べる扱いがまさに陰陽道)と、ラスボスの超セカイ系大叔父。なんかちょっとイタい横溝正史みたいじゃないすか。
で、それが一緒くたにまとめて崩壊&救済されちゃうハッピーエンドって、『ポニョ』のPTAで世界の未来を決めましたエンドと同じくらい、「えええ、それでええのんかいな」感が個人的には強かったんだよね……。
と、まあくさしてはみましたが、宮崎駿ファンなら必見です。
平日昼に調布くんだりでもしっかり満席になってるのは、さすがとしかいいようがない。
若者達よ しなやかに生きてゆけ
序盤のシーンが胸に迫る。
過去作品のワンシーンを思い起こさせてくれる映像にワクワクした。
スタジオジブリならではの温かみのある躍動感溢れた映像を、劇場で堪能出来た事に感謝。
やや難解な印象の作品でしたが、退出時に未だ幼いお子さん達の姿も見かけました。ジブリ作品故、かも知れませんね。
映画館での鑑賞
プロモーションがなかったのは
あえてやらなかったのではなく、
やりようがなかったんだろうなーと思える作品。
この破綻した映画のキャッチコピーは、鈴木Pも思いつかなかったんだろう。
登場人物たちの行動の動機がすべて曖昧なので、感情移入しようがない。
主人公の少年が、アオサギや異世界に一切驚かないのも、不自然すぎて、主人公が無感情に見える。
千尋は、異世界にいちいち驚いてたから、応援できた。
白いモフモフたちも、もはや、あざとく見えてしまう。
唯一のメインビジュアルのアオサギの行動に期待したが、絵的にインパクトがあっただけなんだと分かった。ヒミにすべきだったが、絵的に弱かったのだろう。
他の方のレビューにあるように、大叔父が駿さんなら、確かに息子は、金欲主義の平凡な人間として描かれているけど。
偉大な駿さんの作品だからといって、たくさんの人が共感できるストーリーでないなら、ぼくも含めたバカには何も伝わらないし、劇場公開したのはエゴでしかない。
高校生ながら考えさせられました
ストーリーとしての面白さはあまりなく、引退したけど湧き上がってきた監督の表現したいことを詰め込んだような作品であると感じた。登場人物達の感情の動きというよりは、その登場人物たちの生きている世界のあり方を重視して描いているように感じられ、感情移入などをするというより、自分達に考えさせる作品となったと思う。タイトルが「君たちはどう生きるか」というなげかけになっていることからも、監督が捉える世界を映画として表現し、そこからみんなはどう考える?と問いかける作品に感じた。
過去の作品にも見られるような宮崎駿監督の自然に対する畏敬の念は随所に感じられた。また、今回の作品は生と死とを横断するような世界、また、時間が交錯したような世界が舞台となっている点で、自分たちが生きる宇宙といった広い世界の解釈を与えてくれるように感じた。
事前情報が一切ないため、多様な観客層が集まり、求めているものと違ったと感じる人が多くでてきてしまうと思うが、逆にいえば普段見ないようなジャンルに飛び込む機会となると思う。特に今回のような観客側の解釈しようとする態度が求められる作品において、現代の受動的な情報の触れ方に慣れている人たちに、自分で、深く、考えてみる、機会をもたらすことはとても意味があるように思える。
今にも崩れそうな積み木の上で
"今日一日は大丈夫。"
"たったの一日?"
今にも崩れそうな積み木の上で生きるわたしたち。
ジブリらしい和風ファンタジーでした!子供には難しい作品かもしれません。
ただ自分が何かに悩んだ時、子供をもつ時、歳をとった時。ずっとそばにあると御守りになるような作品だと感じました。とても難しいです。わからない。
でもエンドロールの頃には涙が噴き出していました。
わからないなりに真剣に観るといいです。
心を開けて真っ直ぐ。
この作品を"意味不明"の一言で終わらせてしまうヒトとは一生分かり合えることはないと確信しました笑
個人的にアオサギが大好きなのでジブリの作品にアオサギが出て嬉しいです。観てよかった。
7人の小バーバと可愛くない鳥たち
ジブリ作品を全部観てはいないのですが、観た中で、
好きな作品は、「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」です。
嫌いな作品は、「かぐや姫の物語」「風立ちぬ」です。
つまらなかったのが、「コクリコ坂から」です。
本作は、私にとってつまらない作品に入りました。
まず絵です。炎のシーンなど背景は初めのうち、とてもきれいだったのですが、だんだん手抜きな感じになりました。お屋敷の母屋と増築したらしい離れはどんな位置関係だったんでしょうか。それに後半の別世界では部屋や通路がかなり雑でした。
それからキャラクター。ばあやさんたちが醜すぎます。千と千尋の湯ばーばは人間じゃないから気になりませんが、本作のばあやたちは見た目が汚な過ぎです。キリコさん、変わりすぎですよ。
「借りぐらしのアリエッティ」」でもお母さんが不細工でばあやが醜かったですね。
鳥たちが全く可愛くなくて、アオサギは私がカッコいいと思っている鳥なので残念でした。
どんなラストかまでは分からなくても、観客を驚かせる仕掛けが無いので何となく先が読めてしまう感じでした。
キリコさんやヒミの正体はすぐに分かってしまう一方で、分かりにくい所はわからないままでした。
内容に、宮﨑監督の考えが色々込められているのだとは思いますが、アニメ作品としてとにかくつまらなかったです。監督の熱烈なファンや、仏教や哲学に興味がある方や、様々な事柄に込められた意味を読み解くのが好きな方はそれなりに楽しめると思います。
<追記>(というか備考です)
私にはハマらない作品でしたが、海外で高く評価されるのは喜ばしい事です。
海外での題名は、「少年と青サギ」です。アオサギは、英語でgray heronという灰色のサギです。
灰色なのになぜアオサギ?そんなことはどうでもいいという人は読まないで下さい。
日本には色の名前がおそろしく沢山あります。鉄色、鈍色(にびいろ)、利休鼠(りきゅうねず)……青系だと群青、藍、茄子紺、花紺、浅黄(浅葱とも書く)……これは、黒い目の方が青い目より色が識別しやすいらしい事もありますが、長い歴史の中で、わずかな色の違いを楽しむ、色へのこだわりが強い文化が生まれたからでしょう。一方で、少しでも青みを感じれば青、赤みを感じれば赤、と呼んでしまう傾向もあります。灰色の馬にアオと名前を付け、茶色の牛をアカと呼んだりします。うちの犬の図鑑にも、柴犬の毛色はアカ、クロ、ゴマ、シロとあります。
というわけで、 アオサギは、青みがかった灰色の美しい鳥なんです。
自伝なんだろうな
空襲シーンから始まり父親が航空会社を経営している設定のようなので、これはきっと宮崎さんの自伝なんだろうなぁと思いながら鑑賞しました。
私は青鷺=手塚治虫、大叔父=高畑勲、インコの大将=鈴木敏夫、かなと予想します。
積み木のくだりがいいですよね。
高畑勲から託されたものを、結局自分は受け継ぐことができていないと宮崎さんが言ってるように思いました。
この映画一回観ただけでは見過ごしてしまうところが多いのでしょうね。
でも正直言うと、すごいけど面白味は欠ける作品かなぁ。
ケイトブランシェットのTARを観た時も同じような感じでした。
どちらも好きですけどね!
あとおばあちゃん達が可愛くてすてきでした。
あのサイズ感はどうしてなんだろう??
宮澤さんにはあんな風に見えてたのかしら。
〇〇の子は宮崎駿自身であり作品の後に宮崎駿の人生が続いている
…追記&余談……
宮崎駿の生い立ちから、ラストに登場した夏子が産んだ小さな男の子が宮崎駿だと考察しています。
この物語は主人公の少年が大人になる物語であり、本当の母との決別、新しい母を母と認め、自らの過ちを受け入れ大人になる物語でした。
物語で中盤に生命の誕生についてあれこれ説明があり、わざわざその内容を入れている点や、身ごもっている夏子を助けに行くという進行にしたこと。
宮崎駿の幼少の体験と照らし合わせると、むしろ後妻夏子と父の間に生まれた幼子こそが宮崎駿監督になります。
2013年発行『腰ぬけ愛国談義』に宮崎駿監督は父親の再婚後の子供だということが記されています。
(宮崎駿の父は大恋愛で結婚した最愛の妻に結核で先立たれました。後妻との間に出来たのが宮崎駿監督です。)
書物によると
・就職時戸籍謄本を取寄せ判明
・前妻と父は学生結婚
・前妻と父は生きるの死ぬのと大騒ぎして結婚
・結婚後1年も立たないうちに前妻は結核にて死去
・宮崎駿の父も結核を患っていたので自分の結核が伝染したと言っていた
(戸籍謄本を取寄せ判明した後監督自身が父親に聞いたことが推測できます。)
・前妻との間に子供はなかった
・大恋愛の末の結婚で妻が亡くなった後父は周囲に心配されていた
・父は前妻の死去後1年も経たずに宮崎駿監督の母と再婚
だそうです。
ただ、もしそれが本当であれば、この映画はもうそのままですよね。ド直球過ぎますよね。
ちなみに夏子の子供が宮崎駿自身であればこの話は宮崎駿がこの世に生まれ落ちるための話。この映画の後から宮崎駿監督の人生は続いていきます。
父と前妻が幸せに大往生していれば存在し得なかった世界。誰かの不幸の元に産まれた世界。それでもそれぞれでその苦しみと葛藤を乗り越え、受け入れられ、認められ、祝福され、存在を赦され産まれた醜くも美しい世界。そんな世界線に産まれた小さき者が今やアニメの歴史の頂点とも言える場所に生きて立っている。
みなさんこの考察どうでしょ?
宮崎駿はこう生きた。それを作品で示し、さぁ君たちはどう生きるか?という問いに繫がるのです。
そう考えると評価がひっくり返りそうな、もう一度くらい足を運んでもいいんじゃないかと思いませんか?
・宮崎駿自身が大人になり地位と名誉、文字通りの莫大な富が手に入って満たされても過去は変えられません。作中で描かれる「気持ち悪い」と思えるような描写も後に生まれる夏子の子を前妻や世界に存在を認めさせるための儀式であれば辻褄が合う。きっと寂しい幼少期を過ごしたのでしょうね。
庵野秀明監督がエヴァシリーズの終幕で少年が過ちを認め大人になる物語を描いた。新海誠は(参考にしているかどうかわかりませんが、)震災に惹かれ「君の名は」から遂に「すずめの戸締まり」のように直接的に描きたいものを描いてしまった。
もっと、自分の言いたいことを直接やっちゃっていいんじゃないのとジブリ制約を守りつつもやったのがこの作品だと思っています。
そう考えると芸術家ですよね。ただのアニメじゃないですよ。これは芸術作品です。
…追記余談終わり…
以下殴り書きちょい酷評と讃美
(先の考察が合っていれば壮大なストーリーですが、そういう裏テーマはネームバリューがあるから出来るだけでフェアじゃないのでそれ抜きにして批評↓)
アニメーションは素晴らしかったです。キャラクターの一つ一つの描写。目の動き、これだけで映画館で見る価値はあるので足を運んでも無駄にはならないと思いますよ。ただ、脚本がね。
他の監督が同じ内容でつくったら大酷評だろうなと安易に想像できる内容ではあります。
さすが、庵野監督のお師匠様ですよ。庵野秀明のエヴァ終幕を受けて、俺もここまでやりたいってなったんだと勝手に想像しています。
失礼を置き捨て言ってしまえば2人とも性癖がちょっとね…オブラートに包まず言えば…気持ち悪いんだよ!!!
幼少の頃のトラウマを克服せずずっと引きずっている感じが拭えない。いい年した大人でしょ?ボケも入るような歳でしょ?過去を思い出し大笑いするどころか忘れるくらいになっていてくれ!頼む!!
と思わずにはいられませんでした。普通の人ならウン十年前のことなんて「そんなこともあったっけなぁ〜」くらいですよね。でもどこまで行っても芸術家。執着心は果てまでですね。
これは少年が大人になるお話です。
この物語は少年が母親の死を受け入れ、また同時に母親の妹である夏子を母として受け入れるという物語です。お母さんが亡くなった後、お母さんの妹と父親が結ばれたらトラウマにもなりそうなもんですけどね。母にとっては夏子は愛すべき妹であり、色々な視点から少年が母という存在を理解し、同時に新しい母や自分自身を受け入れ成長するという物語なんですよね。
でも一般的に見たらそんな簡単に受け入れられるもんでしょうか?いくら冒険があったって、母自身が受け入れているからと言って、無理じゃないですか?
私には『ちょっと少年物分り良すぎじゃない?』あと、『宮崎駿監督自身女性とか母とかに幻想を抱きすぎじゃない?』と思わずにはいられませんでした。
お母さん、ラストパートで自分の現実世界に戻ったら最後自分が死ぬことも妹が自分の死後最愛の夫と結婚することも知ってるんですよね。だんだんその現実が近づいてきて理解も追いついてきて体も精神的にも成熟する頃、さすがに怒りはないですか?子供と出会えるからとそれだけで受け入れられますか?それとも記憶が消えてしまうからよいのですか?わざわざ眞人に異世界からの物を持ってこさせてそれがあれば記憶が残っている、なければ記憶は消えるというシーンを入れたのが最高に気持ち悪い。(お母さんの記憶は消えてるよと強調してる)
記憶なければオッケ~ってエグいことしてるなぁと思います。
母親は記憶残ってたら恐怖ですよね。どんなに恐怖でも子供からは逃げられないしね。母性ってそういうもんです。それを人質にエッグいことやってんなぁと。
眞人が夏子を受け入れるシーンも何もわざわざ本当の母親の前でやらなくたって…
私の評価へのコメントで「子供は意外と受け入れちゃうもの」みたいなコメント有りましたけど、それって愛してくれる実母が眼の前にいる時に新しい母のことを受け入れるって言えますか?言わせますか?やり方がエグいですよ。残酷すぎる。
宮崎駿はね、それでも母親なら、女性なら、慈愛を持って受け入れてくれるだろうと思っている。女性を神聖化し過ぎだと思います。(むしろそうではない女性を女性として捉えていないと思う)
(…更に追記…
考えてみれば、宮崎駿が恋い焦がれていたものは母性ではなく、父親の方なのではないでしょうか?父親に愛されたくて仕方なかった。本当の自分を見てもらいたかった。でも父の前では立派に振る舞わなければならない。父は自分の子供を心配している素振りは見せるものの本質は無頓着。そんな父親に、もしいつまでも忘れられない人がいれば。…追記終わり…)
アニメーションなのでオブラートには包まれていますし、深く考えない人も多いので気付きにくいですが、純粋に気持ち悪いですよね。
まぁ私はそんなことを思いましたが、気持ち悪さを抜きにしたら単純に面白くなかったというのが一番の本音です。
序盤は面白かったです。どんな冒険が始まるのかとワクワクしました。夏子さんが消えて異世界に行ってからは単純に面白くない。
感性色々なので仕方ないですが、私にはハマりませんでした。
でもね、ジブリという制約がありながらここまで自分を出してきた宮崎駿は讃美したいです。これでいいんだよ。気持ち悪くたっていいんだよ。本当は最初からこういうものが描きたかったんでしょ?ジブリの皮被りながらも綺麗なアニメーションでオブラートに包みながらも御年82歳まで幼少のトラウマやコンプレックスを忘れられなかったド変態なんでしょ?それとも歳を取ると赤ちゃん返りするって言うけどそれなのかしらね
これが遺作なんてもったいない。もっとやってちょうだい。そう思いました。
何度も言いますがアニメーションは良いです。人物描写も良いです。物語の脚本は面白くない。
元々のライトなジブリファンにもこの作品は頂けないんじゃないかなとも思いました。世間が駿に求めてるのはこれじゃなかったのよね。
でもですよ、宮崎駿が死期を前にここまで性癖を出してきた事実、これについてはかなり面白いです。
これだけでご飯100杯食べられます。
もう一作作ってくれないかなぁ。
今度は若い人の助言や世間に受けそうなキャラや今流行りの動きなんて取り入れずに宮崎駿の純度100%を見たいです。
この作品が『宮崎駿の原液』とか言ってる人たちが目が醒めるようなのお願いします。
↑以上は冒頭の追記考察に行き着く前に書いた文であります。冒頭の考察がもしあっていれば、このお話は壮大なテーマ過ぎて小さいことワ〜ワ〜噛み付いてる自分が恥ずかしくなりますね。アニメーションは素晴らしいけど1回でお腹いっぱいと思っていたのですがもう一度くらい見たくなってきました。
宮崎駿すげぇ。
………
1点だけ。もしそうだとしても。
今作は宮崎駿監督に興味がある人達にとっては考察が楽しく、興味深い作品だと思います。ただ、そういう見方をしない人達にとってはアニメーションはいくらすごくても作品自体は面白くはないと思います。かく言う私も、いくら監督推しだったとしても作品自体はそれぞれ冷静に見るので、そういう意味では今作は面白くなかったです。
でも今まで長いこと世間が求めるような作品を日本の模範となって、世界に発信できる作品を沢山作り上げてきましたよね。最後の1回(?)くらい自分のための作品があっても良いと思いました。
これは文字通りの芸術作品です。
今はきっと評価されないけどね、数百年後もアニメの歴史に残りますよ。逆に、現在の世間が求めるものを作っても後世に語り継がれるものにはならないでしょう。偉大だと思います。
これで最後でいいのか駿!!
基本的には面白くないです。
が、そもそも宮崎駿監督はきっと鑑賞者を「面白く」させようという風には思っていないようなのでこれは仕方ないことかもしれません。
もちろんジブリお得意の料理描写や風景描写はとても綺麗です。
しかし、作劇的には全く機能していないと思います。
冒頭から第一ターニングポイントに至るまで全く主人公に感情移入させるつもりが見受けられません。常にむすっとしてまともなセリフもなく感情の発露としてのアクションも見せず、なにがなんやらわからぬまま「旅立つ」ことになります。
主人公の内的なゴールも外的なゴールも曖昧なまま、好きでもない彼の冒険を応援することはできません。
話の土台は昨年の大傑作『すずめの戸締り』と同じ「清算できていない過去を清算するための旅」ですが、話のクオリティで言えば「すずめ」の圧勝です。
下手に冒険活劇などせず、もっと「説教」的なヒューマンドラマにすれば幾分マシになったかもしれませんが、
少なくとも私が宮崎駿監督に期待している冒険活劇はこんなものではなく『カリオストロの城』のようなものでしたが、
正直、これが「最後」なのだとしたらとても、とても、寂しいです。
つまらない。なぜこの映画を公開しようと思ったのか?
ひどかったです。あまりにつまらなすぎて上映中ずっと早く終わらないかなと考えていました。完全にお金と時間の無駄でした。しょうもないにも程があります。
この映画を面白い、いい映画だとスタジオジブリのスタッフさん、キャストさんが本気で思っているのであれば私は相当感のおかしい人なんだと思います。この映画を見てスタジオジブリの今後が大変心配になりました。
この映画を宣伝なしにしたのは、あまりにひどいから予告やあらすじを出したら人があまりこないと思ってなのかなと思いました。鈴木さんはそういう意図じゃないと思いますが、そう思ってしまうほどひどかった。
こんなにつまらない映画を作ろう上映しようとするスタッフのいるスタジオジブリに未来はないと思います。こんな映画にいったい何年かけているんでしょうか?スタジオジブリの黒歴史になると思います。
以下ネタバレありです。要注意!!
主人公に魅力が全くない。でも声優さんは上手。異世界に行くまで長すぎつまらなすぎ。アオサギに何度も会っているのに展開遅すぎて肩透かしくらいまくり。アオサギが何者なのか、というか全員何者なのか最後まで理解できず。夏子さんとパパのイチャイチャシーンいる?
背景の絵がすごく上手いんですが、木など木の葉の揺れが全くなくてただ絵!という感じ。少しでも動きが欲しかった。お母さんが書き置きを残していた君たちはどう生きるかの本、読んで号泣してたけどそれだけだった。映画のタイトルなのにただ本読んだだけって。その後何が学んだ~とかのシーンもなし。登場人物みんな何がしたいの?行動意味不明。やっていること、起きていること全てが理解不能すぎて感動っぽいシーンも全然入ってこない。感情移入できない。何も共感できない。フリフリエプロンの女の子が呪文唱えるところなんか恥ずかしくて共感性羞恥。中盤~終盤ずーっと共感性羞恥。最後も突然終わってえ?て感じ。
最後米津玄師さんの歌が流れている間周りの人たちこの映画を見てどう思っているんだろう?ひどいと思ったの私だけ?と自分の感性を疑ってた。けど帰りに周りの人たちも理解不能みたいなことを言っていて少し安堵。
良かった点
白くて丸い生き物が可愛かった。この子たちが映るとテンションが上がりました。癒しは人を元気づけますね。次回作はこの子たちが主役の映画を見たいです。
私たちは生きていく
宮崎駿監督最新作。
あれ、『風立ちぬ』で引退しなかったっけ?…なんてのは『もののけ姫』の時から毎度の事。
引退詐欺なんてよく言われるけど、きっとこの人は、新作を発表するとやりきって燃え尽きて引退を表明するけど、暫くしたらまた創作意欲が湧いてくるんだろうなぁ。毎回毎回それほどの入魂って訳で、何だかんだ新作を見れるのはやはり楽しみ。日本のみならず世界にも誇る宮崎駿=スタジオジブリ!
でも今回こそ本当に最後の作品になるかもしれない。宮崎監督は現在80歳超え。次また新作作るにしても5年~10年はかかるだろうし、年齢的に見ても。
それをこの目で見て、しかと受け止めたい。新作の度に昔の方が良かったと気の毒なくらい言われ続けているが(世間には高慢な輩が多すぎる)、長年に渡って我々を楽しませてきてくれた宮崎映画なのだから!
にしても今回は異例だった。言わずもがな、7月14日の公開初日まであらすじも声の出演も主題歌担当も非公表。それどころか、予告編も流さず一切宣伝もせず。全ては公開されてから分かる。
映画は宣伝して話題を作ってなんぼなのに、この徹底ぶり。『~SLAM DUNK』方式なんて言われているけど、極力宣伝を抑えて逆に興味を惹き付ける手法も面白いと言えば面白い。個人的にその昔、『トゥルーマン・ショー』なんて情報を抑えて公開すれば面白かっただろうに。
情報化社会の今。予告編でバンバン映像を流し(一番の見せ場すら)、SNSで調べりゃ公開前にネタバレすら出てる事も。そんなんで新作映画を見て果たして本当に面白いのか…? 映画は新鮮な気持ちで見たいのが本音。この点、今回のNO宣伝の仕掛人の鈴木Pと意見は等しい。
情報も出さず宣伝もしなかった事ですでに色々言われている。
ジブリの新作は9年ぶり(『アーヤと魔女』? 何それ?)。このブランクは予想以上に大きいと思う。ジブリはレンタルや金ローで見るものと思っている若い客層を劇場に誘う事出来るか…?
TVドラマやアニメシリーズを倍速で見、映画をネタバレ見てから見る今の世は、秘密のベールに包まれたこのスタジオジブリ最新作をどう見るのか。
公開から2日経ち、声の出演や主題歌担当などすでに情報がちらほら漏れ始めている。もうこれ以上待てないので、当初は休みの明日(月曜朝一)で観に行く予定だったが、仕事終わりの今日(日曜夜)急いで観に行く事にした。
宮崎作品の宿命。早くも賛否両論真っ二つ。
まだ数日しか経っていないのに、もうレビュー投稿数は500超え!
さすがは宮崎…!
見た直後の率直な感想を単刀直入に。
確かにこれは賛否分かれそう。
これまでの宮崎/ジブリ作品のエッセンスは詰め込まれている。それを醍醐味と見るか、新味ナシと見るか。
終わり方もあっさりで物足りなさも感じる。作品的にもあれやこれはどういう事だったのか、もっと情報が欲しい所。
でもその分、考察のしがいはある。
『もののけ姫』だって初見時は難しく、賛否分かれた筈だ。何度も見ていく内に、見て考察していく内に、人それぞれの鉱脈を見出だした筈だ。
本作だって同じ。すでに意味が分からないと酷評意見も多い。
分からなくて当然だ。初めて見るのだから。
これは自分に合わないと見るのもいい。分からなかったらまた見るのもいい。自分に合い、色々考察してまた見るのもいい。
新たな作品を見るは、異世界への冒険。そういった意味では、れっきとした宮崎作品だ。
個人的には、宮崎作品のベストとまではいかなかったが、そう悪くなかったと思う。宮崎/ジブリの王道的作品を素直に楽しめた。
それを踏まえて、自分なりの考察を。
※※がっつりあらすじやネタバレに触れてますので、まだ見てない方はこの先は絶対に読まないで下さい※※
まず予告編も流れていなかったので、本作の映像を見るのも初めて。
2014年に一時映画製作から撤退し、多くの逸材やアニメーターが離れたそうで、クオリティーを心配したが、あぁちゃんとジブリの画だ。
やはりジブリはセル画アニメ。ビミョーなクオリティーの3Dジブリなんてない…?
舞台は戦後直後。こう始まるのか…。
今まで伏せられていたあらすじだが、要約すると…
戦争で母親を亡くした少年・眞人。軍事産業に携わる父親は亡き妻の妹・ナツコと再婚し、相手の屋敷で暮らす事になる。
広大な敷地には池もあり、鷺が飛ぶ。裏山には古ぼけた塔が…。
不思議な塔が気になる眞人。
ある日ナツコが姿を消す。塔の中に消えたかのように。
眞人は鳥人間のような青鷺に誘われ、塔から異世界へ足を踏み入れる…。
これまでの宮崎/ジブリ作品のみならず古今東西のファンタジーを詰め込んだような話や設定、展開だ。
現実の世界で心の傷を負う主人公が異世界での経験を通じて生きる意味を見出だしていく。本作の主人公・眞人の場合、母親を戦争で亡くした事が深い痛手となっている。それ故父親や新しい母親になるナツコに隔たりを感じている。性格は真面目で誠実そうだが、跳ねっ返りの面も。
異世界の描写は美しい。さすがはジブリ。
が、全てがファンタスティックで美しいだけじゃない。暗や死、滅びの陰も。
何処となく異様でもある世界観は『不思議の国のアリス』を彷彿させた。
我々の世界が“上の世界”と言っていた。ならば地下世界…? 否。
その昔、空から落ちてきた石によって出来た世界。いや、通じ、開いた世界というべきか。
我々の世界とは全く異なる。単純に異世界でもあるし、死後と通じる世界でもあるし、現実世界や自分の心が反映されたような世界でもある。
この世界へ通じる塔は『千と千尋の神隠し』の不思議のトンネルのようだ。屋敷内も湯屋のよう。
謎の少女・ヒミとの出会いや誘われた洋風世界はジブリの洋ファンタジーのような世界。
このヒミと眞人の関係…。『思い出のマーニー』のようだ。
毅然とした眞人の姿や弓矢を構えた姿などは『もののけ姫』のアシタカだ。
戦争時代は『風立ちぬ』や『火垂るの墓』と通じる。
他にも彷彿させる点や要素も。
ジブリ異世界には個性的なキャラは付き物。奇妙なキャラもいれば、まっくろくろすけのような新たなマスコットにもなりそうなキュートなキャラも(“わらわら”と言ったっけ)。
食指そそる“ジブリ飯”も勿論。
ジブリはジブリだ。
同名小説はあるが、その映画化ではなく、宮崎のオリジナル・ストーリー。
見ていて眞人は、宮崎の少年時代を投影したのではと思う。
年代的にも同世代。好奇心旺盛で小生意気。
宮崎は同タイトル小説に多大な影響を受け、眞人も小説を読んで涙する。
眞人…いや、宮崎少年はこの異世界での冒険を通じて何を見出だしたのか…?
現実の世界なんて悲しい事、嫌な事、辛い事ばかり。眞人もそう言っていた。
だからつい我々は、別の世界へ行きたいと思う。現実逃避でもあるし、最悪の場合この世界から旅立とうとも…。
別の世界が理想的な世界とは限らない。より過酷で現実的で、試練を強いられる事も…。
あの異世界は生まれ変わりの世界とも考えられる。何かの事情でこの異世界に落ち、必死に生まれ変わろうとする。
本当の生死でもあるし、眞人のように生きる活力を見失ったものがまた生きる活力を取り戻していく。
独りぼっちだと思っていた。が、ヒミ、キリコ、青鷺…。
異世界で友達と出会えたように、きっと現実世界でも見つける事が出来る。改めて触れる事も出来る。見守ってくれる父、ナツコ、おばあちゃんズ。亡き母も…。
君は生まれ変わる事が出来るか。
確かにちとストーリーに分かりづらい点はある。と言うか、突然話が飛んだ?…と思った点も。
公開まで唯一の情報だったポスターの“鳥人間”。なるほど鳥がモチーフにされているが、青鷺やインコやペリカンなどどういった意味合いがあるのか…?
不思議な異世界ファンタジーの雰囲気は充分だが、胸躍る冒険活劇心は今一つ触発されず。
これは心の彷徨を描いた旅であり、深いようで抽象的でもあり…。
本当に宮崎作品の中でも好みが分かれるだろう。良くも悪くも。
まだまだ把握出来てない点も多々。
伏せられていた声の出演だが、眞人にはこれからブレイクするであろう若手俳優を配し、周りはこれまた豪華。菅田将暉は『打ち上げ花火』や『シャザム!』吹替では下手だなぁ…と思ったが、今回はなかなか良かったのでは。キムタクも脇に徹してた。木村佳乃は何だか艶があり、柴咲コウやあいみょんらも好助演。
同じく伏せられていた主題歌担当は、米津玄師。宮崎×米津…果たして合うのかと思ったが、エンディングを美しく謳い上げた。
久石譲の音楽も言うまでもなく。
眞人は終盤、思わぬ人物と会う。その人物から託される。
新しい世界の創造。
世界は悪意に満ちている。少しバランスを崩しただけで崩壊してしまう。積み木のように。
新しい世界を美しい世界にする事が出来るか、醜い世界にしてしまうか、君たちの手に掛かっている。
大おじから眞人へ託された新しい世界の創造は、宮崎から今を生きる若者たちへのメッセージだ。
いつの時代、どの作品でも宮崎は問い掛けてきた。
生きるという事。
死ぬという事。
立ち向かう事。
切り開く事。
冒険する事。
夢を持つ事。
愛する事。
自分自身の手で。
君たちはどう生きるか。
宮崎駿からの直球の問いに、我々も直球で応える。
私たちは生きていく。
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