「いわれてるほど複雑な話ではなく、パンズラビリンスであったりキルザジ...」君たちはどう生きるか kobaさんの映画レビュー(感想・評価)
いわれてるほど複雑な話ではなく、パンズラビリンスであったりキルザジ...
いわれてるほど複雑な話ではなく、パンズラビリンスであったりキルザジャイアントであったりとかの、「キツめの現実と相克するファンタジー」というよくあるやつ。色んな要素がでてきても、ブレずに芯が通って話がつむがれてる。…ラスト20分までは。
ラスト20分、重要そうなセリフ言って暗転したあと、急に事故る。マジでディレクションの集中力が切れたみたいに急に場面のつながりが飛びまくる。「編集しくじったか!?」と思うくらい話を見失うが、10分しないうちにコントロール取り戻してきちんとクライマックスまで走り抜けるので、お見事。
色んなことを言いたくなる作品ではあるが、普通に真っ当にまとまったエンタメだと思いますです。全編事故ってた風立ちぬでなく、こっちがラスト作品になったのは美しいですね。
…でもなんか出し切ってない感じあるから、もう一本くらい作るんじゃねえかなあ。
宮崎駿は、自身の中にある「野蛮への憧れ」に対して、暴力とかいうものは下らなくて幼稚で愚かだから絶対に否定しなければならないんだと全力でしかめっつらで封印してるんだけど、死ぬ前に一回でいいから自分の中に渦巻いている暴力性を全肯定した活劇をフル開放してほしいなあ。
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