「色々と気になる点が残る、中途半端な作品。」君たちはどう生きるか ryuさんの映画レビュー(感想・評価)
色々と気になる点が残る、中途半端な作品。
一昨日観ましたジブリファンです。
【気になった、感じた事】
●時代背景が戦中〜戦後(確か2年くらい)である理由がよくわからない。
→正直、下手にファンタジー要素を加えた時点でどの時代背景でも良いように感じてしまったし、二番煎じ感が否めない。
●ウエイト的には体感ですけど3(元の世界):7(別の世界)で、取り敢えず宮崎ワールド見せたろ感が中盤〜後半にかけて現れてくる。
→元の世界は戦中戦後で物語は進行しつつも戦の場面は無し、元の世界の舞台はほぼ引越し先の私有地。多分だが、別の世界にスポットをあてたかったのか、時代背景を活かせていない。
●主人公に物足りなさを感じる。
→元の世界でも別の世界でも、過去の作品と比べて必死さ、決意というものが感じ取りづらい。実母や愛した女性ならともかく、義母を助けに行くって設定がまた微妙にさせている。
●別の世界からの脱出→家族が抱きつくシーン→エンディング→え?この先はないの?静止画も無し?という消化不良が発生した。
●『君たちはどう生きるか』というタイトルだったのでメッセージ性溢れる作品かと思いきや、そうでもなかった。(感じ取れなかった)
以上現時点で気になった点ですが、自分的にはやはり時代背景のチョイスは間違っているかなと思っています。母親を死なせたかったからそういう設定にしたのかわかりませんが、自然と主人公の性格が堅苦しくなってしまいますし、それでやるんであれば最後までファンタジー要素抜きでやるべきだった、風立ちぬみたいに。
元の世界でも鳥や建物以外に何か別の世界の要素を加えていれば良かったのですがね。ギャップがありすぎた上に唐突にファンタジーが始まると何がなんだか…。
結果的に中途半端な作品になってしまったと自分はそう感じています。
ただ、ジブリの最新作がみれたという喜びはやはりありますね。レンタルでたらまた観てみようかと思います。
自己開示的な物語と言う事と、日常的に本を読む家庭環境にある主人公が孤立する時代、「君たちはどう生きるか」は禁書指定されている事実。物作りはノリもありますので(笑)