「宮崎駿のもうひとつの集大成。大衆向けではないけど好き」君たちはどう生きるか キタさんさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿のもうひとつの集大成。大衆向けではないけど好き
又聞きの評価がどれも「難しい内容だった」というものが多かったので興味本位で視聴。
結論を先走るならば、「なるほど。確かに深い映画だ」、「宮崎駿らしい描写で考える人生論」というものが浮かんでくる。
タイトルにもある通り、“生”が大きく関わってくる作品だからこそ、そのテーマも重く深いものになってる。
“どう生きるか”と考える瞬間は人生の中に幾度と無くしてあるもので、その度に始まる新たな出会いは勿論、かけがえのない存在との別れ。それらを何度も繰り返すことで、人として真っ直ぐに成長をしていく。
それらを宮崎駿風の冒険活劇を通して、映画として見せられていたのではないかと思う。
難解だったという意見に関しては、同情をせざるを得ないのが正直。
上映中にも過去のシーンと今見ているシーンとを照らし合わせて、「このシーンの描写は前のこのシーンと重ねることで意味を成すのか」と思えるような描写が幾度と無くあったこと。
またそれ以上に先述の「どう生きるか~」の考えに至るのも、上映終了後小一時間考えに考え抜いて至り得た感想である。
普段にはあまりない経験だった、からこそ「難しい」といった意見も感覚として理解を深くも思えてしまう。
総じて、自分個人としては面白かったし、知人に勧めるのも憚らない完成度の映画にとは思うが、何分難解さを秘めいているのも事実であるからこそ、映画的「大衆娯楽」性があるかと言われると一考の余地がある。
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