「良質なファンタジーです。」君たちはどう生きるか ぱんだぷらすさんの映画レビュー(感想・評価)
良質なファンタジーです。
僕の結論を先に、申し上げます。良質なファンタジーです。
人それぞれ色々な捉え方があって、難しく考える人もいれば、僕のように単純に楽しめる人もいる。相変わらず、丁寧な(執拗な?)手書きの作画で嘗てのウォルト・ディズニーを彷彿とさせるというか、凌駕している。CG全盛のこの時代に、これだけで宮崎駿さん(先生って書きたいけど、あえて、さんで。)のやりたい通りにやり抜いた感じが伝わりますし、制作年月の長さ、傾けた情熱、考えただけで胸が熱くなります。
僕は宮崎駿作品のすべてが好きなわけではありません。この作品は好きな方に入ります。細かな内容に触れるとネタバレになってしまうので触れませんが、一寸、不思議な国のアリスの世界に近いような、不思議な感じのするファンタジーです。万人受けを狙っていないからこそ、賛否両論が沸き起こるのでしょう。僕としては、是非、お子さんにもみていただきたいし、率直に感想を聞きたい。大人だと、小難しい理屈を並べて評価しがちですが、お子さんであれば、見たまんまの感想を抱くのではないだろうか、と思います。
僕と宮崎駿作品の出会いは、”パンダコパンダ”でした。小学生の時、ゴジラ映画を見に行って同時上映作品だった。失礼ながら当時の僕からしたら、付録のようなもの。でも、水面に浮かぶ舟を漕ぐパンダを水の中から描いたシーンがずっと心に残りました。その後、”未来少年コナン”、”風の谷のナウシカ”、”天空の城ラピュタ”…天空の城ラピュタは、一番のお気に入りです。血沸き肉躍る冒険活劇にして、ちょっと考えさせられる内容。ルパン三世は、テレビ第二シーズンの、”死の翼アルバトロス”と”さらば愛しきルパンよ”。
宮崎駿さん。”風立ちぬ”で色々な批判に晒されて、一度は、長編アニメを撮らないとおっしゃいました。でも、もう吹っ切れたというか、もう気にしていらっしゃいませんよね。思いっきりやっちゃってください。僕は受け止めました。贅沢言いますと、僕の好みの話ですが、理屈抜きに楽しめる、血沸き、肉躍る冒険活劇も、また観たいです。