「まずは、冒頭のマヒトが母の病院へ走って向かうシーンが鳥肌モノです。...」君たちはどう生きるか Miroyaさんの映画レビュー(感想・評価)
まずは、冒頭のマヒトが母の病院へ走って向かうシーンが鳥肌モノです。...
まずは、冒頭のマヒトが母の病院へ走って向かうシーンが鳥肌モノです。映像がとてもきれいで、さらに人の死が伝わってくる描写、その最初冒頭何分かだけで、映画の世界に引き込まれてしまいます。
物語はマヒトが母を失ってからはじまります。マヒトは母を失ったことで自暴自棄(?)みたいなものになり、生きる意味を失ったんだと思います。その証拠として自分の頭に石を叩きつけるなどの、自暴に走ったのだと思います。しかし父親は新しい妻ができたりと、マヒトとは真逆です。そんな父親にマヒトは不信感を抱き、新しい母(ナツコ)にも敵対心を見せます。そんなマヒトが異世界へ飛び冒険をします。最終的な異世界の王から「この世界の王を受け継いでほしい」と頼まれます。異世界には若き日の母が生きており、現実世界よりも幸せのはずです。最初のマヒトなら承諾していたかもしれませんが、マヒトはアオサギやキリコさんなどとの冒険により成長したことで、母がいなく、これから火の海になる現実世界に生きる決意を決めたのだと思います。最後の「東京に帰った」というのはその後もちゃんと生きたんだと示したのだと思います。
物語中盤にでてくるインコは、勝手な憶測ですが現実世界の「大衆」だと思います。マヒトや若き日の母は異世界では人間です。それは今の現実世界で言ったら「才能のある人」たちと考えます。それを喰おうとしてるインコは才能のあるものを潰してしまう今の現実世界の「大衆」に当てはまると思います。
この映画は本当に難しい映画だと思います。鑑賞中ずっと考えて見ましたがなかなかわかりませんでした。でも映画は「観客が想像して最後のピースをはめるもの」と僕は考えるので、本当に面白い映画でした。