「わからない、つまらない、すごい?」君たちはどう生きるか たけぱんさんの映画レビュー(感想・評価)
わからない、つまらない、すごい?
事前情報なしで見に行って!のような煽り方の映画としては、「カメ止め」以来。
カメ止めは良かった。
本作は、わからない、つまらない、表現力はすごいけど過去一番ではない(千と千尋とかの方が凄かったよね)
他の感想では「宮崎駿作品で一番わかりやすい。なんで分からないの?」みたいな人も一定数いるんだけど、フォロワー3桁いるのに、ツイートから1日以上経っているのに、いいねが1つもついていなかったりして、共感を得られていないんじゃないの?と思ったりして。
一方で「分からなかったけど面白かった」という人もかなりの割合でいますね。ちょっと何言ってるのか分からないです。
個人的な素直な感想としては、時間もお金も無駄にした、という感じでした。
この手の分かりにくさの作品が数少ないならまだしも、なんか似たような分かりにくさの映画や演劇はくさるほどあるので希少性という点でもない。
<あらすじ>
冒頭、空襲警報から始まり、目覚める主人公。父親が「母さんのいる病院が燃えている!」と飛び出して行き、主人公も後を追います。
このシーンはあっさり目で終わり、後ほど「君は母親の死体を見ていないだろう?」と繋がります。
次のシーンでは、父親と主人公が疎開というか、なんというか、母親の妹と父親の間に子供ができて(生まれる前です)、母親の実家に身を寄せることになります。駅に着いた後、父親はそのまま勤務先の工場に、妻(主人公の母の妹)と主人公は実家に向かいます。
実家の近辺には気になる存在のアオサギがいます。鳥のようで人のようで、と言った感じなのですが、主人公に頻りに「お前の母親が呼んでいる!助けを求めている」と叫び、主人公の心を揺さぶります。
また、実家の近くには奇妙な塔があります。主人公の大叔父にあたる人が建てたとも、天から降ってきた建造物を大叔父が覆ったとも言われています。大叔父は塔に行ったまま、帰ってきていないという話を聞きます。
主人公は塔とアオサギの存在が気になり、塔に向かいます。アオサギはその塔の中に入っていきました。塔の中にはアオサギの羽がいっぱい落ちています。主人公の姿が見えないので、実家の世話をしている謎の老婆の集団(7人)のうち2人が捜索に来ます。
連れ戻され、新しい母親(主人公の母親の妹)に塔に近づかないように諭され、了承します。
そしてある日塔に近づくな、と言っていた母親が自ら塔の方に歩いていくのを見かけます。
そこからは主人公が母親を連れ戻すべくなんだか、アオサギが「実の母親のところに連れてってやる」だか忘れましたが、塔の世界に入っていくお話です。
結局、実の母親も大叔父も塔の世界に居て、主人公と母親は扉を通って現世へ、実の母親と(誰か忘れた)は別の扉を通って別の世界へ行って終了。
時間としては約2時間。長かった。
大叔父が塔の世界?を司る人みたいになってて、「ワシの積み木の世界はもうダメじゃ。主人公に継いで欲しい」と言って13個の積み木を渡し、3日に1個だか、1日3個だか積んでくれ、お前が安定した世界を作ってくれ、みたいな依頼をするんですが、主人公は母親を連れて現世に戻るのでお断りです、みたいな感じになります(まったくもって分からない)
ここらへんはワンピースのUTAの夢の世界をよろしく➝お断りします、に似ているような気がしないでもない。
序盤で主人公が疎開した先の学校に、父親のダットサン?で校庭に乗り付ける形で登校し、クラスメートに疎まれて帰り道で襲撃されるシーンがあるんですが、ここで主人公はちょっと驚きの行動に出ます。すでに襲撃後、一人で返る道すがら、落ちている石で側頭部を切りつけ、尋常じゃない量の血を流します。血の表現が、血の一粒が巨峰みたいに大きく描かれており、すごいデフォルメだな、と思いました。
この点について物語の終盤で言及するシーンがあるんですが、よく分かりませんでした。
感想の中に「この映画は宮崎駿の半生記だから」というのがあったので、実際に有ったことなのかもしれませんね。
もう一つ、物語の序盤で駅に主人公(と父親)を迎えにきた新しい母親が、「お腹に貴方のお父さんとの子供がいるの!とっても嬉しいの!」と当てつけのように言うシーンがあって、主人公が塔の世界に助けに来たときに「貴方なんか大っ嫌い!」と腕を振り払うシーンが係り結び的になっていて、うーむ。何か生生しいな、と思いました(小並感)。
上記のように、私の頭の中もとっちらかっているのですが、話の筋が分かるようで分からないのが、もし私の頭の悪さに起因しているのだとしても、私の感想としては面白くない、ということにならざるを得ません。じゃあ1点か、というとエンターテインメントとしての評価がゼロという訳でもないので、2点とさせていただきました。
時間が無限にあってヒマヒマプーだと言うなら2回、3回と見に行ってみたい気もありますが、そこまで暇ではないので。寸暇を惜しんで見に行った割には、裏切られた気持ちでいっぱいです。
まだ分かりやすいだけ、プペルの方が良かったですね。