劇場公開日 2023年7月14日

「作画演出7割、脚本1割。」君たちはどう生きるか Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5作画演出7割、脚本1割。

2023年7月21日
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2割は、宮崎駿と言う天才とスタジオジブリの付加価値と懐古的感覚。

後継者がいないスタジオジブリの悲鳴の様な作品。
これが観終わっての感想です。

取り敢えず良かった部分。
作画は素晴らしいの一言。
空気や風が『視覚的に見える』作画が出来るのは宮崎駿ただ1人。
これは間違いない。

僕もイラストレーターを仕事としている身ですが、子供の頃から憧れたのは宮崎駿と鳥山明の2人。

その1人の作品をいい歳したおっさんになってまで映画館で観れたのは素直に幸せでした。

何よりもこれまでの作品には見当たらないタッチを多用した事に驚き。
新鮮だったし、躍動感あふれる素晴らしい映像だった。 作画に関しては最骨頂だと感じました。

演出も素晴らしく序盤から中盤手前にかけての下はかなり良かった。

ただ。

作画が良けりゃ良い作品というわけではない。
ストーリーは正直残念なものとなってます。
過去作のつぎはぎの様な構成で、特に本筋に入るまで感覚で1時間ちょっと使ってるかと思います。
とにかく核心部分までが長い。
かといってそこまでのメッセージ性は感じられない。

あまり魅力のないストーリーの中、終盤やっとこの作品が言いたい事。

宮崎駿のやりたかった事を自分なりに解釈したのだが

『血縁に継いでほしい』
『後継者を育てられなかった』
『現実を見なさい』

これでした。
近いところで言うと庵野秀明監督の『シン・エヴァンゲリオン』でしょうね。

ジブリの解体後、再結成していろんなスタジオからアニメーターをかき集めどうしても宮崎駿はこれが言いたかったのか。
初見の解釈はこんなもんです。

前作『風立ちぬ』は個人的に宮崎駿の最高傑作の1つだといまでも思っています。
宮崎駿の念が目に見えるほど熱いものを感じました。
素晴らしい作品だった。
今作も期待していたのだが、少しだけ子供寄りに戻しキャッチーに仕上げ、そこに宮崎駿のダークな部分を足したと言う感じ。

正直に言うと僕の苦手な細田守監督の作品の上位互換と感じた。。
ターゲットも曖昧で個人的には期待には及びませんでした。

なんとなくですが、宮崎駿はあと一作作りそうな気もします。

悪い部分を書きましたが やはり劇場でスタジオジブリのオープニングを見ると高揚してしまうのもまた事実。

次に期待します。

Flagman