「咀嚼し続けたい」君たちはどう生きるか うずまきさんの映画レビュー(感想・評価)
咀嚼し続けたい
そもそも 、すべての創作物は、受け取る側の期待により幾らでも個の感じる価値が変わる。
人間は あくまで個人の記憶に過ぎないそれまでの経験を 無意識に世界共通の 善悪 や 常識 や 望みだと思い込んで、なにかを観たり読んだりする。
人生の長短に関わらず、実は勝手に自分が求め期待しているものに対して、その至極個人的な欲が満たされなかった時の落胆をレビューという形にするのも、まあ自由だろうとは思う。
意識が高いや低いの話ではなく、こうした場がある以上致し方ない。
ただ、ジブリは子供が喜び誰もが理解出来るものでなければならない、と決まっていたか?
自分はジブリ大好き!でもなく、どちらかと言えば米津氏の主題歌を聴きに行ったクチだ。
結論、主題歌よりも映画そのものに印象が強く残った。また観ようと考えるのはそれが理由。
もっと噛み砕いて味わってもう一口飲み込みたい。子供が喜ばないだろう人間の臭みみたいなものが、あたしには嬉しかった。
だって当たり前に自分も狡くて逃げて情けなくてあちこち傷だらけの臭みたっぷりの人間だからだ。夢見させて欲しいんじゃないのよ、突きつけられたいし頭ガツン、ってなりたいし うーわ、やな自分そのもの見てるわ、ってそれから考えたいのよ。そういうのを受け取るヤツも居るんです。多分監督は昔からそれは表現してきたと思う。子供の無垢さや愛だけではなく。
中島みゆきは 歌は世に出した時点で受け取った人のもの、と昔言っていた。
sionは 自分の歌に蹴飛ばされたり抱きしめられたりする、って言っていた。
己の為の表現ならば、大抵の表現者がそうだろう。なのにエンタメって大変だよね、他者を喜ばせなきゃ総スカン喰らうから。これが画家なら難解でも無責任に持ち上げられたりするのに。
でもいい。あたしは このジブリならばむしろ好きだ。うーわ、うーわって思いながら明日からまた生きる。
言い足りないので追記
映画は楽しくなければならなかったか?
耳と眼を塞ぎたくなるような痛みは表現してはならないのか?
ホラー系はその恐怖を 楽しむ ものだろうが、それ以外の人間の醜さや愚かさは表現してはならないのか?もっと言えば 救いをどこかに入れ込んでくれなきゃ気が済まないのか。
なんか若さのみの恋愛と似ている。
最初はあんなに優しかったのに!あんなにかっこよかったのに!どうして?どうして変わっちゃったのよおぉ!っていうやつに。
愛せなきゃ別れなさいよ、嫌悪しかないなら離れて行けばいいじゃないのとあたしは思う。求めてばかりでも構わないのが観客なんだろうかね。
思い通り期待通りにはならんのですよ、対ジブリも 対だれか も 対己の人生も。人間関係なんて、面倒臭くないもんなんか一つもない。だから解ろうと必死になる互いがなによりステキなんであって、
そしてだからこそ、生きることは面白いんだ。
監督が実はどうだこうだ、んなもんどうでもいいかな。
この映画が自分にとって良しか悪しか、それだけなのだ。
うずまきさん、コメントバックが遅れて申し訳ありません💦フォローと丁寧なコメントありがとうございました。
先日2回目の鑑賞、今度はIMAXレーザーで観てきました。素晴らしい映像美と世界観により没入する事ができました。そしてもう3回目はいつ行こうかなと思ってる自分がいます。何度でも色んな視点から咀嚼が出来る作品ですね。アタシにとっては本当に良き作品、好きな作品です。
子供には向いてないと言う意見も多く見かけましたが、子供の想像力や感受性は先入観や思い込みや決め付けに囚われていない分、大人よりも余程自由でフレキシビリティが高いと思います。アタシなら自分の子供には絶対に見せるでしょうね、大人には想像も付かないようなその曇りなき眼でどんな受け止めをするかワクワクします。
「この映画が自分にとって良しか悪しか、それだけなのだ。」
その通りだと思います。みんなが、この映画のことを勝手に判断して、勝手に評価して、勝手にレビューして。
それらのレビューに対しての思い(含・怒り)を書いた(この)レビューなのかなあ、とこれまた勝手に思いました。
元々、伝えたかったことと(少しくらいは)一致してるのか違っているのか、それは受け取った私の受け取りか方でいいのかなあと思いつつ。
(文章も映画も)それを発してしまった時点で(もちろん、このレビューを含んで)、もうその人のものではなくなるという(このレビューの中での)中島さんの考えは、とても正しいと思えました。
うずまきさん はじめまして。
本作は特にただただ、まっすぐに観てまっすぐに書きたいと思いました。
文章は拙く誤字があったり、言い回しもかなり自分流な文章でレビューを少しずつ出してみていますが、いつも書きながら、自分の胸におさめる行為なのだなと感じています。
嬉しい言葉をいただき感謝しています。ありがとうございました。