「宣伝なしは成功では? 鳥トラウマ映画としては上々」君たちはどう生きるか ぽんすけさんの映画レビュー(感想・評価)
宣伝なしは成功では? 鳥トラウマ映画としては上々
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冒頭からすごい映像表現だし、サイコホラー感があって引き込まれる。
特筆すべきは、鳥の描写。私は鳥恐怖症なのだけど、鳥のグロテスクさ、気持ち悪さ、不潔さ、気味悪さ、攻撃的な恐ろしさが見事で、ヒッチコックの『バード』以来の鳥トラウマ映画だった。宮崎駿は鳥好きそうだけど、実は鳥恐怖症?それくらい見事に表現されていた。
ところが、中盤にファンタジー世界に入ってからはジブリ的な既視感も強く、何を伝えたいのかもわからず、個人的には失速。
夏子さんのことを主人公が唐突に「お母さん」と呼んだときは、「再びサイコホラーか!?」と期待したけど、あれは和解表現だったのか〜。いや、あの流れで別に和解せーへんやろ!
・『風立ちぬ』を想起させる父親が軍需工場経営者
・『白雪姫』の小人を想起させる老婆7人
あたりは回収されるかと思いながら観ていたけど、特になかった(たぶん)。
全体には、ここ20年くらいの「世界系」とここ数年くらいの「マルチバース」の要素を、ジブリの世界観で包んだような作品。
まあ、お金を払って観て後悔することはないけど、観なくてもいい映画だったかも。少なくともこの映画を観て『君たちはどう生きるか』と問われても、「なんとかこっちはこっちで頑張って生きますわ」としか思わない感じだったかな。
観終わると「宣伝しない」という宣伝戦略は(たとえそこまで観られず終わったとしても)成功だった気がする。普通には宣伝しづらそうだもんね。米津玄師さんEDはジブリに合わない気がするし、もうお腹いっぱいかな〜。
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