「完成度の低さ、それ自身が作品」君たちはどう生きるか saltsnowさんの映画レビュー(感想・評価)
完成度の低さ、それ自身が作品
厳しいご意見が目立つ作品です。
それは、よくわかります。
名作古典をタイトルにしてこの完成度。
受け入れられない方が多いでしょう。
宮崎駿が吉野源三郎を描いてこれなの?
とガッカリしてしまうのは当然の低クオリティです。
しかし、そのこと自体がこの作品の主題ではないでしょうか。
2つのメッセージを込められたように感じます。
一つは、
どんな天才でも年齢が一定になると成長は止まる、ということ。
10年も制作の手を休めてエネルギーを溜めても、
皆さんをドキドキワクワクさせることは、もう出来ないのです。
あの天才でさえそうなのです。
時は常に流れていきます。
皆さんの限られた人生で一体何をなしとげるのか。
大衆に向けて、直接的でないメッセージを発信されています。
二つ目は、
新海誠さんや細田守さんなどの新世代作家さん達へのお説教。
テレビ系や電通系のお金が入り、派手な作品でお金儲けをするようになりました。
作品は芸術性が薄れて、クオリティが大幅に下がりました。
純粋に作品作りを楽しみつつ、ビジネスとしても成功したジブリ。
アニメ業界のお金と芸術の均衡を保ってきた守護者です。
そのバランスを壊した新興金満アニメーターへの強い怒りが後半に描かれています。
もう好きにしろよ、と突き放したかったのでしょう。
この二つを人生の最後にどうしても伝えたくて、
老体に鞭打って作ってくださった作品。
君たちはどう生きるか、
私たち個人も、
派手な金儲け作品にハマってしまった監督たちも、
もう一度考えてみませんか。
みかずきです
フォローありがとうございます
本作、私は、宮崎駿監督から、本作を観た全ての人々への檄だと感じました。プロローグだけで終わってしまうのは、
俺は、ここまでやり切った。
後は、お前たちが、色々な経験をし、色々な世界の世界観を知り、これからどう生きるか決めろ。決めたことを行動しろ。
という題名にも反映されている強烈なメッセージだと感じました。
作品というよりは、我々に対する強烈な問題提起だと感じました。
ー以上ー