「共感出来ない、教訓さえない!」君たちはどう生きるか やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
共感出来ない、教訓さえない!
日本のみならず、世界でもその名を轟かせた大アニメ監督である宮崎駿さんが自身の引退を撤回し、長年の歳月をかけ作り上げた新作長編アニメーションです。
期待しないわけがないですね。ファンとしては指折り数えて今日のこの日を待ちました。
ただ事前の宣伝広告が一切なく、作品に関する情報が「君たちはどう生きるか」という題名以外は完全シークレットでしたから、実は不安のほうが先にたっていました。
題名からして、凄く説教くさい作品じゃなかろうかと(笑)。お前らは人生というモノが全く分かってない、・・・みたいなことを止め絵で延々と語られることを想像しました。
しかし、その想像は全くのハズレでした。映像美や躍動的な人物の動き、心理描写なんかは最高!いつもの宮崎ジブリアニメでした。これは流石と思いましたね。
ですが・・・ここからが問題。人物、特に主人公の行動や思想、嗜好などが随分と偏りがあって行動も突拍子がないのです。
もしかしたら宮崎駿監督自身を投影したからかもしれません。
彼自身も素晴らしい作品を生み出す人ではあるが、一個人として人格者で皆に愛される人かっていうとそうじゃないわけですよね。
作品中の主人公もなんかひねくれていて偏愛でマザコン気味の少年(失礼)で、周囲に敵意剥き出しにしてあわや暴走しそうになってる様はあまり好感もなく無論、共感できるものでもありませんでした。
その彼が何か得体の知れないファンタジーの世界に誘われるのですが、終始掴みどころがなく、題名になっている名著の様な明らかな教訓の提示もなく・・・これはいったいどこに心を寄り添わせるべきなのか、むしろ観客に気を遣わせる映画になっていました。
「となりのトトロ」を初公開時映画館で観たオールドファンとしちゃ本当に残念な作品となってしまいました。
面白かった! 良かった! で終われないのが残念です。考察するもしないも自由ですが、これを作った時の気分はこんなだったんだろうなと思いました。観てからは、共感するレビューを拾っています。
1988年の公開時にご覧になっていらっしゃるんですね。
凄い、というか偉い‼️
たぶん、その頃の私は、宮﨑駿監督のことを認識してなかったと思います。
映画といえば、ルーカスやスピルバーグばかり追いかけてたような…😂