「女たちが、話し合って、結論を導き出した2010年のあの日。」ウーマン・トーキング 私たちの選択 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
女たちが、話し合って、結論を導き出した2010年のあの日。
実話を基にした小説の映画化作品です。
ミリアム・トウズが2018年に発表した小説
『Women Talking』を原作として、サラ・ポーリー監督が
ルーニー・マーラーなどを出演者として映画化しました。
ボリビアの遠隔地で孤立したメノナイト
(電気や機械を出来るだけ使わずに生活するコミューン)
で2000年代に起きた実話は、就寝中に家に侵入して、
馬に使用する麻酔スプレーを女たちに掛けて暴行する行為が、
300人もの女性被害者に約4年間に渡って行われた。
本人たちが意識がなかったこともあり、
「悪魔の仕業だ」
「女の妄想だ」と
発言を抑え込まれていた。
事件は明るみ出て、女性たちは怒り、代表者たちが、
今後取るべき行動を3つに分けてディスカッションする。
そんな舞台劇のような映画です。
選択肢の①
何もしない(男たちを赦して今まで通りに暮らす)
選択肢②
ここで闘う。
選択肢③
ここを出ていく。
①はすぐに除外されて②と③を話し合います。
それぞれの利点と欠点を挙げて。
メノナイトの女性は読み書きも教えられず、教育を否定されていた。
緊迫したディスカッションは続く。
そんな時「Day dreamBiliever」が聞こえて来て、ホッと息を吐く。
地図も知らない女性たちは大学教育を受けて議事録の記録係に任命された
オーガスト(ベン・ウィショー)から南十字星をみて
南を知る方法を学びます。
メノナイトを出て自由を求める・・・
新天地には、どんな希望が?喜びが?不安が?
この映画が投げかけている主張とは?
女性がこのような性的搾取をされる非人道的な行為は決して
あってはならない。
いっとき問題になったアフリカのイスラム国で若い女性の誘拐が
多数、頻発して性奴隷として売られた事件。
人身売買は今でも公然と行われている。
それらを、
ヨーロッパ並びに文明国家では《あり得ない》と決めつけるのは
早計だとも思います。
日本でも手術中に麻酔をかけて性的暴行を行った医師の例があります。
男が女性に酒を多量に無理強いして意識を無くした状態で行われるレイプ。
それだって日本でも未だに多い。
女性の地位の向上。
男性より非力な女性が立ち向かえない暴力に
どう対処するか?
問題の根っこは深い。
そして根絶もまた容易ではない。
女性の発言権や権利を考える上で貴重な映画だと思います。
作者のミリアム・トウズさんはカナダ在住の女性で、
18歳までメノナイトの集落に暮らしていて18歳で
脱出したそうです。
調べると実際にはボリビアの被害女性たちは村を出ていないし、
状況(原始的生活や教育を受けていない)
は、何も変わっていないそうです。
子供たち(特に男の子)は、女性を労わり権利を侵さない教育を
根気よく続けるべきだし、
女性の権利が守られて、自活できて、発言できる
より良い世界のための提言をこの映画は果たしたと思います。
いつも共感ありがとうございます。
僕はアフリカ、イスラム教の国に付いても同じ意見です。共感します。
しかし、あの民主主義なオランダと言う国が『物理的に女性な人の春を売る行為』が合法なのがなんとも解せません。日本にもそういった法律があるのにです。勿論、日本はそれでもそういった行為は淘汰されてませんが。