劇場公開日 2023年6月2日

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「結局男は、女が怖いのだろうな~~」ウーマン・トーキング 私たちの選択 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5結局男は、女が怖いのだろうな~~

2023年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

男たちが揃って出かけてしまった小さな村で
これまで男たちが女性達にやってきた事に対して
残された女性たちがこの後、
どう生きてゆくのかを、女性達で選挙をするも
同数で決着がつかない。
そこでそれぞれの意見を代表する女性たちが
数人で議論をして決めることになり
薄暗い納屋の中で白熱する議論の様子を
丁寧に描いてゆく。

一見時代劇に見える様な昔の装束の女優達。
それがまさか21世紀の話とは!!

薄暗い納屋のシーンの合間に、
女性たちが守ろうとする子供達の遊ぶ姿や、
一人村に残っている男性、
農夫から教師になり、女性たちに同情的な
こころ優しいオーガストと、
レイプ被害によって妊娠中のオーナの
細やかな心の交流シーンなど
納屋の外のシーンが印象的に描かれていて
この女性や子供達に幸あれ!と
心の底から願わずにいられないです。

で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては

米アカデミー賞の脚色賞受賞作なので
ざっくりした内容は知っていたのですが
予告編の画面から、西部開拓時代の話だと
勝手に思い込んでいたのでちゃんと観て、
その内容に改めて驚愕しました!

もとになった事件そのものがまずショッキング!
21世紀にまだ女性たちに読み書きすら教えないなんて
その女性蔑視はどこの宗教も一緒じゃん!!
宗教とはやはり、危ういシステムなのだな~~
と同時に、宗教の教義と言う名を借りて
女性たちの権利を奪うってことは
結局男は、女が怖いのだろうな~~

女性たちは自分自身の怒りを超えて
子供たちを守るためにある決断をします。

たまたま、旧統一教会問題で
宗教二世の問題がクローズアップされましたが
この映画の中の女性たちは目が曇っていなかった。

女の子達には誰にも蹂躙されずに生きてゆく権利があるはず。
それは親であっても奪えない権利であり
また、男の子達も「加害者にしない教育の仕方」があるはず。
女性たちの議論はそこまで愛に満ちて進んでゆきます。

映画が終わってエンドロール時
音楽の後に自然音が続く。
鳥のさえずりから始まり~~
最後までしっかり聴いて下さい。

星のナターシャnova