「出血大サービス!」オオカミ狩り レントさんの映画レビュー(感想・評価)
出血大サービス!
前半、影が薄かった彼が実は、という意外性を狙ったのか。ソ・イングクは結局当て馬ということね。
とにかく終始何がやりたいのかわからない映画だった。コン・エアーがやりたいのかと思えば、血糊の量が不必要に多く、哭悲をやりたいのかなと。しかし中盤からはバイオハザード、あるいはオーヴァーロード。おまけにアルファの手術シーンはあれはどう見てもショッカーの改造人間の手術シーン。現在公開中のシン仮面ライダーまでリスペクトしてるのか。
結局は改造人間同士のバトルをやりたかったんだろうが、それに行きつくまでのストーリー展開がとにかく散漫。
中盤、アルファが現れて暴れだすあたりで作品への興味が失われ、どうでもよくなってしまった。
せめてイケメン改造人間の伏線を前半辺りから散りばめた上での話運びなら、まだ興味は持続したかも。それがどうしても新たな話が後付け後付けで出てくる感じで食傷気味になってしまった。
正直、脚本はうまくないと思う。仲間が助けに来る手はずになっていたのだからわざわざ手錠を外すための針金を胃の中に隠し持っている必要があったのか。また貨物タンカーでの囚人護送は事前に決まっていたにもかかわらず出港直前に特殊部隊みたいのが管制を強制的に引き継ぐとか、乗組員が殺されて入れ替わっていることもチェックできずにまんまと脱走を許してしまう辺り等々、緻密さが欠けており序盤から嫌な予感はしていた。
アルファの演出も良くない。人間の五倍の力があるといっても体重は変わらないのにあの足音はどうなのか。金属でできたターミネーターじゃあるまいし。あの効果音がアルファへの恐怖感を引き立ててるようには感じられず雑音にしか聞こえなかった。
アクション、ゴア描写も一切新鮮味がない。正直、かなり期待外れの作品だった。唯一、チョン・ソミン演じる女刑事だけが目の保養だったが結局最後には殺されてしまって残念。
シリーズ化を狙ってるようだが、一作目がこれでは厳しいだろう。