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映画レビュー
【現代のマタギの人達の実態に迫った貴重な、ドキュメンタリー映画。】
ー 今作に登場するのは、山形県大鳥地区のマタギの人々である。興味深く鑑賞した。高年齢化が進む中、若手もマタギとして参加している。 きっと、日本の無形文化である”マタギ”は細々とでも、継承されていくのであろう。 彼らの会話の中に、”秋田の阿仁マタギ”という固有名詞が良く出て来る。 多分、日本で一番マタギの文化を守ろうとしている地区の人達である。且つては里マタギだけではなく、旅マタギも行っていた人達である。 私は、30代半ばまで登山をしていた事もあり、「岳人」「山と渓谷」を購読して来た。 その中で、時折、在野の民俗学者である遠藤ケイ氏のエッセイや、登山家でありつつも山の文化について多数著作を著している高桑信一氏の文章の中に、しばしばマタギの話が出て来た。 遠藤ケイ氏はマタギの衆と猟にも行っているが、今作でも語られているようにマタギの方々の歩くスピードは尋常ではない速さだそうである。 <彼らは、趣味で熊を撃っているのではない。 生きるために役割分担(シカリ、セコ、ブッパ)をして集団で熊を撃ち、肉を綺麗に捌き、山の神に獲物が獲れた礼として心臓を供え、皆等分にその肉を分けるのである。 今作は、そんな現代のマタギの人達に迫った貴重なドキュメンタリー映画なのである。>
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