「さよならキントリ!」劇場版 緊急取調室 THE FINAL かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
さよならキントリ!
キントリ大好きなので、欠点あっても見えません。
強いて言えば、杉咲花ちゃんの制服がぶかぶかで、借り着のようにしか見えなかったことくらいです。川崎港着岸30分くらいのところでタンカーを爆破したら、沿岸地域に多大な影響出るんじゃないかな、とは思いました。
責任感が強く、逃げない。「正しい」判断をし躊躇せず実行に移す。たとえ自身の支持率と引き換えでも、国民一人一人の命の方が大切、それは言葉だけではない。しかもまだ48歳。この若さで政界の魑魅魍魎を向こうに回して一歩も引かない。
こんな理想的なリーダーを、過去の疑惑を理由に引きずりおろすようなことにしても良いのだろうか。
キントリの面々だけでなく観客にも葛藤を負わせる展開。そうか、面白くなってきたじゃなぁい!
私なんぞは記録的大災害の最中、対応に一刻を争う事態なのに総理の緊急取り調べって、森下の拘留期限などあるかもしれないが今じゃなくてもいいんじゃなのか、と真壁が頭の固い悪役のように見えました。
しかも(のちに判明するが)彼にその信念をもたらしたのは、過去に仲間を死なせてしまった悔恨。それが原動力となり、ぶれない信念となっていること、この年月、彼も苦しんできたことも、ますます葛藤を強くする。
彼らはどう決着つけるのだろうか。
自分の中の天秤も、どちらにも傾いて揺れっぱなし。
結局は長内総理の判断に委ねられる。
緊急事態が落ち着いたらすべての職を辞する、と発表し、壇上から降りてきた長内の顔が安堵に満ちており、これでよかったのだと思った。秘密を抱えて墓場まで持っていくのは人生を殺しているようなものだ。
そして、長内が「殺人」と告白するのではなく、あくまでも「再捜査」これも良い。
事件か事故かは、再捜査の結果をもって改めて判断されるというわけです。
私から見たらそもそも上地があんな修羅場で出航を決断したリーダーを責め立ててケンカを売ったようで、長内が「〇ね」と言ったとしても、あれは不幸な事故に見えました。
自身の命が保たないのを自覚して上地の命日に長内を襲撃した森下にしても、長内を殺人で告発したいというわけではなく、真相を告白して上地に礼を尽くしてほしい、であり、上地を見捨てたことに囚われてずっと閉じこもってしまった自分に対して、それを美談にして政治家になり、その後は「国民全員を救う」信念をもって政治家として邁進した長内との格差と、やっかみや羨み、後悔などがないまぜになって凶行に及んだよう。
長内はボートレースのリーダーになるために金にあかしてその座を得るなど、親の経済力と政治力の恩恵を受けてすくすく育ってきたグレーな部分はあるが、真壁が言う通り、「人間良い面も悪い面もある」のだ。森下はそれも分かっていたと思う。
猿さんの代役が石丸幹二さんとのことで、もし原案がこの映画通りの人物設定だとしたら、猿さんよりも石丸さんの方が合っていたと思う。盟友の死への悔恨から国民全員を救うという信念に基づいて歩こうとする人の好さは、育ちの良さからきているようなのが、石丸さんの雰囲気佇まいからうかがえる。猿さんならクセ強くて、肚に黒い一物ありそう、こんな「甘ちゃん」にはならなさそうです。
ずっと観ていた「相棒」が、脚本の陳腐化とマンネリと出演者の高齢化で観た後首をひねることが多くなり、亀ちゃんが戻ってきたあたりで視聴者を卒業してしまったが、キントリは安定の面白さを保ってくれて、楽しみに観ていたのでこれで終わりはとても残念だけど、「真壁有希子 昭和48年1月17日(だっけ)生まれ」って明言したところで定年やらをちゃんと考慮しているんだと感じた。他の皆さんもリアリティもって緊急取調室の担当官を演じるには、このあたりが限界だと思う。いさぎよい終わり時です。
キントリはメンバーの個性が素晴らしい。天海祐希はもちろんだが、一癖あるおじ(い)さんとおばさんからなっていて、要領よく出世してきた管理官梶山が一番若くて重みがなかったりする。当初は元キントリ部長・郷原の犬だったが早々にゲロって真壁を守る決意をして以下は頼もしい盟友。「いやいやいやいや」の副総監・磐城は一見嫌な奴だがなんだかんだでいいところを見せて、個人的には面白くて好き。最後にはまた特大のいいところを見せてくれて拍手もの。
若手の投入の仕方が上手く、大杉漣さんの代わりが塚地。昨今は芸人が俳優としていい演技見せてくれることが多いけど、玉ちゃんは例にもれず個性的だし他のメンバーと絶妙な距離感を保っておりとても良かった。モツナベコンビや、生駒と酒井は、自分たちの領分の仕事をきっちりすることでキントリに協力、善さんの息子の善春・工藤阿須加も良い感じ、みなさんやはり距離感が抜群。
距離感の絶妙さは、取り調べチームでも一貫しており、一見ばらばらで、案件が決まるたび集まって手を差し出して円陣を組むが、おーっともりあがるのではなく「うぇーい」というテンション低い気合。
だけど、オーラスの映画のラストでは。。。もうこれ、涙もの。鮮やかなキントリの締めでした。
シリーズのほぼ全部を担当した脚本家井上由美子さんの力量が光るシリーズだったと思う。
「皆さん、出番です」はもうないのか。。とても寂しいです。
2023年に放送予定だったドラマスペシャルは、結局お蔵入りなんでしょうか。
シーズン5にたまてつが出ていて、一瞬「この人昔真壁の部下だったよね」と言ってしまって、あれ、とよく考えたら違った。「Boss」と混同していました。
イイねありがとうございました。本年もよろしくおねがいいたします🙇
確かにタンカーの爆破位置が現実的では無いですね。無理。
あと 市・さんだと 自分でもクイズ番組で経歴を自慢するボン だったので 石丸幹二さんで正解✅誠実だと思いました。
素直に見れば面白いのに 皆さんの低評価がよくわからないのでした。ものがたりなんだからぁ・・・


