劇場公開日 2023年2月23日

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ワース 命の値段のレビュー・感想・評価

全72件中、1~20件目を表示

5.0命は金に変えられない、というけれど

2023年5月31日
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鑑賞方法:映画館

人の命はお金には代えられないと誰もが思う。しかし、それを生業にする人がいる。それも酷い意味ではなく、遺族を救うために。911で犠牲になった人々の遺族に補償金を分配する仕事に就いた弁護士が直面する苦難。政府には集団訴訟を防ぐという目的がある、遺族側には大切な家族の命を金でランク付けしてほしくないという思いがある。遺族が本当に求めるものは何か、エリート弁護士が直面する心のひだを丹念に描いた作品だ。
この映画を観て、『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』を思い出した。津波で子どもたちを失った遺族は真相究明を何より求めていたが、学校側は自らの過失から逃げるばかりで真相を隠そうとする。最終手段で訴訟に踏み切った遺族たちには子供の命を金に変えるのかと心無い声を浴びせる者もいたという。遺族が求める者は金ではなく、尊厳と真相。どうすればその2つを遺族に届けることができるのか、終わりのない問いを、それでも諦めずに当事者たちは続けているのだと思い知らされた。

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杉本穂高

4.0マイケル・キートンだからこそ体現しえた難しい立場と、その変わりゆく姿に胸打たれる

2023年2月26日
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重く切実なテーマを突きつけてくる良作だ。これは米同時多発テロの発生からそれほど年月が経ってない頃の実話。まだ傷が癒えず気持ちの整理のつかない中で基金説明会に足を運んだ人々の、犠牲者の値段や計算式を突きつけられた胸中はいかに複雑で痛ましいものだったことだろうか。すべての人々を納得させる方法がない中、マイケル・キートン演じる主人公は責任者役として無償で身を捧げる。これは彼にとって疑いようのない正義であり社会的使命だったはずだが、彼の官僚主義的なやり方は思わぬ猛反感を浴びることに。少しバランスを欠くと無神経で気に触る人間に映りかねない役柄を、キートンが実直に演じ、彼の難しい立場と大きな心境の変化を、観客と等身大の目線で分かち合う。彼と理性的に対峙するスタンリー・テュッチの存在感も素晴らしい。人々の悲しみや痛みに寄り添う”あるべき姿勢”は何かを的確に点描していくサラ・コランジェロ監督の筆致が光る。

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牛津厚信

3.5悪賢い起業家、誠実な弁護士。両極端を演じ切るマイケル・キートンの円熟

2023年2月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」(2017)でマイケル・キートンが演じたレイ・クロックは、今あるバーガー店のコンセプトを生み出したマクドナルド兄弟と共同で創業しながら、結果的に兄弟を会社から追い出して莫大な利益を手にする狡猾で憎たらしいビジネスマン。一方「ワース 命の値段」での役は、9.11テロ被害者遺族の補償基金プログラムで個々の補償金額を算定する難しい役目をプロボノで引き受け、さまざまな事情を抱えた遺族らに向き合う誠実で忍耐強い弁護士。両極端なキャラクターなのにどちらも説得力十分で、キートンの演技の幅広さを改めて思い知らされる。

よく知られるようにアメリカは訴訟大国で、法廷物の映画や法律事務所を舞台にしたドラマの人気が根強いお国柄もあるのだが、本作の場合、法律家(+国)と遺族たちが対立から、困難な交渉を経て……という大方の予想通りに話が進むので、盛り上がりに若干欠ける面はあるかもしれない。とはいえ、被害者と遺族の事情に合わせて補償額を算定した実話、つまり命の値段を決める過程をドラマタイズして商業映画にするなんていかにもアメリカらしいし、社会派のスタンスとヒューマンな要素のバランスも悪くない。日本だとこの手の題材はまず映画にならないだろうなとは思う。

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高森 郁哉

2.5可哀想可哀想言うだけの先が観たかったのに

2024年9月25日
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鑑賞方法:VOD

命の値段をつけなければならなくなった主人公が、命に多寡はあるのか?と苦悩する物語だとばかり思っていた。
実際、その要素が全くなかったわけではないし、思い込んでいた自分に非があるので、違ったことによるマイナスは加味しないようにしたつもりだ。
それでも低評価になってしまったのには理由がある。

この作品が、どんな物語だったかというと、過剰なほどに被害者可哀想でしょ、遺族可哀想でしょ、そしてアメリカ可哀想でしょ、するだけのものだった。
確かに亡くなった方は悲劇である。そんなこと言われなくても分かる。そういった要素があることも構わない。しかし過剰だ。
はっきり言ってそれしかなかったともいえる。

被害者や遺族が酷い目にあったことを見るドキュメンタリーが見たいのではない。そんなものが見たいなら最初からそれを観る。
言い換えるならば、「作られた」映画が観たいのである。もう分かりきっている被害者可哀想以上の何かを、創作でもいいので望んでいるのだ。
例えば、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のように、被害者可哀想、遺族可哀想からもう一歩進んだ部分が欲しかった。

テーマがテーマなだけに内容が悪かったとは言いにくいし、実際悪くもないと言えるが、映画としては全く面白くなかった。
唯一面白かったと言える部分は、経済の安定のために補償金を出すってところくらいだろう。そんなこと考えたこともなかったので、最初から善意などない訴訟大国の恐ろしさを見た気がした。

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つとみ

3.5とても重いテーマの映画でしたが、大きな事件の裏方で奔走している人が...

2024年7月5日
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鑑賞方法:映画館

とても重いテーマの映画でしたが、大きな事件の裏方で奔走している人が居るんだなと改めてさまざまな視点で物事を考えることが大切なんだと学びでした。

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芝本祐介

4.5あなたは橋じゃない

2024年3月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ケン・ファインバーグ。ユダヤ人弁護士。9.11の補償で、人に値段をつける「汚れ仕事」をかって出る特別管理人。
この補償基金プログラムの反対派の先鋒チャールズ・ウルフ。
相反する二人の掛け合いが本作の見どころ。マイケル・キートンとスタンリー・トゥッチ。彼らの激論に補償対象者約7,000人の命運が掛かっている。
被害者の哀しみの有り様も様々だ。命に対する考え方もそれぞれ違う。政府の関係者たちも好き勝手なことをまくしたてる。
この板挟みはきついぞ。そんじゃそこらのクレーム処理とは訳が違う。
「あなたは橋じゃない」
ウルフはファインバーグは言う。
いい格好して、単なる懸け橋になろうという魂胆はあさはかなのかもしれない。
落としどころが極めて難しい。
が、本作は、落としどころを学ぶには、最強のバイブルだと思った。

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ジョー

3.0テロで亡くなった人の生命に値段をつける。 一定の計算式に基づいて金...

2024年3月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

テロで亡くなった人の生命に値段をつける。
一定の計算式に基づいて金額をはじき出すのが一番合理的だとは思うが、本作の主人公はあまりにも事務的過ぎた。
結果的にうまく行ったのは人間的な同僚たちのおかげだろう。

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省二

4.0敬意

2024年3月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

100人いたら100通りの事情がある。
全てを解決出来る術は無く、どこかで線を引かなければいけないこともある。
納得してもらえるかどうかは、いかに"敬意"を持って対応してるかなんだろう。

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上みちる

3.5実話物で学ぶ

2024年3月2日
PCから投稿

「9.11被害者補償基金プログラム」。
訴訟社会・アメリカ。
集団訴訟で企業が潰されないために、提訴権を停止してまで作ったもの。
へー。

被害者にはそれぞれの事情があり、残された家族も色々。
それを計算式に当てはめて、支払うってどうよ?。
命の値段は、プライスレスなはずなのに。

印象的だったのが、主人公の仕事部屋に置かれた、被害者家族の持参品。
思い出の品だったり。
そこにはそれぞれの思いが、あるはず。

考えさせられた1作。

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ゆき@おうちの中の人

3.5国家側を主人公とした映画

2024年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

そうですよね、補償金が必要ですよね。
テロ事件の悲惨さや被害者の悲しみ、国の喪失感などばかり
考えていて、補償金のことなど頭の片隅にもありませんでした。
この映画は珍しく、国家側の特別管理人ケンを主人公とした物語で
補償金を算定して被害者や遺族に申請させることを主題としていました。
今までの映画なら遺族のウルフを主人公とするのが普通でした。
そういう意味では国家のプロパガンダ的な作品とも思えました。
映画としては見ごたえありましたが
そういう意味では素直になれない気持ちもありました。

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tom

3.5難しい話でも感動

2024年2月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

 2001年9月11日の同時多発テロで、アメリカ政府は被害者救済のために基金を設立。遺族と交渉するために、ケン・ファインバーグが率いるの弁護士団が引き受ける。独自の計算式で保証金の分配をしようとし、基金への申請者80%以上を目指すが。
 テロ発生直前から描かれていて、みるみる広がる緊迫感に悲しくなります。ファインバーグはおごりもあったかも知りませんが、「汚れ役」を無償で引き受けたことに驚きました。困難かつ多くの補償を扱ってきたという自負で引き受け、事務的に処理しようとするファインバーグだったが、想像以上の難題に直面。面倒な存在だったウルフが誠実で重要な役割となり、ファインバーグは被害者に寄り添う姿勢に変化させます。お金の難しい話ですが、感動しました。遺族の電話が、弁護士の「訴えろ」という売りこみで鳴りっぱなし、というのはひどい話です。具体的にどう配分したのかは触れられていなかったのが、ものたりない。

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sironabe

3.0被害者の心の傷の深さ

2024年1月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
すべての被害者と遺族とが損害賠償を求めれば、会社は潰れ(アメリカ経済は破綻に瀕す)る。そうなれば、テロリストに屈したのと同じ。流通も出張の便も停滞、経済全体が機能しなくなる。まさに国家の危機です。

航空機を乗っ取ってワールドトレードセンタービルに突っ込ませるという不法行為をしたのはアルカイダな訳ですから、最終的には、その賠償責任はアルカイダに持っていく以外にない訳ですけれども。

どっこい、個々の乗客は航空会社との契約(航空機による旅客運送契約)に基づいて飛行機に乗ってる訳ですから、最終的に航空会社がアルカイダに求償するかどうかは別として、求められれば、直接に航空会社は乗客に対して債務不履行責任(乗客を安全に目的地まで空輸する義務の違反)を負わなければならない立場。
そして、乗客以外の被害者に対しては、自社の航空機による死傷事故として、直接の不法行為責任。

好き好んで外国のテロ集団を相手に賠償請求するという人は、数としてそう多くはないでしょうから…。
結局のところ、9.11の被害者は、まず航空会社から賠償を受けることを考えるのが穏当なところ。

確かに集団訴訟を起こされたりしたら、その対応だけで、とんでもない費用(弁護士代などの訴訟費用と、訴訟の処理に関わる職員の人件費)というお話になることででしょう。
(よほど極限的な事例ででもなければ、訴訟を見越して費用を予算し、必要な人員をあらかじめ雇用しているケースなどない。)

航空会社が破綻してしまい、飛行機が飛ばなくなると、ビジネスはたちまち行き詰まり、経済そのものがストップしてしまうかも知れません。
何せ、国土の広いアメリカは、海外はおろか、国内の移動も航空機頼みというお国柄。

それに、そんな大規模な事件が係属することになる裁判所の方だって、人員的にも予算的にも、そんなキャパシティは見込んでいない―。
おそらくはパンクしてしまって、他の訴訟事件も処理できない事態に陥ってしまい、司法機能も麻痺してしまうことでしょう。

そこで、政府が(おそらくは航空各社の拠出も得て)基金を作って被害者に賠償金を払うという便法を採ることで、被害者の要求が航空会社に対する訴訟に移行することを防いで事態を鎮静化する(悪い言葉で言えば、被害者にお金を握らせて、そのまま厄介な問題にフタをしてしまう)ー。
ファインバーグ弁護士が特別管理人とやらに就任した、この補償基金の目的は、ざっくりと言ってしまえば、そういうこと。

覚悟の上で、敢えてその「汚れ仕事」を引き受けたファインバーグ弁護士には、社会的意義のある仕事に従事するという男気もあったのかも知れませんけれども。
しかし、それまで弁護士として「負け」を知らなかった彼には、この困難な仕事も、自分なら片づけられるという自負もあったのだろうと思います。評論子は。

つまり、客観的な計算式こそが、被害者の納得を引き出す切り札だと(負け方を知らないという)彼はは考え、そこに勝機を見いだして、この仕事を引き受けたことも、疑いがないと思います。
「調停のプロ」として、多くの事件を解決してきた自負が、彼にそう考えさせたのでしょう。

そのことは「いつも通りの仕事をすれば、きっと大勢の人を救える」と論じた、事務所のスタッフを前にした彼の演説からも窺われます。
(このプロポノ・パブリコを成功させれば、彼の「敏腕弁護士」としての評価は確実なものとなり、弁護士業務の上でもそのメリットは計り知れないという胸算用もあったことでしょう。本作には描かれてはいませんでしたけれども。)

補償金には政府の公金も含まれる以上、飽くまでも客観的な基準(計算式)が必要とするファインバーグ弁護士の主張と、補償に当たっては飽くまでも個々の被害者・遺族の実相を見るべきだとするチャーリーの主張を軸に、事態(本作のストーリー)は展開するのですけれども。

しかし、被害者は、ファインバーグ弁護士が想定していたよりも、被害者・遺族の心の傷は、ずっとずっと、もっとずっと遥かに深かったーそれが、彼の一番の誤算だったのだと評論子は思います。
これだけ桁違いの被害を受けていれば、単なる交通事故や医療過誤などの賠償事案とは、被害者・遺族の心情は、比べ物にならないほど複雑だったと。

そのことに思いが至ると、なお、9.11の被害者・遺族の心の傷の深さを思わずにはいられません。評論子は。
「いろいろな人が電話をかけてきて言う。あなた方は補償金を受けろ、弁護士たちは訴えろと。でも、誰も、ご主人のご遺体が見つかりましたという電話はくれない。もう、電話はいらない。」というカレンの台詞が、耳に残って離れません。

彼・彼女らの心の傷の深さを静かに静かに、しかし鮮明に浮き彫りにする一本として、佳作であったと思います。

(追記)
まず、カミールという得難い優秀な助手を得ることができ、次いで、実は「敵側」であるはずの被害者・遺族の側からもチャーリーという協力者(理解者?援助者?)を得ことができた。
ファインバーグ弁護士が大役を果たすことができた理由も、人を得たことが大きかったのだろうと思います。評論子は。
そして、カレンは、妻としての自分のプライドは脇に置いてまで、亡き夫の隠し子の今後を心配し、ファインバーグ弁護士に彼・彼女らにも補償金が渡るように手配を頼む―。

やっぱり、この世は、人と人と、そして人との関係で出来上がっているのだということを、改めて実感した一本でもありました。評論子には。

(追々記)
今の法律では、損害賠償はお金ですることになっているので(金銭賠償の原則)、例えば死亡交通事故の被害者や遺族に対する損害賠償も、慰謝料や逸失利益(生きて働いていたなら得られたであろう収入から、想定される生活費の額と中間利息=都度に入るはずだったお金がいっぺんにもらえるメリットを評価したもの=を差し引いたもの)が、お金で支払われることにはなるのですけれども。

この金額が、しばしば「命の値段」として、いわば独り歩きをしがちなことには、なんともやりきれない思いがします。評論子は。

「金銭賠償が原則だ」というのは、たいていの場合、原状回復ができないから(死んだ人を生き返らせて遺族の下に帰らせてあげることは、加害者=生身の人間には不可能)。
それで、次善の策として、いろいろなことに遣えるお金というモノ=金銭で賠償しようというだけの話な訳ですから。
要するに、「お金を払うことなら、加害者にもできる(はず)」というだけの話。
決して、それが「命の値段」を指し示したりするものではないのですけれども。

賠償額は飽くまでも賠償額なのであり、それ以上でもそれ以下でもなく、いわんや「命の値段」などではあり得ない―。
そんな単純な賠償額を「命の値段」という風潮は、何とか改まらないかと思うのも、評論子だけではないと思います。

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talkie

3.0重過ぎるテーマだけど

2023年10月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

実話知らずにタイトルから鑑賞。あれだけの事件なのでいろいろ取り上げたいのは理解するけど、詰め込み過ぎの印象。金額算出方法と取り巻く課題、主人公の変化をもっと描いて欲しかった。

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げっちゃん

4.0成長、変化に老若なし

2023年5月23日
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鑑賞方法:映画館

知的

簡潔に感想をまとめると、法律と事象(事件)の間で数々の活躍をしてきた名うての弁護士が人と事件の間の重要性に気付き一気に変化、成長していく感動の物語。それを自分の新しい家の建築進行状況で表現したのかな?と感じました。
マイケル・キートン、さすがでした。

諦めたらそこで試合は終了ですよ。ですよね。

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zem_movie_review

5.0価値

Mさん
2023年4月18日
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「worth」普通に訳せば価値。
10人でさえ、きちんと話を聞いて、判断するのは大変なこと。まして、7000人なんて、天文学的な数に思える。
ケンさん、よかった。

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M

4.0弁護士の成長物語

2023年4月15日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

テロの被害者遺族への補償金を算出する弁護士の話。
最初は合理的に素早く金を支払えばいいだろうと考えていた主人公が、遺族やスタッフとのやりとりを経て、徐々に考えを改めていくのが良かった。
遺族の事情も様々、知りたくないことを知ることになったり…
ベタな展開ではあるけれど、こういう成長物語は好きだし、あまり見ない題材だったので面白かった。

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ひとふで

3.0(原題) What Is Life Worth

2023年4月14日
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鑑賞方法:映画館

911アメリカ同時多発テロの被害者遺族への補償金を分配するという仕事を引き受けた弁護士を描く今作…911の裏ではこんなことが起こっていたのかと知ることができました。

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AYK68

3.0文化の違い

2023年4月10日
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鑑賞方法:映画館

 実話だから、なるほどそうだったんだ。という感じ。

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旅行者

3.0学び考えるきっかけになる

2023年4月10日
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鑑賞方法:映画館

復興の背景には倫理的に非常に難しい問題があることを学べました。
驚くべきは、この過酷な仕事を無償で引き受けた弁護士がいて、これを成し遂げたことです。

アメリカ同時多発テロの被害者遺族を救済するために立ち上げられた補償基金プログラム。
プロジェクトの特別管理人ケン・ファインバーグは、補償金額の算定式を決定し、被害者遺族の80%の賛同を得るために奔走します。

宣伝文から想像していたのは、人の命を値段をつける算定式の決定プロセスでしたが、それは冒頭であっさり片づけられます。
本作の大部分は、算定式は変更できないけれど、どうにかしてこの条件を被害者遺族に受け入れてもらうために奔走する内容です。

最終的には80%を超える申請を得るに至りますが、主人公が特別管理人として補償基金プログラム制度にどの程度影響を及ぼせたのかよくわからないままなので、大きなカタルシスは感じられませんでした。
ケネス・ファインバーグ氏のインタビュー記事を読んでみると、映画に盛り込むべき大事なエピソードが他にもあったのではと感じられます。

エンターテイメントとして人にお勧めするのは悩ましいところですが、個人的にはとても勉強になる作品でした。
鑑賞後にいくつか関連記事を読んでいると、東日本大震災や阪神・淡路大震災に照らした議論や分析がなされていることもわかります。
いまだ最適な答えがない難題に向き合っている法律家の方々には尊敬の念を覚えます。

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moro

4.0「耳を傾けること」の大切さが痛いほど伝わってくる一作

2023年3月27日
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鑑賞方法:映画館

テロの犠牲となった様々な背景を持った人々の補償額、つまり「命の値段」をどう付けるのか、という答えを出すことが非常に困難な問題をテーマに据えた本作、あまりにも大きな問いだったためか、誰もが納得できる結末となっているかどうかは評価が分かれるところではあります。

しかし本作が提示するものとは、明確なゴールや答えではなく、やるせない思いを抱えた人々の言葉の声を聴くことの重要性です。作中でテロの遺族が語る言葉は、たとえ作品用にある程度編集または改変した部分があるだろうとは言え、非常に重みを持って伝わってきます。マイケル・キートン演じるファインバーグ弁護士が、最初は職業意識から業務を引き受けたというちょっと突き放した姿勢から、徐々に遺族の心情に寄り添っていこうとする過程は、大きな山場を設けなくとも十分説得力があり、ここはキートンの演技力が際立っていました。映像も柔らかく全体を包むような静かなトーンで統一されており、キートンの内面の静かな変化と同期しています。

分かりやすい感動を求めてしまうとちょっと微妙な気持ちで鑑賞を終えることになるかもしれませんが、同時多発テロという巨大な悲劇と凶行のこれまでなかなか知られてこなかった側面を知りたい、という人にとっては特に意味のある作品であると言えるでしょう。テロの映像そのものは非常に限定的かつ抑制的にしか使われていないので、そうした直接的な描写が苦手な人も動揺することはなさそうです(もっとも、その分遺族の証言の辛さ、重さはとても大きなものとなっていますが)。

どんなに忙しくても精神的に追い込まれていても、家族や親族とのイベントを欠かさないキートンの良い人ぶりもまた、本作の感銘ポイント!

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yui