ワース 命の値段のレビュー・感想・評価
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成長、変化に老若なし
簡潔に感想をまとめると、法律と事象(事件)の間で数々の活躍をしてきた名うての弁護士が人と事件の間の重要性に気付き一気に変化、成長していく感動の物語。それを自分の新しい家の建築進行状況で表現したのかな?と感じました。
マイケル・キートン、さすがでした。
諦めたらそこで試合は終了ですよ。ですよね。
弁護士の成長物語
テロの被害者遺族への補償金を算出する弁護士の話。
最初は合理的に素早く金を支払えばいいだろうと考えていた主人公が、遺族やスタッフとのやりとりを経て、徐々に考えを改めていくのが良かった。
遺族の事情も様々、知りたくないことを知ることになったり…
ベタな展開ではあるけれど、こういう成長物語は好きだし、あまり見ない題材だったので面白かった。
(原題) What Is Life Worth
911アメリカ同時多発テロの被害者遺族への補償金を分配するという仕事を引き受けた弁護士を描く今作…911の裏ではこんなことが起こっていたのかと知ることができました。
学び考えるきっかけになる
復興の背景には倫理的に非常に難しい問題があることを学べました。
驚くべきは、この過酷な仕事を無償で引き受けた弁護士がいて、これを成し遂げたことです。
アメリカ同時多発テロの被害者遺族を救済するために立ち上げられた補償基金プログラム。
プロジェクトの特別管理人ケン・ファインバーグは、補償金額の算定式を決定し、被害者遺族の80%の賛同を得るために奔走します。
宣伝文から想像していたのは、人の命を値段をつける算定式の決定プロセスでしたが、それは冒頭であっさり片づけられます。
本作の大部分は、算定式は変更できないけれど、どうにかしてこの条件を被害者遺族に受け入れてもらうために奔走する内容です。
最終的には80%を超える申請を得るに至りますが、主人公が特別管理人として補償基金プログラム制度にどの程度影響を及ぼせたのかよくわからないままなので、大きなカタルシスは感じられませんでした。
ケネス・ファインバーグ氏のインタビュー記事を読んでみると、映画に盛り込むべき大事なエピソードが他にもあったのではと感じられます。
エンターテイメントとして人にお勧めするのは悩ましいところですが、個人的にはとても勉強になる作品でした。
鑑賞後にいくつか関連記事を読んでいると、東日本大震災や阪神・淡路大震災に照らした議論や分析がなされていることもわかります。
いまだ最適な答えがない難題に向き合っている法律家の方々には尊敬の念を覚えます。
「耳を傾けること」の大切さが痛いほど伝わってくる一作
テロの犠牲となった様々な背景を持った人々の補償額、つまり「命の値段」をどう付けるのか、という答えを出すことが非常に困難な問題をテーマに据えた本作、あまりにも大きな問いだったためか、誰もが納得できる結末となっているかどうかは評価が分かれるところではあります。
しかし本作が提示するものとは、明確なゴールや答えではなく、やるせない思いを抱えた人々の言葉の声を聴くことの重要性です。作中でテロの遺族が語る言葉は、たとえ作品用にある程度編集または改変した部分があるだろうとは言え、非常に重みを持って伝わってきます。マイケル・キートン演じるファインバーグ弁護士が、最初は職業意識から業務を引き受けたというちょっと突き放した姿勢から、徐々に遺族の心情に寄り添っていこうとする過程は、大きな山場を設けなくとも十分説得力があり、ここはキートンの演技力が際立っていました。映像も柔らかく全体を包むような静かなトーンで統一されており、キートンの内面の静かな変化と同期しています。
分かりやすい感動を求めてしまうとちょっと微妙な気持ちで鑑賞を終えることになるかもしれませんが、同時多発テロという巨大な悲劇と凶行のこれまでなかなか知られてこなかった側面を知りたい、という人にとっては特に意味のある作品であると言えるでしょう。テロの映像そのものは非常に限定的かつ抑制的にしか使われていないので、そうした直接的な描写が苦手な人も動揺することはなさそうです(もっとも、その分遺族の証言の辛さ、重さはとても大きなものとなっていますが)。
どんなに忙しくても精神的に追い込まれていても、家族や親族とのイベントを欠かさないキートンの良い人ぶりもまた、本作の感銘ポイント!
思い悩みます
自分の価値、他人の価値、考えさせられる映画でした。法も補償も大切で、でも人思う気持ちの思い方はそれぞれで思い悩みます。こんなにも困難な仕事に立ち向かった人がいたのかと感心しました。淡々と遺族の証言を追う作りは派手さはないけれど、とても誠実で真正面から問題をとらえようという意欲を感じました。とても難しいからこそ、今もなお続く問題としてみるべき映画だと思いました。貴重な時間でした。
命の価値は同じだが、社会的価値は年収ベース。
9/11の7000人の死者に値段をつける汚れ役を無償で買ってでた弁護士の実話。
観ながら人の命の価値やら、裏表やらを考えさせられる映画ですわ。
目標人数になかなか達なかったのは、ざっくり年収ベースの方程式の初期設定額が低すぎたって事だと思う。
あと被害者と言うか遺族がお金では埋められない悲しみなんじゃ!って気持ちと、、まあくれるなら貰っとこ、、と言う気持ちの折り合いを付ける時間が必要だった事なんだろうと思う。
まあ、決め手は一人ひとりに寄り添う信頼関係構築って事なんだな。時間も手間もかかるし、欲望や嘘や知りたくもないダークサイド噴き出して来て大変だけど。
一番凄いと思ったのはエンドロール直前のその後の彼の働きっぷりだった。いくつもの見直しと、再受け付。
そしていくつもの難しい事件を引き受けている。
無償で頑張った元はとれてる。
難しいね。
マイケル・キートン良いね。
初めからすごい悪い人でもなく突然とてもいい人になった訳でも無く。
真面目に働いてる人がごく普通に認められたくて、でも色々制限がある中で最善を尽くそうとした結果。という感じ。
事件のことはみなが知ってるけどその後も人生は続く。いや、続かなかった人の家族の人生、と言うべきか。
お金なんていらないし、人の人生に値段をつけてそれが人の善し悪しなの?価値なの?ってなると本当に難しい。
だって確かに小さい頃から努力して勉強して例えば医者になった、大企業に勤めた。って人とそれなりに楽して、適当に好きなように生きた人。値段をつけるなら、差が出てしまうよね。
でもだからと言ってその人の価値がそれで決まるか。と言われとら違うんだよなぁ。
お金、というわかりやすい価値で人の価値は決まらない。
でも他人からお前はいくらの価値だよ。なんて言われたら………
なににせよ、テロでなくても毎日事故、殺人等々で被害者家族は発生している。
そんなことが起こらない世の中には絶対にならない。
でもいかに少なくしていくことは出来ると思うんだけど………。世の中悪い方にしか進んでない気がするなぁ。
色んな人に見て欲しい。
スゴく泣かせにかかってる訳でも無く、考えさせられますね。
chatGPTには回答できない、、、
chatGPTには回答できない、、、
いや、
GPTだからこそできる、
GPTにしか、
回答できないのかもしれない。
国の論理よりも、
国民の感情が大事。
と、
国の政策の、
本音と建前を逆転させた、
人間の心に向き合う社会への、
歴史的転換点の記録、
その価値→worth。
を
マイケル・キートンと、
周囲のキャストが、
少ないセリフ、
細かな視線、巧みな表情で、
事実を積み上げていく。
worth 価値、数字で表せる価値のようなもの。
劇中のセリフにもあった、
dignity 尊厳。
生涯賃金は数式で計算可能、
だが、
尊厳は数値化できるのか?
本作のメインプロットを主人公のdignityへの気づきと、
捉えると作品のスケールが矮小化されてしまう。
本作は米国社会のあらゆる状況下の国民のdignityに対する具体的な施作、政策の進化、
がメインプロットと捉えると、
本作で、問われている意味を理解しやすいのかもしれない。
【ワース 尊厳の価値】
AIはすでにdignityを理解している。
シン・シンギュラリティは、
尊厳を具体的実践的活動に落とし込むAI、
と、
尊厳を無視して利益を優先するhuman、
との臨界点なのかもしれない。
そう解釈すると、
米国はすでにシンギュラリティは克服可能かどうかは置いておいて、国として具体的政策の試行錯誤の第一歩は始めてる証拠の作品と解釈できる。
【蛇足】
そうすると、
人工知能と人間の、
明らかな能力の差を、
話題にするよりも、
人としての価値基準について話題にする方がいい。
具体的施作の足枷になってる物、事、人、
とは。
つい先日、日本では、
尊厳には価値がない(と捉えられてもしかたない)判断が出た、しかも裁判所の判断。
憲法よりも数式だそうだ。
chatGPTなら一発回答だろう。
ヒトの能力を数値化するという事は、
一定の事実を根拠に、
フィクションを書き連ねて、
積み上げて、
わかったような答えを出すという事。
数字なんて概念、
人は存在する。
適当に答えられるよ、
なあGPT!
不条理な出来事の納め方
命の「価値」とは?
911で亡くなった方々の補償を担う(国の)特別管理人になる弁護士とそのチームの物語。
とても重いテーマをかかげ人の命の価値をどう弾き出すのか?その金額で納得を得られるのか?
その中で彼が選択する道(基準と倫理観)の先に何があるのだろうか。そして何を守れるのだろうか。
それぞれが抱くまた抱えるものを通し、その「価値」を考えさせられ、彼の決断に心が揺さぶられた。
何を修正したのか
遺族一人一人に向き合う姿勢に変わったのは分かりますが、
基金の何を修正したのか、していないのか、分かりませんでした。
あと急に態度が変わりすぎて逆に信用できないと感じてしまいました。
その辺の描き方は難しいですよね。
マイケルキートン
ありきの映画ですね。
スタートは「本気でこの国の役に立ちたいと思って始めた」ってセリフがファインバーグ氏の実直な人柄を表してるのだと思う。
ただ、実直さ故に残された家族1人ひとりの心情には配慮が欠けていましたね。
物語中盤から「(やっている事が)正しいのかわからない」と吐露するところからグッとこの物語が締まっていきますね。
しかも実話。
その後の様々な活躍。
日本の中坊公平さんを思い出しました。
好みの作品です。
起承転結がはっきりしていてテーマがくっきりと分かり易い
いつもの映画館①で
日曜日だけどリピーター割引券というので1,000円
駐車代も半額にしてくれて総計1,400円とは嬉しい
またリピーター割引券をもらってしまった 使用期限は1週間
ラーメン屋の餃子無料券に近い状態
ループから抜け出せないかもしれない
この間観た対峙と本作がNHKの平日朝のTV番組で紹介されていた
オラとしてはこっちが好みだ 2時間安心して観られた
起承転結がはっきりしていてテーマがくっきりと分かり易い
政治家とか弁護士とか遺族とか
それぞれが置かれた立場で自分なりに最善の行動をとる
金とか出世とか名声とか矜持とか名誉とか目的は様々だ
動いているうちに変化もする
実話を基にした話というが
ある事実の解釈は人それぞれだろうし
5%の側からの全く別のストーリーも可能だと思うが
オラとしてはこういう着地が肌に合うなぁと
よくぞここまでいい話にまとめてくれたと
最近好きなのは万事が白黒はっきりできるわけではなく
折り合いをつけてズルズル人生を続けていくという考え方
いちいち決着をつけなくてもいいじゃないかと
なんとなくそういうニュアンスも感じた
対峙でクタクタに疲れたのとは対照的に癒された
登場人物がそれぞれの個性を発揮して力を合わせるとか
ギリギリでひっくり返って事務所が忙しくなって
てんやわんやになるところとか予定調和で懐かしくて嬉しい
一方LGBTQの課題の積み残しは正直に伝えている
大統領からの電話のシーンとか
大統領と飲みに行こう みたいな台詞も
皮肉が利いていて粋だった
もっと観られるべき傑作
極めてオーソドックスなハリウッド演出ながら、冒頭から胸を揺さぶられ続ける。それはこの映画が、あの事件の被害者や遺族が何を感じていたのかを実感させてくれるから。
冒頭から、被害者達の日常とあの事件が(多分)ニュージャージー側からどう見えていたのかを描写する。我々とは違い彼らにとってあの事件は、日常を侵害し取り上げそしてもう二度と返さない、そういう事件だったことが描かれる。
主人公はそうした人生を生きていた人々一人一人に向き合うこととなる。人間。稼ぎを生み出す可能性としての、計算式としての人間ではなく、家族に愛されあるいは疎まれていた人間、けして聖人ではなく過ちを犯し、それでも懸命に人生を生きていた人間として。
大局や天下国家を語る連中がいかほど薄汚れてみえるものか、愛と平等と寛容を語る人々がいかほど尊くみえるものか。ごくごく平静な筆致ながら雄弁に描き出す。
ハリウッド的に合意がどの程度まで得られるのかが焦点となるが、むしろ大事なのはその課程であり一つ一つの合意がなされた事情なのだということも伝わってくる。
傑作であり必見。もっと広く公開されるべきだし観られるべき。アカデミー賞は本来こうした作品のためのものだと思う。
命の価値はいくらか、計算できるか?
そうか、あれからもう20年が過ぎているのか。Sonyのウォークマン、カシオの計算機、そうまだこの頃は日本製の品質は世界を席巻してたな、と思い出しながら。
被害者補償基金。人の人生に値段をつける汚れた仕事。マシーンのように人の人生に値段をつけていた弁護士が、徐々に変わっていく。そこには、人としての感情が、値段に掛ける係数に作用していく姿がある。最後は、気分的にはゴール直前でブチ抜いた会心の勝利、ってわけだ。
でもね、じゃあ被害者及び遺族はすべて善人か、といえば噓になる。企業家たちが利益優先(補償金を極力出したくない)はデフォルトなのだ。そのうえで、公平であるべき、公平は存在しない、、、まるで詭弁の応酬のような化かし合いの様相でもあった。「血に飢えた狼たちの群れ」を相手にする弁護士こそ、気の毒に思えた。寄り添おうとすれば、そこには少なからず悪意寄りの思惑があったし、食い違いもある。本音と演技、涙を流す人がすべて善でもなければ、怒れる人がすべて正義でもない。そんな被害者と遺族との交渉なんて、身内の苦しみまでも共にしょい込んでヘトヘトになるわ。
大切なのは、公平さではなく前に進むことだ、という。それは、結局グレーゾーンが存在するということか。だから、「金じゃない」と声高に叫ぶ奴から漂う、金への執着心にちょっとうんざりした。こういう社会派映画に対する評価は高めにしておかないと情がないようの思われそうだが、結局、残されたのは気の毒な家族ばかりではなくて、真実から目を逸らしていた人や、本人の真意を理解していない遺族もいたってことが、僕をそういう気分にさせるのだ。被害者の尊厳を守ろうとしているだけではなく、訴訟を起こして少しでも金を引き出そうとしている人だっていたってこと。初期の賛同者があまりにも少なかったのは、そういうこと。
こちらの気分は、けして喝采ではなく、こういう人たちを相手に誠意を試される仕事は大変だ、という思いばかり。
9.11アメリカ同時多発テロ事件でワールド・トレード・センターに飛...
9.11アメリカ同時多発テロ事件でワールド・トレード・センターに飛行機が突撃した。その時に亡くなった人々の補償額をどうするか、という話。
主人公の弁護士ケン・ファインバーグは事故被害者の遺族たちへの補償交渉を政府から任せられると、無報酬を条件に引き受けた。遺族たちから訴訟されたくない政府はケンに80%の契約ノルマを与えた。
亡くなった方々には、高収入なエリート、低賃金の皿洗い、救助に駆けつけていた消防士など、収入は様々だ。
遺族の中には人の命に差があるのかと訴え、同じ金額を皆に支払うことを要求するものがいた。
映画の中で語られる事故のエピソードには胸が痛い。例えば、妻を先にエレベーターに乗せたが、夫が次のエレベーターに乗れなかった、とか、3人の子供を残された母など。※この母の夫は実は他に二人の子供がいることが、わかってしまう。妻は何も知らないようだ。
ケンの部下は遺族の話を聞いて、補償を見直すようなことをケンに伝えるが、ケンは例外は作ってはならないと厳しかった。
契約率が伸び悩んだため、ケンは徐々に遺族たちの話に耳を傾けるようになっていく。
そして最後には90%以上の契約率となり、ケンはノルマを達成した。
なぜ契約率が上がっていったのか、についてよく分からなかった。結局、期限があるので遺族が折れたようにも見えた。
同性カップルについては保証されなかった。LGBTを意識しているようにも見えた。
もっと数学の話になるのかと思っていたが、そうではなくて期待外れであった。それでも見て損はない映画だと思ったので、星4とする。
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