「その名を愛と呼ぶ」青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
その名を愛と呼ぶ
本作のために、アニメシリーズ(〜バニーガール先輩の夢を見ない)をイッキ見し、劇場版(〜ゆめみる少女の夢を見ない)(〜おでかけシスターの夢を見ない)2つを再鑑賞。劇場版はどちらも映画館で見たから、なんでその時にしなかったんだって話だけど、今回は完璧に備えて鑑賞。すっかり大ファンになってしまい、かなり期待して公開日に挑んだけど、期待を遥か上回る素晴らしいエピソードを見せて貰えました。面白い、面白すぎるぞ...。
今回の主人公はついに、梓川咲太。
誰かのことで悩み、苦しんでいる咲太はこれまで何回も見てきたが、自分のことで辛い思いをしている咲太は実は初めてなんじゃないかな。〈ひとり〉という言葉に怯える咲太、ふざけられない咲太。花楓のこと、牧之原さんのことで悩んでいた「夢見る少女」、そしてアニメシリーズの序盤「バニーガール先輩の夢を見ない」を彷彿とさせるストーリー。高校生編の最後にしてこのエピソードを持ってくるあたり、原作者はガチもんの天才だ。
とにかくこのシリーズは、セリフが最高。
会話のひとつひとつに、原作者・鴨志田一先生の頭の良さが垣間見える。言葉遣いが本当に素晴らしい。会話のキャッチボールがこれほどまでに面白い作品は、今後一生見ることが出来ないと思う。このアニメを見ていると、こんな返答が瞬時にできるの羨ましいな、カッコイイなと憧れてしまう。咲太が女性にモテるのには納得出来てしまう。ハーレムアニメになってもおかしくないのに、そうはいかないのが凄いところだと思う。人間の心理をよく理解している。
決して語られてこなかった、風変わりの家族の形。
花楓がかえでに、かえでが花楓になったことで咲太は共に傷を付き、その傷を一生背負っていくと決めた。両親の居ない生活はいつしか当たり前となり、彼の居場所となった、そんな当たり前が、壊されそうとしている。いいことなのに、嬉しいことなのに、不思議な感情に襲われる。《このままでいいのに》と。変化を受け入れられなかった咲太は、そのまま受け入れない選択をした世界に導かれる。自分が必要とされていない世界。舞さんが感じた光景を、咲太自身その目で見ることになる。世界中の人が自分を嫌っても、1人が好きでいてくれればそれでいい。そんな1人すらも自分に見向きてしてくれなくなったら。たった80分弱の映画なのに、胸が大きく揺さぶられたし、愛の素晴らしさに言葉を失ってしまった。
そして、主題歌「不可思議のカルテ」をずっと使い続ける制作陣のみなさん。ありがとうございます。見事に今回も泣いてしまいました。ファンタジックなストーリーなのに、リアリティのある人間ドラマ。このギャップこそ、本シリーズの見どころ。新たな1歩のために、格段に成長した一行。今後どのような展開を見せてくれるのか。今から胸が踊ってしまいます。本当の本当に、最高のアニメシリーズですので、是非劇場版と併せてTVアニメもご覧下さい。後悔させません。
本当にセリフとストーリーがとてもよいですね。
私も、初めは萌え萌えのアニメだろうからスルー、、と思っていましたが、映画の評価がとても高いのでアニメシリーズを見てから映画館に行きました。
いいシリーズです。