「ジェスチャーゲーム」せかいのおきく uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェスチャーゲーム
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開始数秒でモノクロであることに感謝…したのに、ワンカットだけ色を付ける暴挙。
目を背けるなということでしょうか。
汚穢や仕事のシーンが多く、音だけでもなかなかに「クる」ものがありました。
大筋はすべて公式サイトに書かれてあり、メイン3人の交流とささやかな恋が描かれる。
声を失うおきくの悲惨さは薄く、その後のかわいらしさの印象が強い。
自身は武家の誇りを持ちながら、周囲に差別や蔑みを持たない“おきくのせかい”。
上品な所作から初心な表情、コミカルな動きなど黒木華が素晴らしい。
糞尿ジョークで明るさを保つ矢亮も、真摯な中次も魅力的だった。
しかし、その2人の絡みばかり多く3人での交流が薄かったことや、淡々とし過ぎて映画として地味なのが難点。
中次が読み書きを覚えるまで、おきくはジェスチャーで会話するしかないのだなぁ。
汲み取り業者の仕組みは『落第忍者 乱太郎』で知っていたが、劇中でも言われてるように彼らがいなければみな糞尿にまみれる。
本来もっと実入りがよくてもよいと思うのだ。
インフラの整った現代と、嫌がられる仕事に就いている方への感謝を。
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