きみの色のレビュー・感想・評価
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あなたの色は…なに色
ぽっちゃりした体型のトツ子
クラシックバレエを踊る姿も可愛い
生まれたもった特異なこと
それは・・
その人の“色“が見えること
どういうこと…?
と思った
きみちゃんの色がキレイと
言って彼女を捜しまわる
きみちゃんに対して
憧れる気持ちもあるのかな
きみちゃんの足元が何度も映る
体の一部分が映し出されて
オモシロいと思った
イツ子はほんわかな感じだけど
きみちゃんは目元がはっきりとして
目に力がある
ルイくんは優しさが伝わってくる
こんな感じで周りのカトリック
の風景も取り入れて…
でも。どこか"色"に対しての
イメージが弱い
わたしがイメージ出来なかったのか
どこか…ばんやりしてる
…もう少し
インパクトがあってもよかったかな
ラストのエンディングの曲も
この三人の演奏で
終わってもよかった様に感じた
何とも暖かい青春物語
山田尚子監督作品。
そして脚本は吉田玲子という、実にわくわくする組み合わせ。
作品に寄り添うような柔らかな作画が印象的で、目元は特に印象的。そして何より全体のトーンが実に美しい。
これはタイトルにもあるように、きっと一番こだわったところなんでしょう。
あと驚いたのが制作がSARUだったことです。そのタッチもあって移ったこと忘れてましたよ。
牛尾憲輔の音楽もすっかり監督作品に馴染んでいましたね。バンドのエレクトロな音ともすごいリンクしてました。
作品は少年少女のバンドを通じた青春物語。
バンドの位置付けも思ってたより全然ゆるくて、とてもふわっとした感じ。それはバンドのサウンドにも出てました。
あと主人公のトツ子。見た目地味だけどとても魅力的で、彼女を中心に綺麗に物語が回ってました。
CV(俳優?)は知らなかったのですが、声も芝居もすごいあってましたよ。
ラストのライブも彼女の動きが際立っており、ずっと見てました。
キーボードの弾き方なんて最高で、可愛いったらないですよ。
あと親友にきみ。CVはまさかの髙石あかりでびっくり。
また楽曲も個性的で、何と言っても「土天アーメン」ですね。すごい残る曲でした。
また挿入歌で「Born Slippy」入れてくるのも上手い。実に監督らしく、印象的なシーンでした。
抱えた悩み、憧れから育った友情、一歩を踏み出す勇気と成長、そして別れ、何とも暖かい青春物語でした。
活き活きとした場面はあるものの、若者の熱量を感じることはできなかった。
私に評価できるような作品ではなかった。
好きなことを隠してしまうのは10代のコたちの独特の心理なのかもしれない。大人がプリテンダーを気取るのとはまったく違うはずだ。
『メタモルフォーゼの縁側』では、自信がないから恥ずかしくて言えないという青い気持ちが吐露されたが、それはよく理解できた。
本作の三人の少年少女は、大人が期待するあるべき自分が想定できていて、それとの葛藤を抱えていたということだろうか。
若者が夢を持って前進する物語なら、周囲の反対だったり家庭環境だったりという何らかの障壁と戦い、さらに自分自身の能力とか才能とかの限界とも戦うのが定番というもの。
たが、この三人は何と戦ったのか。周囲の大人も友人も実はとても理解があったのだから、壁は自分自身が勝手に作ったものだったのだろうか。
主人公が人の持つ〝色〟を見る能力(?)がある(あるいは、そういう妄想を抱いている)のが、この物語にどういう意味をもたらしたのか私には読み取れなかった。
美人のシスター(VC:新垣結衣)がチョイチョイ語るどこかからの引用も、その言葉一つ一つには意味があっても、物語=三人の子供たちに何かを及ぼしたのかよく解らなかった。
クライマックスのステージシーンは絵的には素晴らしかったが、生徒たちや教師(シスター)たちが盛り上がる様子に感動できなかったのは、そこに至るまでの三人の戦いがなかったからだと思う。
私にとっては消化不良な一作だった。
ステージを見に来た夏木マリみたいにカッコいいお祖母ちゃんの声がアンパンマンだったことに驚いた。戸田恵子もお祖母ちゃんを演じるようになったのか…。
聖歌
悪天候による思わぬ合宿。青春ドラマ鉄板の舞台。深まる相互理解と抑圧への気付き。わかりやすい抑圧ではない。むしろ善意しか存在しない。しかし圧を感じ、跳ね除けたくたる若者たち。実に繊細な構図である。ほんわかしているが、何かの拍子で崩れかねない危うさもある。
音楽の抑揚と映像の絶妙なハーモニーは名人芸。それぞれの演奏がいちいち音と映像と呼応して、なんとも言えない高揚感がうまれる。その曲きた〜で上がる場内、踊るシスターズ。涙腺を刺激する。
挙げ句に、そこでお前が走り出すか。海に向かう見事なバックショット。めっちゃベタだが、それでええじゃないか。
ふたりの色を鮮やかに照らしだす、あなたは光かな。トツ子の癒しキャラに温まる。
変えられるもの。変えられないもの。
中国で開催された国際映画祭にて最優秀アニメーション作品賞を受賞した作品。
普段アニメ映画はあまり観ないのですが、たまたま空いた時間に丁度上映していたので観ることに。思いがけず素敵な作品に出会えてなんだか得した気分です😊
すごく優しいタッチで描かれたキャラクター達とその雰囲気に合った声。流れる音楽や景色、その全てが観客を優しく包みこんでくれます。キャラクター達の動きがとても可愛らしく微笑ましかったです。
ストーリーは、誰か死ぬとかゾンビが出て来るとか、重大な事件が起こるわけではありません。しかし、バンド結成の流れや、作曲のプロセス等にはワクワクしましたし、それぞれが打ち明けられない悩みを抱えていたりと、起伏のあるストーリーになっていたと思います。「色」を使った演出も良かったです。
変えられるもの。変えられないもの。変えるための行動。受け入れるための葛藤。誰しもが大小の差はあれど悩みを抱えて生きています。そんな悩める全ての人の背中をそっと押してくれるメッセージがたくさんありました。仕事で疲れ切ってた私は凄く癒されました😭
結構キリスト教が関わってくる辺り、観る人によっては刺さりにくい場面はあるかもしれません。それでも、爽やかで優しい気持ちに溢れた今作は、きっと観客の心を癒してくれるはずです。
印象派?
きみのギターを弾くシーンが良かった
全寮制のミッションスクールに通うトツ子は、幼いころから人が、色、として見える特異な能力を持っていた。そんなトツ子は、同じ学校に通っていて美しい色を放つ少女・きみ、と出会い、また、街の古書店で出会った少年・ルイと意気投合し、3人でバンドを組むことになった。古い教会を練習場所にし、3人は音楽によって心を通わせていき・・・という話。
ほんわかした絵のタッチで優しさに包まれる様なストーリーが良かった。きみがギターを弾いてるシーンが個人的には1番良かった。タイトルの、きみの色、はきみのことなのかな。
トツ子役の鈴川紗由の声はほのぼのとしてて聴き心地良かった。きみ役の髙石あかりはキャラに合ってた。
シスター日吉子役の新垣結衣は優しく包むような声で凄く魅力的だった。ガッキー、声優だけでもいける、と思う。
欲を言えば、きみがギターを弾いてる時の手の動きと音がズレてて気になった。難しいのかも知れないが、そこはなんとかタイミングを合わせて欲しかった、と思った。
明日へ一歩踏み出す元気をくれる映画です。
少しだけ、少しだけ足りなかったかも。
ふんわり
あらまほしきものは何ー山田尚子監督の「反骨心」により通底されたこととは
(まだ見ていない人に)
やりたいことがハッキリあって、そこに全力投球できたなら、結果がどうあれ、それは最高の青春だと思います。
けれど多くの人は、青春時代そこまで燃焼しきれず、自分がやりたいことをハッキリ捉えられず、なんだか思い通りになっていない状況に悶々として、誤魔化したりして、真っ直ぐ歩けずに立ち止まったりしていることが多かったのではないかと思います。
主人公たち三人は、まさにそんな状況です。
題材として扱っている色や音楽は、彼彼女らの心の内を表す一つの舞台装置だと思います。
音楽は何かを訴えたい人間にとっての自己表現でもあります。
彼彼女らの心が、出会いや周囲の大人たちを介して、どう変化し、開けていくのか。自分自身を見つめ、捉え、前に進むことができたのか。
それを、鮮やかな色彩と音で丹念に描いた映画でした。
ストーリーの起伏とか、凄い、圧倒的とかではなく、感性で受け止めるべき部分が多く、多くの場合、物凄く癒しになる映画だと思います。
見終わった後、鑑賞者の中に何かが浮かび上がることも多いのではないかとも思います。
映像美と音の良さ、楽曲の良さはとにかく素晴らしいので、IMAX推奨です。
舞台は長崎と五島。五島列島に一度行ってみたい人にもお勧めです。
また楽器を何かやっていた人にも、感じられる所があると思います。
(以降見た人向け、5行改行)
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この映画には物凄いハッキリした芯が通っていて、それは「嫉妬心や妬み、悪意や敵意を描かない」というものです。パンフレットでの監督コメントでは、「現実社会がストレスだらけなので、映画の中ではそれを描く必要がないのではないか、それが一つの反骨心」と。
主人公たちを見て思うのは、「ああ、こんな風に勇気を持って、やってみたい方向に向かい、最後には保護者にも向き合いしっかり説明することができていたら」
シスター日吉子を見て思うのは、「こんな風に、引き締めるところは引き締めつつ、若い子を支え、寄り添い、エンパワーメントするような指導者であれたなら」
保護者陣を見て思うのは、「言いたいこともあったろうに、それを飲み込んでこんなにも子供のやりたいことに乗っていける保護者であれたなら」
つまり、この映画は、「こんな風であれたなら」=あらまほしきもの を、それが成立するごくごく小さな世界で、色鮮やかに描いたものだと思います。
現実社会は監督の言う通り、嫉妬心や妬み、悪意や敵意、利害の衝突だらけです。ので歳を取れば取るほどシビアにしか世の中を見れなくなる。けれど、こんな風にポジティブにお互いあれたら、と言う気持ちもどこかにあったりします。
大人であればあるほどその価値は分かります。
よほど強くなければ、他人はおろか自分にもそうそうポジティブでいられないのですから。
だからこの映画は人を癒し、泣けるのだと思います。
また女性を描く上ではやはり女性監督は素晴らしく、トツ子やきみの人物造形には一定のリアリティがあったと思います。逆にルイ君は女性の願望全部乗せで男性からするとリアリティはないですが笑(高身長、医学部志望=高学歴、将来の高収入、イケメン、性格穏やか)。
またMr.Childrenの主題歌は映画のテーマや世界を捉えた素晴らしいものでした。
チャイムから始まり、一定のリズムをメトロノームあるいはマーチのように刻むドラムは否応なしに過ぎていく時間、これは同時に何かを選び、進まねばならない圧力を隠喩しているかのようです。その一方でメロディと歌詞は「迷いは去年の上着のポケットに置いてきた」けれど「心はずっと不安定でカーテンのように揺れる」と、リズムの一定感と真逆にグラグラしている様子が歌われて、最後はそれも受け入れて「好きな色を手にとって描いていい」「自由でいる方法はいくつもある」と、まだ覚束ない足取りでも自分を肯定していい、と言う所に向かっていく内容。
主人公3人はバンド活動を始めて、ついにライブまでできたけれど、まだ不安定。
特にきみは、自分の思いを言葉にしてハッキリ表現するのが苦手です。
大サビ前のシャウトは、映画のラストシーン、そんなきみの絶叫に重なります。
ああ、やっと、自分を解放できたんだな。
そういう強烈に浄化されるようなカタルシスがありました。
いや、映画っていいものですね、と水野晴雄さんのように映画館を後にしました。
音楽映画っていいよね🎶
主人公たちの苦悩や葛藤がまったく伝わってこない
淡い色彩の美しい絵柄と、悪人が一人も登場しない優しいストーリーには癒されるが、面白かったかと言えば、首を横に振らざるを得ない。
まず、タイトルにもなっている、主人公の「人の色が見える」という能力は、一体何だったのだろうか?
主人公のトツ子は、その能力のことを秘密にしているが、それで悩んでいるような様子はなく、その能力が、生活に役立ったり、支障をきたしたりすることもない。
トツ子だけでなく、バンド仲間の3人は、それぞれに秘密を抱えているのだが、3人が自分の秘密を打ち明ける場面では、他の2人の秘密は現実的なのに、トツ子の秘密だけは何ともファンタジックで、そのギャップに違和感を覚えてしまった。
トツ子の能力のお陰で、何か問題が解決したり、物語が大きく動くような展開もなく、どうしてわざわざこのような設定を導入したのか、最後までよく分からなかった。
同級生のきみちゃんにしても、学校をやめた理由がなかなか明らかにならなかったせいで、共感することも、感情移入することもできなかった。3人の打ち明け話の場で、それが、「良い子を演じることに嫌気が差したから」だということが分かるのだが、その割には、学校をやめた後も、そのことを祖母に内緒にして、良い子を演じ続けていたのはどうしてなのだろう?反抗しているのか、お婆ちゃん孝行なのかが、よく分からなかった。
先輩のルイくんに至っては、受験生なのにバンド活動をしていることを親に黙っていることを悩んでいたのだが、バンドか進学かを選ぶのならいざ知らず、どちらもあっさりと両立させて、めでたく医学部に合格してしまうところには、あまりの優等生ぶりに唖然としてしまった。
物語そのものも、フワフワとしている分、テンポが悪く、バンドを結成して、「さあこれから!」と思っていると、トツ子が修学旅行をサボってきみちゃんを寮に泊まらせたり、雪のために3人で離島に取り残されたりといったエピソードが続いて、一向に話が転がらない。ここで、印象に残るのは、シスターの日吉子先生の「善い人」ぶりばかりで、肝心の3人の結束の強まりのようなものは、今一つ感じることができなかった。
皆で作っていた曲も、何の苦労も困難もなくいつの間にかでき上がっているし、クライマックスのコンサートのシーンも、初心者のはずなのに演奏が上手すぎて、逆に心に響かなかった。
創作活動には、苦悩や努力や葛藤がつきものであり、そうした「産みの苦しみ」があってこそ、作品は輝くと思えるのである。
10代で観たかった。
よく言えば穏やか、わるく言えば抑揚がない
思っていたより感情の動きが微細な作品だった。
キャッチし切れた自信は正直無い。10代でこの作品に触れたかったな。
高校3年生、将来への不安や不満、希望よりそっちが先に来る状態がまずベースにあるんだろうな。そこは薄っすら雰囲気で感じるが終盤まで口に出さない。バンド活動も具体的な目標も無い。なので衝動的な楽しさはあるものの、がむしゃらさは無い。それが目的ではなかったんだろうな。
向かっていくものがハッキリしないまま進行するので観る側も迷いながら観てる人が多かったのでは無いだろうか。
正解を探しながら観ると納得行かない作品かも知れません。
自分は特に目標無く高校時代を過ごした人間だったので共感出来る点はありましたが、映画館でこれが観たかった!とは言えないかな。
人の色をイメージしてしまうという仕掛けは面白かったが、トツ子がそれを押し隠してる事もあり前面には出て来ない。自分の色がわからないのは、自分がわからないという事なんだろう。最後にそれが見えるのは良い仕掛けだったな。具体的ではない色で納めてる、ぼんやり色しかわからないのが良い。
とにかく淡い色合いのフィルターがかかった作品だった。
音楽的には、バンド物という頭で行ったので「あ、こっちか!」と思った。アンダーワールドのボーンスリッピーが流れたとこら辺からボンヤリこっちの方に行くのかと思ったら、音楽監督の牛尾さんって電気グルーヴと関わりが深かったりもしてるんやね。合点がいった。ちょっと相対性理論ぽさもあったのでそっちかと思ったらこっちだったw
これはと思いIMAX上映で観てきた。が、そこにこだわらなくてもよかったかな。auマンデイで観たから1700円で観れたけどね。TOHOシネマズなんばのスクリーン2、H列はちょうど良かった。字幕読むならもうちょい後ろかな。
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