きみの色のレビュー・感想・評価
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「淡い」映画
「けいおん!」は見てないけど、サイエンスサルの作品は観てきたし「聲の形」や「平家物語」は好き、という、もしかするとこの監督のファンにとっては「にわか」に類するかも知れない。
例によって予備知識はほぼ入れずに観賞。
中高生のカップルから中高年の独り男まで、客層は幅広い感じだった。
人にそれぞれ「色」が見えるという特性を持った、ミッション系の女子高に通う女の子のお話。
登場キャラクターはそれぞれ魅力的だとは思うが、各人物について背景とか描写があまりないので、このコは今ナニを考えているのか、私の様な中高年男性にはイマイチ伝わって来ない。
それぞれ帰る場所はある。
家庭もお金にはそれほど困ってない。(むしろお金持ち?)
家族にも愛されている。
そんな、一般的には「恵まれた家庭」に育った思春期の彼女たちの「小さな嘘と冒険、自立と葛藤のお話」なので、全体としての印象はすごく小ぢんまりしている。
いわゆる「日常系」を得意とする監督の手腕として、ファンは喜ぶのかも知れないが、私の様な「にわか」には、やはり映画として物足りない。
そしてこういう「音楽」をテーマにした作品、特に映画オリジナルの楽曲を作中で重要なファクターとして扱う映画にはついて回る、「その曲が好きになれるか問題」が立ちはだかる。
案の定、ラストは主人公が作った「♪水金地火木土天アーメン」。
私には、初めてあの曲を聞いて文化祭で見ていた観客が世代構わずあんなに踊り出すとは到底思えない。
(あくまで個人的な見解です。)
主人公トツ子の、人の色が見えるという力も、昔習ったバレエの話も、時折差し込まれる割には、あまり物語の具体的な要素として絡んで来ないし、ルイはなぜテルミンをあえて使っているのか、きみはなぜ学校をやめたのか、その辺りもあまりちゃんとこちらが共感できる言葉では説明されていない気がする。
結果、あまりキャラクターとして掴み所のない3人が、最後にイベントで曲を披露。
それはノレないよね。
こういう、大きな波風の立たない映画、きれいな色や自然の風景、日々の生活の小さな動きを描く映画が好きな人にはいいんだろうが、私には全体に物語が「淡白」に見えてしまった。
あわせて、ミスチルのテーマ曲も正直、新鮮味に欠ける印象。
才能ある人たちが何かチグハグな形に収まった感
眠くなったのは体調のせい。『聲の形』は観ておらず。ただ色調と世界観に興味を持ち。それと音楽ものが好きなので。
冒頭から主人公の特徴である「人を色で捉える能力」の説明が入るが、設定がムズいな、と思った。近年のそこそこの邦画実写の傑作『恋は光』では恋する女性が光ってみえるとかいう特殊能力を持つ主人公が出てくるが、これをうまく回収していくには相応のストーリーテリングが必要で、その設定はストーリーやキャラクターに奉仕しなくてはいけなくなるが、この物語にそれがそんなに必要そうには見えないし、結果的に効いてない。それよりベットの堀傷のエピソードのほうがよっぽど効いている。
しかしその「いろ」設定を除けばあまり特徴のある設定はない。むしろかなり地味で驚きのないお話だ。実につるんとしている。メインキャストたちはみな何かを辞めたり、辞められなかったり、辞めたことを隠していたり、でしかない。バンドったっていわゆる目的や欲的にも機能していない。風光明媚な尾道に匹敵する長崎を舞台にした普遍的な青春ドラマは、自宅の一階がバレエ教室であってそれでバレエやっていたという設定も、なぜバレエを辞めたのか、このバンドとはなんか関係あるのかと思うと特にない。そのように、絵はとても美しいが、キャラクター設定がまったくドラマに生かされてない居心地の悪さがある。エンドロールのミスチルもそうだけど、取ってつけたような、といか映画のテーマと違って、何かバラバラなというかチグハグな感じがした。
とても長くて退屈に感じる色だったな。
台風10号とかけて、総裁選と解く、その心は・・・
ズバリ迷走しているでしょう。
こんな進路軌跡見た事ない。そして人知れず熱帯低気圧に・・・
迷走台風は現政権の如くやがて消滅へと。
昔は身の詰まった円形暴風雨だったのに、昨今はまるで浮き輪。
中心円の風が弱く周囲が豪雨で。迷走浮輪台風ですな。
そんな週末を避ける様に、公開初日に「きみの色」見ましたよ。
兎に角、色が全体に優しいね。女子力Maxって感じのふんわり感色。
人の存在、浮き出てくる感情色(オーラ)が見えちゃうミッション・スクールに通う女子高校生 日暮トツ子。このほんわりとしたオットリ性格の女子が主。
と或る事で同じ学校を辞めた作永きみと、島の医者の息子 悩める影平ルイと一緒にバンドを組んで周囲の人に自分たちの存在価値を曝け出して行く~って展開。
この手のバンド系作品はアっと言う間に 完成曲を幾つか聞いたら終わっちゃったってぐらい時間が短く感じる物なんだがな・・・
上映100分が凄く長く感じましたわ。
つまり ワクワク感やトキメキ感が少なかったって事なんでしょうね。
企画・プロデュース : 川村元気氏
監督:山田尚子氏
脚本:吉田玲子氏
上映時間:100分
------キャラCV
日暮トツ子:鈴川紗由さん
作永きみ:髙石あかりさん
影平ルイ:木戸大聖さん
シスター日吉子:新垣結衣さん
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シスタ―は新垣さんの声ね。シスタ―も昔バンドにハマってたとか。
でもこの振る舞い・・・”合宿と言う事にして” この発言。何か問題をヒタ隠そうとしてませんかね?
皆、色々と嘘ついてヤバくなって。それで これではイカンと、親に先生に本当の事を話して。地味だけど 理解してもらう所、そこは良かったかな。
でもシスタ-の ”合宿と言う事で”って・・・唐突な戸惑いが。
男女が古い壊れた教会で一晩をって。心配して どんなけ純なんだよ~。
なんか今時じゃ無いなと思うんだよね。そこは観客の感じた思いと乖離してしまいそう。もっと違う表現に変えられたと思うんだけどな。
最後の聖歌発表で皆の前でバンド演奏。この3曲はまあまあ良かったかな。
3曲目は力入ってたと感じたけど。
そして 春から大学生になり遠くへ船で行くルイ。
トツ子ときみの二人が 船に向かって大きく手を振り
最後に船上からルイが手にしたカラ-紙テープが大空に舞ってゆく~。
とっても美しい場面に思えますが、うーん ココだけでしたでしょうかね。
純粋に偏り過ぎててモノ足りない、そんな気がします。
3人イイ子過ぎるでしょう。もっと悩めよ、若者たち。
シスターが新垣さんなので、”違国日記”と 被って見えましたわ。
ご興味ある方は
劇場へ。
楽曲がテクノポップで好き
予告の時からなぜミスチルと思っていたけど、劇中で演奏してくれてた楽曲で締めてくれて良かった。
山田監督のコンテらしく、けいおんやたまこを彷彿とさせる主人公の仕草や動きに癒されて、ほんわかしていた。
ああいう男の子はありなのだろうか。
きみさんの背景描写とかはあえて割愛したのか、尺の都合か、物足りなさはあったけど、オリジナル曲はそれぞれ良くて、テルミンとか演奏技術はよくわからないけど、あんなにできていいのかなとは少し思いつつ、楽しめた。
主人公が好きになれるなら登場人物の色を考えながら楽しめる作品
予告も結構見かけて気になり、主題歌が良かったしで観賞。
主人公であるトツ子が受け入れられない人だと、この映画は無理だろうなぁ…と思います。
一緒に行った人は主人公にイライラしてしまい音楽は良かったのに楽しめなかったと言われました。
今後のメディア展開で明かされるかも…とは思いますが、序盤で少し説明を端折ってしまっている所があります。
そこを気にしなければ、トツ子が明るく引っ張っていく所が楽しめますし、バンド活動を頑張っている姿が応援できて楽しめます。
予告でもあったバンドの部分は曲も良く、それがその人の色であり、そこに至るまでに乗り越えた内容から感動しました。
ポップコーンはSサイズでも余してしまいました、音楽も全体的に良いですし見入ってしまったので…
思春期の考えだからこそ考えさせられ、見入ってしまう部分が多いと感じました。
きみちゃんという新たなキャラクター
きみちゃんというキャラクター、私的にはアニメ作品で初めて見るタイプのキャラクターでした。
こういう人いるんだけど、今まで見た事はなかったため、新鮮でした。
ビジュアルや音楽など技術的な面はとても楽しめました。
内容に関しては、
確かに薄いし弱いけど、それでいて101分もったんだから評価されるべき映画だろうと思います
山田さんは作家気質なところがあるため、
Garden of Remembranceも見ましたが、難しい事やっているし好きなことを精一杯やっていてこういう人が一人いるだけでアニメーション映画業界はいい方向に向かっていけるんだろうと私は思います。まぁ、そのセンスは嫉妬もので、監督自体天然なあざとさ(→自覚ありのピュアさ)がある方だなあといつも感じていますが(笑)、けどそれが作品に良い影響をもたらしているので、必要な事なのでしょう。
(やっぱ眼鏡男子好きなのかな…?とは思いましたが笑)
オリジナルじゃなくてもいいから、こういった作品を是非続けていってほしいです。
すごく好き
『聲の形』が好きだし、予告編も良さげだったから、なんとなく軽い気持ちで観たら、すごく好きな映画だった。
柔らかいタッチの作画に、穏やかな声、青のきみちゃんと緑のルイくん、おそらくトツ子は暖色系だろうなぁと思っていたら、まぁ。
ちょっと懐かしくもあり、羨ましくもあり、若いっていいなぁ、青春っていいなぁなんて、はるか昔の高校生の頃を思い出す。
ベッドの回収も唐突で良かった。
ライブは初めのザワつきから盛り上がる王道展開プラス踊るシスター、素晴らしい。
そして人差し指で演奏するトツ子かわいい。
曲も3曲ともテイストが違って良かった。
ラストは青春映画としてベタすぎるくらいだけど、きみちゃんが感情を爆発させてグッときた。
あの時のきみちゃんはきっと赤。
繊細なタッチだけど王道展開
「けいおん」「リズと青い鳥」の山田尚子監督作品
「リズと青い鳥」のような繊細なタッチで音楽と色についての作品だった。
バンドは今っぽい歌ものテクノ系
テルミンがアニメでけっこうな割合ででてきたり、なかなか面白い(アンダーワールドのボーンスリッピーのカバーの劇版はちょっとびっくり)
物語は王道の文化祭演奏でラストの終わりも爽やかだった
抑制の利いた演技と美しい映像
アニメを見る人が求めているものなのか、記号化された表現と声の出し方。
映画を見る人がもとめる作者の明らかな作為。
そんなものを、綺麗な映像と抑制の利いた演技でだまらせる。
伏線の回収や説明セリフすら排除する。
私は好きでした。
出会いからバンド結成までが、ご都合主義に見えるので、それ以降は静かに展開。
でもライブはかっちり良い音。
素晴らしい。
期待通り音楽は良かったけれど?
この作品の色はかなり淡かった気がします。きみの色、ということを強調するためなのか、全体にぼやぼやーっとした印象で、個人的には光の雰囲気を出すこのぼやぼやした部類のアニメーションは嫌いです。メリハリのあるところも随所で見られたので、対比をつけようとしたのかその意図は感じ取られなかったので、特に前半の大半は残念な感じでした。せっかくの被写体深度を多用したイカした演出も、ぼやぼやっと・・・
宗教とか絡んでくると、ちょっと苦手だなぁなんて思ってしまうんですけど、この作品の内容はかなり面白かったです。ストーリー、展開、セリフ、いずれの要素でも楽しめたので、だから余計にぱきっとした映像で全部しっかり見たっかたなぁという気持ちです。少しオシャレな映像とか遠景など、キレイだったし効果的だったと思ったのですが、それと全体の平面的な映像とを見ると、ちょっと映像そのものへの演出が過ぎたんじゃないかなぁという、なんか偉そうでテキトーな意見ですけど、面白い作品!最高の音楽!と思っただけに、シンプルでキレイな絵を欲しちゃった次第です。
とにかく、水金地火木ドッテンアーメン♪・・・最高過ぎます(>_<)
ノスタルジックでもあり、青春讃歌・応援歌な作品だったような・・・劇場には若い子はいなかったし、そもそもバンドという概念自体古いのかもしれません。かなり斬新なスリーピースでしたけど。
映像の力と、観客が補完するということ。
それぞれに事情や青春の鬱屈を抱える高校生たちがバンドを組み自己を表現する、というような具合に、あらすじはとてもシンプルです。
この映画にとって重要なのは、アニメでしかできないさまざまな手法を用いた色とりどりで美しい映像表現であり、それが単純なストーリーにも深みを与えています。そして、キャラクターそれぞれの事情や鬱屈があまり深く描かれることはありません。具体的なことはわからないことだらけですがそれがフラストレーションにならないのは、描かれる必要がないからでしょう。観客の殆どはそれぞれの経験の中で皆そのような感情を経験しているはずで、観客自身が勝手に補完するということを計算の上で表現されているものと感じます。必要以上に内面に深入りしないことによって、観客に必要以上にネガティブは感情を生じさせず、気持ちの良い映画体験を生んでいます。それが薄っぺらに感じられないのは、映像の美しさに加えて、キャラクターのいきいきとした繊細な芝居がもちろん大きな要素としてあります。
それにしても、確かめようがありませんが、テルミンの演奏がアニメでこんなに本格的に描かれたのは始めてのことなのではないでしょうか。劇中バンドの楽器編成や音楽もとても面白く、逆に普通のロックバンドものであるかのように見えてしまうポスタービジュアル(演奏シーンの3人)が残念になってきます。エンディング主題歌のチョイスと言い、おそらく一般的に幅広い層への訴求を狙ったものでしょうが、山田尚子監督の名前を知らない人たちにはよくあるバンドものとしてあまり魅力的に伝わらず、山田尚子監督を知っている人たちには何だか山田尚子作品っぽくない感じと受け止められてしまったのではないかと思います。色とりどりの美しい映像表現が感じられるビジュアルにしてほしかったというのは個人的な感想です。
いずれにせよ気持ちの良い映画ですし音楽も素晴らしいので、音響のよい劇場でもう一度観るつもりです。
若者のキラキラした青春を描くことに定評がある山田
山田は今回も、高校生くらいのヤングの日常生活に散りばめられたきらめく一瞬を丁寧に、鮮やかに描いてくれましたね😀45分くらいで「やめてくれぇ...もうキラキラはたくさんだぁ...やめ...」ってなるくらいキラキラした青春映画でした
主人公はけいおんの唯ちゃんをもっとフワフワにした妖精みたいな子で、主人公たちに対して否定的な人も、意地悪や醒めたことをいう同級生もいないので、現実的な舞台設定の割には物語的にちょっとリアリティーないというかぬるくて「それでいいの?」となる部分もありましたが、そういう世間との軋轢を表現したい作品でもないと思うのでまぁいいのかな
個人的には、なんとなく見終わったあとの感じがバグダッドカフェ見た後の様な後味でした
おばあちゃんのヴィヴィアンっぽいジャケットとかキャラが立ってて良かったです🤗
きみの色、わたしの色、山田尚子の色
『リズと青い鳥』以来5年ぶりとなる山田尚子監督の長編アニメ映画。
オリジナルとなる新作で描くのは、『リズと青い鳥』や出世作で代表作である『けいおん!』同様、監督の得意とする“青春×音楽”。バンドを組んだ女子二人と男子一人。
思春期を描かせたら右に出る者が居ない繊細な心理描写と現アニメ界随一の映像センス。8年前の重たい題材の『聲の形』も大ヒット。川村元気がプロデュースで山田作品に初参加し、細田守や新海誠に続けるか…?
今年のアニメ映画の中でも注目と期待の一本だが、賛否両論。
“賛”は期待通りの山田作品の声だが、“否”は作風や内容などを指摘する声多々。
しかし、これが山田作品ではなかろうか。
昨今のアニメーションはどうしても、個性が立ったキャラ、メリハリのある展開、劇的な感動などが求められる。作る側もそれを意識し、見る側もそれを期待。人気や大ヒットに繋がる。
『けいおん!』などで“日常系アニメ”が人気を博したのは一昔前。アニメーションで“日常”を描くのはなかなかに難しい。
山田監督はそれを描き続けている。何気ない日常の一コマやナチュラルな姿。『けいおん!』は元より、『たまこまーけっと』はその極み。ずっとこのスタイル。重たい題材を扱った『聲の形』が稀だっただけ。
内容については一理ある部分も。トツ子は何故人の感情が“色”で見えるのか。きみが中退し、祖母と暮らす理由。母親からの跡継ぎに悩むルイ。これらの背景が今一つ描き込み不足。
説明過多な描写は端から描くつもりは無かったのかもしれない。あくまで、3人の青春が織り成すハーモニー。
そうなってくると、内容や作風云々より、感性の好み。これが自分に合うか、否か。
“人の感情が色で見える”というトツ子の設定も独特の感性。『聲の形』でも人の顔に✕印が見えるのと同様に、“青春”という視点を具現化。思春期の複雑な年頃に見たくないもの、その時しか見えないもの。その視点が秀逸。
好みの問題は仕方ない。しかし個人的には、期待通りの山田ワールド。
繊細で自然でありつつ、ふわっと温もり豊か。とにかく終始、心地よかった。あまりに心地よくて、このまま眠りに就きたいと感じたほど。
3人が組んだバンド“しろねこ堂”による劇中オリジナル曲。
きみのしっとり系やミスチルが手掛けた本作の主題歌もいいが、トツ子のユニークな“♪︎水金地火木土天アーメン”。『けいおん!』の“放課後ティータイム”や“ふわふわ時間(タイム)”と通じる青春の可愛らしさ。
トツ子は唯やたまこタイプのおっとりマイペース。
きみは澪タイプのクール美少女。高石あかりが歌声も披露。『ベイビーわるきゅーれ』で気になってから、売れっ子ぶりが嬉しい。
ルイの繊細さと優しさ。テルミンを使うのも目新しい。
3人の友情とも淡い恋とも言える関係。その距離感も絶妙。
“シスター・ガッキー”が昔やっていたというロックなバンド“ゴッド・オールマイティー”が気になるぅ~。さわちゃん先生みたいな…?
3人各々が抱える悩みや感受性。
ネガティブな事ばかりじゃない。
美しさ、明るさ、楽しさ。
それらを全て込めて歌う。今この青春の時を。
別れ。旅立ち。「頑張れー!」のエールも立派な歌だ。出会った喜びと幸せ。
『けいおん!』『たまこまーけっと』の可愛らしさ。
『聲の形』の複雑さ。
『リズと青い鳥』の繊細さ。
本作もまた“らしさ”たっぷり。
これが山田尚子の“色”だ。
何もかもが悪い意味で『甘い』駄作
まず前提として自分はリズと青い鳥の大ファンです。何回も見てその繊細な感情描写と、甘えのない客観的かつ愛に満ちたふたりへの目線に感服しました。
聲の形も、展開が強引なところはあったがそこそこおもろかったです。
だけど、今回の映画。
なんですか、これ?
ただただ思いつきと作者の都合で流れていく強引な展開、その割にドラマの軸もなく散漫で、山田尚子さんの好きをぼんやり並べただけの価値のないもの。
キャラクターの葛藤も浅く、その解決もやりたい演出のオマケで「なんとなく形だけ整えた」ようなもの。
なんか名作作った監督さんって、自分に甘くなって視野が狭くなって、こういう作品に逃げ込みがちですよね。
押井守がパト2、攻殻機動隊以降、パッとしない思い込みの垂れ流し的作品を続けてたことにも近いです。
原作キャラをお借りして、足りない部分を埋めてもらって、良い距離感で作品作ってた一番評価されてた時期を忘れないで生涯謙虚に創作してもらいたいものです。
後、作品内での「音楽」の置き方が本当に雑で、響け!ユーフォニウムというあれだけ真剣に音と向かい合った作品からなんも学んでないんかなと。
練習もろくにせず、才能裏付けもなく(色がどうこうといった曖昧なものはありましたが)、思いつきでパッとやったものが、何故か大評価されて客は踊りだす…みたいな作者の内面願望ご都合世界。
そもそも見せ場のライブシーンに関してもたいしたドラマがなく、とりあえず置いただけの家庭の事情が「なんとなく」解決するだけで感動のかけらもない。
雰囲気だけで良いという一部のファンだけ見て、これで良いんだと突っ走ることがないように、謙虚に初心に帰ってほしいと山田尚子監督には心から思います。
大好きだった作家が、これから一生自己愛垂れ流していくだけの作家に変貌することほど悲しいことはないので。
でもまぁそういうの心地良いんでしょうね。
そういう「気持ちよく作ってるな」というのだけは悪い意味で伝わってた映画でした。
まぁとりあえずご都合なキャラの発作で話を展開させる開き直り、演出家のエゴだけは最低限なくして欲しいものです。
ぽい、がツマラン。平家物語は快作だったが。
ぽい、がツマラン。
結果出来たとの劇中の駄曲ゆえか。
傑作山下敦弘リンダが既にある世で
これを撮る意義は?
無垢ドジ不思議ちゃん、
綾波系クール美少女、
中性的理系優等生男子、
今の子らは
流行りキャラの何れかに自らを寄せて生きてるな。
快作平家物語と同監督ゆえ観た。
作品選びを。
ガッキー
のシスターが良いですね。おじじが見たらくすぐったくなるような演出あるかなと思ったら、丁寧に作られていてある意味裏切られました。しろねこ演奏は圧巻で何を観るか迷っているならおすすめ出来る佳作です。とつ子ちゃんの色は予想より少し濃い色でした。
危なっかしい
殆ど初心者の3人でバンドを組んで、人前で披露するなんて何だかとても危なっかしい感じがしましたが、それなりにまとまってたし、みんなも乗ってくれて良かったですね。何となく色んなものから逃げていた3人が前を向いて行くキッカケになって良かったです。
淡い青春の1頁 。
トツ子、きみ、ルイがとつじょバンドを組むことになり友情を育んでいく。
トツ子の ”バンドやろーぜ” 発言が唐突過ぎて、言った本人すら、アワワヽ(;´Д`)ノ、私はいったい何てことを口走ってしまったんだ状態でうろたえてしまっている。
カトリック系の高校に通い毎日祈りを捧げる敬けんなクリスチャンだから、神の啓示、天啓が閃いたに違いない(^^)。 「汝ら3人、バンドを組むべし」
トツ子をしろねこ堂に導いた白ネコさんも神の御使いで、3人の出会いも神の御業であり奇跡の出逢いである。ウンウン(^^)。
ただしルイ君は”作永きみ”をナンパした感がチョッピリある。行きつけの古書店でキレイな同世代女子がギター弾いているとなれば、そりゃあ同世代男子が気にするのは当然である。
やっぱしルイ君、チョッピリではなく、ガッツリ ナンパである。
3人にはそれぞれ抱えた悩みも有るのだが、それを深く詳細に描いてドラマにして行くわけではない。回りから見れば別にドラマチックでもセンセーショナルでもない普通の日常かもしれない。
だけど3人にしてみてば新しい出会いとバンド活動はかなり刺激的であり、個々に抱える事情も当人たちにとっては重いものである。そして映画ではそれに伴う喜びや悲しみの感情が、表情、しぐさ、色、音楽で細やかに表現されていく。
印象に残った所など
・トツ子が学校を辞めたきみを探す。だけどトツ子は、きみの色を見つけられない。トツ子の回りは白く色褪せてしまう。
別れや何かを失ったことで心にポッカリ穴が空き、空虚感から世界が色褪せて見えるのは、これまた皆さまご存知のとおり。
・トツ子ときみが懲罰のゴミ拾いをする。これ高校時代のの思い出としていつか懐かしく思い出されるやつかもしれないと思った。
・シスター日吉子がトツ子にロック系のバンドGod almightyをやってたことを消し去りたいと言うと、トツ子はお気に入りの祈りの中の一節 「変えられないものは受け入れるウンヌン」を伝える。
「おお、シスターも若い頃はブブイブイ言わせてたんだな。けどシスターにとって消し去りたい黒歴史なのかな? 」 などとも思った。
・島を去り東京へ向かうルイ君。ルイ君の乗る船に気づいたきみは埠頭を走る走る。埠頭を走るきみにルイ君も気付く。僕はこの船から見た埠頭とそこをダッシュするきみの遠景が1番好きな場面だ。トツ子も後から走る走る。
埠頭の端まで来た2人は船に向かって大声で叫ぶ。この時のきみの叫び声がスゴくて、声優さん声つぶれちゃわない?大丈夫?などと余計な心配をする。
・観賞後、ポスターのタイトルを見て 作永きみの ”きみ” と”君” のダブルミーニングであることに気付く。
気付くの遅えよオレ、何でフライヤーや 映画.com の解説読んだときに気付かんかなあ。せめて鑑賞中には気付けよと思った次第である。ずっと ”君” だと思ってた。
世界がきれいに見える、素敵な時間を映画館で。
ルックバックを観にいくたびに目にしていた本作の予告編。
感じる映画だと期待して鑑賞し、素敵な時間をすごせた。
トツ子がみる色とりどりの世界に序盤から心を奪われる。
長崎が舞台ということで、土地ならではの花やきれいな海はもちろん、人々まで色がついて見える、こんな世界があったらな、と思う。
キリスト教の学校や教会の神聖さ、静けさも、鑑賞者の背筋が伸び、作品に集中できる環境にさせてもらった。
キャラクターも優しくも繊細なタッチで表情を見ているだけで楽しい。万人に媚びず、アニメアニメしてない作風に好感が持てる。
声優は「色」という観点では、声に色がつきすぎていない俳優陣がとても良かった。たぶん有名俳優が声をあてると、それだけでイメージが引っ張られてしまっただろう。
そして、この作品のもう一つの中心である、音楽。
「音が色に見える」という言葉の通り、キャッチーで、楽しくて、鳥肌がたってしまった。
きれいで美しい世界観の中でロックとポップな楽曲のギャップが良い刺激になっている。
物語に大きな展開はなく拍子抜けする人もいるかもしれないが、あくまで「色」を際立たせるための土台のようなもの。
ストーリーの浮き沈みで観客の気持ちが動いては雑音が混ざってしまうので、ちょうどよかった。
色で、光で、音で、そして表情で楽しむ、素敵な作品だった。
水金地火木土天アーメン〜
ミスチル、要らん気が。
淡い色彩の画面そのままに、ストーリーもとても淡白。
「聲の形」とか重いテーマ+友情を期待していた人には肩透かしなのでは…。
これはこれで、青春の1ページとすれば。
軽いっちゃ、軽いんですけど、この映画はそれで良いと思えました。
(特に前のめりになる要素が何もなかったので、歌だけが残りました)
今年の夏も暑かったし、さっぱりしているのが何より。
これくらい気抜いて見れて眠くもならなければ合格点です。
(わざわざIMAXで見た迫力はと聞かれると、、、疑問)
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