きみの色のレビュー・感想・評価
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まさかのテルミン、まさかのミスチル
とても色彩豊かで綺麗で優しい作品。
基本は長崎のキリスト系の高校生の青春映画。
まさかのテルミン、ガラケー、時代設定が曖昧。
おばあちゃんが外出する時にあんな格好だとは、、、校長がまさかの、、、
( ・×・)オクチチャック
※ストーリーとは関係ありませんのでご安心を
ガッキーの声の存在感が凄い。
ちょっと期待感が高くてもう少しドラマがあるのかと思ってしまいました。なぜ学校やめたのかとか、、、恋愛とか
それでも大人たちの優しさとか、ストレートなストーリーにうるっと来ました。
アニメーションとしても良かったです。
寄り添う様な作品
けいおん!で有名な山田尚子監督の久しぶりの青春バンドアニメ
しかしバンドものに多々ある俺はこんな悩みがあるし目立たない主人公が
歌って盛り上がるぜぇー!的なモノではないので(全くない訳でもない)
誰かや何かとの距離感を計りかねている上手く出来ない3人が
出会いを通じて成長するだとちょっと大袈裟ですから、少しだけ見えるようになる
(理解出来るようになる)と言った感じ
押しつけがましくないドラマと終始美しい映像とフェティシズム感ある
山田監督らしいいい作品だと思います。
正直想像してたより面白く、色んな解釈や意図を拾う事も出来るとは思います。
あとは個人的にきみちゃんがかわいいw
素材を活かしきれているのか
世界観も空気感も非常に好きな作品で見たあとの満足感はすごかったです。
ただ全体的にふわっと進んでふわっと終わってしまった印象が拭えないままに終わってしまって残念でした。
個人的に一番首を傾げてしまったのが主人公が最後に見つけた自分の色についてで、作中に比較級というか参考となる描写がなかったことでどういう特性の色であるのか、またなぜ今まで見ることが出来なかったのかという作品の肝の部分までふわっとしていたのが本当に惜しい。
総評としてはここで終わる話というか、現実にある人生の一部を切り取ったような映画ですね。人生は2時間弱ではないので、彼ら、彼女らがこの先様々な経験を得て、自らの色を調色して行く過程の一端を見たのだと思えば十分に納得出来る作品であるのかなと若輩の身ながら感じ入りました。
余談ですが水金地火木土天アーメンを鬼リピしちゃうくらい音楽に力があります。
うす塩味なほのぼのした作品
ストーリーは、全寮制のミッションスクールに通う女子高生2人と、離島に住む男子高校生が3ピースバンドを組んで、高校最後の学園祭で演奏する、って話。
山田尚子監督らしい、柔らかで繊細な絵と演出。タイトルの「色」については、まああまり気にしなくてもOK。同じく色をテーマにしたP.A.Works「色づく世界の明日から」と同じ長崎が舞台で、海とミッション系女学校の雰囲気は癒されます。
あと、キャラクターが「萌え」ではない、ってのが斬新でした。デデデデやルックバックでも感じましたが、特に女キャラクターを必要なく盛らない、ってのは最近の流れかもしれません。ルッキズムへのホワイト化がアニメにも、ってか、アニメから始まっているのかな〜。
女・女・男の3ピースバンドが学園祭でライブ、ってプロットを聞くと古いオタクには、ドロドロ三角関係が目に浮かびますが◯原◯希はいないので、安心してください。
山田尚子監督のオリジナルの長編は今回が1作目だと思いますが、こういう作風がやりたいんだな、ってのは分かりました。あ、たまこマーケットはオリジナルか〜。だとすると、やっぱりこの人のオリジナルは、こんな感じの「ゆるふあ」な作品なんですね。
リズの時は、ドロっとした人の内面も上手く綺麗に描くし、平家物語もオチはイマイチでしたが、途中のアクセントは上手かった。原作付きの方が活きる監督さんですね。
ギターヒロインの雰囲気がWhite Album2の冬馬かずさに寄せてたり、白ネコが出会いを誘導したり(「耳をすませば」ではデブ猫)、何より「スーパー」アイスクリームはセルフオマージュですかね〜これには椅子から落ちそうになりました。
聖書の引用やミッション系女学校って設定なんかも、なかなか凝った設定で、うす塩味ですが、エンタメ的には楽しめる作品かと思います。
【”♬水金地火木土天アーメン♬。そして、各々の色彩。”悩みを抱える若き3人の男女の出会いと結成したバンド”しろねこ堂”の演奏シーンを柔らかく美しい絵柄で描く。テルミンの演奏シーンは珍しいな。】
ー 山田尚子監督作は、どれも好きである。今作でも展開される柔らかく美しい色彩で描かれる若者達の姿。
但し、今作ではストーリーテリングはやや粗い。
だが、キリスト教系女子高の寮生で生活しながら高校生活を送るノンビリ屋の”人が色で見える”トツ子や、美少女で青い色に見える高校を中退し古本屋しろねこ堂を営むきみや、後継ぎを期待されていながら音楽創作をしているルイのキャラが良く、ホンワリとした気持ちで観れる作品である。-
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・面白かったのは、ルイがテルミンを演奏している事である。私は、映画ではテルミン演奏シーンを初めて観た。少し、嬉しい。
・尺が100分しかないので、きみが高校を中退した理由や祖母と暮らしている理由はハッキリとは描かれないし、ルイが後継ぎを期待されている事もやんわりとしか描かれない。
だが、ここはこの作品の穏やかな流れに身を任せるのが良いと思う。けれども、寝ちゃだめだよ!
・トツ子の寮の部屋のベッドに刻まれていた”Gods Almighty"という言葉。それを刻んだのがシスター日吉子だった事が分かるシーンも、”若き時は、好きな事をやって良いんだよ。キチンとした大人になるよ。”何て、勝手に思ったりしていたな。
素敵なシーンだったな。
■何よりも良かったのは、トツ子、きみ、ルイが結成した”しろねこ堂”が学園祭でエレクトリックロックを演奏するシーンである。
それまで、比較的静的トーンで淡々と進んできた物語が、この演奏シーンで一気に色彩を増すからであるし、”水金地火木土天アーメン”も、ポップで良い曲である。
何よりも、色々と柵を抱えていた3人が楽しそうに躍動しながら演奏する姿が良いのだな。ルイがテルミンを演奏するシーンも良い。
<今作は大きな出来事は起きないが、悩みを抱える若き男女が音楽を通じて心が一つに成り成長する姿を柔らかいトーンで描いた作品である。
そして、ラスト、旅立つルイが乗る船に向かってトツ子ときみが”頑張れ!!”と叫び、ルイが持っていた五色の別れのテープが空に舞うシーンはとても美しかったのである。>
山田尚子監督の実験的作品
声優の演技やアニメーション的演出は極力抑え、色彩表現と音響表現で主な登場人物の心象やシーンを表そうとする実験的な作品。作画もシーンごとに同系色の水彩画風味、主人公トツ子の主観・視線を通じ敢えて奥行き感を減じるような映像表現です。山田尚子監督の実験が成功したかどうか。それは鑑賞者に委ねられていると思います。とても美しい映画でした。
以下感想
まず、物語にカタルシスがなくストーリーを楽しむ映画ではないことです。これは大半の鑑賞者がややもすると不満に感じる点ではないかと思います。ミッション系の女学校が舞台ということもあり、色んな物事が抑制的に表現されます。主人公少女は自身の色覚特性により他者とのコミュニケーションが不得手であること。もう2人の主要人物もそれぞれに重荷を背負っており、めいめいが生き辛さを感じています。彼らが出会い、友情を深めていきますが始終淡々と物語は進んでいきます。結局のところ彼らは自らの重荷を克服することはできませんが、折り合いをつけ受け入れることでそれぞれの一歩を踏み出していきます。
それぞれの悩み
カトリック系の学校や聖書とかの引用は馴染みの少ないモノが多かったので主人公の一人のトツ子の色が見える設定や世界観など含めてファンタジーみたいで新鮮でした。
あと登場人物全員良い人でした。根が善良だからこそ、相手が良い人だからこそ打ち明けられない悩みや葛藤が描かれてる作品なのかなと個人的に感じました。
主人公が抱える葛藤や悩みなどの内容や描写は他のバンドものや青春ものの作品と比べるとあまり描かれてなくて弱く感じる部分もありました。
いつかはバレるかもしれないけどずっと隠していけるようなずっと抱えていけそうな悩み。
そういう悩みも打ち明けるまでがとても怖くて打ち明けたら家族の反応はなんてことはない。って事も多かったりするんですよね。
観客からはあまり共感や感情移入されなさそうですが。
練習やライブシーンはとても楽しそうで観て聴いてとても楽しかったです。
エンドロールで芸人のやす子さんの名前見てちょっと驚きました。
山田尚子節ふたたび!
人の色が観えるとつ子が、きみ…ルイと本屋で出会い…バンド結成する話!
すこし、とつ子は感情移入しにくいキャラクターです!ストーリーがついていかない感じがしました。山田尚子監督作品にしては?最後まで観ると素晴らしい作品でした。
色彩と雰囲気を楽しむビジュアル作品
PVから監督・山田尚子推しで、パンフにも相当デカい文字で名前が表記されてる事から、今一番推されてる女性アニメ監督なのでしょうか。
本作は『雰囲気アニメ』としてはとても良好なビジュアルです。色彩豊かで画面いっぱいのカラフル且つ柔らかな雰囲気。タイトル通りの『色』表現です。
舞台は長崎、チョッと見かけた景色が出てきて(グラバー通りなど)、色明日や幻影太陽などの聖地と共通してて、観光兼ねての巡礼の楽しみも出来そう。でも佐世保鎮守府がチョッとソレとは解らないのと、離島のアチコチを集約してるので広範囲です。
ムチムチのキャラデザも、一部好き嫌いありそうですが個人的には問題なし。
気になる点は、色彩と雰囲気を全面に押し出した表現に対し、抑揚・メリハリと言った『展開のコントラスト』がフラットな事。山田尚子監督は『心情描写』に定評があるとのことで、本作はあまりその辺の濃度も感じられず、キャラの掘り下げも浅々でした。
聲の形ではあれだけ精神を揺さぶる作話だったのに、リズでは一転おだやかに、本作もそのリズの延長?位で、全体的に大人しい作品でした。
『人が色で見える』と言うネタも単に人を色別するだけの能力で、トツ子とその周辺の人物を関連付ける作用のみ。諸条件で色が変化する様子もなく、その能力が話の軸ではないのが微妙でした。
細かい所では、トツ子がキミに惹かれた切っ掛け(理由)が『色』という感覚だけなのはともかく、ソコをサラッと一目惚れ的に流すだけでは印象薄です。そしてキミが退学した理由が全く語られず、周囲もソレを知らないと言う不可解。またバンドを組む過程があまりにトートツ過ぎる事など、でしょうか。
何より「イイ作品だった」と心に残るものが薄いのが気になります。2時間と言う尺で巧く描く難しさでしょうか。でもルックバックは1時間でソレが出来てます。つまり情報量? 前後半2部構成、TVアニメ向きだったかも?
あ、3人の練習風景でテクノな楽曲を演奏してるシーンがYMOっぽかったデスネw ドッテンアーメンもキャッチーな曲で耳に残ります。
そして締めの『ミスチル』は、個人的に本作に全くそぐわないと思いました。ナゼにミスチル?と思ってたところに、EDテロップ内に『川村元気』の名を見て、何か納得‥‥
最後に中の人問題。今作は『丸太』ではないにしろ、シーンに合わない台詞回しやシッカリ発声できていない所が散見。それがメインキャラ全てに。やす子位で丁度いいのかなと。
(文中敬称略)
3人の色と音が奏でる。
全寮制のミッションスクールに通い、人の事が色で見える日暮トツ子の話。
学校を辞め書店で働きながらもギターの練習に励む作永きみと、その書店に通う影平ルイ、トツ子、きみ、ルイの3人が書店で出会いバンドを結成することになるが、それぞれに違った感情が芽生え始める…。
それぞれの家庭の環境と事情だったりで悩みがある学生達が音楽に取り組む姿は楽しそうで良かった。学校で披露した3曲の3曲目がアップテンポで良かったけれど、YMOは全く世代じゃないけれど何かそっち系の曲に聴こえてしまったし、何かあんな雰囲気の曲なかったっけってなっちゃった。
ラスト、ルイが乗る船を見送り「頑張って~」と叫びながら見送るトツ子ときみの姿には何か涙が出た。
3人のゆるい関係性が魅力的だった
最近、バンドをやる女子たちのアニメがやたらと増えている気がする。声優たちによるバンドを結成して音楽活動すればさらに金儲けできるからなのか。私自身はバンドをやったことがないが、バンドをやる人達の物語は結構好きだ。同じ目標を持って頑張る人達の姿に無性に感動してしまうから。いや、バンドをやるのに最初は目標なんてないか。やりたいからやるんだよな。
この映画に出てくる彼らもバンドを始めるときに目標なんてない。勢いで発言したお誘いの言葉が現実化しただけだ。バンドといってもドラムなしだったし、ここらへんが今どきっぽい。でも、一緒に合わせて、工夫して、試行錯誤して、練習しながら曲を演奏していくだけで楽しいんだよな(バンドやったことないけど)。人前で演奏するシーンも、本当に楽しそうで観ているこちらもワクワクした。やっぱりバンドは人前で演奏してナンボだよな(バンドやったことないけど)。
ここには音楽性の違いとか、いいものを作ろうとするが故の衝突みたいなものは描かれない。彼女たちの保護者の姿勢も基本的には温かい。思い出してみたら嫌なやつが全く登場しなかった。彼女たちがついた嘘も優しさからくるものだったし。バンドやっているメンバーに男女がいれば陥りがちな恋愛トラブルも表面的には浮上しなかった。
だから大きなトラブルを起こしたり、巻き込まれることなく物語が終わっていった。彼女たちが抱える問題も根本的に解決されたわけでもない。起伏のない話と捉える人もいるかもしれない。でも、個人的には大満足の映画となった。あの美しい色彩のアニメとトツ子の明るさ、そして3人のゆるい関係性に魅力を感じてしまったから。彼女たちに前向きな未来が待ち受けているとは限らない。でも、なんか明るく生きてほしいと思うし、そうなるんじゃないかと思わせる終わり方だった。エンドロールでプロデュースに川村元気の名前を見て驚く。またこの人にやられてしまったのか!と。
最後にあの曲のことも触れておかないと。あれ?、「ボーン・スリッピー」っぽいイントロ!と思っていたら本当にカバー曲だった。観ているこちらが楽しくなる、いい使われ方だ。またバンドをやってみたくなる(バンドやったことないけど)。
物語の展開は淡白だが山田監督のイメージのシャワーを浴びる感覚で見ると心地よい
山田尚子作品としては、オリジナル企画でもあったテレビアニメ『たまこまーけっと』(映画版もですが特にテレビ版EDなど)のガーリーな感覚や楽しさに、磨きをかけて淡い物語を淡い彩色の映像で見せるカタチで落とし込んで、そこが好きな人にはとても心地よい作品。
少しネタバレあり
人の輝き的な色を見る事のできる少女のトツ子(妄想好きなでそばかすや三つ編みなどのルックスから赤毛のアンを思わせる雰囲気)と容姿端麗な「きみ」の女子二人と少し風変わりなルイの三角関係にもならない淡白さや強烈ドラマ性や近頃の重視される伏線回収・成長物語には、ならない外し具合やキャラの行動に眉を顰める人も多そうだが、自分が描きたいイメージを妥協せずに映像に落とし込んだ山田尚子監督の手腕やセンスやはり凄い!そして素晴らしい👍
淡白と言ったが、映像には力がありカットも編集テンポ良いので、イメージのシャワーを浴びる感覚で、学園祭での演奏場面も過剰過ぎずに良い見せ場になっているので、最後に互いの関わりや音楽を通じて変わり進む物語にはなっている。
本作の宣伝などを見ると、男女3人の淡い恋模様も並行して描かれると思ったが、その部分は非常にあっさり淡白なのに肩透かしをうける方もいると思うが、劇中の序盤の女子寮で少女漫画の往年の名作でもある『動物のお医者さん』を明らかに文字った作品が提示されるので、ひょっとして匂わせなのか?と思っている。あの作品を読んだ人なら分かるが、当時の少女漫画では、珍しく大学生男女が肩を並べるのに恋愛感情を持たない作品で、作者も読者から指摘されたのをネタにするぐらい珍しい作品だった。(まあ佐々木倫子マンガには恋愛要素は希少で奇人変人群像劇か得意な印象)
トツ子を見守るシスター先生の過去などは、山田尚子と脚本吉田玲子コンビの出世作的傑作『けいおん!』などを想起させる設定でちょっとニヤリ😁
脚本は山田監督とは京都アニメーション時代から深く関わり映画では『リズと青い鳥』や『若おかみは小学生』や実写映画の『のぼる小寺さん』や湯浅政明監督の『夜明け告げるルーのうた』・『きみと、波にのれたら』などや『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』2部作などなどの傑作を担当してる吉田玲子で、どちらかといえば原作付き作品を映像化する時の解釈や構成に腕を奮っている印象だが、今回に限らずオリジナルも割とそつなくこなしていて、本作では物語の起承転結や完成度より山田監督のイメージを補完するカタチで携わっているのだろうと思う。
アニメ映画として作画は隙のない高いレベルにあるが、個人的にはキャラクターデザインへの拘りが、目を見張る部分で、主人公のトツ子はいわゆるアニメ美少女からやや外れるふっくらした出立ちで、従来のアニメ作品だと容姿端麗なきみが主役で、友人ポジの女の子になるのを、突き抜けた明るさと行動力と豊かな仕草によって物語の推進力になっている。(たまに少女マンガの主役になるタイプだが)
気になるのは、突然エンディングに流れる大物ミュージシャンの主題歌で、劇中で確か使われてないので唐突でオヤ?と感じるかものだが、東宝側でプロデュースしてるの腕利きの川村元気氏が、絡むのだからもしかしてその影響なのか。
それとクレジット終わりにあるのは続きを暗示させているのだろう。
正直、分かりやすく強い感動やドラマを期待すると肩透かしかもしれないが、映像を紡ぐ映画としては、充分な作品で、そこが評価の分かれ目にはなるが、新海誠や細田守と並ぶ東宝の看板編成の作品で、自分の作家的ビジョンを出した作品なので見る価値はある。
大体カトリック学校のせい
2024年劇場鑑賞217本目。
予告で見た時は面白そうだなと思ったのですが・・・。
人の印象を色で感じられるいわゆる共感覚の持ち主と、クールビューティーだが学校を突然やめた子、友達いない男の子がバンドを組む話。それぞれに色々思っていることがあるのですが、なんか映画の割にはあんまりそこをはっきりさせない。なんとなく誰が誰に好意を持っているとかわかるんだけどそこをあえてはっきりさせない。なんかもどかしい映画でした。
問題の半分は主人公がカトリック系に通っているからなだけな気が・・・。
それぞれの色を持った3人の青春の1ページ
終始穏やかな映画でした。
特別に何か大変な事が起こるわけでもなく、高校生3人のそれぞれの思いを描いた優しい作品です。
何より絵がきれいです。
そして声が良かったです。トツ子、きみ、ルイの声を担当した鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖。この3人の声がそれぞれのキャラクターにとてもマッチしていると思ったのです。
きみやルイに色を感じても自分自身の色が見えないトツ子。
勝手に学校を辞めた事をおばあ様に言えないでいるきみ。
母が願う将来と自分の好きな事の間で悩むルイ。
この年代は様々なことで悩むのは当然ですよね。
離島で過ごすバンド活動を通して生まれる友情や恋心。お互いのことを語り、励まし合ってゆっくりと進む時間もまた大切なものです。この年代が様々なことで悩むのは当然なのですから。日吉子先生のような良き理解者がいたことも良かった。
学園祭のライブも今の自分を表現する大切な場所。見に来てくれたおばあ様や母親にも気持ちは届いたでしょう。
新しい生活に旅立つルイと見送るきみも様々な経験を通して更に成長して行きますね。
トツ子もようやく自分の色を見つけたようだし、ここから先の自分が楽しみなのではないでしょうか。
それぞれの色をまとった3人の未来を感じる穏やかな作品でした。
いい映画を見ました
幸福感を煮詰めたような映画
作中に数回出てくる「ニーバーの祈り」というのはアメリカの神学者ラインハルト・ニーバーが書いたもので、少し長くなるが「変えなくてはならないものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして変えられるものと変えられないものを見極める賢明さを、神様、私にください」。これは、自分の居所を求めつくり出そうとしている人のための警句のようなものだと私は解釈している。
さて、この映画では、嫌な人間は一人も出てこないし、主人公たちを追い詰めるような逆境も描かれない(きみ子の退学はそれにあたるが詳細は示されない)主人公たちは、長崎の美しい風景や、街並み、充実した学園生活などに囲まれ経済的にも精神的にも安定した環境で暮らしている。でもそれは与えられたものであり自分たちからもとめもとめられたものではない。だから主人公たちは自分たちの居所を探して疾走する。それが「わたしたちの色」探し、つまり自分のパーソナリティとそれを受け入れてくれる仲間、そして「わたしたちの音」探しなのである。
主人公たちの望みは実現し、観客である我々も束の間の幸福感に浸ることができる。それは山田尚子の他の作品でも同じ(もう少しにがい味のものもある)。彼女の作品は幸福感を純粋無垢に取り出して差し出してくれる装置であるということなのだろう。そんなの押し付けだししょせんは絵空事だっていう人もいるかも。でも音楽であってももしかして絵画作品なんかでも幸せな瞬間を作り出してくれるクリエーティブっていうものはあるわけで得難い価値がある、四の五の言わないで黙って受け取りなさいよって思うんだが。
ソウルカラーが繋ぐ友情
相手のオーラを色で感じることができる主人公のトツ子。名前も見た目も地味な女子高生だけれども、ソウルが放つカラーに導かれ、バンドを組むことに。
透明感のあるアニメーションは、美しい。トツ子から見える相手のソウルカラーの表現は、日本ならではの表現。水彩画ベースでCGでは表現できない質感を感じる。
声の方では、高石あかりの演技が光る。エンドロールで作永きみの声が彼女だと知ったが、役にベストマッチ。クールでありながらも、自分を見失っている思春期の高校生の心情が、こちらに伝わってくる。
山田尚子監督、脚本が吉田玲子というタッグなのでハードルを高めに鑑賞してしまうが、まあ、さすがといったところでございます。
求められる知識はやや高そう。ただ、高石あかりさんのファンならぜひ。
今年313本目(合計1,405本目/今月(2024年8月度)38本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
ここでは否定的な感想が多いみたいですね。確かに理解はできるものの個人的には良かったかなといったところです。
たしかに「多くのことを詰めすぎ」という点はあります。キリスト教文化に始まって音楽の話に飛んだり、一方でこの映画の舞台は長崎ですが(このことは上映前に「本映画は長崎をテーマにしているので長崎に旅行においで」みたいな宣伝CMがある)、一方で長崎市なり地名が一切出てこない等色々あろうかなと思います。
ただ、この年代の子が「息苦しい」キリスト教学校(ミッション系学校)からちょっと「飛びぬけて」音楽活動を頑張ってみるという趣旨自体は理解できるし、ミッション系学校というのは長崎を象徴するシンボルなので(同じ被爆地でも長崎のそれは、キリスト教との関係(教会の破損ほか)とつながって議論されることが多い)、そこは許容範囲かなといったところです(ただ、「告解する」(こっかいする)は、ある程度の国語力がないとこの字を思いつかないのでは…)。
個人的には音楽好きなので音楽を扱うテーマの映画は基本的に選ばず見に行くし、ましてこの映画は高石あかりさんが声をあてられているので意識的にチョイスしたのですが、基本的には良かったかな、といったところです。確かに「わかりにくい」点はいくつかありますが、迷ったらおすすめといったところです。
評価に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/高校生が勝手に退学届けを出すことはできるか)
そもそも未成年者は親の同意なく(お小遣いの処分等認められた範囲を超えて)法律行為をすることができず、取消し原因になります(民法参照)。一方、「現在の」高校では未成年者と成年者が(高校3年を中心に)混在しているのは確かですが、公式サイト等みても、「あの子」が(ネタバレ回避)いくつなのかは書かれていないのですよね…。
また、高校が「準義務教育」であるという事情から、たとえ成人していたとしても退学希望に対しては法律上「校長の承認を必要する」という扱いです(法律上の規定)。これは、高校卒業が社会人の一歩を踏み出せるか否かという点に大きくかかわるが故に、成人していても一応「校長の承認」にかからしめて、「成人しているんだから好き勝手にできる」という民法の大原則の例外を作っている例です(この事情が高校の特殊性にあることは繰り返すまでもない)。
この点、ちょっと解釈が変かな(未成年者だとするとそもそも取り消しうる行為なので、心裡留保や共通錯誤等が問題になっても常に未成年者は保護されるし、成人者としても上記のように学校の校長から一通り確認は取られる)といったところです。
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無数の色に無数の名前
映画館告知でめちゃくちゃめちゃくちゃ流れてドッ転ソーメンねー ミスチルねーくらいしか思ってなかったのですが不意に見に行きました
予告時点でおしゃれ雰囲気映画かなーと思ってましたがそんな感じでしたね
いきなり予告でも言ってた色について説明するんだなーと最後のエピローグで語ると勝手ながらに思ってました😆
トツ子は人を見ると色が見える設定は、ァー面白くなりそう!その人の本質的なものがふわっと見えるのか?それで苦しんだりしながらも自分の色を探していくのかー?と思っていました が淡々と進んでいきましたね(笑)
日常アニメが好きな人には良い雰囲気ありますので楽しめると思います
学園祭✕バンドはこういうアニメだとありがちというか王道なんですかね
出番前に一言二言話すから演奏シーンはめっちゃ良かった(笑)王道ですな
歌詞は何言ってるか全くわからなかっただけで😵
水金地火木〜のイントロ凄いかっこいい
あれだけでも十分です
終わり方も悪くなかったかなと
ただ…!個人個人の葛藤やバンドの下りがアッサリアッサリだったのがなー ぶつかり合ってギスギスは別にだけど
お互いの苦悩を乗り越えた先の最後の演奏シーンならカタルシス増したのになぁ〜
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