「単なる映画ファンではわからないような気がする」きみの色 ねこ飼いたいさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる映画ファンではわからないような気がする
台風の中の封切り。初のオリジナル作品。山田監督を観てきたからこそ、期待感は嫌でも高まっていた。。
第一所感。正直、レビューに困る。大方の方と同様、きれいだし、ストーリーもいい。イズムはそれなりにある……けど内容の起伏が少なく、映画としてのエンターテイメント性に欠ける。物足りなさは否めない。
今日は4日目の朝。
日を追うごとに自分の誤解、先入観を感じ入る。
山田さんがしたいことは何か?
この視点が無かった。
不思議だが、本作を観て思い浮かぶのは、唯だった。けいおんの唯。もちろん、系統は違うのだけれど、日常の平穏。まだ何者でもない純粋と優しさ。山田さんの根底はいつもここにある。脚本で確かに起伏は付くけれど、最も大切なのはそこなのだ。
本作の公開前にはびっくりするほどの宣伝があった。毎時間流れてくるトレイラー、記事、インタビュー、番組まであった。それをほぼシャットアウトして臨んだのだけれど、もしかしたらあまりに単純な、それでいて難解な作品のために、事前に答えを教えてくれていたのではないか?とも思う。
普通に映画を観る感覚で行ったら、私と同じようになるのではないか?それは、他の方のレビューを読めば確認できる。
でも、そこは天邪鬼なのかもしれない。答えを教えそうで教えない。迷路みたいに色々投げ散らかしては、そして、どうせこんな感想ばっかになるんだろうな、でも、実はね……みたいに曇りガラスの向こうから楽しんでいる。
どなたかのコメントで、2回目が感動した、と有りました。私もそれを感じて来ようかと思います。
やっぱり、山田さんは凄いな…そう感じた4日目の朝でした。
人と人との衝突シーンは、丁寧に排除されてましたね。
それぞれのキャラクターの物語はありつつも、ドラマチックには描かなかった意味を、後々つらつら考えてしまいます。