「生涯見てきた映画のなかで一番つまらなく、内容が薄かった」きみの色 Yummyさんの映画レビュー(感想・評価)
生涯見てきた映画のなかで一番つまらなく、内容が薄かった
映画の色彩は美しいと思いました(そこだけはよかったです)が、内容の薄さと絵と音響のバランスの均衡がとれていないと思いました。そんな壮大な内容じゃない。
まず、主人公は周囲の人たちのオーラに色がついて見える、能天気な少女。特に深刻に悩むようなことでもありません。映画で掘り下げるような、そして学校の教会に足しげく通い、神に悩みを告白する?ようなものでもない。
黒髪の主人公の友だち「きみ」は学校をやめてずっと塞ぎ込んでいます。何かしら深刻な背景があり、物語が進めばわかるのかと思いきや、それは全く語られず、不完全燃焼。
この作品は全体を通して宗教(キリスト)色が非常に強いです…懺悔や許しや神という言葉がゴロゴロと出てきます。挨拶も「ごきげんよう」。馴染ない思想なので、この要素がないほうがまだすっきりと、違和感なく見れたと思います。キリスト教のテーマと物語がなんだか噛み合ってないような気がしました。
それを踏まえて…
眼鏡の男の子「ルイ(日本人です)」が登場し、上記の登場人物たちとバンドを組むことになります。やわやかい物腰の、おとなしい青年。それなのに久しぶりに会う時は、はしゃいで二人にがっしりと抱きつきます(違和感満載)。二人のキリスト教学校は男性との交流が基本禁止されています。二人はバンメンに男性がいることを隠そうとしますが、結局ルイも彼女たちの学校でバンドメンバーとして登場します。それなのにすんなりと受け入れられる違和感。女の子やシスターたちの衝撃的なリアクションもなし。バンドの曲もかなりのロック調。一曲で終わってくれるかと思いきや三曲も。かなり間延びしてました。普段厳格なシスターたちが笑顔でばりばり踊り出すのも、違和感しかなかったです。
ルイは母子家庭でお母さんはお医者さんです。家業を継ぐことを期待されています。彼はずっと何かにかなり深刻に悩んでいたようですが…最後にお母さんに打ち明けたのは、「自分はバンドをやっている。大学にはちゃんと行くから許してくれ」ということでした。バンドと言ってもあれは部活レベルです。バンドマンを目指すから大学行きたくない、というのならある程度重大(お母さんにとっては特に)になるかもしれませんが、やっぱり悩みもちっぽけ。
内容が薄く退屈過ぎて、途中で何度も席を立ちかけましたが、最後に何かどんでん返しでもくるかと思い座り直しました。でも最後まで内容がない。
一番最後にルイが海の上で色んな色の長い紙(?)テープを手放してしまう場面がありました。あたかも美しい演出のように描かれていましたが…これ、普通に考えたら海洋汚染では?
はじめてのレビュー投稿ですが、時間がたまたま空いたので暇つぶしに見た映画で、時間とお金(しかもIMAXで鑑賞)をもっと有効的に使えばよかったと後悔をまだ引きずるような映画は今までなかったので投稿しました。早く帰ってTVでラピュタ最初から見たかった!