「トルストイ「悪魔」を思い出させる主人公の葛藤」スモールワールド よしさんの映画レビュー(感想・評価)
トルストイ「悪魔」を思い出させる主人公の葛藤
誘拐された幼女を救出すべく捜査を続ける刑事の執念を描く物語。
初めて鑑賞したポーランド映画です。
サスペンスというよりは社会派ドラマの趣きが強い作品ですね。
醜悪な人身売買の現実、警察の腐敗、少女達の精神・・・そして幼児性愛。
主人公の追跡劇を眺めながら、それらが容赦なく映し出されます。
ただ、このテイストの作品を作るのであれば、主人公が独力で捜査するよりも、組織が正規捜査として描いた方がよりリアルに描けたように思います。
また、主人公が自らの性愛に恐怖する過程や、少女の精神の描写等、もう少し丁寧でも良かったように思います。
ラストに無理に派手にしてしまったのは、映画全体のテイストを壊してしまい、マイナスに感じます。
私的評価はやや厳しめです。
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