「静かで沁みる話だった」いつかの君にもわかること てけと2さんの映画レビュー(感想・評価)
静かで沁みる話だった
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静かなシーンと少ない台詞で説明的で無いからこそ行間から愛情や切なさや苦悶が溢れてくる映画でした。
自分が居られない未来に対する決断を下すのなんて難しすぎる。里親の家庭を回るたびに選択肢と可能性が与えられていくけれど、ジョンの内面が言葉にされずに淡々と進んで行く事で見るこちら側もマイケルの未来について一緒に不安や希望を感じて何が一番良い形なのか分からず今以上の幸せが想像できない気持ちになってしまいます。
この先感じるであろう寂しさの支えになるものは何か、将来の幸せは何か、どんな苦しみに会うのだろうか、この決断でどんな喜びを与えられるだろうか、どんなに愛情を注いでも考えても時間が足りずどうしたって向かい合うのが難しい事だから、この終えるための仕事に正面から取組む父の姿に深い愛情を感じずにはいられませんでした。
ひとつの親子を通して見る様々な家庭の姿も、マイケルとの相性は別として幸せで無い家は無かった様に思います。
どんな家庭がベストなのかはわからないけれど、それぞれに幸せの形が出来上がる予感を感じたし、ただそこにジョンが関われない切なさが悲しくその分だけマイケルに幸せになってほしい。
それもあって最初は自分の事は振り替えらずに新しい家族を本物のものとして生きて欲しいと思っていたジョンが、マイケルに事実を伝え思い出ボックスを通して人生に寄り添う決意をしたのが泣けました。
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