劇場公開日 2023年2月3日

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「信じる者がいる限り、サンタクロースは生き続ける」バイオレント・ナイト tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0信じる者がいる限り、サンタクロースは生き続ける

2023年2月4日
Androidアプリから投稿

「ダイ・ハード」はクリスマスの映画だったが、それを本物のサンタクロースでやろうという発想が、まず凄い。しかも、サンタの特殊能力といえば、ドラえもんのポケットのようなプレゼントの袋と煙突を通り抜ける能力ぐらいで、完全に生身の人間として武装集団に立ち向かっていくという設定が秀逸である。
バイオレンスとは程遠いイメージのサンタが、血まみれになりながら敵を倒していくギャップが面白いし、クリスマスならではの装飾品を武器として使うアイデアも楽しめる。さらに、「ランボー」や「ホーム・アローン」をそのまんま再現してしまうというサービス精神にも、思わずニヤリとさせられた。
その一方で、クリスマスに失望していたサンタが、自分の存在を信じてくれる少女を助けようとする中で、自信を取り戻していく姿には、飲んだくれオヤジの再生物語としての感動もある。
欲を言えば、強盗団の中に、サンタクロースを信じていた頃の無垢な自分を思い出して、改心する者がいても良かったのではないかとも思ったが、「悪い子は容赦なくお仕置きする」という徹底ぶりも、それはそれで「有り」なのかもしれない。
こうなると、1000年前の荒くれ男がサンタクロースになった経緯や、彼の奥さんのことが気になるが、それは続編の楽しみとしよう。

tomato