劇場公開日 2023年5月19日

「あそこは無言でも十分伝わる場面」最後まで行く えすけんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5あそこは無言でも十分伝わる場面

2025年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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年の瀬も押し迫る12月29日の夜。刑事・工藤(岡田准一)は危篤の母のもとに向かうため、雨の中で車を飛ばす。工藤のスマホには署長から着信が。「ウチの署で裏金が作られているという告発が週刊誌に入ったが、もしかしてお前、関わっているんじゃないか?」という淡島の詮索に、「ヤバい」と血の気が引く工藤は、なんとかその場をやり過ごしたものの、心の中は焦りで一杯になっていた。そんな中、美沙子(広末涼子)から着信が入り、母が亡くなった事を知らされた工藤は言葉を失うが、その時、彼の乗る車は目の前に現れた一人の男を撥ね飛ばしてしまう。すでに彼が絶命していることが判ると、狼狽しながらもその遺体を車のトランクに入れ立ち去った(公式サイトより)。

岡田准一と綾野剛のダブル主演と言っていいクライムサスペンス。2014年に同名で公開された韓国映画のリメイク版。韓国映画らしく、複数のストーリーが蠢くように展開するが、分かりやすい構成で置いてきぼり感はない。そんな簡単に行くかよ的なシーンはいくつかあるが、娯楽映画としての許容範囲。

綾野剛が気色悪くてかなり良いし、要所にしか出てこない磯村勇人がいい仕事をしている。岡田君は筋肉が付きすぎていて、歩くシルエットがちょっと変。ラストの柄本明に説明調の科白を吐かせたのが残念。あそこは無言でも十分伝わる場面であり、その演技力を持つ役者だと思う。その分、マイナス0.5。

えすけん