「アクションができる岡田准一×綾野剛というコンビで韓国映画の名作をリメイクした、良質なクライムサスペンス映画。」最後まで行く 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
アクションができる岡田准一×綾野剛というコンビで韓国映画の名作をリメイクした、良質なクライムサスペンス映画。
本作は、すでに中国やフランス、フィリピンでもリメイクされている同名の韓国映画がベースとなっています。
主演の岡田准一は近年の役柄とは少し違って、冴えない刑事を演じていますが、徐々にキレのある岡田准一になっていくので適役だと思います。
綾野剛もどこか不気味で、しかもアクションがこなせるので適役でした。
内容も、いかにもリメイクされる韓国映画のように、二転三転する面白さがあります。
演出も藤井道人監督がそつなく良質なクライムサスペンス映画に仕上げています。
ただ、「余命10年」におけるセンスが抜群に良かった藤井監督への期待値が高すぎたのか、絶賛できるまでではなかったのが本音です。
例えば細かい点では、あれだけ雨音が大きな状態で、あの状態で、携帯の着信があれだけ分かりやすく聞こえるのか、などです。
大きな点では、本作の生命線とも言える二転三転するシーンですが、他のシーンが意外とゆったりとしているのに、トリック的なシーンの描写が全体的に急ぎ過ぎている印象でした。
ここの緩急の付け方のバランスが良ければ、本作の面白さを、より引き出せたように感じました。
また、オリジナルの先まで描くラストシーンは、必ずしもみんながスカッとする分かりやすいものではないので、満足度はどれだけ世界観に入り込めたかどうかで分かれるのかもしれません。
本作は年の瀬の96時間を描いていて、この4日間のラストは年明けです。
年明けは「誰にとっても新たな始まり」という希望的な意味合いを、より強めたのが日本版と言えそうです。
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