「COUNTDOWN」最後まで行く ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
COUNTDOWN
リメイク版は観ていませんが、韓国のクライムサスペンスが元なので面白いだろうと勢いで鑑賞。
要所要所に良いところはあるんですが、どうにも都合の良い部分が光ったのが残念でした。
まず主人公の挙動が怪しすぎる割には、何故かとんとん拍子で物事が進んでいくので違和感だらけでした。序盤の職質然り、飲酒運転のスルー然り、葬儀場での立ち振る舞い然り、疑われはするんですが主人公以外のところに視点がいってしまうせいか、その場その場で回避できてしまうのが惜しいなーと思いました。
火葬する際に、死体を母親の上に乗っけて足を広げてそこから母の顔を覗かせたり、ドライアイス自分で入れようとしたり、狭い抜け道を使って死体を運ぼうとしたりと、割とここら辺からコメディの匂いが漂ってきてくすくす笑えてきました。
リメイク元から持ってきたんだろうなーというシーンも、邦画でやるとリアリティが薄まってコメディになってしまったなと思いました。ビルの上の方から太い鉄柱を落とすシーンなんか予告で観たはずなのにめっちゃ笑えました。
矢崎と合間見えるシーン、爆弾を身につけた死体をすんなり受け入れてから綺麗に爆発したのであっさりだけど流石に矢崎死んだかなと思いましたが、その後ギャグの如く復活するので笑いが止まりませんでした。
矢崎の1回目の復活(金庫内)は良いんですが、2回目のまさかの復活(後続車)はちょっとどうなのかなーと思いました。綾野剛さんの表情は最高にホラーしてて良かったんですが、ここまで復活して再び車で煽り出すとなると、物語がすっきり終わらなくて悶々とした気持ちになってしまいました。
岡田くんの高笑いも素晴らしかったですし、綾野剛さんの高笑いも素晴らしく、役者の表情に救われたシーンだと思います。
墓場で墓石を乗り越えながらのバトルはなんだか新鮮で良かったです。
柄本明さんの悪役っぷりは最高でした。ここ最近年齢に寄り添った老ぼれの役が多かったので、もっと柄本さんのカオスを感じたかったところに今作が来てくれたので、柄本さんにしか醸し出せないゲスの極みを堪能できました。底抜けの悪、邦画にはやはり欠かせないです。
藤井監督ということで期待して観ましたが「ヴィレッジ」に引き続き微妙な作品になってしまったなという印象に落ち着きました。リメイク元を観ていないのでなんとも言えませんが、単独だとあんまりでした。もっとブラックを含んだコメディに振り切ってくれればなぁ。
鑑賞日 5/20
鑑賞時間 10:10〜12:20
座席 G-5