水いらずの星のレビュー・感想・評価
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ツッコミ役がいないボケだけのコントのよう
メジャーな映画にはない理屈が成立していないところ、会話が成立していないところがお互いボケ倒している友近とロバート秋山の長い長いコントみたいな感じ。
ストライクゾーンの狭さに面白さがあるのだと思う。
観る側の寛容さ、遊び心への理解が必要な映画。
面白い映画ではなかったが、寝なかった。
濃厚で濃密な関係
濃厚で濃密な時間が流れます。
じっくりと2人の心理の変化に寄り添う演出に「これは舞台だ」と感じました。
それもそのはず。もともとが戯曲なのですが、舞台上で流れる生の時間をそのまま映像にしたような。
次のセリフが出る心理になるのをきちんと待つ時間は、観ている側の想像力を掻き立ててきます。
私の映画仲間が「映画はサマリーだ」と言ってましたが、カットで時間と空間を割愛できるのが映画らしさだとしたら、本作は非常に映画らしくない。笑
“舞台を映画にした映画”だと感じました。
ところが!後半の展開に「いや、これは紛れもない映画だ!」「映画の為に作られた映画だ!」と興奮しました。
時間と空間を超える圧倒的な愛!この感覚は映画ならでは。
嫌い嫌いも好きのうち…いや、違うな。
可愛さ余って憎さ百倍?これもちょっと違うけど。
“愛”の対義語が“無関心”だとすると、男と女はきっと、お互いのことを忘れたことは無かった。
一番辛い時に辛いと言える相手。心配をかけても良い相手だったのだ。
まさに水いらず。他人が入ることの出来ない間柄。
河野知美さんのギリギリな演技と、梅田誠弘さんの柔らかな声が沁みました。
たまたま映画館でプロデューサーでもある河野知美さんからチラシを貰って上映を知りました。
当初、帰省する予定だったところが、思いもかけない展開でキャンセルになり、
諦めていた初日に観に行くことができました!
観るべき映画には呼ばれるものですね。
偶然が重なって出会えた奇跡に感謝して。
いちまんえん
舞台挨拶で監督が、撮影現場での即興性を重視するという意味のことを仰っていたが、剣術の試合のような室内シーンのヒリヒリ感にそれが活かされていた。あの、世の中のすべての甘っちょろいモノを蹴り飛ばすような緊張感は演技者の自発性の賜物だろう。
誇りも生き甲斐も生活基盤も家庭も何もかも失った二人を最後に結びつけるものは何なのか、少なくとも言葉としては理解出来なかったが、だからこそ映像化する意味があったのだろう(ちょっと負け惜しみ)。
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