劇場公開日 2023年8月4日

「お決まりのストーリー」マイ・エレメント bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お決まりのストーリー

2023年8月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

ディズニー・ピクサー・スタジオが、自然界における火・水・土・風のエレメントを、擬人化した世界を描いたアニメーション。スクリーンいっぱい、細部にわたるまで、ピクサーらしく妥協のない美しい映像美で楽しませてくれる。

ピクサー作品は、子供向けの物語の中にも、多様な人種や文化との共生、新たな自分への脱却等のテーマを盛り込んでくる。本作においても火や水、土、風といった全く相容れないエレメントの違いはある中でも、繋がり合い、愛し合うことの大切さ、そして、自己啓発的なメッセージが含まれている。

舞台は、エレメント達が暮らす、エレメント・シティー。中でも火は、燃やしてしまう性質から、他のエレメントからも敬遠されがちで、火の街の中だけで暮らしていた。そんな火の街で、火のエレメント・エンバーは、父の店を継ぐことを小さい時から夢見てきたが、水のエレメント・ウェイドに出会ってからは、自分を縛り付けていた慣習を脱ぎ捨て、広い世界への憧れも抱くようになる。そして、ウェイドに対しても恋心を抱いていく。

全体的には、それほどのサプライズも無く、ストーリーも単純。子供から大人まで楽しめる、ディズニー・ピクサーらしい作品と言える。もう少し、クライマックスの盛り上がりが欲しかった。しかし、隣で観ていた親子連れの小さな女の子は、ラストシーンで泣きじゃくって、大きな嗚咽をしながら見入っており、心のピュアさに、微笑んでしまった。

今回は、吹き替え版で鑑賞したが、主役のエンバーの声優を川口春奈が務めていたが、まあ、それなりに頑張ってはいたが、女優の声で、声優の声ではなかったように思う。その点、ウェイドの声優を務めた玉森裕太は、本物の声優の様で、ウェイドの風貌や表情合わせて声色を変えており、ドラマの演技のセリフよりも良かったように感じた。

bunmei21