「ちょこちょこ走るノイズ」ミステリと言う勿れ 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
ちょこちょこ走るノイズ
出来はともかくとして、シンプルに「好きじゃない」と感じる作品。
主人公の「常々疑問におもっているのですが…」はいつもピントがズレた話になることばかりなのに、このエピソードではそれが特にヒドイ。
一般論に対して例外を取り出してそれを一般化するという論理的な思考ができない話ばかりだし、注意のつもりで変な例え話を始めるせいでその真意が対象に伝わらないなど、主人公の能力に疑問が湧く。
ついでに不必要な登場人物多すぎない?
まぁそれは原作からなので映画のせいじゃないのだけど。
映画での問題点は、まぁまぁ筋の通った展開にミステリーとしての出来は悪くはないものの、常にどこか緊張感に欠けてること。
基本的に演出が拙く、制作側の都合であって物語のためのものではないと感じるとこも多い。
ココ一番で流れる感動のBGM「カメレオン」は個人的には不安定な不協和音に聞こえる部分もあり、あまり好きではないのだけど、作中での使われ方が雑過ぎてかわいそうに感じるほど。
どう考えてもそれぞれのプレゼントを受け取るシーンで流すべきなのに、主人公のゴミのような感想を聞くシーンで流すのは正気を疑うレベルで意味が分からなかった。
特筆すべきは松嶋菜々子の包み込むような存在感と品。
エンディングをまとめるにふさわしい演技が非常に良かった。
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