「ほどよいミステリーに満足した」ミステリと言う勿れ HIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
ほどよいミステリーに満足した
全然期待せず、原作もドラマも観ていないけど
すぐに世界観を把握できた。
しかも10分遅れて入館して、遺言書を読み上げる
ところからだった。
あんな特種シチュエーション有りますかいな!
ってファンタジーとしてすんなり入り込めた。
キャスティングがいい。
原作との解離はわからないが、
映画単体として面白かった。
まあ犯人はすぐにわかったのだけど、
演劇が出てきた辺りからそう来るかーって
ミステリー展開に妙に納得した。
岡山県じゃなく隣の広島県だけど
金田一ファンとしては、
個人的にもっとドロドロしててホラーテイスト
をガバガバに盛り込んでほしかった。
でもライトで非現実的なミステリーも大好物。
映画でも言ってたけど犬神家の一族をベースに
血の争いに期待したが、そうじゃなかった。
やさしい世界が全体のベースにそれとなく
薄く匂わされていて、骨肉の争いは(本当は
期待したけど)「謎解き」の期待に中和されて
そんなに求めなくなっていった。
主人公が探偵というよりセラピストの代わりに
なるパターンの物語で好感持てた。
まあ骨肉のドロドロも好きなんだけど!
メインの女子高生の女の子(名前わからない)の
微妙な立ち位置に、もうちょっと線の細い
知的っぽい子の方が良かったかもしれないけど
全体のバランスではバッチリだったと思う。
有村架純のような天然の純真さとどこか
物悲しい笑顔が出来る貴重な女優さんだなと
思った。演技力が高く一瞬のフッした顔が
憑依したかのようで引き込まれる一瞬を
持っているなあと思った。
他の従兄弟ではやはり柴咲コウが別格。
気の強さと隠している弱さがチラホラで
いい味だしていた。
本来一番華を持っていると思うが
脇役に徹して引きと調和の演技がすごいな
と思った。
最後の方の女優も有無を言わせぬ華々しい
女優オーラがちょっと違和感有ったけど、
うまくギリギリこの映画に溶け込んでいた
と思う。
それにしても豪華キャスティング。
でもただのキャスティングで、
それらしいタメのアップや思わせ振りな
ミスリード部分はほぼ無かったのが
逆に良かった。平坦で淡々とした感じ。
チラッと出てきたガロ?(金髪の人)って誰。
絶対キーパーソンやろ。
ドラマを観てみたい、と思った。