「前半ライト、後半ヘビー」ミステリと言う勿れ ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
前半ライト、後半ヘビー
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広島に印象派展を見に行った久能、遺産相続になると必ず死人がでるという狩集家遺産相続会議に立ち会わされる展開。ひと昔前であれば、遺産を巡る連続殺人として物語として成立してました。しかし、現在においてはリアリティがありません。そもそも莫大な遺産を特定の人に全て与えるということは法律上成立しないからです。名家、莫大遺産、大きな屋敷、4人の相続対象者、そこに風変りもじゃもじゃ頭な男、犬神家の一族へのオマージュです。しかしそこから見事に話は現実的な解決となります。ライトタッチな前半です。
後半はそもそも遺産を当主1人だけに相続するのか、このなんとも薄気味悪い屋敷の意味はとなります。殺人事件が発生するのではなく、過去の事件、事故の謎解きとなっていきます。内容的には横溝正史の世界である過去の因縁が色濃くでてきます。久能の言葉数が多く、妙なこだわりと淡々とした性格が中和させつつ、納得のいく結末となります。
残念な点としては、単発作品としていちづけるのであれば、冒頭とラストに犬堂我路(永山瑛太)やテレビシリーズ登場したレギュラー出演の刑事達のシーンは不必要であり、無駄に上映時間を長引かせているとしか思えません。菅田将暉は良いのですが、原作の久能はもうすこし面長の顔なのでそこもやや気になります。
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