「頭なでなでをやめた理由の考察」ミステリと言う勿れ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
頭なでなでをやめた理由の考察
原作を読んでいて、疑問に思っていた点がある。
それは、泣く汐路を、整が頭をなでなでしようとしてやめたのは、何でかということ。
映画を見ていて、ひらめいたのだけど、
あれは、汐路にとって身体接触が、性犯罪・性的虐待の文脈におけるグルーミング(てなずけ)になりうると思って、やめたのかなって思った。
自己肯定感が低いと、身体接触は他人がくれた肯定にすり替わりやすい。
ある意味正しいけど、それ以外の意味(性的搾取など)も多分に含まれることを想定できない。
自分が嫌いで、でも好きになりたいから、自分を認めてくれる誰かや何かをずっと探してる。
その状態で、得た接触に縋り付いてしまう。溺れている人に投げられた浮き輪のように、必死に縋り付いてしまう。
すでに汐路は朝ちゃんから、ある種のグルーミングを受けている。
性的な搾取はされていないかもだけど、監視の道具にされ、父親の死のきっかけにもされた。
さらに、ほかの要因でも汐路には闇がある様子。首に巻く何かが怖いとか。
そのうえ、朝ちゃんにされていたことを突き付けられた今、より弱った精神に容易な支えは危険と判断したんだと思った。
また、大学生の整がそこに思い至るということは、彼は汐路の経験をすでに経験していたのでは、と思った。
整の過去が壮絶であろうことは、この描写以外にも思い至る節は沢山あるけども、少なくとも誰かに手なずけられ、その結果何かを搾取されたんだろうって、確信に近い感じで思った。
でなきゃあの年齢で、頭なでなでをハッとしてやめる、という行動は起こせないと思う。
悲しみに寄り添うため、なでなでしていたと思う。
なでなでが、必ずしも良くない結果を引き起こすわけではないと思う。
ただの慰めで終わる可能性もある。でも整には、とても危険な行為に思えたんだろう。彼の経験に照らし合わせて。
洗い物を取り合うところ、川に落ちるときの声、ぱんつを奪取するときの動きなど、菅田将暉うまいなあと思った。
りきのすけのストパーかかっているという髪は、そんな短い髪(特に刈上げ仕上げの後頭部)でストパーかかるかいな、もうちょい全体的に髪長くしてよ、と思った。
ドラマ、シーズン2いつかあるのかな?あったらいいなあ。