「原作読了済みです。ドラマは見ていません。」ミステリと言う勿れ 小竹向原さんの映画レビュー(感想・評価)
原作読了済みです。ドラマは見ていません。
狩集家兄弟の親とのエピソードは丸々カット、汐路と整の出会いシーンもあっさり。これは必要ないと判断されたんだな。
翻って整がゆらの父親に説教するシーンには長尺使ってましたね。
私は女性ですが、原作のそこかしこでも整はこういう説教をしていて、原作者は整(恐らくあえて男性)に仮託して世の中への愚痴なんかを披露している点に気持ち悪さを感じていて、話は面白いのになんだかなと思っていました。フェミニストなのかな?とも。
映画では別に要らなかったんではないかなと、鑑賞後数日経ってふと思いましたね。
整の性格は他の場面で十分理解出来るし。
菅田将暉さんの演技で中和されていた部分もありましたが。
兄弟の親シーンをちょこっとでも入れた方が、遺産相続争いのおどろおどろしさが出て良かった気がする。原作では3人とも、遺産なんか別にいらないよーみたいなスタンスでは決してなかったんですよ。それぞれ理由があった。
汐路だけ「母のために遺産が欲しい」っていうのも切迫した感がなくてピンとこないし。
他に気になったところは、居眠り運転シーンですね。運転席でこっくりこっくりしていたら、助手席に座っている者なら必ず気がつくはず。あれって全員薬飲まされてたんだっけ?と原作の該当シーンを忘れていたのでそう思いながら観ていましたが、睡眠薬飲まされていたのは汐路父だけですよね。
かなり無理があるな。地方在住なら他の者も免許証を持っているだろうし、普通の神経なら運転代わるだろう。
完全に寝落ちする前、ふらつき始めた段階で同乗者は異変に気づくだろうし。
松下洸平さんの爽やかなサイコパス感は良かったな。終盤のクズセリフも、連行されながらごちゃごちゃ喚いていたのも振り切ってて気持ち良かった。整の「大きい方をくれる人が良い人とは限らないです」に納得。
ガロ役の永山瑛太はないわー。四十路のオジサンに金髪役はかなり無理がある。笑うとほうれい線くっきりだし、ガロはそういえばいくつっていう設定なんだっけ?とずっと気になり、集中出来なかった。
でも面白かったので星4つ。