劇場公開日 2023年9月15日

「今の時代の名探偵、整くんの言葉が沁みる…。」ミステリと言う勿れ のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今の時代の名探偵、整くんの言葉が沁みる…。

2023年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

ドラマ、漫画は一切みてません。
推しが出演しているので、観に行きました(大満足)♪

ミステリとしては、動機も犯人も分かりやすくて、内容的にはイマイチ。
4つも蔵がある大邸宅、いわくありげな遺産相続人に名探偵という舞台設定はワクワクしました。
整くんの変なこだわりや独特な言動は、笑えてよいスパイスです。

でも、何よりよかったのは、整くんが汐路ちゃんをはじめ皆に伝える数々のメッセージ。
こういうことをちゃんと言ってくれる人に出会えることは幸せです。
後悔や失敗に立ち止まらず、常識や他人に引きずられず、自分らしく生きて欲しいです。

10代の頃、夢中で読んだミステリに登場する名探偵は、超人でした。
初めてロンドンに行った時は、大好きなホームズとポワロの世界に浸り、感動で震えました。
この頃の名探偵は、事件の犯人や関係者とは一線を画す特別な人でした。

でも、整くんは、関係者のひとりのような顔をして、そこにいます。
そして、周りの人に寄り添い、その人に必要な言葉を掛けます。
それは、名探偵というより、メンターのようです。
「子どもの心は、固まる前のセメント」という言葉、子どものいる私にもぐさりと刺さりました。
犯人の心(セメント)には、どんなくぼみや傷があったのかなと想像しました。

「ミステリと言う勿れ」のドラマや漫画を読みたくなりました。
こんなふうに思ったのは、前編鑑賞帰りに本屋で漫画全巻購入した「デスノート」以来です。
整くんというとても魅力的なキャラクターと、それを演じる菅田さんに出会えて感謝です。

のりたまちび