「ご都合主義を笑うかのような死闘篇。」ガールズ&パンツァー 最終章 第4話 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
ご都合主義を笑うかのような死闘篇。
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前作の最後で主人公のあんこうチームが撃破されての第4話。ああ、これでみんなで桃を助けて卒業&進学させる、という目的から、桃自身が指揮官として成長する話になるのだろうと、思っていたけど全然違った!
ガルパンの凄みは、結局のところ戦車戦(というか戦車道)は根性とか勢いとかではなく、冷静さを保ったものが勝つことだと思っていて、確かに大洗女子が大ピンチに陥ったからとて、桃が突然冷静沈着になるのもおかしいし、さりとてみんなが慕うカリスマリーダーになるのも違うだろう。
結果、そういうストーリー上の要請と戦車道は別物であると宣言するかのように、ただただ残った大洗女子と継続高校の死闘が描かれる。桃や生徒会長も早々に撃破され、あとはやはり一番冷静さのポテンシャルがある下級生にバトンが渡される。撃破されたあんこうチームの出番すらほとんどないことも、本当の今回のエピソードには必要がなかったから、としか言いようがない。
そして雪崩のシーンのようにリアルよりも荒唐無稽さに振り切った感はあるものの、戦車を使ったアクションのクオリティは相変わらず他の追随を許さず、新たにできることに挑戦し続けている。
黒森峰にグロリアーナが勝って決勝進出、というのは、まあライバルキャラなのに長らく直接対決のなかった(そして大洗がちゃんと勝利していない)ダージリンと対決するのが筋だなので既定路線だと思うが、既定路線を守りつつ、こちらの先入観をどういう形で裏切ってくれるのだろうかと残り二話も楽しみにしています。できればもう少し早く観せてほしいですけども。
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